9巻では長く続いてきた豪華客船編がクライマックスを迎えます。
さらに、夜帷(フィオナ)やボンドとの絆が生まれる形でフランキーの見せ場が盛り沢山なエピソードも収録されています。
目次
アーニャの起点がヨルを勝利に導く
ロイドからかけてもらえていた”優しい言葉(台詞)”を思い出したことで負傷しながらも立ち上がり、再び日本刀の男との戦闘に臨むヨルですが、自身の専用武器(スティレット)を失ったままのため、不利な状況に変わりありません。
しかし、託児所に預けられたアーニャも起点を利かしてヨルとマシューが暗殺者たちと戦い続ける甲板へ向かいます。
そんな中でヨルが落とした専用武器を発見と同時に甲板へ向けて投げました。
アーニャの思惑とは少し違う結果となりながら思わぬ誤算により、背後から隠れてヨルを撃とうとする2人組の暗殺者をも(かなりマヌケな展開ですが)仕留めてしまったのです。
そのような結果で背後から響いた物音により、ヨルも自分の武器に気づくと同時に拾います。
そして日本刀の男を最後の打ち合いで倒し、ヨルが見事に勝利をおさめました。
ロイドの強行が爆弾から豪華客船を救う
ヨルが暗殺者たちの戦闘に奮闘する中、ロイドも乗務員に変装した上で地下の機関室に仕掛けられていた爆弾の解除に成功しました。
しかし、ヨルとあまり戦わないまま1人だけ逃亡準備を企立てていた暗殺者により“もう1つの爆弾”を仕掛けられていたことが判明します。
この時点ではヨルの戦いも終わっており、再びアーニャがかなり無理ある変装と演技で乗務員に知らせます。
もう1個の爆弾は年代物の時計の内部に仕掛けられていましたが、爆発までの時間が秒読み状態で先程のように慎重に解除する余裕もありません。
そこまで把握したロイドが行ったのは時計そのものを無理やり取り外して「海の方へ投げ捨てること」でした。
かなり強引なやり方でしたが、ロイドが海へ投げ捨てた直後のタイミングで爆発したことにより、豪華客船や乗客たちを見事に守り抜いたのです。
(ちなみに逃亡を企てていた暗殺者も同志だったメガネ男と揉めながら勝負する中で爆発に巻き込まれたため、残った暗殺者2人を倒すことにも成功していました)
その後はグレッチャー親子との別れを済ませた上でロイド達親子3人でバカンスを大いに楽しみます。
そして翌日から再び始まったイーデン校の教室でアーニャが豪華客船やバカンスのことを得意気に自慢しますが…
ベッキーやダミアンを始めとした同級生たちから驚かれて尊敬されるどころか“普通”で済まされて愕然します。
夜帷(フィオナ)とフランキーの協同任務
久々に登場した夜帷(フィオナ)がシルヴィアから新たな任務を命じられます。
任務内容は東国の経済委員会の幹部・セルゲイが行っている「不当な手段による西へのイチゴ輸出量の制限」を止めさせることでした。
この任務遂行のため”輸出許可証”が必要になった夜帷は表向きの職場(精神病院)で、ロイドに「印章偽造のプロ」を訪ねますが…
ロイドから紹介された人物とはフランキーのことでした。
“先輩(ロイド)への好意”以外では冷静沈着に行動する夜帷と交渉や任務中でも冗談が絶えないフランキー…
身長も性格も真逆な2人によるチグハグなコンビによって、フランキー行きつけのバーへと赴きます。
少し遅れて入店してきた“万年筆”と呼ばれる男性に対してフランキーから交渉を始めるものの速攻で却下されてしまいますが…
お店を出た途端、万年筆を尾行していた保安局の男2人組に襲われます。
尾行に気づくと同時に夜帷が速攻で保安局の者たちを体術で倒す中、別の男が発砲してきた銃弾をフランキーが庇いながら避けさせます。
銃弾においては夜帷も既に気づいていたようであり要らぬお世話だったようですが、フランキーの広い情報網で得た地下道を使って無事に逃亡できた点に対しては夜帷も感心していました。
そして翌日…
タバコ屋を訪れてきた夜帷に対して、万年筆が作成してくれた偽造文書をフランキーから渡します。
この時も噛み合わない会話や性質は変わらないものの、夜帷の方から「また仕事をお願いする」と言いながら去っていきました。
また、最後に収録された番外編でも”ボンドとの散歩”で出会った美女へに対して、フランキーから猛烈なアプローチを行うものの…
