『鬼滅の刃』は、社会現象まで起こした吾峠呼世晴さんによる漫画作品です。
2016年11号から2020年24号まで連載され、コミックの発行部数は電子書籍を含めるて1億5000万を突破。さらに、2020年10月16日に映画として「無限列車編」が公開すると、興行収入が400億を突破…!
そんな大人気の『鬼滅の刃』で序盤に登場する、炭治郎や義勇さんと関係の深い「錆兎」についてご紹介します。
錆兎とは

錆兎は、「水の呼吸」の育手である鱗滝左近次の弟子です。
錆兎は、竈門炭治郎が狭霧山にて水の呼吸を扱え切れず苦戦していた際に、いきなり木刀で襲い掛かってきました。
しかし、それは大きな岩を斬れずにいた炭治郎への激励であったため、炭治郎へ「水の呼吸」の先輩として打ち合いを行い、実践的な修行をつけるためのものでした。
錆兎の外見

登場した際には、口元から頬にわたって大きな傷がある厄除の面で顔を隠していたため、炭治郎は顔すらわかっておらず、宍色の髪を持つ謎の少年として炭治郎の前に立ちはだかっていました。
炭治郎とは初対面で、刀を持ってわずかな炭治郎でもわかるほどの見事な剣術を披露しており、炭治郎からは素顔に対する追及はされません。着物は、「亀甲柄」とよばれるもので、着物の上から白い布地の羽織をまとっています。
錆兎の顔が初めて晒されたのは、炭治郎が錆兎の厄除の面を斬った時です。
その時の、困ったような寂しいような笑顔は、読者の心を掴んで話しませんでした…!人気投票でも上位に行くほどの人気っぷりです。
そんな錆兎の素顔は、厄除の面と同じく口元から頬にわたって大きな傷があるものの、白い肌と色素の薄い青い目が特徴的な美少年でした。
錆兎の性格

錆兎は、男らしさを追求した性格です。
錆兎の中の”男”とは、「どんな苦しみにも黙って耐える、強い」ものであるようです。
錆兎は自分の中の”男”という理想を追求して、それを目標にしているようで、岩が斬れなくて落ち込んでいた炭治郎にも厳しく”男”になれと言っています。
しかし、それだけではなく、弟弟子である炭治郎に水の呼吸や剣術を教え、さらには同期の富岡義勇が弱音を吐いた際には優しくも強い言葉で叱咤激励をするなど、面倒見がいい性格をしています。
錆兎の同期である富岡義勇は錆兎を「正義感が強く心の優しい少年だった」と言っています。
そんな錆兎の性格が表れているエピソードを2つご紹介します。
天涯孤独の身でも擦れずまっすぐな生き様
鬼滅の刃15巻で、富岡義勇の口から錆兎との過去が語られています。
当時13歳であった義勇さんと錆兎は、鱗滝さんの元で一緒に修行をしており、仲がとてもよかったです。
そして、義勇さんは錆兎の過去も知ります。
錆兎は義勇さんと同じ天涯孤独の身でありながら、姉を亡くしたばかりの義勇に「自分が死ねばよかったなんて二度と言うなよ。」「姉が命を懸けて繋いでくれた命を、託された未来をお前も繋ぐんだ義勇。」と、13歳の子供である錆兎が発言しています。
「鬼」という理不尽な生き物にいきなり家族を殺され、天涯孤独になってなお擦れずにいるだけでも錆兎の強さは理解できるでしょう。
しかし、錆兎はそれだけでなく、自分の生きる意味をしっかりと刻んでおり、錆兎の想いをのせた言葉は何年たっても人の心に残るほどの重みとなっています。たった13歳の子供の芸当ではないと思います。
それほど、錆兎は「強く」男らしい性格と言えるでしょう。
最終戦別で参加者の命を救う心
錆兎は鬼滅隊の最終選別が行われる藤の山で、命を落としています。
しかし、命を落とす前に錆兎が行ったのはとても偉大なことでした。
炭治郎でさえ命からがらの戦いを強いられた最終選別で、錆兎は藤の山にいる鬼をほとんど一人で倒してしまい、錆兎以外の命を全員救ったのです。
最終選別を受けようと思い、力をつけてきた者たちでも助けを呼んでしまう程の相手に錆兎は向かっていき、最終選別を受けた者のことごとくを助けました。
錆兎の最終選別のエピソードは、錆兎がどれだけ強いかだけでなく、すべての人を助けようとする心意気も感じられます。
錆兎は富岡義勇と同期

錆兎は炭治郎や鱗滝さんの心に深く残っている存在ですが、錆兎の死によってで最も大きなしこりを残したのは富岡義勇ではないでしょうか?
富岡義勇にとって錆兎とはどんな存在だったのかを、富岡義勇の立場になって考えていきたいと思います。
鱗滝左近次の弟子

