2020年秋の新作アニメとして放送および配信中の「憂国のモリアーティ」ですが今回は第4話で赴任先の大学がある地域に移住してきたウィリアムたちを晩餐に招いてきた領主・ベルファー子爵のキャラクター性や趣味を紹介しながら最後に迎える結末にも迫りたいと思います。
目次
ベルファー子爵のキャラクター性
出典：アニメつぶやき速報!!
まずは本作品の中におけるベルファー子爵のキャラクター性から紹介していきます。
平民を平気で見殺しにしてしまう領主様
ウィリアムが赴任先となる大学のある地域で“領主”の座に君臨しているベルファー子爵は一見は「紳士的な貴族」という印象があるものの“自分よりも階級が下の者たち”に対しては子供であろうと容赦なく見殺しにしてしまうキャラクターです。
大雨が降り注ぐ中で訪れてきたバートン夫妻に対しても、彼らの幼い子供が病気で苦しんでいようと人命よりも“自分の地位と誇り”の方が大切なのです。
ベルファー子爵「貴様らのような下等種がどうなろうと知ったことではないわ！これ以上煩わせるのなら・・・」
自分が雇っているバートンの「庭師としての腕」は買っているものの“自分より階級が下”であることに変わりないため、どんなに強くお願いされようが子供の命が危なかろうが「自分には関係ない」と言わんばかりに脅迫めいた台詞まで放って追い返してしまいます。
その結果、治療もマトモに受けさせてもらえなかったバートン夫妻の1人息子はそのまま病死してしまいました・・・。
第6話で乗船する「ノアティック号」で出会うブリッツ・エンダース伯爵とは違い、自ら好き好んで”人間狩り”をするタイプのキャラクターではありませんが、ウィリアム達からすれば彼もまた「自分たちの手で始末しなければならない特権階級の悪魔」であることに変わりないのです。
ブリッツ伯爵の詳細は以下の記事をご覧ください。
自身も心臓病を患っている
自分の領地に移住してきたウィリアムたちモリアーティ家の兄弟たちを晩餐にご招待したベルファー子爵ですが、自分と同じ“貴族”の階級である彼らに対してはバートン夫妻への冷たい態度からは想像すら出来ない程の「紳士的な優しいおじ様」のように接してきます。
この晩餐の中で薬を服用するのですが、この時に「心臓病を患っている」ことが明かされます。
この心臓病と自身の趣味(農園)を利用される形でウィリアムからの“罰”が下されようとは知る由もなかったのです。
趣味が興じて温室の農園も所有している
アニメ版の方ではベルファー子爵に「庭園の趣味」という設定もつけ加えられております。
そこではバートンが手塩にかけて育てているグレープフルーツがとても品良く育っており、その光景はまさに“圧巻”と言えるのではないでしょうか。
かつては自身が(子供を)見殺しにまでしたバートンを何の罪悪感もなく、そのまま働かせているのです。
(ちなみにバートンの方も自分の子供を見殺しにされたにも関わらず、文句の一言もなく黙々と働いているのです)
そうした因縁深い関係にある者でも「実力があれば使い続ける」という雇用態勢をしている彼は現代風に言うならば、かなり“エゴイスト”な性格なのではないでしょうか。
ベルファー子爵、原作とアニメ版の違い
ベルファー子爵が登場した第4話も原作コミック版を元に作られたエピソードですが、原作とアニメ版とでは彼の名前から始め、いくつもの“変更点”がありました。
キャラクター名が変更された
アニメ版での登場に際して、彼自身のキャラクター名そのものが変更されました。
| 原作コミック版 | レニー・ダブリン男爵 |
| アニメ版 | ベルファー子爵 |
原作とアニメ版では全くと言って良い程に異なる名前に変更されたのです！
飲酒においても違いアリ
ウィリアムたちとの晩餐の中で出てきた“お酒”に関しても小さな変更点がありました。
| 原作コミック版 | 全く飲まない |
| アニメ版 | 少しだけ飲んでいた |
原作の方ではドアの前に立っている使用人からの”強い見張り”によって飲めないことを愚痴りながらも我慢していたものの、アニメ版では薬の前に少しだけ飲んでおりました・・・。
バートン夫妻を拒絶する時の台詞も変化
これは先にも触れた「バートン夫妻の子供を見殺しにした場面」になりますが、彼らからのお願いを冷たく拒絶した時の台詞も大きく変わっていたのです。
| 原作コミック版 | 「お前たち、水にいくら払えるかね？」 |
| アニメ版 | 「貴様らのような下等種がどうなろうと知ったことではないわ！」 |
アニメ版の方では、この拒絶場面が冒頭部分に変更されたことも手伝い、こちらの方がベルファー子爵による横柄ぶりが解り易く描かれていた印象も強いんですよね・・・。
ベルファー子爵が”罰”を受けて迎える結末
出典：アニメつぶやき速報!!
