「憂国のモリアーティ」は2020年秋の新作アニメとして、1クール目が放送されていた人気テレビアニメです。
そして2021年春からは待望の第2クール目が放送中です。
本記事では第11話ラスト場面で初登場を果たしたマイクロフト・ホームズのキャラクター性や能力を紹介。
記事の後半では、彼が迎える変化と結末にも迫ります。
目次
マイクロフト・ホームズとは?
まずは、本作品の中におけるマイクロフト・ホームズ(以下は「マイクロフト」と表記します)のキャラクター性から紹介していきます。
シャーロックの兄
“ホームズ”の苗字のとおり、マイクロフトはシャーロック・ホームズの実の兄です。
私立探偵として働く弟(シャーロック)とは対照的に、「イギリス陸軍・情報部の長官」という偉い地位に就いています。
ルックスはかなり似ているものの、”強面な表情”やタキシードを常にキッチリ着こなしている姿により、シャーロックよりも大人びて見えますよね!
原作コミック版では、単行本の第5巻から登場したよ!
アルバート直属の上司
マイクロフトは、アルバート直属の上司でもあります!
そのため、アルバートが「MI6」に移った後にも、大英帝国から出された指令を彼に対して直接下す立場でもあるのです。
アニメ版では2クール目に入った早々に突入した「大英帝国の醜聞編」でも、そうした場面が見られましたね!
“闇に紛れた姿”が印象的
アニメ版では、第11話ラスト場面で初登場を果たしたマイクロフト。
その登場シーンが、地味ながらに強い衝撃を与えてくれたように感じます。
バッキンガム宮殿の中で、自身の上司である「女王陛下」の前に姿を現した時の場面が、彼女とはあまりにも対照的でした!
女王陛下 | 複数の“光”に照らされていた |
マイクロフト | “闇”に紛れて姿を現した |
これは、上司と部下であると同時に“光と影”の関係にも感じられますよね。
確かにマイクロフトは自身で任務を遂行することはせず、女王陛下から出された”指令”をアルバートに命じる形で実行していますからね。
行動も雰囲気も“闇”に紛れているマイクロフトですが、それらの要素や性格的な面でも、ほぼ完全に「弟(シャーロック)とは”正反対なタイプ”」と言えるでしょう。
シャーロック・ホームズの詳細は以下の記事をご覧ください。
ウィリアム・シャーロック共に”深い関係性”を持つ
アルバートとの関係性は以前からあったものの、ウィリアムにおいては「アルバートの優秀な相談役」という位にしか、聞かされていませんでした。
しかし、アイリーンが盗み出した「機密文書」の返却と交渉の席で、彼やルイスとも初対面を果たします。
そんなウィリアムたちの”計画”を聞かされたマイクロフトは、彼らの”自己犠牲を伴う計画”を否定することは、ありませんでした。
しかし、それはあくまでもウィリアムたちが本当に“愛国者”であればの話です。
マイクロフト「つまり君たちが、その計画から逸脱・暴走したと私が判断すれば、君たちを消す…必ずだ!」
強面なルックスに”本気の怖さ”まで表に出しながら話したものの、ウィリアムたちから聞かされた”モリアーティプラン”を承認してくれました。
ここから、かなり先となる「最後の事件編」以降のエピソードでは、ルイスとの関係性も深まります。
気配りへのお礼は忘れない
強面な上、常に厳かな表情で行動するマイクロフトですが、自身がしてもらった気配りへの“お礼“も決して忘れません。
それがシャーロックとの勝負を終えた後に、兄弟で向き合いながら話す場面となります。
マイクロフト「ありがとう、ハドソンさん」
弟(シャーロック)が住む部屋の大家さんであるハドソンからお茶を出してもらえた時には、さりげなくお礼を告げます。
しかしアニメ版では、こうしてお茶を出してもらえる場面は描かれたものの、マイクロフトからの”お礼の台詞”がカットされてしまっていたのが、細やかながら寂しさを感じてしまいましたね…。
ハドソンの詳細は以下の記事をご覧ください。
マイクロフトは「政府そのもの」
ワトソンやハドソンが見ている前でも推理勝負をした後、シャーロックに対して簡単なアドバイスをしてから退室していきます。
その後にワトソンから「どこかの官公庁の人か?」と聞かれますが、マイクロフトはそんな生易しい存在ではありません。
シャーロック「政府そのものだよ、アイツは!」
「政府そのもの」であるからこそ、”M”であるアルバートに対して、直接任務を言い与えられるのです。
さらに、自身の上官である”女王陛下”からの許可が降りれば、大勢の市警たちを指揮して動かすことまで可能です。
そう考えてみると、マイクロフトの持つ中で本当に恐ろしい能力とはシャーロックすら超える推理能力や体術以上に、彼自身が持つ「権力そのもの」と言えますよね!
