『機動戦士ムーンガンダム』は月刊ガンダムエースで連載中の人気漫画作品です。
新たな宇宙世紀シリーズ作品として『ガンダムZZ』から『逆襲のシャア』につながる物語として、新たな戦争が展開されています。
本記事では、コミック全巻の内容をネタバレしていきます。
最新巻の内容までネタバレしているので、ぜひ参考にしてみてください。
本作品の人物相関図は「機動戦士ムーンガンダムの人物相関図!登場人物・キャラクターの一覧を解説」の記事をご覧ください。
目次
- 1 『ムーンガンダム』の見所を紹介
- 2 【1巻のネタバレ】ガンダムヘッドの漂流から起きる新たな戦争
- 3 【2巻のネタバレ】ユッタの能力でムーンガンダムが始動
- 4 【3巻のネタバレ】カレルの過去と死亡|シャアとアムロも動き出す
- 5 【4巻のネタバレ】ミネバの行方とサキの苦悩|リュースとの出会いで迎える大きな転換期
- 6 【5巻のネタバレ】ミネバ救出のためネオジオンとムーン・ムーンの共同作戦が始まる
- 7 【6巻のネタバレ】ユッタとアムロの共闘|皆が力を合わせてミネバを救出
- 8 【7巻のネタバレ】ユッタとサラサが起こす奇跡|ムーン・ムーンがネオジオンに反乱を起こす
- 9 【8巻のネタバレ】サラサ達の抵抗運動|リセ達の過去も明かされた
- 10 原作コミック9巻の発売日が2022年3月26日に決定
- 11 『機動戦士ムーンガンダム』10巻の発売日はいつ?
- 12 『機動戦士ムーンガンダム』最終話の展開と結末を予想
- 13 まとめ
『ムーンガンダム』の見所を紹介
本編のネタバレに入る前に、まずは簡単に『ムーンガンダム』の見所を舞台や時代背景も交えながら紹介していきます。
【見所①】『ガンダムZZ』から『逆襲のシャア』以降もつなぐ物語
本作品はU.C.0088(ガンダムZZ)とU.C.0093(逆襲のシャア)の間となるU.C.0092の時代に起きた戦争や物語が描かれています。
しかし単に『ガンダムZZ』以降の出来事を知れるだけではありません。
お馴染みのアムロとシャアに加え、ミネバも登場させたことにより『逆襲のシャア』だけでなく、さらに後の『ガンダムUC』や『ガンダムNT』にも繋がる要素まで含まれています。
【見所②】魅力的な新型MS(モビルスーツ)も多く登場
本作品では『Zガンダム』や『ガンダムZZ』に登場した機体を発展させた新型MS(モビルスーツ)が多い点もまた、大きな魅力の1つです。
アムロが搭乗しているリック・ディジェは彼が『Zガンダム』後半で搭乗していたディジェの発展機であり、サフィラが第一部で搭乗したシータプラスもZZガンダムを進化させた機体とされています。
さらに面白いのが、2巻後半から登場したリュース部隊の乗るメドゥッサという名のMA(モビルアーマー)です。
この機体には『ガンダムZZ』でマシュマーが搭乗していたハンマ・ハンマがベースとされており「もしも寝かせた状態で裏返しにしみたら?」という発想から生まれたそうです。
そして最も注目すべきなのは、やはり後のシャア専用機となるサザビーの礎として作られた「バルギル」です。
頭部や両肩の形状がサザビーを彷彿させてくれるデザインでありながら、その本体にガンダムヘッドをつけ替えることで主役機の「ムーンガンダム」となる点もまた、これまでとは大きく違う発想やコンセプトですよね。
さらに、ムーンガンダムの背部についているサイコプレートも、後のνガンダムに装備される”フィン・ファンネル”の原点であることも明かされました。
【1巻のネタバレ】ガンダムヘッドの漂流から起きる新たな戦争
時はU.C.0091…
外部との交流を遮断したコロニー「ムーン・ムーン」では、ユッタやサキを始めとした少年少女たちが“成人の儀式”と称し、お爺(カレル)に連れられて初めての宇宙に見ました。
(ムーン・ムーンでは「13歳で成人」とされています)
そこで見たのは遠くに見える地球と…
ユッタ達の住むムーンムーンもまた、1つの小さなコロニーであるという事実でした。
同じ頃、連邦の外郭組織「ロンドベル」に配属されたアムロが新型MS(モビルスーツ)のリック・ディジェに乗り、ティターンズ残党との戦闘を繰り広げていました。
アムロに撃墜されたガンダムヘッドがムーン・ムーンへと流れ着く
ユッタたちが成人の儀式を迎えている時、別の宇宙では、アムロ(リックディジェ)とティターンズ残党兵によるMS戦が繰り広げられました。
機体の性能差で苦戦させられたものの、アムロの勝利で終わります。
しかし、敵側の機体(サイコガンダムMk-Ⅳ Gドアーズ)を撃墜できたものの、機体が完全に破壊されたわけではありませんでした。
残された頭部(ガンダムヘッド)とサイコフレーム数本が、そのまま漂流していきます。
それから1年後のU.C.0092…
漂流を続けていたガンダムヘッドは数本ものサイコフレームと一緒に、外部から忘れ去られたはずのコロニー“ムーン・ムーン”へと流れ着きます。
漂着したガンダムヘッドでムーン・ムーンに不穏な空気が漂う
成人の儀式を終えてから1年が経過して15歳に成長したユッタですが、好奇心旺盛な性格は変わらず「機械への興味」も尽きません。
この日もムーン・ムーンで機械装置が備わっている塔に登った上、友人2人(クガナとマウノ)と一緒に機械や通信を勝手に使ったことで幼馴染のサキから叱られます。
そんな状況の中で、ムーン・ムーン全体に何かが衝突してきたような振動が起こります。
この振動に対して狼狽える民たちを、光族の長となったサラサが制します。
さらに側近であるリナートがカレルと戦士隊を引き連れてコロニーの外に出ますが、そこにあったのはアムロに撃ち落とされたことによって漂流し続けてきたガンダムヘッドと数本のサイコプレートでした。
リナートやカレルも、このガンダムヘッドこそがコロニーが揺れた原因であることをすぐに理解します。
ただ、そのまま外側に捨ててしまえば事故の原因につながることを危惧したカレルはガンダムヘッドをそのまま神殿に持ち運んで捕縛しますが、民たちからは不満や反対の声が絶えません。
ムーン・ムーンの民にとって、ガンダムを始めとしたMSたちは、今でも“災いの象徴”とされているのです。
その理由は4半世紀前(ガンダムZZの時代)、ジュドー達ガンダムチームとネオジオンの戦闘により、多くの仲間たちを犠牲にされる形で死亡させられたためです。
リナートも当時の戦闘により、幼馴染のラサラと死別させられたため、民と同じように”MSへの憎しみ”を抱き続けています。
一方、グリプス戦役終結から消息不明とされてきたミネバも登場し、地球を目指して移動していました。
ガンダムヘッドとの共鳴でユッタの人生が変わり始める
神殿内に回収してきたガンダムヘッドが原因で民たちが荒れ始める中、コッソリ忍び込んでいたユッタもガンダムヘッドを見た途端に驚きながら、過去に見た出来事を思い出します。
その時のユッタの脳波や想いに共鳴するかのように、ガンダムヘッドも光りながら揺れ始めます。
この直後にリナート達に見つかったため、処罰として牢に監禁されてしまいます。
しかし、牢に入れられたユッタが苦悩しながら叫んだ時にもガンダムヘッドが共鳴し、揺れながら光を放ちます。
この2話では、あくまでも共鳴するだけで終わりましたが…
この時に起きた“ガンダムヘッドとの共鳴”こそが、ユッタの人生を大きく変える前兆となります。
ユッタの能力や搭乗機体(MS)、ミネバやアムロとの関係性については「【ムーンガンダム】主人公(ユッタ)の能力や機体がミネバやアムロを成長させる|最後の結末も考察」の記事を参照ください。