錆兎と富岡義勇の出会いは、2人が鱗滝さんの元に鬼を殺すための「水の呼吸」を学ぼうと思ったことがきっかけです。
富岡義勇は元々姉を鬼に食い殺されており、そのことを町の大人に話したことで「精神が壊れた」と思われてしまいます。
そのため、親戚の医者の元に送られるはずでしたが、義勇さんは勿論精神が壊れたわけではなく逃げ出します。
その先で、鱗滝さんの元にたどり着きます。
そこで出会ったのが、錆兎という同じ年ごろの同じ天涯孤独の身の上で、鬼の存在を信じてくれる少年です。
義勇さんの中で、どれほど錆兎の存在が大きいものだったか計り知れませんね。
医者の元に送られそうなところを逃げ出すほど絶望していたであろう義勇さんの前に現れた、同じ境遇の同性同い年の錆兎との出会いは、義勇さんの心に深く刻み込まれたでしょう。
義勇さんと錆兎は鱗滝さんの元で鬼狩りとして成長し、最終選別の送り出されるほの実力となっています。
富岡義勇に命を繋いでいく意味を伝える
最終選別の序盤で錆兎に助けられた義勇さん意識を失い、すべて終わった後で錆兎が死んでしまったことを知ります。
錆兎が藤の山に住むほぼすべての鬼を倒してしまったことや錆兎以外のすべての参加者の命を救ったことを知りますが、錆兎がいない現状に絶望してしまいます。
錆兎は「姉である蔦子の代わりに俺が死ねばよかった」と言った義勇さんを叱咤激励しており、義勇さんは錆兎の言葉を深く受け止め、蔦子の想いを継ぐ形で蔦子の着物を羽織として着ていました。しかし、さらに錆兎というかけがえのない親友が死んでしまったことで「錆兎のかわりに俺が死ねばよかった」と再び思ってしまいます。
最終選別で全員を救った錆兎の想いを継ぐように錆兎の着物を半分。
蔦子の着物を半分にし、片身替模様(作中でいうところの半々羽織)の形にして、2人の想いを継いでいます。
水柱として力が認められた今ですら「俺は水柱じゃない」という名言を残す程、自分自身を信じられず「錆兎が水柱になっているべきだった」と言っています。しかし、炭治郎から「錆兎さんの想いは繋いでいかないんですか?」と言われ、忘れようとしていた錆兎との記憶を思い出します。
「姉が命を懸けて繋いでくれた命を託された未来をお前も繋ぐんだ義勇。」という錆兎の言葉を思い出し、錆兎の想いを継ぐために、炭治郎たちを育てるため「柱修行」に参加することになりました。
さらには、鬼舞辻無残との戦いでは「水柱として恥じぬ戦いを!!」と、自分が水柱であることを自覚し、錆兎と蔦子のように、「守る」ために、戦いきります。
錆兎は義勇さんの中で生き続け、その思いは21歳になった義勇さんの中でも生き続けていると言ってもいいのだはないでしょうか。
錆兎の最後

錆兎は、『鬼滅の刃1巻』で登場した手鬼(年号鬼)に殺されてしまいます。
手鬼はもともと鱗滝さんに捕らえられ、藤の山に連れてこられたようです。
最終選別が行われる藤の山で生き続けており、その間藤の山へ閉じ込められる原因となった鱗滝さんへの復讐心の元、鱗滝さんが作った厄除の面をつけた「鱗滝の弟子」を重点的に殺しまわっています。
そのことを錆兎が知っていたかは定かではないありませんが、錆兎は刀が折れたことで首を斬れそこねて、手鬼に頭部を潰されています。
錆兎は、結果的に手鬼に殺されてしまいましたが、錆兎は「それまで連戦を続けており刀の消耗が激しく手鬼の強度に刀が負けてしまったのでは?」と巷では言われており、錆兎の「歴代の鱗滝水流派13人中最強」説を信じる方も多いでしょう。
錆兎と炭治郎との思い出深い3つのエピソード

錆兎と炭治郎との出会いは、狭霧山にて水の呼吸を扱え切れず苦戦していた炭治郎を相手に、錆兎が稽古をつけ始めたことがきっかけです。
その当時、錆兎はすでに亡くなっていましたが、同じく亡くなっていた真菰と一緒に炭治郎を鍛えることが出来たのは何故なのか…作品が完結した今でもわかっていません。
未だ謎多き錆兎というキャラクターは登場回数が少ないにもかかわらず、炭治郎にとって非常に印象深い人物となっているようです。
そんな錆兎と炭治郎との思い出深い3つのエピソードをご紹介します。
エピソード①岩の前での初めての会合

「男が喚くな」「そんなものは男ではない」など、初対面で炭治郎に一見キツい言葉を浴びせた狐面の少年・錆兎は、炭治郎を蹴り飛ばして刀を構えるように告げます。
木刀を持つ錆兎に対し、真剣を持つ炭治郎は戸惑いますが、圧倒的な実力差をもつ錆兎にあっけなく意識を飛ばされてしまいます。しかし、錆兎は鱗滝さんの教えをよく理解しており、「岩を斬った」とも言っているため、炭治郎にとってはよくわからない謎の少年でも、鱗滝さんへを尊敬・信頼している人物と理解するには十分すぎる会話だったようです。
錆兎によって意識を刈り取られていた炭次郎ですが、目覚めた瞬間に「すごい一撃だった、無駄な動きが少しもない本当に綺麗だった!!」と初対面の真菰に言うほど感動しています。
炭治郎にとって、錆兎は鱗滝さんとゆかりのある先輩であり、すごい一撃を放てるほどの剣士として認識され、炭治郎は錆兎との稽古を通して技術を学んでいきます。
エピソード②錆兎が真剣を構えた