マイクロフトの能力は弟(シャーロック)をも超える!
ここからは、弟(シャーロック)すら超える、マイクロフトのもつ能力の数々を紹介していきます。
【能力①】推理勝負で連勝中!
久々にシャーロックに会いに来たマイクロフトですが、初対面のワトソンに対して“体重の増加”を瞬時に推理すると同時に指摘してきます。
マイクロフト「最近“7ポンド”お太りになられたようだ」
完全に見抜かれたことで驚くワトソンもききかえしますが、マイクロフトは「ワトソンの装着している“ベルトの状態”」を理由に言っていました。
マイクロフト「ベルトは古いが、お使いの穴は新しい。胴囲と身長から察するに、7ポンド増えたのは“明白”でしょう」
ちなみにワトソンはマイクロフトと出会う直前、シャーロックからも同じことを言われていました。
しかし彼の方は「7.5ポンド位」と抽象的な解釈と言い方でした。
そうして比べてみると、マイクロフトの推理能力が如何にシャーロックをも超えた優れたものかが理解できると思います。
実際に兄弟同士で会った時にもちょっとした推理勝負を行い、そんな状況を見たワトソンも「さすがシャーロックのお兄さん」と感心させてしまいます。
そして同じ場にいたハドソンからは「シャーロックよりも手強い存在」であることを聞かされます。
ジョン・H・ワトソンの詳細は以下の記事をご覧ください。
【能力②】体術の強さ
ワトソンの”体重”を推理した後はシャーロックの部屋に入ると同時に、いきなり攻撃を仕掛けてきます!
対するシャーロックも、即座に反応しながら応戦しますが、マイクロフトの方は彼から繰り出された蹴り攻撃を左肘で簡単に防いでしまいます。
さらに、タキシードの中に忍ばせていた拳銃を抜き出して発砲させて、シャーロックの額に命中させてしまったのです!
マイクロフト「これで私の673勝0敗だな、シャーリー!いつになったら私に”敗北”を味あわせくれるんだ?」
シャーロック「てんめぇ、クソ兄貴!」
ちなみにシャーロックに向けて撃ったのは本物の弾丸ではなく、マイクロフトの持つ拳銃の機能で放てる”偽装弾(ペイントダン)”でした…。
この兄弟は以前から、こうして会う度に”推理”や”肉弾戦”を繰り返してきたそうですが、兄の方が無敗の結果を維持しているのです!
本作品を原作やアニメの1クール目から順調に追ってきているファンならば、既にお解りでしょうが…マイクロフトの強さや能力は、あのシャーロックが一度も勝てていない程に強大なものなのです。
マイクロフト・ホームズ兄弟の「家系」による”重大な秘密”
「大英帝国の醜聞編」で、マイクロフトやシャーロックの家系”ホームズ家”が背負うべき”贖罪”があることが判明しました!
アイリーン・アドラーへの処理が完了した後、ウィリアムから「重大な機密文書を保管し続けてきた理由」を問われたマイクロフトが教えてくれます。
- 彼の上官である女王陛下が、この作戦の失敗を”永代背負うべき罪”と考えている
- 機密文書の著者が自分たちの祖先となる”ロペスピエール”である(祖先の本名は「シェリンフォード・ホームズ」)
- ホームズ家が英国に”忠誠”を誓い続ける理由が、その”贖罪”であり、背負い続けなければならない「罪と罰」である
原作コミック版では、単行本の第6巻で知ることができます。
確かに、ウィリアムでなくとも「重大な機密文書」をリスクまで背負いながらも”保管”する理由があるのか、気になるところでもありますよね。
しかし、アイリーンが盗難したことにより、機密文書の内容だけでなく「ホームズ家の“重大な秘密”」まで明かされましたね!
アイリーン・アドラーや「機密文書の内容」については、以下の記事を参照ください。
マイクロフトと弟(シャーロック)との関係性
ここからは、先の能力面で紹介した場面から「最後の事件編」の展開を辿りながら、弟(シャーロック)との関係性に迫りたいと思います。
弟(シャーロック)から唯一”苦手意識”を持たれる存在
マイクロフトからの助言を聞かされたシャーロックは、兄が去ってからも真っ青な顔色で立ち尽くしています。
そんな様子をワトソンからも心配されますが…
シャーロック「疲れた…苦手なんだよ、アイツ!」
基本的に誰にでも元気に接しているシャーロックも、マイクロフトの前では頭が上がらなくなってしまいます。
本人も言うとおり、マイクロフトこそが、シャーロックが唯一”苦手としている人物”なのです。
弟(シャーロック)を想う気持ちとは?