その強引さが仇となって、今回もフラれてしまいます。
ドイツ語版の9巻は2022年8月4日に発売
日本版よりも先に発表されていたドイツ語版の9巻は2022年8月4日発売されました。
連載開始された頃から多くの海外ファンを獲得したスパイファミリー。物語の舞台がヨーロッパから取られた架空の世界として設定されている点が、そうした方々からの支持も得ているのでしょう。
さらに東国と西国を挟む”鉄のカーテン”も、ドイツに隔てられていたベルリンの壁を連想させてくれています。
【10巻のネタバレ】ロイドの過去 | ダミアンの母親も初登場
記念すべき10巻目はロイドの少年期から諜報員になるまでの過程が描かれた過去編に加えて、ダミアンの母上メリンダも登場するなど見どころ満載な1冊となっています。
ロイドの少年期から入隊まで | 両親との死別
62話から始まる過去編で、ロイドが少年期の頃の夢を見ます。
ロイド少年は西国東部にある”ルーウェン”という地域で両親と3人で暮らしながら、同年代の3人の友人たちと戦争ごっこをして遊んでいました。
そんな彼が友達からつけられたあだ名は「参謀」であり、現在の「黄昏」になるのはまだ遠い未来のことです。
厳しく自分の意見ばかり押しつけてくる父親との親子関係に悩まされながらも、母親や友達、そして近所の大人たちとは仲良く平和に暮らしてきたロイド少年でしたが、その平和は「東国からの突然の攻撃」により一瞬で崩されました。
東国からの砲撃が続き、飛び散った岩の破片に当たったロイド少年が気絶している間に、彼が平穏に過ごしてきた街が一瞬にして“瓦礫の山”へと変わってしまいます。
その後、自分を捜してくれていた母親に伯父のいる”キールバーグ”へ連れていかれます。
伯父の自宅で生活する中で“父親の死亡”を知らされて母親と共に悲しむロイド少年…
さらに、伯父のいる地域にも東国からの攻撃が起こることで母親や伯父とも死別してしまいます。
崩壊したキールバーグの中で完全に孤立させられたロイド少年の選んだ道は「軍隊への入隊」であり「ローランド・スプーティー」という偽名で入隊後は軍服を身に包み、ひたすら敵軍の兵士たちを銃で撃ち殺す生活を続けます。
ロイドとフランキーは戦場で敵同士として出会った
西国の軍人スプーティーとして戦争に明け暮れる中、戦場の森林地帯でフランキーと出会います。
当時のフランキーは“東国の軍人”であり、同じ戦場で戦った仲間たちを失い、1人だけ生き残った末に逃げ続けていました。
フランキーが東国の兵士である以上、ロイド(スプーティー)にとっては敵以外の何者でもないため、容赦なく銃殺しようとしますが…
フランキーの必死な命乞いした結果、ロイドは彼を殺さず一緒にタバコを吸いながら語り合います。
しかし和解できたのも一瞬だけであり、お互いの言い分の食い違い(どちらの国が戦争を仕掛けたのかという議論)によって再び衝突する上、この時はフランキーの方から逃げる形で退散していってしまいました。
ロイドは情報局からのスカウトで西国の諜報員になった
先の戦闘で負傷したロイド(スプーティー)は一時的に前線から外される形で調理係に回されていました。
そんな中、少年期に一緒に遊んできた“3人の友人との再会”を果たします。
しかし、数年ぶりの思わぬ再会に喜びながら語り合えたのも束の間…
友人3人は”ロベルツ攻略戦”という無謀な作戦に駆り出された末に死亡したため、ロイドは再び孤立してしまいます。
そんな状況の中、ロイド兵士に陸軍情報部の男性が訪れてきます。
この男性はこの過去編でも伏せられていた「ロイドの本名」も知っている上でスカウトに来たのです。
男性のスカウトの仕方はかなり強引な形であったものの、これから本当に必要となる武器は小銃でなく「情報」であることまで告げられた末、ロイド兵士も承諾した上で「兵士から諜報員への転職」を決意しました。
そしてロイドが入った情報局こそが現在所属しているWISEであり、ここまでの経緯により現在の「黄昏」というコードネームで敏腕諜報員として働き続けるようになったわけです。
ちなみに入局したばかりの黄昏(ロイド)に諜報員としての教育を施してくれたのが、まだ出会ったばかりのシルヴィアでしたが…
彼女の訓練や教育はロイドでさえも魘され続ける程に、あまりにも過酷なものだったようです。