ネオジオンとロンドベルの戦闘にユッタ達も介入していく
ユッタが牢に監禁されている中、ムーン・ムーン付近の宇宙でネオジオンとロンドベルによる戦闘が勃発してしまいます。
先に仕掛けてきたのはロンドベル側のラーギルスであり、砲撃を受けたネオジオンの偽装貨物船アタラント3にはミネバも乗っています。
連邦からの攻撃や追跡を退けるため、アタラント3の船長リセ(オフクロさん)は、強化人間のアゴスにバルギルで出撃させました。
ただ、アゴスは強化人間でありながら精神面が安定している一方で、サイコミュ能力を思い通りに引き出せていません。
そのため、ファンネルを発動させることもできないのです。
それでも同じアタラント3のパイロットたちの助太刀のおかげで、迫ってくるジム系MSたちを蹴散らしますが、新手が放った強力なビーム砲撃に止められてしまいます。
このMSこそが「シータプラス」であり、特命を受けてラーギルスに乗り込んだ女性パイロットであるサフィラが操縦しています。
この戦闘でシータプラスのビームサーベルを喰らったバルギルは、頭部を破損させられます。
一方、ムーン・ムーンでも自分たちのコロニーに再びMSや機械の破片が衝突してくることを防ぐため、リナートを指揮官として宇宙への出撃準備にかかり始めていました。
そしてユッタも牢から出され、友人2人と一緒に“戦士隊”の一員として出撃することになります。
サフィラの目的はシャア|ミネバも本格的に動き始める
ユッタ達が再び宇宙に出た時、ネオジオンとロンドベルは一時的に休戦状態に入っていました。
しばしの休息時間の中、特命によりラーギルスに配属されたサフィラの追っている人物がシャアであることを聞かされます。
一方、アタラント3でもアゴス達が先の戦闘で受けた破損箇所の修理に入っている中、ミネバはリセから先までの戦闘が起きた原因を秘密裏に聞かされます。
自分たちの艦に「内通者が潜んでいること」により、先の戦闘も内通者が連邦に情報を流したため、ラーギルスに待ち伏せされていた可能性も高いことを教えられます。
その事実を確かめるため、ミネバは甲板員たちの制止も聞かず、単身で船の外へと出てしまったのです。
サフィラがシャアを探す本当の理由や搭乗機体(MS)の詳細は「【ムーンガンダム】サフィラがシャアを捜す理由|恋人と機体・死亡フラグも考察」の記事を参照ください。
ユッタとミネバの出会いは心の触れ合いだった
ミネバが単身で船から出た後、ムーン・ムーンでもマウラが大人から放り出されます。
マウラが任務として課せられた信号弾の発射を果たしたものの、それが引き金となって再びネオジオン(アタラント3)とロンドベル(ラーギルス)の戦闘が始まってしまいます。
その戦闘に巻き込まれたマウラのノーマルスーツにつけられていたケーブルが切断されて漂流しそうになりますが、駆けつけたユッタにより助けられます。
しかし、マウラの近くにいたミネバもまた、自分の船から完全に引き離されたために漂流してしまいます。
宇宙空間で完全に孤立させられた瞬間に諦めながら己の死を悟ります。
そんなミネバの心にユッタの呼ぶ声が響いてきます。
ユッタの声に反応したミネバもまた、ユッタに問いかけながら彼のいる方向へと動き始めます。
実はユッタもマウラを助けることに精一杯だったため、漂流していたのです。
ユッタとミネバ…
お互いの声に反応した2人は心の触れ合いという形で出会ったのです。
ミネバと心を通わせたユッタに見えたのは、まだ7歳にも関わらず“ザビ家の末裔”として駆り出されていたミネバの後ろ姿でした。
アゴスとの共闘でユッタのニュータイプ能力が目覚め始める
心の触れ合いとして出会ったユッタとミネバですが、この時点ではあくまでも心の中で話しているだけであり、まだ実際に対面できたわけではありません。
さらにミネバと心を通わせながらガンダムヘッドと共鳴し合う最中に、アゴスのバルギルに拾われたことで現実に戻ります。
アゴスから人探しをしていることを聞かされたユッタは、すぐにミネバのことと気づいた上、彼女がいる方角まで把握していました。
そこでアゴスから手伝うように頼まれながら、ユッタもバルギルのコクピット内に入れられますが、再び動き始めた途端、ジム系MSたちに囲まれてしまいます。
この時もまた、ファンネルがアゴスの能力に反応してくれず、このままでは撃墜されることを悟ったアゴスがユッタに後を託そうとします。
しかし、アゴスからの「最後まで…」の台詞に反応したユッタも「最後まで諦めてはいけない」と言いながらトリガーを引いた途端、神殿のガンダムヘッドがこれまで以上に強い輝きを放ちます。
さらに、バルギルのファンネルがユッタの心に反応するかのように発動します。
【2巻のネタバレ】ユッタの能力でムーンガンダムが始動
前巻でミネバと心を通わせたユッタですが、その後に対面する形で、出会いを果たします。
さらに、この2巻ラストでユッタのムーンガンダムがついに始動します。
ユッタの能力がミネバやお爺(カレル)を救う
バルギルのファンネルがユッタの心との反応で発動したことにより、自分たちを囲んで攻撃してきた連邦のジム系MSたちを蹴散らします。
さらに、その後に遭遇したお爺(カレル)から借りた槍を投げ刺しただけで、サフィラの乗るシータプラスの動きまで止めてしまいました。
これにより、サフィラを始めとしたラーギルスのパイロット達が撤退していきます。
この戦闘が終わると同時にミネバも見つけ出した時点で、ユッタとミネバが対面する形で本当の出会いを果たしました。
ミネバとサラサの謁見|ムーンガンダム完成
ミネバを無事に救出できた後、ユッタたち戦士隊もムーン・ムーンへと帰還します。
ただ、この時はミネバ率いるアタラント3の者たちもムーン・ムーンへ着艦し、リナートに案内される形でサラサとの謁見も果たします。
ミネバはユッタに自分たちを救ってもらえた恩返しとして、損傷したムーン・ムーンの修理を申し出たのです。
その話にサラサも快く応じた上、ミネバたちをリヒト家の邸宅(リナートの自宅)へと招きます。
ミネバがリセ達と一緒にリヒト家での夕食を堪能してあてがわれた部屋に入ると、ユッタも忍び込んでは、ミネバを外へ連れ出してしまいます。
そんな状況の中、コロニー外側ではアタラント3の者たちがカレルの協力も得ながら、ガンダムヘッドの実験にかかり始めていました。
その実験内容とは「アゴスのバルギル本体に、ガンダムヘッドを取りつけてサイコミュ能力を試す」というものです。
自分のジオン製MSにガンダムヘッドをつけることにはアゴスだけが猛反対していたものの、実行してみると意外にシックリときており、カレル含めた全員からはまるで新型ガンダムを見ているような気持ちにさせられます。
ミネバがネオジオンとムーン・ムーンの対立を止める
バルギル本体にガンダムヘッドを取り付けた後、さっそくアゴスを搭乗させての実験が始まりますが、アゴスでは機体が反応してくれません。
そんな中、再び宇宙へ出たユッタとミネバが心を通わせた途端、ムーンガンダムの頭部が輝きながら反応した上、バルギル本体のサイコミュ数値がオーバーライドを起こしたのです。
ユッタとミネバがコロニー内に戻った時、アンスガルとクラースのMSが飛び立っている状況を目撃します。
しかもリヒト家では、リセが「自分たちは嵌められた」と誤解したために、リナートの父親に銃まで向ける始末です。
いきなり襲いかかるリセたちを迎撃するため、リナートも複数の武装した部下たちを引き連れてきます。
この争いを止めるため、ミネバはユッタにキャトルを操縦させながら、スピーカー越しで双方に向けて、やめるように呼びかけました。