ここからはベルファー子爵の“病”と“趣味”を利用される形でウィリアムから下される「罰」の内容と結末に迫っていきたいと思います。
ベルファー子爵の”病”と”趣味”を巧みに利用
晩餐の席で約束を交わした「庭園でのお茶会」が数日後に開かれます。
ウィリアムたちが“お土産代わり”と称して持ってきたマーマレードに対してこれまでに感じたことのなかった“斬新な味わい”の虜となり、その味がこの温室の中でバートンが丹生込めて育て上げたグレープフルーツによるものと知らされます。
それでもベルファー子爵の方は、その「グレープフルーツを原料として作られたマーマレード」を止まらずに食べ続けますが、この時点で既にウィリアムによる策略にハマってしまっていたのです。
マーマレードをたらふく味わった後に起きた「ミシェルからの奇襲」も何とか逃れて安堵出来たのも束の間・・・ベルファー子爵は強い目眩を感じながら倒れ込んでしまうのです！
ウィリアム「ご存知ありませんでした？グレープフルーツには血圧を下げる作用があることを・・・」
倒れたまま、ベルファー子爵は冷たい笑顔のウィリアム(青年期)から説明を聞かされますが、これはまさに彼が患っている“病”と“グレープフルーツの作用”を見事に複合させたことによる“完全犯罪”が計画通りに進んだ結果となります。
今度は自分が見殺しにされる形で死亡する
グレープフルーツの作用によって血圧を大きく低下させられたベルファー子爵の心臓にかかっている負担は相当に重いものです。
ベルファー子爵「い、医者を呼んでくれ・・・」
まるで戦いに負けた弱者が強い勝者(この時はウィリアム)に対して必死に命乞いするような姿勢で頼み続けるベルファー子爵ですが・・・
ウィリアム「かつて、それを頼んだ者たち(バートン夫妻のこと)がおりました。その時にご自身がどうお答えになったか覚えておられますか？」
そう聞かされた時にバートン夫妻の息子を見殺しにした時の光景が脳裏に蘇ってくるのです。
ベルファー子爵「まさか、最初から全て・・・」
ウィリアム「これは“罰”なのです」
ウィリアムから告げられるかの如く、かつてバートン夫妻からの必死のお願いも冷たく拒絶して見殺しにした時の“罰”が下された瞬間であり、これこそベルファー子爵が受けるべき“報い”でもありました。
そして、そのまま医者すら呼んでもらえないベルファー子爵はウィリアムたちの前で“見殺し”にされる形で死亡します・・・。
ウィリアム(青年期)の詳細は以下の記事をご覧ください。
まとめ
今回はウィリアムが赴任した大学のある地域で領主の座に君臨するベルファー子爵のキャラクター性や原作コミック版からの変更点を紹介しながら、迎える結末についても迫ってみました。
- ウィリアムが赴任した大学のある地域の領主である。
- 自分と同じ”貴族”の階級であるモリアーティ家の者たちには快く接するが、バートン夫妻のように”自分より階級が下”の人間に対しては横柄な態度で見下す上に平気で見殺しにしてしまう。
- アニメ版での登場において、キャラクター名から始まり、原作コミック版からの変更点もいくつか見られた。
- バートン夫妻の事情を知ったウィリアムにより、彼自身の持つ”病”と”趣味”を利用される形で「罰」を受けることになる。
- 最後には自分の方が”見殺し”にされてしまう形で死亡する結末を迎える。
バートン夫妻の息子を治療すらさせないまま見殺しにしてしまった差別的な行為は決して許されないものの、ウィリアムたちの“革命”や“完全犯罪”をファンや視聴者に解り易く伝える面においては充分に役立ってくれたキャラクターだったのではないでしょうか。
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