ヨルがダミアンの母上・メリンダと出会う
ヨルが1人で買い物に出たデパート内で、ダミアンの母親「メリンダ・デズモンド」と出会います。
そのデパート内で助けたことが縁でメリンダから気に入られたヨルは彼女が入っている”愛国婦人会”への入会まで勧められます。
帰宅後のヨルから”メリンダとの出会い”を聞かされたロイドもメリンダの名前と存在だけは知っており、ダミアンの母親であると同時に「標的(ドノバン)の妻」である故に強く警戒し始めます。
ロイドの中では”ヨルとメリンダの出会い”が単なる偶然などでなく「ドノバンにより仕組まれた罠かも?」という推理ばかりが進むものの、ヨルに対しては婦人会への入会を快く承諾しながら勧めました。
しかし、メリンダを警戒していたのはロイドや彼が所属する組織(WISE)だけでなく、出会ったばかりのヨルにも気にかかる点がありました。
ヨルもまた、38話でのロイドと同じようにメリンダに対して深く謝罪してはメリンダからも快く許されます。
ただ、ひたすらお詫びを続けるヨルに対して、普段の優しい表情とは真逆の「怖い威圧感」も見せていました。
さらに、ヨルは自身が所属する殺し屋組織の店長にもメリンダのことを話しますが、店長もまた目を光らせ始めます。
しかし、そのような緊迫した状況とは裏腹に…
ロイドはヨルとメリンダにも仲良くしてなってもらう“プランC”の作戦を浮かびます。
そのような思考を読んだアーニャもまた「親子二代にわたる仲良し作戦」で張り切りますが、かなり豪快に空回りしてしまうのでした。
【11巻のネタバレ】ロイドの逮捕劇? | アーニャ達が絶体絶命の危機に
11巻では「ロイドが逮捕される展開」を始め、アーニャが子供たちだけでバスジャック犯に果敢に挑む物語など、10巻目とはまた違い形で目が離せません。
ロイドが逮捕された理由 | 同じ精神病院の医師に嵌められる?
67話でロイドが自分の職場(精神病院)で、2人の保安官によっていきなり逮捕されてしまいますが…
それは診療部の部長ジェラルドの企みによって濡れ衣を着させられていただけに過ぎません。
ジェラルドは院内でのロイド人気を妬み、これまでも“予定表の書き換え”などの嫌がらせを始めていた上、ロイドを保安局の手で逮捕させた時には「西国への情報漏洩」という罪を着させようと仕掛けていたのです。
しかし、そんなチンケな企みをロイドはフィオナと共に既に見抜いており、ジェラルドより先回りする形で対策を練っていました。
まず、ジェラルドからの連絡で病院に訪れた保安官2人組は「フィオナとフランキーが変装した姿」だったのです。
(ちなみにロイドに手錠をかけた保安官もフランキーであり、あくまでも演技上のものです)
その後ロイドたちの芝居は続き「タイプライターの文字の違い」によって“ロイドの潔白”がアッサリ証明されました。
そして、ロイドの無実が証明された直後、今度はジェラルドが連行されそうになりますが…
ロイドが涙を流してまで見せた芝居により、ジェラルドを改心させることに成功したのです。
ロイドとユーリが繰り広げる料理&家事勝負
68話では久しぶりにフォージャー家を訪れたユーリが、大好きな姉(ヨル)と仲良くしているロイドに再び燃やした嫉妬心が原因で、いきなり「料理&家事の勝負」を挑みます。
ロイドへの憎しみを存分に込めながら懸命に作るものの…
ユーリの料理もまた姉(ヨル)に負けない酷さでした。
料理の味どころか見栄えの酷さも相まってユーリの敗北となります。
それてもめげずに、今度は片付けなどの家事で勝負を挑みますが…
皿洗いや洗濯、さらに最後の買い物対決でも敗北させられました。
それでもブライア姉弟にとって、とても思い出深い”お菓子(フエキャンディ)”を買ってきたことで、姉から感謝されます。
ロイドとの料理&家事勝負では完全に敗北したユーリでしたが…
ヨルの笑顔と「ありがとう」の言葉だけで、この夜は大袈裟に元気を取り戻しながら帰っていきました。
アーニャ達のバスが組織の幹部に襲われる
69話からはアーニャたちイーデン校の1年生たちが社会科見学に出かけますが、彼女たちのバスに途中から乗ってきた男性にバスジャックされてしまいます。
このバスジャック犯の正体は極左組織”赤いサーカス”の幹部・ビリーでした。