その結果、対立を止めることには成功しますが、これにはミネバの影響というよりも、四半世紀ぶりにキャトルが動いたことで民たちを驚かせた方が大きかったのです。
それでも、この時に起こした行動はミネバを1つ成長させたはずであり、後の『ガンダムUC』本編で見せた凛々しさにも繋がっていたように感じます。
レイメルの企みでムーン・ムーンが再び戦場となる
ユッタとミネバがキャトルでネオジオン兵やムーン・ムーンの民たちを説得している中、サフィラも単独でコロニー内に侵入していました。
そんな中でレイメルの部下に捕らえられますが、すぐ解放された上に、レイメルからミネバが滞在していることを教えられます。
サフィラにとってミネバの身柄を保護できれば、目的の人物(シャア)に近づける千載一遇のチャンスと判断し、ラウロ艦長に連絡してラーギルスのパイロットたちにもムーン・ムーンへ入らせようとします。
しかし、ラウロ艦長がコロニーと通信で話している間に、新手のネオジオン兵が現れて殲滅されてしまったのです。
しかも、この時に現れたリュース率いる部隊はリセたちとは違い「ミネバがここで死んでも構わない」と吐き捨てながら、ムーン・ムーンの中で容赦なく砲撃を始めます。
実はこの事件もレイメルの予測通りであり、サフィラを解放したことも含めて、全てはユッタのニュータイプ能力を本格的に覚醒させるための算段でした。
ユッタの乗るバルギル(ガンダムヘッド)がガット部隊を倒す
ネオジオンのガット部隊がムーン・ムーンに侵入および攻撃を開始した時、ユッタはキャトルを勝手に動かした処罰により牢に監禁されていました。
しかし、ガット部隊による容赦ない攻撃で村や建物を破壊される中、アゴスにより解放されます。
アゴスからは神殿内に置いたままのバルギル(ガンダムヘッド)を持ってくるように頼まれたために引き受けます。
ただ、ユッタがMSでアゴスの居場所に到着する前の時点で、再びシータプラスに搭乗したサフィラがリュース部隊を止めるために戦闘を始めますが、ガット達のメドゥッサには“Iフィールド”が搭載されているため、シータプラスの強力なビームサーベルすら防がれて苦戦を強いられます。
そんな中、ユッタの乗るバルギル(ガンダムヘッド)もガットの部下たちに見つかってしまい、問答無用で攻撃を仕掛けられます。
しかし、メドゥッサが放つ4本腕による攻撃が自分に迫る瞬間、ユッタのニュータイプ能力が本格的に覚醒します。
コロニー外側で刺さったままのサイコプレート数本がユッタの脳波に反応して、瞬速でユッタの機体に向かっていきます。
あまりにも速いスピードでユッタの元に来たプレートが当たったことでリュースの部下1人(レフィ)を速攻で倒してしまいました。
しかも、サイコプレート数本がバルギル(ガンダムヘッド)の背部に集まっては“三日月”の形状に変化した上、強い光を放ちます。
この光景をネオジオン兵や民たちと一緒に見ていたサラサは「月(ムーン)」と、そしてミネバは「ガンダム」と呟きます。
この時点では、まだ正式な名称まではつけられていないものの、これこそが本作品の主役機「ムーンガンダム」誕生の瞬間となりました。
2巻目のラストにして、やっと主役機が出撃してくれたわけですが…
今にして思うと、本作品の単行本1巻と2巻が同時発売された理由が何となく分かりますよね。
【3巻のネタバレ】カレルの過去と死亡|シャアとアムロも動き出す
この3巻で第一部が完結します。
前巻ラストで、ユッタがついにムーンガンダムで初陣と同時にガット部隊を蹴散らしますが、思いがけぬアクシデントが発生してしまいます。
この事態を救うためにカレルが命を張って守る中…
カレルの過去を遡る形でムーン・ムーンの古い歴史やユッタ誕生秘話が明かされます。
ガットの残虐さでムーン・ムーンに穴を開けられてしまう
ユッタの覚醒により、ついにムーンガンダムが真の輝きと強さを見せ始めます。
背部にまとまり、三日月の形状に変わったサイコプレートは、ガットやマースからの攻撃が迫った瞬間、再び1本ずつに分離したと同時にムーンガンダムの前に出てはシールドのように弾いて防ぎます。
この状況の中でサフィラのシータプラスもユッタに加勢する形で再び戦場に入りますが、サフィラもこのコロニー内にミネバがいることを知っていたため、マースからの攻撃で本当に殺されそうになります。
その光景を見たユッタがサフィラを救うため、サイコプレートの1本を掴んでは槍のように強く投げ飛ばします。
そのサイコプレートはメドゥッサ(マース機)のコクピットだけを貫いたため、機体を爆発させずに倒せました。
しかし動けなくなったマース機を、ガットが自機でメガ粒子砲を放ち、容赦なくトドメを刺してしまいます。
さらに、この行動は使えなくなった仲間を殺すためだけでなく、コロニー内に大穴を開けるためのものでした。
その結果、先の攻撃で空けられてしまった穴よりも倍以上に大きな穴を空けられてしまったことで、コロニー内での空気漏れが急速に進んでしまいます。
カレルとアゴスがキャトルでコロニー内の空気漏れを食い止める
仲間をも平気で殺すガットへの怒りを露わに出しながら飛びかかるユッタですが、操縦技術は素人のユッタが敵うはずもなく、ビームサーベルでの斬り合いにおいては全く歯が立ちません。
地面に倒され、トドメを刺されそうになるユッタのムーンガンダムを救ってくれたのは、キャトルでした。
この時にはカレルとアゴスが搭乗しており、キャトルの大きな腕を振り上げることによって、ガットのメドゥッサを遠方まで吹っ飛ばしてくれたのです。
さらにカレルは、このキャトルなら大穴を塞ぐことも可能と断言しながら、さっそく行動に移ります。
操縦しているカレルが大型のキャトルで大穴に入って“栓”の役割をしている間、アゴスには肩部からの“トリモチ”を集中的に発射させ続けることで大穴を防ごうと考えたのです。
カレルの過去やムーン・ムーンの古い歴史が明かされる
キャトルを使って大穴を防ぐ作戦を実行する中、カレルがアゴスたちに言い聞かせるように”連邦政府の設立”や”人類の宇宙移民”について語り始めます。
その話の最中にカレルの過去が明かされる回想シーンに入りますが、カレルも元々は他所のコロニー出身かつスペースノイドだったのです。
さらに若い頃にはジオン・ズム・ダイクン(シャアとセイラの父親)の理想を実現させるために働いてきた“協力者の1人”でもあったのです。
しかし、ジオンの掲げる「ジオニズム」の主義についていけなくなったカレルは、まるで逃げ出すかのようにジオンの元から去ります。
ジオンから去った後、流されるように移動した果てに辿り着いた場所こそがムーン・ムーンでした。
カレルがムーン・ムーンに流れ着いた時代は、まだU.C.0052の頃…
当時の光族の長として民をまとめてきたエルド・ムーン(サラサの父親)と出会い、歓迎されます。
ムーン・ムーンも一時は過激な思想のカルト派閥が勢力を伸ばし始めたことで、ムーン家を祖とする光族との内戦が起こったそうです。
それでも、この争いを経たことで“光族の統治”が軌道に乗り、カレルが漂着した頃に「ムーン・ムーンとしての文化圏が形成され始めた」とされています。
ムーン・ムーンが外との接触を避けるようになったのも、おそらくはカルト派閥のような組織との接触を避けると同時に、そのような戦争を引き起こさないための防護策だったのでしょう。
カレルも、ムーン・ムーンの歴史や体制を受け入れた上で、これまでの仕事や人生とは完全に決別し、皆と一緒に農業を始めとした自給自足の生活を始めます。
