映画『空の青さを知る人よ』を観てきました。
登場人物の数自体は少ない物語なんですが、キャラ同士の関係だったり、好意の感情の入り繰りが複雑だったと感じました。
公式にも特に相関図もないようですし、人物相関図を自作してみました。 登場キャラクターについてもそれぞれ概要をまとめてみました。
目次
映画『空の青さを知る人よ』の人物相関図
まとめてみて改めて思いましたが、今作は登場人物の数が非常に少ないですね。
その割には物語を軽いと感じなかったのは、人物同士の関係が複雑だったことと、非常に緻密に描かれていたことではないかなと思います。 現在・過去と入り乱れる感情も少々複雑です。
それぞれのキャラクターについて、実際に観た感想も交えて相関関係を次の章でまとめていきます。
映画『空の青さを知る人よ』の登場キャラクターまとめ
相生あおい
本作の主人公のあおい、高校2年生です。
姉のあかねが自分のせいでやりたいことを我慢していると思っており、そのために東京へ出ようと考えています。
また、生霊として現れた高校生のしんのに恋をしてしまい、あかねへの姉妹愛との間で揺れ動きます。この心の葛藤が本作のメインの描写でしょう。
あおいは正直かなり思春期こじらせてるなーというのが私の印象でした^^;
というのも、あかねにひどい言葉を吐いてしまう場面などがあって、あかねの心中を思うと胸が痛くなりました・・・しかしこの歳の女の子なんてこんなものですかね笑 また、自己中心的で口が悪いことから学校での友達も全然いません。
そのため本作で仲良くなる大滝千佳は貴重な友人となったようですね。
ただ、正嗣にだけは心を開いているようで、年下ながら頼りにしている描写がいくつも出てきました。 しかし直情的な性格をしているあおいがこの物語を動かしている推進剤になっていたのは間違いないでしょう!
相生あかね
あかねはあおいの実姉で現在31歳。
両親を事故で亡くしてからはずっとあおいの母親がわりになっていました。 小さなあおいを残して遠くへは行けないため、高校卒業時に東京へ行くしんのへついて行かないと告げます。
本人は『あおいが一番大切』であることに何の迷いもないため、自分の選択に後悔はないようです。
しかし慎之介のことはずっと心に想い続けていたようですね。
あかねの周囲の人間、あおいや正道(みちんこ)は「あかねは無理をしてやりたいことを我慢しているのでは」と心配していました。 周囲(特にあおい)に振り回されても怒ることがほとんどなく、精神的に非常に大人びているキャラクターだなと感じました。
なんというかあかねの心の広さはもう仏という感じです(笑)
金室 慎之介
あかねの幼馴染で、恋人だった「しんの」の成長した姿です。
慎之介はビッグになってあかねを迎えに来ると宣言して上京しました。 一度はソロデビューを果たしたものの鳴かず飛ばずで地元へも連絡できずにいたところに、拾ってくれたのが演歌歌手の新渡戸でした。
しかし慎之介は新渡戸に感謝こそすれ、演歌歌手のバックバンドという立ち位置には満足しておらず、もうあかねを迎えに行くのは半ば諦め自堕落な生活を送っていたようでした。
しかし幼馴染のみちんこの計らいにより、新渡戸のバックバンドとして故郷を訪れることになります。
この人物の印象としては、大人の方の慎之介はひたすら「しんのとの対比」に使われていたという印象ですね。 熱く夢を語るしんのに対して、冷めた目で世の中を達観して諦めてしまっている慎之介という感じ。
しかしこの慎之介が失った情熱を思い出していく過程こそが、正に本作のタイトル「空の青さを知る人よ」を示していたのではと思っています。
しんの
しんのは高校生の頃の慎之介の姿です。
生霊となってお堂でベース引いているあおいの前に現れました。
「しんの」は「慎之介」と対比して、失ってしまった夢と希望を持ち、あかねへの真っ直ぐな思いも持っていました。
しかし将来の自分の姿(慎之介)があまりにも不甲斐なく、幻滅します。 それでも未来の自分を熱く鼓舞し、若い頃の情熱を思い出させることのできるしんのは、あおいと並ぶ第2の主人公なのかなという風に感じました。
私の中では「空の青さを知る人」=「しんの」でした。
中村 正道
通称みちんこ。あかねや慎之介の幼馴染です。
バツイチ子持ちです。 本人曰く、妻の浮気が原因のため自分に非はなく清いバツイチだとのこと(笑) 再婚相手としてアカネに思いを寄せています。
しかしアカネに脈はないことはなんとなーく察してはいる様子。 アカネが慎之介のことをまだひきずっているのではないかと案じて、慎之介と引き合わせた張本人です。
新渡戸のバックバンドに慎之介がいると知っていて、町おこしの歌を新渡戸に依頼したんですね。
みちんこも性格はあかね系というか、基本的に優しくて人のことを傷つけず、自分より他人を優先する性格が似ているなと感じますね。
中村 正嗣
正嗣はみちんこの息子で、あおいのことをよく助けてあげているようです。
あおいの方がかなり年上のはずなのに、あおいは子供っぽく、正嗣が大人びているため、はた目には上下関係は逆に見えますね(笑) 驚くのが正嗣が本気であおいのことを想っているということ。
この若さでほんとーに大人びています。
しかし大人びているのも、あおいのことを助けられる男であらねばという気持ちが根底にあるようで・・・もしかすると本作一イイ男なのでは?と思ってしまうキャラでした。
大滝 千佳
千佳はあおいの同級生で、数少ない友達です。
決して目立つキャラクターではないんですが、正直に思ったことしか言わない千佳のキャラが、あおいを自分の本当の気持ちに気づかせるのに一役買っていたのかな、と思います。
千佳もあおいに散々振り回されても文句を言ったりしないタイプで、実は懐がめちゃめちゃ広いのでは?と思っていました。
というかあおいの周りは全く怒らない人だらけで、だからこそ傍若無人なあおいが生きて行けている、という感じがしますね(笑)
まとめ
今回は、『空の青さを知る人よ』の人物相関図をまとめてみました。
こうしてまとめてみると、あの花のような、『昔仲良しだったグループ』の成長した姿を描くのが好きな監督なんですね。
やはり共通したものを感じました。
少ない登場人物の中に緻密な人間関係や心の機微が描かれている名作だったと思います。
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