ビリー入国の情報および「アーニャ達が人質に取られていること」は保安局や情報局のシルヴィアにも入る中、アーニャとダミアンの首に「首輪型の爆弾」を装着されてしまいます。
人質の上に爆死危機にまで陥るアーニャですが、事態を聞いて駆けつけた警察たちの銃弾がバスのタイヤをパンクさせたことにより、動きを止めることには成功しました。
しかし生徒たちが人質に取られていることに変わりなく、事態は更に緊迫していきます…。
ビリーの過去 | アーニャの勇姿が皆を救う
止まったバスの中でビリーと生徒たち、そして外で囲む警察でさらに緊迫した状態が続く中、ユーリやシルヴィアも本格的に動き始めていました。
しかし、彼らよりも早くバスに到着したアンダーソン先生がビリーの説得に入る中で“ビリーの悲しき過去“が語られます。
ビリーが幹部を務める”赤いサーカス”は自由と平等を謳う学生運動から始まっており、その学生運動にビリーの愛娘ビディも参加していました。
しかし、その運動の最中、ビディは仲間たちと共に政府に殺されて死亡したのです。
そのような辛く悲しい過去を語るビリーに対しても屈せずに接近してくる“アーニャの目”と”言い分”と死別した娘の姿を重ねて見たビリーが心をうたれながら、アーニャに装着した爆弾を解除した上で自ら投降しました。
そんな彼の行動に納得できず暴走してしまうビリーの仲間もマーサが起点を利かせながら倒してくれたのです。
ちなみに、ロイドもまた同じ情報局の仲間と共に防護服で身を包みながら大勢の警察と共に張り込んだものの…
今回は特に見せ場ないまま事件が解決しました。
メリンダの意外な本心が判明
翌日の学校でアーニャとダミアン、ベッキー、そしてビル君の4人が先日に巻き込まれたバスジャック事件への”迅速な解決への貢献”を評価されたことにより星(ステラ)を授与しました。
この授賞式の後は、事件解決後の様子が回想シーンとして描かれましたが…
事件解決後にヨルとメリンダも駆けつけてくれていてくれていたのです。
しかし、ここでアーニャはメリンダの心を読むことで「メリンダが隠し持つ歪んだ感情」を知ってしまいます。
ヨルが涙を流しながらアーニャを抱きしめると同様に、メリンダもまたダミアンのことを優しく抱きしめます。
ただ、この場面でダミアンからされたお願い事を聞いた途端、まるで何かのスイッチが入ったかのように冷酷な表情へと一変します。
そしてアーニャが読んだメリンダの心の中では息子(ダミアン)を「心から愛する感情」と「強く憎む感情」…
まるで正反対かつ両極端な“2つの思い”が複雑に入れ混じっていたのです。
【12巻のネタバレ】保安局からの内通者によりWISE壊滅の危機に?
前巻で起きたバスジャック事件を解決してからは束の間の平穏な日々に変わります。
アーニャやダミアン達が再びイーデン校に通い始める中、ヨルもカミラを始めとした後輩社員たちと外食しながら恋愛の愚痴話を聞かされるなど…
しかし、そんな平和な日々が長く続くはずがありません。
今度はロイドやフィオナが所属するWISEを壊滅させられかねない危機が訪れます。
WISEに潜入していた内通者が失踪
ユーリが久々にフォージャー家を訪れた中、ロイドに“非常事態”としての電話連絡がかかります。
呼ばれたロイドがすぐに表向きの職場である精神病院に入ると、待っていた夜帷(フィオナ)から「WISE本部内に内通者が潜入していたこと」に加えて「その内通者に複数の機密ファイルを持ち去られたこと」を伝えられます。
内通者に持ち去られたファイルのうち1つが「WISE諜報員の東国(オセアニア)内での工作拠点を示す暗号化された地図」であり、その中には「オペレーション”梟”につながる情報」も含まれていました。
もしも、このファイル内の情報を東国の者に解読された場合、ロイドやフィオナたち諜報員の命が危ないだけでなく、WISEそのものの壊滅にも繋がる危険性が高いのです。
一方、その件でいきなり家を出て行ったロイドを怪しく感じたユーリもこっそり尾行する中で上官(中尉)に呼び出され、保安局内でも緊急招集をかけられていました。
内通者の正体は保安局の諜報員・ウィーラーだった