やがて、そこで親しくなった女性と結婚しては自分たちの息子・クレト(ユッタの父親)を授かります。
その後もクレトを育てながら妻たちと共にムーン・ムーンで人生を謳歌する中、大人に成長したクレトもカーリナと結婚して、ユッタが生まれてきました。
しかし、エルドが天寿をまっとうして他界した後、クレトが病で倒れます。
カーリナからも懇願されたため、家族には隠れて機械通信を使って、他所のコロニーから薬を運んでもらうように手配しようとした途端、病で苦しむクレトから止められました。
クレトから機械まで壊される形で止められたカレルは何も出来ぬまま、カーリナやユッタと一緒にクレトの死を看取ることしかできなかったのです。
ユッタが怒る中でミネバがロンドベル兵に連れ去られてしまう
カレルの回想シーンから再び現在に戻り、キャトルを使用しての作戦が順調に進む中…
まだ完全に倒されていないガットの不意打ちを受ける形でキャトルを激しく損傷させられてしまいます。
そんな卑劣な行為を見たユッタが怒りを爆発させながらムーンガンダムで容赦なく攻撃します。
メドゥッサがもはや頭部と胴体だけになってしまっても攻撃をやめないユッタの前に出て止めてくれたのは、サフィラのシータプラスでした。
一方、ガット達の襲撃によって皆とはぐれてしまったミネバが、その場で行き合ったロンドベル兵(ウバルド)により、ラーギルスへと連れ去られてしまいました。
カレルの死亡を代償にしてムーン・ムーンは守られた
メドゥッサからの不意打ちを受けたキャトルの中に乗っていたカレルは重傷を負いながらも、最後まで命を捨てる思いでキャトルの操縦を続けた結果、死亡しました。
(アゴスは、キャトルが損傷した時点でカレルから促される形で脱出していたために助かりました)
民たちによりキャトルから引きずり出されたものの、もはや助かる見込みもなく、カレル自身も己の死を悟ります。
側で看取るサラサに対して「ムーン・ムーンの中で潜む闇」について話した後、ユッタに対しても”今後すべきこと“を諭します。
それは「ユッタ自身でムーンガンダムを使いながらサラサを守ること」であり、そのためには外の世界も知らなければいけないことも教えてくれます。
それは即ち、これからは「ムーン・ムーンから出て、外の世界を全身で学べ」という意味です。
そこまで告げた直後に息を引き取ったカレルの前で、ユッタ達は涙を流します…。
ザビ家と特別な関係をもつ少年リュースが登場|アムロとシャアも動き始める
ユッタがカレルと死別する中、他の者たちの動向や立ち位置も変わり始めます。
ムーン・ムーンでユッタを見守るように、カレルの死を看取っていたサフィラはリセに銃を突きつけられる形で捕らえられます。
同じ頃、激しく損傷したメドゥッサで何とか宇宙へ脱出していたガットが、ネオジオンのエースパイロットであるリュースからの攻撃を受けて死亡しました。
さらにリュースは、拉致されたミネバも搭乗しているラーギルスに対しても攻撃を仕掛けます。
(ラーギルスに対しては、リュース自身もミネバがいることを知っていたため、撃墜まではしていません)
リュースがミネバのことを「僕のプリンセス」と不敵に呟きながら、自分のMS“ダグ・ドール”でムーン・ムーンへと降り立ちます。
(後の展開で、このリュースがザビ家と特別な関係にあることが明かされます)
そして地球ではナナイと共にいるシャアが地上に立ちながら宇宙を眺めており、その宇宙では「ラーギルス捜索」の任務を受けたアムロが2人の部下(ジョーとオルヤン)を引き連れる形で、再びリック・ディジェで出撃します。
そして、カレル(お爺)と死別したユッタにも、大きな転機が訪れようとしています。
【4巻のネタバレ】ミネバの行方とサキの苦悩|リュースとの出会いで迎える大きな転換期
この4巻から第二部に突入します。
シュアやアムロが少しずつ動き出した展開にも注目したいところですが…
この巻からユッタやムーン・ムーンに大きく絡んでくるリュースからも目が離せません。
アムロが再びネオジオンと戦闘するがシャアの行方は掴めず
前巻で消息不明となったラーギルスの捜索を命じられたアムロが2人の部下を連れて、再びリック・ディジェで出撃します。
アクシズの新型MSセコハンを倒すと同時に捕らえては、ジオン兵にシャアの行方を問いますが、このジオン兵も用意周到であり、アムロがハッチを開けて姿を現した中で、手榴弾を放ち隙をついて逃げてしまいました。
結局、この戦闘ではシャアの居場所どころか、手がかりすら掴めませんでした。
サラサやリュースがムーン・ムーンの闇に迫り始める
ムーン・ムーンではカレルのお弔いも済んだ後も、以前まで以上に不穏な空気が流れ始めます。
前巻までの襲撃事件後にカレルから聞かされたことで、サラサも自分がこれまでに知らずにきた“ムーン・ムーンの闇”に迫り始めます。
サラサはリナートを呼びつけては、彼に対してアルツトの長・レイメルとの面会を求めました。
リナートや父親は仕方なく応じる考えの一方、リナートの母親・ニルダが猛反対します。
ムーン・ムーンではアルツトの長との折衝はリナート家の役目とされており、それ以外の者たちがレイメルと接触することは”禁止事項(タブー)”とされてきたのです。
怒りを抑えきれないニルダが邸宅を出ては、アルツト族の神殿に向かいますが、辿り着くと同時にレイメルが現れます。
この2人が向き合う中、レイメルが頭部の装束を外して素顔を露わに出した途端、ニルダは「リナート」と呼び、レイメルの方もまたニルダに対して「母上」と呼びながら応えたのです。
自分たちの状況をムーン・ムーンに侵入してきたばかりのリュースから見られていましたが、この2人が気づくはずもありません。
しかも、ニルダが帰った直後にはリュースの方からレイメルに接触していきます。
リュースもサフィラと同じように、ムーン・ムーン内に仕掛けられている葉っぱの形をした通信機の存在に気づいており、そのことをレイメルに対してストレートに伝えてきます。
そんなリュースを不審に思ったレイメルは付近の部下たちに抹殺を命じますが、リュースが連れ歩いているソロン(ハロと同じ形状の丸型ロボット)を使っては、軽く跳ね除けてしまいます。
そして、自分に対して不信感を抱き続けるレイメルに対して、リュースから「友達になろう」と手を差し伸べます。
ミネバはラーギルスで保護されていた|サキは見捨てたことで苦悩する
ニルダとレイメルの接触で謎がさらに深まる中、アタラント3やラーギルスでも変化が起きていました。
17話でリセに捕らえられたサフィラは、アタラント3の個室に監禁されながら、リセからの拷問による取り調べを受けていました。
しかし、サフィラもミネバが拉致された状況は見ていなかったため、ミネバの行方はサフィラにも分かりません。
そのミネバはウバルドに連れ去られるまま、ムーン・ムーン付近の宙域で待機中のラーギルス艦内で保護されていました。
この時代のミネバはまだ13歳でラウロ艦長の娘よりも幼く、彼から心配されていました。
そこでラウロ艦長が出した「ミネバへの措置」とは処刑などでなく、自分達の連邦にお連れして「これまでとは別の生き方を見つけさせる」というものでした。
それでもミネバはラウロ艦長からの提案には応じず、あくまでも“ネオジオンの末裔”としての責務を果たすことを考え続けていたのです。
同じ頃、ムーン・ムーンでは民たちによる”ミネバ捜索”が続いていましたが、見つかるはずもありません。
浮かない顔のサキはアゴスやユッタから声をかけられますが、サキは自分が「連れ去られるミネバを見殺しにした」と苦悩していたのです。