先に挙げた「ホームズ家の宿命」ですが、現在ではあくまでもマイクロフトと女王陛下で背負っており、弟(シャーロック)は関与していない状態です。
何故なら、マイクロフト自身が弟(シャーロック)に対して、自分たちの家系が背負うべき「罪と罰」を教えていないからです。
マイクロフト「このことは弟には教えていない。アイツには自由に生きてもらいたいと思っているのでね…」
表面上では弟(シャーロック)に対しても厳しく接することが多いマイクロフトですが、内心では弟のことを大切に想っていることが解りますよね。
しかし、あの鋭いシャーロックが本当に全く気づいていないとも思えないんですよね…。
シャーロックも実は”自身の家系”について既に知っていながらも、兄からの心遣いを把握して「敢えて気づかぬフリをしているだけ」のようにも感じるんですよね。
弟(シャーロック)を”殺人容疑”から解放してくれる
「犯人は二人編」でウィリアムよりも先駆けて、シャーロックの方が先に脅迫王ミルヴァートンを射殺してしまいます!
それにより彼自身に”殺人の容疑”がかかってしまい、警察署へ連行されてしまいますが、そんなシャーロックをマイクロフトが待ち構えていました。
両手に手錠をかけられている中でも、自身の手でミルヴァートンを射殺したことを感謝してほしいと強がる弟に対して「“犯罪卿”を捕まえるのは、あくまでもシャーロックの役割であること」を公言します。
マイクロフト「幸か不幸か…お前の殺人は状況的に“完全犯罪”になってしまっている!」
そして”今の状況”についての説明が始まります。
- 現場での目撃者が、1人もいない
- 血痕などの犯行を裏づける”物証”が残っていない
- ミルヴァートンの”死体”が海に沈んだまま、見つかっていない
つまり、これらの状況ではシャーロック自身の自供があろうと、原則として“殺人罪による起訴”ができないのです。
暫くは拘留される期間が続くものの…マイクロフトが直々に来て、事情や状況を説明してくれたおかげで、シャーロックは晴れて“無罪放免”となります。
そしてシャーロック自身が、再び犯罪卿(ウィリアム)を追うことができるようになるのです。
マイクロフトと弟(シャーロック)との再会までの展開を紹介
ここからは「最後の事件編」で弟と離れ離れにされてから、再会までの展開を辿りたいと思います。
弟(シャーロック)との一時的な”別れ”を迎える
「最後の事件編」の中、建設中のタワーブリッジの上に向き合うシャーロックとウィリアムがテムズ川に落ちてしまいます。
市警たちで大掛かりな捜索を始めたものの、2人の死体は見つからず、結局は「行方不明」の扱いで処理されました。
それから3ヶ月後、マイクロフトの方からルイスを呼び出して、まずはお礼を言います。
マイクロフト「君たちが英国のために、命を懸けてくれたこと…心より感謝する」
確かにウィリアムを主体とした自分たちの計画は完遂されたものの、その代償はあまりに大き過ぎたのです。
その代償こそが、ウィリアムを含めた「主役やメインキャラ達が一斉に”戦線離脱”してしまったこと」でしょう。
ルイスが愛する兄(ウィリアム)を失うと同時に、マイクロフトの方もまた、自分の弟(シャーロック)を失ってしまったわけです。
ウィリアム(青年期)の詳細は以下の記事をご覧ください。
“新たな代償”を告げる
その代償こそが、「モリアーティ家も、ホームズ家と同じく、英国に対して永遠の”罪と罰”を背負うことになった」というものです。
ルイスの方もそのことは重々に承知しており、今後は残された自分たちが「これまでの罪の償い」をするために生きていく覚悟まで決まっていました。
そんなルイスの覚悟を認めたマイクロフトは、彼に対して、新たな「MI6」の座をルイスに委ねます。
マイクロフト「君が新たな“M”だ!」
ルイス(青年期)の詳細は以下の記事をご覧ください。
そして3年後…ルイスたちに新たな任務を命ずると同時に、新章「空き家の冒険編」に突入しました!
ここまでの展開は、原作コミック第14巻で読むことができるよ!