WISE本部内から機密ファイルを持ち出した内通者の正体は「ウィンストン・ウィーラー」という長身の男性で、彼は“西国情報局連絡課”に所属する上“保安局4課の諜報員”として活動していました。
ロイドやユーリがウィーラーの件について聞かされた時点でWISEによる“ウィーラーの追跡”が既に始まっていましたが、WISEの者たちはウィーラーが見せる並外れた射撃や身体能力に敵わず、アッサリと倒されて返り討ちにされてしまいます。
遅れて出撃するロイドとフィオナが車内で変装を始める中、ユーリの方は中尉と共に訪れたシェルベリーの書店内でウィーラーと対面します。
ウィーラーはユーリを通して、ファイルの受取人と公園で落ち合います。
しかし公園で約束していた男の現れたウィーラーは実は“ロイドが変装した姿”の偽物だったのです。
ユーリと黄昏(ロイド)が下水道の中で対決
ロイドがウィーラーになりすましながら取引相手の男と会う中で「フィオナ達に本物のウィーラーを確保させる」という作戦で臨んだものの、自分の変装をすぐ見破られたことで失敗に終わります。
取引相手や部下からの銃撃から逃れた後は“ユーリの姿”に変装した上で下水道へと潜入します。
しかし、その後に公園を訪れたユーリ本人も”自分と同じ足跡”を見つけたことで黄昏(ロイド)が先に来ていたことに気づき、彼が下水道にいることに勘づいた上でユーリも追うように潜入していきます。
そして潜入してから数分後に“自分(ユーリ)になりすました黄昏(ロイド)“とはち合った瞬間、2人の戦闘が始まってしまいます。
最初の銃の撃ち合いでロイドの撃った銃弾がユーリのもつ銃に命中したことで飛ばされ、優勢となりますが、ロイド自身に躊躇いが生じたことでトドメの銃弾を放てません。
そんなロイドをよそにユーリの方は体術に切り替えた上で容赦なく攻撃してきます。
格闘戦でも“ロイドの勝利”という結果で終わりましたが、ヨルの蛮行に鍛えられた頑丈さやしぶとさを見せたユーリにロイドも驚かされていました。
ロイドがウィーラーに倒された
ロイドが下水道での対決でユーリを倒したことで動きを止めた中、街中で張り込みをしていたフィオナ達もウィーラーをあぶり出して取り囲むまでの段階に進めていました。
しかし、同じWISEの諜報員が背後から捕縛しようとした瞬間、その諜報員がウィーラーからの不意打ちを受けて倒されます。
そうして取り逃したウィーラーもまた、ロイド達がいる下水道へと逃げ込んだ上、ユーリの姿のままのロイドとはち合います。
そしてロイドもウィーラーからの不意打ちを避けた上で応戦しますが、ウィーラーの強烈な蹴りを喰らって倒されてしまいます。
さらに、ウィーラーからは自分の変装および正体が黄昏(ロイド)であることまで見抜かれていました。
すぐに追ってきたフィオナの前でウィーラーがロイドの変装を剥がそうとした瞬間…
フィオナの怒りが頂点に達し、これまでになかった大きな変化が起こります。
【13巻のネタバレ】夜帷(フィオナ)の活躍で任務完了 | ダミアンの兄・デミトリアスも初登場
前巻で潜入した任務先でユーリの姿に変装した黄昏(ロイド)をも倒したウィーラーが夜帷(フィオナ)の前に現れ、絶体絶命の状況となりますが…
思いがけぬ展開や結果で最大の危機を乗り越えます。
しかし、任務を完遂して何とかWISEを守った後にもロイドは気が休まりません。
何故ならアーニャ達が通うイーデン校での期末試験も間近に迫っていたのです。
フィオナの怒りと変化でウィーラーを倒した
ウィーラーがロイドの変装を剥がそうとした瞬間にフィオナが自身の怒りが頂点に達したことで起きた変化…
ウィーラーからの指示で自分の銃を落として破壊した直後、猛スピードで彼には接近しながら、フィオナの渾身の力を込めた拳がウィーラーの左腕と顔面に命中したことで吹っ飛ばします。
この時のフィオナは自分の愛する先輩(ロイド)を倒された怒りが爆発したことが引き金となり「脳の安全装置が完全に壊れた状態」…
即ち完全にブチギレたことで普段では出せない底力や真の強さを完全に解放していました。
死んだような目で「自分が強いこと」や「アナタ(ウィーラー)では私(フィオナ)に勝てないこと」を宣言した後に放った強烈な蹴りと殴打の二連発で見事にウィーラーを倒したのです。
任務完了後もロイドに迫る危機とは?