幼少期に一緒に遊んだ小屋の中で涙を流すサキに対し、ユッタはミネバはまだ生きていることを伝えると同時に小屋から出て行ってしまいます。
ユッタが向かったのは、ムーンガンダムが光族の大人たちにより見張られている場所です。
リュースがユッタに接触|ムーンガンダムと名付けられる
ユッタが再びムーンガンダムを動かそうと決めたのは「サキはミネバを見殺しになどしていないことを証明するため」でした。
そのムーンガンダムは今でも大人たちに見張られており、コクピットに入り込むことすら出来ないため、ユッタは少し離れた位置(茂みの中)から頭の中で念じて動かそうとします。
しかし、いつの間にかユッタの側にいたリュースが「無理だよ」と教えながら声をかけてきます。
ガンダムは決して魔法の道具などではなく、パイロット自身がコクピット内に入らなければ、搭乗者の脳波を拾ってくれません。
21話でお互いに自己紹介を交わした後、ユッタは自分が起動させた巨人が”ガンダム“という名称であることを教えられた後、リュースによって「ムーンガンダム」と名付けられました。
その後にクガナやマウノにも協力してもらい、見張り役を引き離した隙にリュースと一緒にムーンガンダムに乗り込みます。
港内での大混戦をユッタのムーンガンダムとリュースが止める
リュースと共にムーンガンダムに搭乗したユッタは、連れ去られたミネバを救出するため、宇宙に出ようと考えます。
それにはコロニーの港から出る必要があり、さっそく向かいますが、ムーンガンダムが動き出したことに気づいたリナート達はリセたちの仕業であると誤解しては、彼もまた戦士隊を連れて出撃します。
そのため、ユッタ達が港に入った時には既にリナート率いる戦士隊とネオジオン兵による戦闘が始まっていました。
さらに、その混乱に乗じるかのように何者かが監禁中のサフィラを解放したため、彼女も脱出を始めます。
狭い港の中での大混戦を目撃したユッタは何が起きているのか全く理解できませんが、ネオジオン兵が発砲した銃弾がサフィラに当たりそうになる瞬間、サイコプレートを放つことで助けます。
その後にはアタラント3のMSからの攻撃を受けて応戦しますが、その最中にリュースだけがコクピットから出ては、皆に呼びかけて戦闘を中断させます。
さらに「このムーンガンダムこそがネオジオンの力となってくれること」まで宣言したのです。
【5巻のネタバレ】ミネバ救出のためネオジオンとムーン・ムーンの共同作戦が始まる
港内での混戦もおさまり、ミネバがラーギルスにいることも判明します。
それにより、リュースが作戦の主導を握る形でネオジオンとムーン・ムーン共同でのミネバ救出作戦が始まります。
アムロがνガンダム開発計画を既に考案していた
前巻の戦闘からラーザイムに帰還したアムロが2人の部下に対して、自分の新たな専用機となる「νガンダムの開発計画」の考案を始めていることを話しました。
この時点ではまだ実行までには至れていないものの、これより1年後(逆襲のシャア)に、アムロ自身の計画が実現することになります。
また、この時点ではリガズィの開発や生産は開始されていることも判明しましたが、これにはダブルゼータやZガンダムが第一次ネオジオン戦争終結後から行方不明となっているためでもありました。
ネオジオンとムーン・ムーン共同でミネバ救出作戦開始
港内での混戦がおさまった後、アタラント3の者たちによりムーンガンダムの“塗り直し”が行われていました。
これまでは全身パープルでしたが、頭部や両腕と両脚を白に、胴体は青系の色に塗り替えられたことで、やっと「主役機(主人公のガンダムらしい姿」に変わりました。
その後にはリュースがリセ達を引き連れてサラサと謁見する中でミネバ救出のための“共同作戦”を願い出ます。
サラサもミネバの身を案じていた一方、自分達も協力することにより戦争に介入してしまうことを恐れていたために断ります。
しかし、リュースからの言い分を聞かされたことでやむなく承諾しました。
リュースからの言い分とは以下の2つです。
- コロニー修理のためにアタラント3を迎え入れた時点で、ムーン・ムーンも既に戦争に介入していること。
- 自分達でミネバ救出後に、連邦側には立ち去ってもらう。
②を実現することにより、ムーン・ムーンの介入で起きたことをなかったことにすれば良いと言うのです。
それでも完全に納得しきれないサラサでしたが「ガンダムを使えば、人の血を流さずに済む」という説明が決定打となり、サラサもリナート達も出撃させることに応じました。
この共同作戦を聞いたユッタもまた、宝物庫にあったノーマルスーツを着用して、アゴスと一緒にムーンガンダムに乗り込みます。
そしてコロニー内でサキや母親から見守られる中、ムーンガンダムとしては初の宇宙へと出撃します。
リュースが残酷な本性をユッタやミネバにも見せ始める
リュースが提案した共同作戦とは、ユッタとアゴスのムーンガンダムで陽動している間に、リセやリナート達が乗り込んだアタラント3でラーギルスに侵入してミネバを救出する手順になっています。
ユッタたちの前にウバルドの乗る“ジムⅢブルドック”が立ち塞がりますが、このウバルドはユッタのムーンガンダムに対して、過去の戦争で大勢の仲間たちを殺された恨みを込めながら容赦なく攻め続けてきます。
それでもユッタはウバルドを殺さず機体だけを壊す形で勝利しますが、その直後にダグ・ドールに搭乗したリュースが近づきます。
そして、ユッタに対して動けなくなったウバルドのMSにトドメを刺すように命じてきます。
それでも結局は実行しなかったユッタに幻滅しながら単身でラーギルスへと向かっていきます。
ラーギルス艦内では既にリセ達と戦士隊が侵入しており、連邦兵士たちを次々と殺しています。
連邦側も銃で応戦しますが、完全に劣勢へと追い込まれていたのです。
そんな状況を見かねたラウロ艦長がミネバも連れて自分たちだけでも艦内からの脱出を判断し、マリに脱出艇の場所まで連れていくように命じます。
しかし、ミネバと2人きりとなったマリがソロンからの電磁波を受けて気絶させられ、リュースがミネバに対して丁重に挨拶します。
ここでリュースが自分の目的をミネバの前で告げます。
リュースもまた「ジオンを継ぐために生まれてきた子供」であり、ミネバと一緒にジオン再興を果たしてから「シャアを倒すこと」を目的に動いてきました。
ミネバのことを「プリンセス」と呼びながら手厚く迎え入れようとするリュースに対して、ミネバは怪訝な表情で睨みつけるばかりです。
自分を拒絶するミネバに対し、リュースも先程のユッタの時以上に、残虐さと悪意に満ちた表情を露わに出し始めます。
リセ船長が猛毒ガス(G3プラス)注入を宣言
リセ達やリュースより遅れる形でユッタもラーギルスに潜入した時には、既に多くの死者たちも出ており、無重力で浮かぶ死体を見たことで驚きと絶望感に溢れます。
一方、ラーギルスをほぼ完全に占拠したリセはブリッジにある通信でラウロ艦長への“取り引き”を伝えます。
ちなみに前巻の混戦中に逃げたはずのサフィラも結局は再び捕まっていたため、リセに捕縛されながら帰還していました。
リセが出した要求とは、もちろん「ミネバを返してほしい」という内容であり、無事に返してもらえれば自分たちが捕縛しているサフィラも連邦側に返すという交換条件つきです。
しかし、ラウロ艦長が取引を拒否したため、リセが奥の手かつ恐ろしい手段を宣言します。
それは「猛毒ガス(G3プラス)を、このラーギルス艦内に注入する」というものでした。
この要求を告げたリセに対して、真っ先に口出ししたのが同行していたリナートです。