弟と別れた後、ミルクティーを嗜むようになる
「空き家の冒険編」に突入してから、ルイスたちが取りかかった任務の中で、標的であるアデア卿を射殺した犯人として、ウィリアムたちと同じく行方不明中のモラン大佐の名前が挙がります。
セバスチャン・モラン大佐の詳細は以下の記事をご覧ください。
ルイスたちがそう推理する中、マイクロフトの元にも外務大臣が訪れてきては、その件で調査の依頼をされます。
その時にマイクロフトが外務大臣に対して“アッサムのミルクティー”を出したことで珍しがられす。
マイクロフト「以前、知人に薦められてから嗜むようになりまして…」
彼が話した“知人”とは、弟(シャーロック)が住んでいた部屋の大家さんであるハドソンのことでした。
ハドソン「酷く落ち込んだ時や心を落ち着けたい時には、これ(ミルクティー)が1番ですよ」
彼女自身もシャーロックが死んだ(と思われた)時に、涙を必死に堪えながらマイクロフトに対して薦めてくれたのです。
おそらく、この時もマイクロフトの方は悲しみを隠して、いつもの冷静な表情でハドソンに会いに行っていたのでしょう。
弟(シャーロック)との感動的な再会を果たす!
外務大臣が帰っていった後、マイクロフトはすぐにルイス達を集めては”アデア卿殺害”の件で話し合います。
しかし、そんな最中に“本屋さん”に変装した姿のシャーロックが訪れます。
シャーロック「よぉ、久しぶりだな!これでお前とは“おあいこ”だぜ!」
ボンド「まさか!あの時のこと…」
ノック音に応答してドアを開けたボンドは、あのシャーロックが生き延びた姿で目前に現れたことだけでなく、以前の自身の行動や、かつての”アイリーンだった者”であることを見破られていたことに驚愕します。
ボンドに軽く挨拶した後、部屋の中に入ってはルイス達をも驚かさせますが、内心で最も驚いていたのは、やはり兄であるマイクロフトでした!
彼はあくまでも驚く表情は見せず、冷静に徹したものの…この時ばかりは隠しきれずにティーカップを持つ手を震えさせています。
シャーロック「悪かった!ずっと黙ってて…本当にすまなかった。兄貴(マイキー)」
マイクロフト「シャーリー、お前が生きていてくれた…ただ、それだけで私は嬉しいよ」
お互いに軽い笑顔で見つめ合いながら、3年ぶりとなる“兄弟の再会”を果たしました!
こうした感動の余韻に浸る間もなく…
シャーロック「全部話すよ。俺がこうして生きていた事…そして“あいつ”のこともな!」
シャーロックは入り口前で再会したボンドに対して、こう話していました。
彼が言う“あいつ”とは、もちろんウィリアムのことです!
こうしてマイクロフト達は、シャーロックの口から「ウィリアムの“生死”の行方や現状」を聞かされることになります…。
ハドソンとの”ミルクティー”や、弟(シャーロック)との感動的な再会シーンは、原作コミック版の第58話(ジャンプSQ2021年6月号に掲載)で見られるよ!
マイクロフトの声は声優「武内駿輔さん」が担当
マイクロフトの声を担当している声優さんは、「シグマ・セブン」に所属されている、安元洋貴さんです。
安元さんは、まだ学生だった頃に姉からの勧めで役者への道に進まれていました。
本人が「緊張しない」という特技を持っており、伸び伸びと演じられたことによって「演技の楽しさ」を実感されたそうです。
声優としての最初の仕事は養成所にいた頃に出演した映画の”吹き替え”でした。
マイクロフトの声優・安元洋貴さんの代表作
安元さん自身は「自分は一生、主役キャラを演じることはない」と語られていたそうですが、2014年に放送された「鬼灯の冷徹」鬼灯役で、テレビアニメ作品としては初の主役キャラを演じられました!
安元洋貴さんの他代表作は、以下の通りです。
- 「ベルセルク」アザン役
- 「ぐらんぶる」時田信治役
- 「キャロル&チューズデイ」スキップ役
- 「ヴィンランド・サガ」ビョルン役
まとめ
今回はシャーロック・ホームズの兄として登場した、マイクロフトのキャラクター性や能力を紹介しました。
記事の後半では、弟(シャーロック)との関係性に加えて、長い期間による別離を経てからの「感動的な兄弟の再会」の場面についても迫ってみました。
その地位や立場ゆえに、シャーロックやモリアーティ兄弟たちとは違って、直接的な戦闘や任務に出ることはないため、かなり地味な印象に見えてしまっているファンや視聴者も多いかもしれません。
しかし、マイクロフトの存在があったからこそ、弟(シャーロック)がウィリアムのことを追い続けられた上、彼ら兄弟の家系による「重大な秘密」までしることができたこともまた、否定できない事実ですよね!
原作コミック版の方ではルイスを「新たな指導者」とする形で、かなり大きな転換期を迎えました。
それにより、マイクロフトの本当の見せ場もまた、弟(シャーロック)との再会を果たせた今後の展開からが本番になっていきそうな予感も強く感じられますよね。
本作品のアニメ動画や見逃し配信の詳細は以下の記事をご覧ください。
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