ブチギレた状態での攻撃で見事にウィーラーを倒したフィオナがこのまま彼を殺そうしますが、目覚めていたロイドから止められます。
さらに彼らと一緒に出動していた先輩も取引相手の男の姿に変装した上で駆けつけてくれました。
ウィーラーの身柄も捕獲した上で今回の任務も完了できたロイドですが、すぐに先程まで戦っていたユーリが押しかけてきます。
今でも「ロイドが”黄昏”のはず…」と疑うユーリは来るやいなやロイドのシャツを捲っては自分がつけた“ロイドの右腕の傷”を確認しようとします。
しかし、ロイドは前もって変装道具を使った上でユーリから受けた傷跡を隠していたため、今回も正体をバレずに済みました。
ただ、シャワー後にはヨルがアイロンがけに失敗したことでロイドのシャツを燃やしてしまっており…
事件を解決できた後も完全に心が休まることはありませんでした。
アーニャによる仲良し作戦は今回も進展せず
ウィーラーとの死闘で重傷を負ったフィオナが入院しますが、入院中の彼女の穴埋めをシルヴィアが行なってくれていました。
一方、イーデン校ではダミアンが以前に受けた“ハンカチの借り”を返すため、最高級なカリカリお菓子を持った状態で登校するアーニャを待ち構えていました。
本来ならば、その場でお菓子を渡して借りをチャラにする算段でしたが、タイミング悪く2人の舎弟とベッキーも来てしまい、この場では渡せずに終わります。
授業中もダミアンは心の中で「アーニャにお菓子を渡す方法」を考え続けていたと同時に、その思考は人の心を読めるアーニャにも筒抜けでした。
そこでアーニャから“ダミアンへの手紙”を送ることで「2人きりになれるチャンス」を与えます。
しかし、アーニャからの手紙で中庭に行くものの、この時もベッキーたちが隠れながら2人の様子を隠れながら見ていました。
ダミアンもベッキーたちの姿にすぐ気づいたことでアーニャと一緒に走り去りますが、廊下まで逃げたところでヘンリー先生に見つかったため、お菓子を没収された上に”放課後の呼び出し”まで喰らいます。
しかし実際にヘンリー先生の部屋へ行ったダミアンとアーニャを待っていたのは“紅茶と茶菓子”でした。
しかも、その時に先ほど没収された最高級カリカリお菓子も食べさせてもらえたことでアーニャは大満足でしたが…
アーニャからの手紙がキッカケでまた新たな誤解が生まれてしまい、アーニャの仲良し作戦は今回も進展しないまま終わりました。
ユーリが”本当に守るべき者”に気づく?
前巻で黄昏(ロイド)に敗北したことを今でも引きずっているユーリに保安局としての新たな任務を命じられます。
今回の任務内容とは「反体制グループの捜査と壊滅」ですが、これまでとは違って同じ大学に通っていた女性保安官クロエとの共同作業となります。
クロエは保安局ではユーリの部下でありながら“同じ大学に通っていた同期”でもあります。
しかし車での移動中の会話が噛み合わない上、グループのアジトに到着した途端、クロエには“裏口の見張り”を命じて待機させます。
そして、前巻でロイドから受けた傷がまだ完治しないまま単身で乗り込んだユーリが”姉さんパンチ”や”姉さんキック”でグループの男たちを次々と倒しますが、無防備となった隙を突かれてまだ倒していない男から空瓶を叩きつけられてダメージを負ってしまいます。
さらには別の男からもナイフで刺されそうになりますが、こっそりと後を追っていたクロエに助けられます。
しかし、アジトの男たちを全滅させた直後、今度はユーリがクロエからの“強烈なビンタ”を二発も受けてしまいます。
そのビンタと同時に「まずは自分を守れるようになれ」と諭してきます。
これらのビンタや教育はユーリの強さや頑丈さはクロエからも充分に認められているからこそのお説教でしたが…
ユーリには完全には伝わりきれなかったようで、その夜になるとユーリ”姉さん回避”や”姉さんブロック”などの回避における訓練を始めていました。
ヨルとアーニャで助けた老人がフォージャー家のお隣さんに
ヨルとアーニャがボンドの散歩に出かけた先の公園で“自宅へ帰れないお爺さん”と出会います。
この老人の名前は「ジークムント・オーセン」で、ここ最近引っ越しをした影響もあり自宅の住所などを覚えられていなかったようです。
困っているジークムントを見過ごせないヨルとアーニャが何とか自宅へ帰れるように協力しますが、彼の言うことに従いながら歩いても公園に逆戻りしたりマフィアの事務所に入ってしまったりと、全く帰れそうにありません。
しかし、ジークムント夫妻の新しい自宅は“ヨルたちと同じマンション”だった上、越してきた部屋もフォージャー家の隣だったのです。
さらにマンションの入り口に到着した途端、夫(ジークムント)の帰りを心配しながら引っ越し作業を進行中の妻(バーバラ)と、バーバラの手伝いをするロイドが出てきました。