リナートの目から見ても、リセは本気で毒ガスを使うだろうと見抜いており、その直後にユッタがブリッジに入りながら怒鳴り込んできます。
この作戦でのリセ達がやってきた戦闘や毒ガスは、ユッタやサラサとの約束(誰も殺さない)を完全に破っている行為であり、ユッタ自身も納得できません。
リセに対して反論を続けるユッタを制したのもリナートであり、彼は「これは大人の話」と言い聞かせますが、ユッタはリナートに対しても激しく反論します。
そんな最中、ラーギルスにアムロからの通信が入ります。
アムロ達もやっとラーギルスの居場所を見つけられたことで、自分の味方たちを助けるために接近してきたのです。
【6巻のネタバレ】ユッタとアムロの共闘|皆が力を合わせてミネバを救出
リセ達によりラーギルスを占拠された上に猛毒ガス(G3プラス)まで持ち出されたため、緊迫した状況が続く中、ユッタとアムロが出会います。
そして、旧主人公(アムロ)と新主人公(ユッタ)による激闘と共闘が繰り広げられます。
ユッタとアムロの戦闘|お互いのニュータイプ能力がぶつかり合う
ラーギルスに接近してきたアムロからの通信が入り、皆が驚く中でもユッタはリセに対して、猛毒ガス(G3プラス)の件やミネバのことで問い詰めます。
リセにとってはミネバを救うことが目的とはいえ「連邦に奪われるくらいなら死んでもらうこともやむ無し」と、ユッタに突きつけます。
そのミネバがリュースに保護されていることを知り、これまでのミネバとの共鳴を思い出しながら「自分のやり方でやる」と宣言した後、ムーンガンダムに乗ってアムロを迎え撃ちます。
始めはサイコミュ能力によるサイコプレートの攻撃でアムロを驚かせるユッタでしたが、操縦や射撃は完全に素人であることをすぐ見抜かれてからは、ユッタの劣勢へと変わります。
MS性能では劣ってもアムロの強さは本物であり、次第にユッタのムーンガンダムをも追い詰めていきます。
アムロとユッタが戦う中、そして2人の戦況を見つめるリセが躊躇う中で、ミネバを気絶させていたリュースがリモコンのスイッチを押して猛毒ガス(G3プラス)の装置を発動させてしまいました。
毒ガス駆除のためユッタとアムロの戦闘は共闘に変わる
アムロに勝てないことを悟るユッタですが、それでも今は毒ガス駆除やミネバ救出の方が優先であることも、しっかり理解していました。
そこで戦闘から切り替えて、アムロに助けを求める行動に変わります。
ムーンガンダムのサイコプレートを広範囲で広げては、自分とアムロのリック・ディジェだけを囲みます。
自分たちを囲んだサイコプレートに脳波を送り込むことで「アムロとの共鳴」を果たし、自分たちやラーギルスの置かれている状況を伝えたのです。
猛毒ガス(G3プラス)の話を聞いたアムロは驚き、ユッタにも手伝うように呼びかけながら、ラーギルスへと向かっていきます。
同じ頃、毒ガスを発生させた張本人であるリュースはミネバを連れ去りながらダグ・ドールで自分だけラーギルスから脱出していました。
アムロよりも先駆けて、リナートとアゴスもラーギルスの外装に仕掛けられたガス装置の場所に辿り着きますが、この2人では止めることも外すこともできません。
そのラーギルスへと向かう最中、ユッタはアムロから毒ガス駆除の方法を言い渡されます。
毒ガスのような人を大量に殺す兵器からは「独特の重い”気”」が発せられており、ユッタとムーンガンダムの能力を使って、その気を感知するように指示したのです。
アムロからの指示を受けたユッタの脳裏には、アムロが一年戦争で戦ってきたMS(ザクやドム)、さらにグリプス戦役で共闘したクワトロ(シャア)の百式まで蘇ります。
さらに、この時だけユッタの目からは、自分よりも前を飛んでいるアムロのリック・ディジェが”ガンダムの姿”に変わったように見えたのです。
それらが見えた中でアムロこそがファーストニュータイプかつ一年戦争の英雄であることを理解したユッタは、さっそく行動に移ります。
ムーンガンダムのサイコプレートをバラバラに飛ばし、先ほどのアムロ戦の時と同じように自分やラーギルスの周囲を囲みます。
ユッタの能力に反応したアムロもまた、ラーギルスに仕掛けられた毒ガス装置の場所を瞬時に見抜きます。
毒ガス装置はラーギルス下部の外装に3個仕掛けられており、アムロが精神を集中しながら速攻で2個を撃ち落として駆除しました。
リュースがアムロを攻撃|ユッタがミネバ救出に奮闘
アムロのおかげで2個の毒ガス装置を駆除できましたが、まだラーギルスの側にいたリュースのダグ・ドールがユッタのムーンガンダムに攻撃を仕掛けてきます。
ダグ・ドールのファンネルが一斉に放たれては、ムーンガンダムを容赦なく攻撃するものの、ユッタもまた素早く反応して全て避けますが、反撃したくてもできない事態に追い込まれます。
ダグ・ドールの右手にはリュースにより連れ去られたミネバが掴まれており、ムーンガンダムの砲撃で迂闊に攻撃してはミネバを殺してしまう危険性が高いためです。
さらにアムロからも呼び止められ、今は毒ガス装置を破壊する方が優先であることを言い聞かせます。
2人の作戦や行動をリュースが黙って見ているはずもなく、またもや邪魔されそうになりますが、遅れて到着してきたアムロの部下たちがダグ・ドールと戦う形でリュースを食い止めてくれます。
2人の部下がリュースを食い止めてくれたおかげで、再び意識を集中したユッタが最後の1個の明確な場所をサイコミュ能力でアムロに伝えると同時に、アムロの砲撃で3個目の毒ガス装置も見事に破壊されました。
この時点で全ての毒ガス装置を駆除することに成功し、ラーギルスにいる者たちを救うことはできたものの…
アムロのリック・ディジェがリュースからの砲撃を受けてしまいます。
ユッタがロンドベルと力を合わせてミネバを救出する
リュースからの不意打ちでアムロのリック・ディジェは大きく損傷させられたものの、失ったのは右腕のみでまだ戦える状態です。
しかしリュースからの猛攻が続く中、2人に対して「アッザムリーダーの“強化版”」を放っては、アムロとユッタの動きを封じてしまいます。
コクピット内でも強い電磁波を受け続けたことで気を失いそうになるユッタに対して、アムロの部下が呼びかけては下方に潜り込むように指示します。
ユッタもそれに従うようにムーンガンダムを下方に潜らせる形で動かした直後、まだ死んでいなかったウバルドのジムⅢブルドックから放たれたビーム砲撃が、ダグ・ドールの右腕に命中しました。
ウバルドの砲撃により、ダグ・ドールの右手を撃ち落とすことに成功しますが、その右手に掴まれていたミネバが放り投げられるかのように逸れてしまいます。
そんな状況の中でもアムロは損傷したリック・ディジェでリュースにトドメ刺そうとしますが、リュースの脳波から出てきた別人格に惑わされたため、逃げられてしまいました。
それでも再び漂流しそうになったミネバを追いかけてきたユッタが救出しました。
これはまさに、ユッタとアムロ達ロンドベルが力を合わせたことで掴み取った成功と救出でしたが、安心できたの束の間…
ユッタとミネバ、そしてラーギルスの前にネオジオンの大型戦艦グワーシャが接近してきます。
【7巻のネタバレ】ユッタとサラサが起こす奇跡|ムーン・ムーンがネオジオンに反乱を起こす
ユッタとアムロ達ロンドベルの共闘により、ラーギルスへの猛毒ガス注入を防げた上、ミネバ救出にも成功しました。
しかし、リュースが指揮する大型戦艦グワーシャの襲来により、更なる急展開を迎えます。
ユッタとサラサが起こすサイコフレームの奇跡がラーギルスを救う