何度稽古をしても、炭治郎は錆兎から一本も取れませんでした。
その間、なんと半年。
半年間ずっと炭治郎は錆兎に勝てませんでしたが、錆兎は初めて真剣を持って炭治郎の元に現れます。
「半年でやっと男の顔になったな」という錆兎は真正面からの勝負をし、初めて炭治郎の刃の先が錆兎に届きます。
錆兎は故人のため、成長することはないと考えられます。
そのため、半年間でようやく生前の錆兎に何とか届くことができたのでしょう。
藤の山中の鬼を殺しつくすほどの実力を持つ錆兎に一歩近づいた炭治郎は、そこで初めて錆兎の素顔を知ることになります。
エピソード③錆兎の笑顔
錆兎の厄除の面を斬った炭治郎は初めて錆兎の素顔を目にします。
狐面の厄除の面と同じく右ほほに傷がある錆兎は「泣きそうな、嬉しそうな、安心したような笑顔」を浮かべ、霧の中に消えていきました。炭治郎は気が付くと岩を斬っており、最終選別に向かうこととなります。
最終選別が行われる藤の山では厄除の面を持つ者を手鬼が殺しまわっており、錆兎が亡くなってから数年たった今もなお生き続けています。錆兎は炭治郎も戦うだろうと予想していました。
しかし、錆兎は炭治郎に仇を取ってほしいとは思っておらず「もういいんだ俺たちのことは!!」と死後の世界から語りかけています。
しかし、だれよりも大きな岩を斬った炭治郎を錆兎は信じ抜きました。
錆兎に対する世間の声
鬼滅の刃を見た方では、錆兎に「かっこいい」という声が集まっていますね。
しかし、その後の展開を知っていると「ひたすら泣ける」とのこと。
やはり錆兎のかっこよさに盛り上がった絶頂で「実は故人」と知る絶望感の落差が大きすぎるようです。
まだ15巻がアニメ化されるのは先のことだと思いますが、15巻の13歳らしい義勇さんと錆兎とのやり取りをアニメで早く見たいですね。
錆兎の声優は「梶裕貴」さん

梶裕貴さんは、声優アワード主演男優賞受賞を何度も受賞している注目の声優さんです。
甘い声は女性の人気が高く、特に少年から青年にかけたクール系のイケメンキャラから、情熱的なキャラの熱狂的な演技までこなしています。
しかし、梶裕貴さんといえど、売れていない新人時代があります。
新人時代は櫻井孝宏さんに服をもらったり、相談に乗ってもらったりとしていたようで、非常に尊敬しているそうです。
そんな梶裕貴さんが注目され始めたのは2008年頃からで、徐々に主役級の役も増えていき、今ではテレビに登場することも多くなってきています。
舞台では、舞台慣れしていることから周りを引っ張たり、率先して面白おかしようと身体を張ったリーダーシップを見せています。
梶裕貴さんの代表作

梶裕貴さんの代表作は、以下の通りです。
- 進撃の巨人(エレン・イェーガー)
- 七つの大罪(メリオダス)
- マギ(アリババ・サルージャ)
- ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない(広瀬康一)
- 僕のヒーローアカデミア(轟焦凍)
- アクセル・ワールド(ハルユキ〈有田春雪 / シルバー・クロウ〉)
特に、エレン役では迫真の絶叫が有名になりましたね。
七つの大罪のメリオダスでは、舞台で「土下座芸」を恒例のネタになっており、面白いリーダー役として非常に有名になっています。
2021年春アニメとして、僕のヒーローアカデミアの轟焦凍役としても活躍しており、他にも長期のアニメへの出演が非常に多くなっています。
まとめ
錆兎は、『鬼滅の刃』の第1巻で登場し、すでに故人であることが第1巻で明らかになっているため「推しキャラがすでに故人だった!!」とファンの中で深い悲しみを負わせたキャラクターとして有名です。
錆兎の炭治郎への笑顔で好きになり、その後「もう錆兎が見られないなんて…!」と思っていた方に、第15巻で再登場するサプライズがあり、ファンの浮き沈みが激しいですね。
鬼滅の刃が終了した今もファンブックなどで新たな情報が追加されるなどが期待できますので、追加情報を待っていきたいと思います…!
『鬼滅の刃』は、「竈門炭治郎 立志編→無限列車編→遊郭編→刀鍛冶の里編→無限城編」となっており、「竈門炭治郎 立志編」はアニメですでに公開、「無限列車編」は劇場版として登場しています。
次の「遊郭編」では柱である「宇随天元」の活躍が非常に期待されるため、そちらも応援したいですね。