「フォージャー家のお隣さん」となったオーセン夫妻に改めてご挨拶をするフォージャー家の3人でしたが…
高齢でもラブラブなオーセン夫妻のイチャつきぶりを見せられたことで少し気まずい気持ちにさせられます。
チャリティイベント中にメリンダが責務を果たす
中央公園でのチャリティーイベントに役所務めのヨルもカミラ達と共に参加します。
しかし婦人会の中年女性たちからキツく注意されてしまい、皆が逆らわないように気を使う中、ミリーだけが真正面から反論します。
実はミリーの父親は戦争に出たことで死亡しており、大人になった現在でも死別における辛い想いを内心で引きずっていました。
そのようなミリーの反論が婦人会の女性たちの怒りを更に倍増させてしまい、その中の1人がミリーに手を挙げようとしてきます。
しかし、その女性の手を止めてくれたのが会長であるメリンダだったのです。
メリンダにとっては思わぬ場所でヨルと会えた喜びを露わに出しますが、ミリーがメリンダに対しても「デズモンドが戦争を起こした元凶」と泣き叫びながら怒りをぶつけてしまいます。
しかし、ミリーの知識や解釈が“完全な間違い”であることを、彼女たちの側で働く店長が教えてくれます。
(開戦時の首相はチャップマン総裁であり、ドノバンではなかったのです)
それでも戦時中に自分の夫(ドノバン)が首相であったことに変わりない事実や“デズモンドの妻たる責務“を果たすべく、メリンダの方も”家族における共感”という形で「ミリーからの憎しみ」に対して真正面から応えます。
そのように誠実かつ優しく応えたメリンダに対して謝罪したミリー…
ヨルとは大きく違う形でありながら、ミリーも少しだけメリンダやデズモンド家と少しだけ解り合えたようです。
イーデン校の期末試験 | 本気で挑んだアーニャの結果とは
イーデン校の掲示板に「期末試験」の開催日が張り出されました。
この期末試験の成績でクラス分けも実行される仕組みとされており、もしもアーニャが中間試験の時と同じ更に悪い成績で終わった場合にはベッキーやダミアンと違うクラスに離されてしまう可能性もあるのです。
期末試験においてはロイドも既に把握済みであり、アーニャに対して再び徹底的に勉強を教える中、隣室に越してきたばかりのオーセン夫妻から招かれてお菓子をご馳走になります。
実はジークムントは元・医師の上、大学でも神経学などを教えてきた程の優秀な人物でした。
さらに大量の本の中にはアーニャが大好きな古語の本も多くあり、2人は完全に意気投合してしまいます。
翌日から毎日のようにジークムントとの勉強に励み、顎髭まで生やした(正確には自分で描いた)アーニャが期末試験に臨んだ結果…
アーニャの総合順位が168位にまで上がっていたのです。
(中間の時は213位でした)
しかも、古語だけにおいては2組のアーノルドに次ぐ2位という輝かしい結果となりました。
しかし喜ばしい結果だけで終わらず、数学では24点以下だったため「星(ステラ)と雷(トニト)を同時に取ってしまう」という異例な結果に終わりました。
イーデン校の試験でも今回のアーニャの結果はかなり異例であり、生徒たちの後ろにいたヘンリー先生からも少し違う意味で興味をもたれたようです。
ダミアンの兄・デミトリアス登場 | 優秀すぎる成績と試験結果
期末試験の結果発表された翌日には、歴史で首席を取ったダミアンと古語で次席となったアーニャが生徒たちの前で表彰されながら星(トニト)を授与します。
そしてアーニャたちが出た後には“中等部の授賞式”が開催されますが、この場でダミアンの兄「デミトリアス・デズモンド」が殆どの星(トニト)を渡されていました。
中等部ではデミトリアスが全ての教科で主席と次席を取っており、同級生たちからも驚きや憧れの眼差しで見られていたのです。
ダミアンが兄が出てくるのを待っており、その兄に対して声をかけますが、返事も表情も素っ気ない態度で去っていってしまいます。
デミトリアスの素っ気ない態度は弟だけでなく、彼の舎弟2人に対しても同じでした。
そんな兄の心を読んだアーニャでしたが、デミトリアスの心情は「父(ドノバン)も弟(ダミアン)も分からん」という思考な上「人間そのものを考えるだけ時間の無駄」という考え方の持ち主のようです。
しかし、そんな兄に対して最も驚いていたのが弟のダミアンであり”兄は父親と仲良し”と思い続けていましたが、そうでもなかったようです。
スパイファミリー14巻の発売日を予想
『スパイファミリー』14巻の発売日について解説および予想していきたいと思います。
発売日 | 次巻発売までにかかった期間 | |
14巻 | 2024年9〜10月(予想) | 6ヶ月(予想) |
13巻 | 2024年3月4日 | 6ヶ月 |
12巻 | 2023年10月4日 | 6ヶ月 |
11巻 | 2023年4月4日 | 6ヶ月 |