アムロ達やラーギルスの前に現れたグワーシャは、リュースが指揮するネオジオンの大型戦艦でした。
リュースからの命令を受けたグワーシャによる、ラーギルスに向けての一斉砲撃が始まります。
リセ達の侵入や艦内での乱戦によって大きく損傷したラーギルスに逃げる手段も失った中、アムロが自分の機体で戦艦を押しながら飛び立とうとしています。
アムロは自分の機体でラーギルスを押して逃げさせようとしますが、この時は『逆襲のシャア』ラスト場面とは違い、奇跡どころか光すら発生しません。
(νガンダムとは違い、リック・ディジェには”サイコフレーム”が搭載されていなかったためです)
離れた場所から、その状況を見ていたユッタもムーンガンダムで駆けつけてはラーギルス後方に回り、アムロ達と一緒に押し始めます。
そんなユッタの脳内にサラサの声が聞こえます。
ムーン・ムーンにいるサラサが杖を掲げては、ユッタのいる宙域に向けて“光”を放った途端、ムーンガンダムごとラーギルス全身を包みます。
そして、損傷したとは思えぬ高スピードで飛び立っては、リュースやグワーシャから急速に離れるように逃げ延びたのです。
リュースもこの光景を見ていましたが、光に包まれたラーギルスが飛んだ跡には、まるで虹のような輝きを放っていたのです。
この時点でサイコフレームによる奇跡を初めて起こしたのはアムロでなく、ユッタとサラサであったことが判明しました。
この33話でユッタが本当にムーン・ムーンから放れて旅立つことで、第二部も幕を閉じました。
アムロがサフィラに新機体リガズィードを託す
ユッタが旅立ち始めた形で物語は第三部に突入します。
地球ではルオ・ウーミン会長とローナン・マーセナス副議長による電話での会談が行われる中、この2人もムーン・ムーンの存在に気づいていたと同時に、ロンドベルの追跡も始めておりました。
一方、リュース達から逃げ延びたユッタ達はアムロが配属されている戦艦ラーザイムからの補給を受けていました。
艦内でアムロとサフィラが話す中、ミネバへの処置も決まったことが明かされます。
これからはラーギルス単艦で地球まで送り届け、首都ラサで保護することが軍や中央政府により決まっていたのです。
そこまで話した直後、アムロ達の前に新たな機体(MS)が搬入されてきます。
外見はリガズィとほぼ同じですが、これは採用が決まった本機でなく、アムロにより再現された“リガズィの理想形”と聞かされます。
そして、この機体名が「リガズィード」に決定したと同時に、アムロからサフィラに託されました。
アムロがサフィラにリガズィードを託したのには単に操縦技術を買っていただけでなく、ラーギルスに配属されたばかりのユッタのことも頼みたかったためです。
アムロから見ても、まだムーン・ムーンしか知らないユッタには外の宇宙や世界があまりに複雑すぎることを把握と同時に心配していました。
そんなアムロの心配に全く気づいていないユッタは艦内を走り回ってはクルーたちを振り回しています…。
リュースとレイメルによりムーン・ムーンを制圧される
ユッタがムーン・ムーンから旅立った後、リュースが部下たちを引き連れながら再びムーン・ムーンへと降り立ちます。
さらにサラサに対して「ムーン・ムーンを制圧下に置いたこと」を堂々と宣言したのです。
この2人の間にレイメルも現れては、サラサたちの間に入ってきます。
それでもサラサは自分がこれまで何も知らずにいたことを謝罪してもレイメルには届きません。
レイメルは、もはやムーン・ムーンだけで民が生きていくことは不可能と断定した上、今後は「外との貿易も必要であること」を諭します。
しかし、そんな最中にアゴスが新たに乗り換えたMSで乗り込んでは割って入ってきたのです。
しかも、アゴスは味方であるはずのネオジオンMSに攻撃を仕掛けた上、そのままリュースに向けて銃を向けてきます。
リナートがMS乗りとなりネオジオンに反抗する
いきなりムーン・ムーンに乗り込んできたアゴスに続くかのように、戦士隊もMSに搭乗しながら複数で入ってきます。
彼らを先導したのはリナートであり、彼もまた新型MS“ガザG”に乗った状態で現れては、民に対して抵抗および戦うことを命じます。
しかし、ここでのリナート達の目的はリュースを倒すことでなく、あくまでもサラサの身柄を自分たちで保護するため、迎えに来ただけです。
リナートがリュースの部下たちを止めるので精一杯のため、アゴスが代わりにサラサとサキを自分の機体に乗せた後に飛び立ちます。
その状況を確認したリナートもアゴスたちと同じように脱出を始めますが、リュースの部下となったイリアの新型MS“ザクⅣ”に行く手を阻まれてしまいます。
ただ、ここではリュースからの命令を受けたイリアも攻撃できなくなり、そのまま逃がすこととなりました。
これもリュースによる作戦であり、ブーデイン艦長に対して、直ちに追撃するように命じます。
ユッタとアムロによる戦闘訓練と会話|シャアのサザビーも完成間近
ムーン・ムーンがリュースに制圧された中、ユッタはラーギルスのいる宙域でアムロとの戦闘訓練に励んでいました。
ユッタが本物のニュータイプであることはアムロからも認められていますが、直接的な操縦においては素人と変わりなく、この辺りは伸び悩んでいる状態です。
それでもアムロはユッタに対して厳しく指導しますが、それもユッタに対する期待からきていました。
訓練がひと段落した後、ユッタが自分のガンダムにつけられたペイント弾を洗い落としている中で、アムロから声をかけられます。
個室で保護されているミネバのことが気になって仕方ないユッタに対して、アムロが「感じた通りに行動しろ」とアドバイスしてくれます。
しかし、そのアドバイスの中にはユッタの行動次第では、アムロをまた敵に回す可能性もあることを覚悟するようにという忠告も含まれていました。
そこまで語り合った後、アムロは2人の部下と一緒にラーザイムに乗り込み、ユッタやサフィラの乗るラーギルスと別れたのです。
同じ頃、地球の南極基地に潜んでいるシャアとナナイが完成間近にまで近づいたサザビーを見つめています。
機体の形状や内部は既に完成しており、後は外装を取り付けるだけの段階にまで進んでいました。
そしてムーン・ムーンでは謝罪するリセに対して、リュースからの新たな命令が下ります…。
【8巻のネタバレ】サラサ達の抵抗運動|リセ達の過去も明かされた
リナート達がサラサと共に抵抗運動を始めた中、ユッタもマリから“ジオンがしてきた罪業”を教えられます。
そしてリュースから新たな任務を受けたリセの悲しき過去が判明します。
サラサやリナート達による抵抗運動が始まる
リナートたちがMSでムーン・ムーンを脱出した後もリュースからの命令を受けたネオジオン兵たちが追撃を始めるものの、リナートたち戦士隊も巧妙な罠を張って逃げ延びると同時に捕虜まで捕らえます。
使われなくなった遺跡に突入した兵士たちを宙域にまで落とした上、クガナとマウノが乗るシータプラスが放つバルーンはイリアの動きすら止めてしまいます。
逃げ延びた先のコロニー地下では、サラサもノーマルスーツを着用した状態で捕虜に要求を突きつけます。
サラサの出した要求とは「ネオジオンの撤退」であり、受け入れるまではサラサ達も抵抗を続けると威嚇します。
一方、ネオジオンに制圧されたムーン・ムーンではリセも追撃の命令を受けたものの、抵抗軍(リナート達)に殆どのMSを奪い去られたため、手持ちの機体が1機しかないことを聞かされたことでリュースも呆れ顔を浮かべていました…。
リュースが今のネオジオンを動かしていることが断定される
アムロ達ラーザイムとの別れを済ませた後、サフィラが通信でこれまでの出来事をブライトに報告しています。
ブライトにとってもシャアを追ってきたはずが、ミネバを捕まえることになるとは予想外だったようです。
その中でリュースに関する報告もしますが、今では旧ジオン公国の軍事秘密も殆ど破壊された状態で詳細までは掴めません。
それでもリュースがザビ家と特別な関係を持っていたことやトト家と並ぶ名家の生まれであることな確かだと告げられます。
4年前の第一次ネオジオン戦争が終結後、行き場を失った兵士たちに手を差し伸べて救ったのは紛れもなくリュースであり、ここまで判明した時点でリュースこそが今のネオジオンを動かす主であることが断定されました。
ユッタとミネバがジオンの罪業を巡って衝突してしまう
ユッタはジオンが一年戦争よりも前に引き起こした“コロニー落とし”や“毒ガスによる大量殺害”の映像を見せられたことで驚きや憤りを隠せません。
マリの制止も聞かず、ユッタはすぐミネバが保護されている部屋に入っては、自分が教えられた”ジオンの罪業”について問い詰めます。
ミネバもジオンの全てを正しいとは思っていない一方、これらの罪業もあったからこそ「スペースノイドが市民権を獲得できたこと」も事実であると突きつけました。
それでも納得できないユッタはミネバから離れていきますが、そんな彼をサフィラが諭してくれます。
ミネバもまた、ユッタ以上に傷ついており、個室の中で涙を流し続けていたのです。
神父(ファザー)来訪でリセの過去が明かされる
リセ達への補給として派遣されたフアン・マハノフという男性が訪れてきます。
リセを始め、アタラント3の兵士たちから“神父(ファザー)”の愛称で呼ばれるフアンもまた、第一次ネオジオン戦争を戦い抜いた1人だったのです。
フアンがアゴスたちの新機体として運んできた「アッグジン」という名のMSに対して、クラースが不満の声を上げる光景を久々に再会したリセとフアンも眺めていました。
リセもまた、不満そうな表情でフアンに突っかかりますが、フアンから見せられた“教会の子供たちが描いた絵”を見た途端、穏やかな表情に変わります。
実はこの2人、同じネオジオン軍で共闘した戦友であると同時に将来を誓い合った仲でした。
時はU.C.0089…
ハマーンとグレミーが死亡し、第一次ネオジオン戦争も終わりを迎えようとしていた中、アタラント2の艦長を務めていたリセがジオン公国で逃げ遅れた子供たちの救出に向かいます。
その結果、大勢の子供たちを救出することには成功したものの、その中でリセの部下たちを戦死させてしまったのです。
その子供たちの救出に向けて率先して向かったのがドーベンウルフに搭乗していたフアンであり、戦争終結後はフアンが地球の教会で”神父(ファザー)”となり、子供たちを育ててきました。
しかし、この救出作戦はリセによる独断で起こしたものであり、作戦実行前にダグ・ドールで現れたリュースからの撤退命令を無視して行った行為です。
リセは自分の犯した命令違反で多くの兵士たちを犠牲にしたことによる罰を受けようとしますが、リュースからは不問とされて「これからもネオジオンのために働いてほしい」と告げられたのです。
さらに、その子供たちの命はリュースによって握られており、今でもリセが命令に背くことがあれば、いつでもリュースの手によって殺せることも明かされます。
フアンがネオジオンの闇を目撃する
リセとの再会や昔語りを終えたフアンが今度は強化人間であるアゴスに近づきながら問いかけます。
アゴスに対して自分の両親や出身を聞く中で「君のマスターは誰だ?」という質問した時、アゴスの脳内が停止したかのように固まってしまいます。
この場はクラースが割って入った形で何事もなくおさまりましたが、その後にフアンが入った部屋で見た光景により、大きな衝撃を受けました。
その光景までは明かされなかったものの、アタラント3にラーギルスが接近してきたことで、再びネオジオンとロンドベルの戦闘が始まります。
原作コミック9巻の発売日が2022年3月26日に決定
現時点での最新巻となる9巻が、2022年3月26日に発売されることが発表されました。
39話で初登場したばかりのMS「アッグジン」が早くも表紙を飾ります。
『機動戦士ムーンガンダム』10巻の発売日はいつ?
ここでは『機動戦士ムーンガンダム』10巻の発売日を予測してみたいと思います。
2022年10月に発売される可能性が高い
まずは、第9巻までの発売日を辿ってみましょう。
発売日 | 次巻発売までにかかった期間 | |
10巻 | 2022年10月(予想) | 7ヶ月(予想) |
9巻 | 2022年3月26日 | 5ヶ月 |
8巻 | 2021年10月26日 | 7ヶ月 |
7巻 | 2021年3月26日 | 5ヶ月 |
6巻 | 2020年10月24日 | 7ヶ月 |
5巻 | 2020年3月26日 | 5ヶ月 |
4巻 | 2019年10月28日 | 7ヶ月 |
3巻 | 2019年3月23日 | 6ヶ月 |
1巻と2巻 | 2018年9月26日(同時発売) |
こうして振り返ってみると、毎年2冊(3月と10月)のペースで発売されていることが分かりますね。
そのため、10巻は2022年10月に発売される可能性が高いです。
『機動戦士ムーンガンダム』最終話の展開と結末を予想
ここでは本作品が迎える最終話も含めた最後の展開や結末について、簡単に予想してみます。
ユッタは最後まで死亡せずムーン・ムーンの守り神になる可能性が高い
7巻目でやっとムーン・ムーンから旅立ったユッタですが、その旅立ちの中で死亡する結末を予想している人も多いかもしれませんが、私はそうは思いません。
確かにユッタはアムロやカミーユと違い、かなり無鉄砲な性格ですが、それでもアムロからミネバやラーギルスを守るように託されたことで、自分の視野が大きく広がったはずです。
当分はラーギルスに所属しながらミネバやサフィラと共に行動していく展開が続くと思いますが、最終的にはムーン・ムーンを制圧したリュースとの決戦にも勝利を飾り、ムーン・ムーン戦士隊の長になる可能性が高いと思います。
そして、ユッタのムーンガンダムも壊されることなく「ムーン・ムーンの守り神」として、壊されたキャトルに代わってコロニー内の大地で立ち続けるのではないでしょうか。
最終話ラストで『逆襲のシャア』前日譚へ繋がる展開にも期待
本作品は『逆襲のシャア』より1年前の時代として描かれており、シャアもアムロも自分たちの決着に向けての準備を着々と進めています。
そのため、これまでの『0083』最終話や『オリジン(第6部)』と同じように本編での戦争が終結した後から、次の戦争(逆シャア)へ繋がる前日譚の内容が描かれる点にも期待したいですよね。
または『新訳Z』のように、エンドロールの最後になってシャア総帥率いるネオジオンの大型戦艦レウルーラが飛び立つ場面に追加する形で、アムロのリガズィとシャアのサザビーによる再戦も軽く描いてくれたなら…
この流れで多くのガンダムファン達が「逆シャアをリピしよう!」という意欲が上がるだけでなく、『ムーンガンダム』への評価もさらに高まるはずですよね。
まとめ
今回は『機動戦士ムーンガンダム』全巻のストーリーをネタバレしながら紹介していくと同時に、最終話の展開や結末についても簡単に予想してみました。
物語の展開スピードがゆっくりなため、今では連載開始時と違って途中で読むことをやめてしまったファンも多いと聞いています。
そのため、少しでも本編を追う参考になると同時に、もう一度読み直してみたいと感じていただければ幸いです。
コメント