10巻 | 2022年10月4日 | 6ヶ月 |
9巻 | 2022年4月4日 | 5ヶ月 |
8巻 | 2021年11月4日 | 5ヶ月 |
7巻 | 2021年6月4日 | 6ヶ月 |
6巻 | 2020年12月4日 | 3ヶ月 |
5巻 | 2020年9月4日 | 4ヶ月 |
4巻 | 2020年5月13日 | 4ヶ月 |
3巻 | 2020年1月4日 | 3ヶ月 |
2巻 | 2019年10月4日 | 3ヶ月 |
1巻 | 2019年7月4日 |
こうして振り返ってみると、ここ近年では半年程に1回のペースで発売されてきたことが分かりますね。
そのため、14巻は13巻が発売された2024年3月から6ヶ月後となる2024年9〜10月前後に発売される可能性が高いと思います。
スパイファミリーの謎や伏線回収について考察
ここでは、本編の中において未だ明かされていない謎や伏線について考察していきます。
ロイドの本名や年齢を考察
ロイドの本名は、「マーティン」や「アルベルト」、「ミハエル」などが候補として挙げられます。
ちなみに、フォージャー家の父親として使っている「ロイド」の偽名はイギリスでよく名付けられている名前の1つ。ドイツ出身と思われるロイドがイギリス人の偽名を使っている点においても、今後のストーリー展開で重要となるキーワードと関連して繋がっているような気がします。
そして年齢においても、あくまでも推定ですが「25歳〜32歳ほど」と予想できます。これには本作品の舞台が“終戦後の時代”であることや、ロイド自身が過去に戦争を経験した描写もあったためです。さらに第1話の時点で敏腕スパイとして働いており、既に本業の経験年数も長いことからも伺えます。
アーニャの出身国はイタリアの可能性が高い?
アーニャの出身国は、イタリアにある”シチリア”か”バチカン市国”の可能性が高いと考えられます。その根拠は、アーニャの大好物(ピーナッツ)と古語のテストの点数にあります。
本編の中でアーニャがロイドに対してピーナッツを過剰に求める場面が何度もあり、ベッキーとの会話中でもピーナッツに例える話をしてくる場面もありました。「大のピーナッツ好き」であることに対して「ナッツ類の生産が盛んな国で生まれてきて、幼少期から食べ続けてきたため」とは考えられないでしょうか。
また、学校の勉強が苦手なアーニャですが、7巻の第43話でロイドが「古語だけは他の科目より理解力が高いこと」に気づく場面もありました。
シチリアは「ナッツ類の名産地」であり、バチカン市国は「古語としてラテン語が有名な国」なのです。
そのため、まだ両親と引き離される前のアーニャが母国で古語やピーナッツを堪能していたことが、本人の好物や理解力にも強く繋がっているように感じてしまうのです。
ラストネーム「フォージャー」の由来
ロイドたち偽装家族が使っているラストネーム「フォージャー」には、英語で「紛い物」という意味をもちます。
フォージャー家は、あくまでもロイドが任務遂行のためだけに作り上げた偽装家族であり、こうした“偽装”と“紛い物”という意味合いから取る形で「フォージャー」というラストネームに決めた可能性も極めて高いと思われます。
ドノバンは本当に敵なのか?
本編では戦争を引き起こそうとしている危険人物として見られているものの、ドノバンが完全な敵とは思えない印象もあります。
現時点ではロイドもまだ一度しか接触できていなく、想像以上に掴みどころのない人物です。ただ、初対面のロイドに向けた“笑顔”やダミアンを褒めてくれた場面を見ると、単に戦争を起こすことが目的ではない気もするのです。
ドノバン「人と人は結局、永遠に分かり合えん」
ロイドが発した”子育ての難しさ”に共感しながら告げた、この台詞からドノバンの本心が垣間見える感もありますが、彼自身も子供たちや部下たちの知らない所で壮絶かつ辛い過去を経験してきたようにも思えるのです。
もしかしたら、ドノバンもまた”何かにおける被害者の1人”であり、影で彼を操っている真の黒幕が存在しているのかもしれませんね。
まとめ
今回は『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』13巻までのネタバレ内容を紹介すると共に、14巻の発売日も予想してみました。
曲者揃いなフォージャー家が織りなす緊迫感溢れる任務や迫力あるバトルシーンも素晴らしいですが、ダミアンやユーリを始めとした個性豊かな脇役たちも物語の楽しさに対して良い具合に加味されている点も魅力的な作品です。
原作の連載開始時期から多くのファンを獲得してきた本作品。アニメ放送により、さらにファンや支持者が増えるでしょう。
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