『無職転生』は、2021年冬の新作アニメとして1月から3月にかけて第1クールが放送されていた人気テレビアニメ作品です。同年10月からは、待望の第2クールが放送されました。
本記事では、ヒトガミの正体と能力、劇中でルーデウス(前世の男)に助言(お告げ)を続ける本当の目的を紹介。さらに、真の目的や倒す方法についても迫ります。
第1クールおよび第2クールの人物相関図は「無職転生の人物相関図!登場人物・キャラクターの一覧を解説
」の記事をご覧ください。
ヒトガミとは
ヒトガミは、第9話の冒頭から大きな魔力災害で魔大陸に転移させられてしまったばかりのルーデウスの夢の中に現れた、非常に胡散臭い存在です。
人神(じんしん)とは別の存在
本編でルーデウス(前世の男)の前に現れたヒトガミは、創造神が生み出した人神(じんしん)とは全く別の存在です。
“無の世界”で生まれてきた者が「人神(じんしん)になり代わった存在」こそがヒトガミとされています。
かなり紛らわしいキャラクター名にも、実はこうした事情や過去があったわけですね…。
ヒトガミの声は声優「くじらさん」が担当
ヒトガミの声を担当している声優さんは、「81プロデュース」に所属しているくじらさんです。
洋画の吹き替えも数多くこなしており、テレビアニメ作品では1991年に放送されていた「楽しいムーミン一家」女王役でデビューされました。
くじらさんの代表作(キャラクター)は、以下のとおりです。
- 「おそ松さん」松野松代役
- 「NARUTO-ナルト-」大蛇丸役
- 「銀魂」お登勢役
- 「ダンガンロンパ」大神さくら役
ヒトガミの正体は詐欺師かつ愉快犯
少年期編(アニメ第1期)ではルーデウス(前世の男)に対して、いくつもの役立つ助言(お告げ)で助けてくれたヒトガミ。
そんなヒトガミは、衝撃的な正体と真実を隠し持っていました。
ルーデウスへの助言も半分近くは詐欺だった?
ルーデウスがエリスと一緒に魔大陸に転移させられてから、ヒトガミは幾度にも渡り夢の中に現れては助言を与え続けてきました。
ヒトガミの助言に従うことで、魔界大帝(キシリカ)から「予見眼」を得られた上、パックス王子に囚われていたリーリャとアイシャの救出も成功させています。しかし、これらの助言や成功結果は、自身の本当の目的を達成させるための“手段”に過ぎません。
こうしてルーデウスをぬか喜びさせた末、未来の展開では彼を破滅に陥れてしまうのです。そのため、ヒトガミは決して良い神などではなく、その本質は“詐欺師”そのものと捉えるべきですね。
ルーデウスの強さや能力・未来の結婚相手に関する詳細は「【無職転生】ルーデウス(幼年期)の強さと魔術能力・未来の結婚相手たちも紹介」の記事を参照ください。
人を陥れることを楽しむ愉快犯でもある
ヒトガミは、先に紹介した助言の通りに行動してきた相手を陥れると同時に、その相手の苦しみや悲しむ様子を見下ろしては喜んでいます。
そんなヒトガミは詐欺師であると同時に“愉快犯”であるとも言えます。
5つもの世界を滅ぼした大罪人
ヒトガミは、実は助言した相手を陥れること以上に恐ろしい大罪も犯しています。
それこそが、ヒトガミの企みによって「人の世界以外の“5つの世界”を滅ぼされたこと」です。
ここまで壮大なことを成し遂げたことで、ある意味では“神”を名乗れるほどの能力や資格を持っているものの…自分の目的や企みだけで世界を滅ぼすなど、許されることではありませんよね。
龍神オルステッドから憎まれる理由
ルーデウス(前世の男)以外に、ヒトガミと最も関わりが深いのが龍神オルステッドです。
オルステッドからは「クズ野郎」とまで呼ばれる程に憎まれています。その理由は「ヒトガミ自身が“初代龍神”を殺してしまった仇だから」です。
さらにオルステッドはヒトガミだけでなく、ルーデウスのような“ヒトガミの使徒”も容赦なく攻撃しては殺してしまいます。
オルステッドの強さや能力・正体に関しては「【無職転生】オルステッドの強さは?正体は何者なのか?」の記事を参照ください。
ヒトガミがルーデウスに助言する本当の目的とは?
ここでは、ヒトガミの方からルーデウス(前世の男)に対して、何度も助言を送り続けることによる“本当の目的”について解説していきます。
助言した相手を陥れることが目的
ヒトガミの真の目的とは、自身が助言した相手を成功させ続けながら喜ばせた末、ドン底に陥れることでした。
ルーデウスと出会う前にも他の者たちに助言を告げて、最終的にその者同士を争わせて破滅させては、遠くから見下ろしながら馬鹿にしているのです。
ただ、ルーデウスは、ヒトガミにとっても絶対に陥れて死亡破滅・死亡させなければならない存在でもあったのです。
真の目的はルーデウスと関係者たちの抹殺
ルーデウスに助言を続けたことによる真の目的は、ルーデウスと関係者たちを抹殺することです。
この目的を果たすため、何度にも渡ってルーデウスに助言を与え続けることで油断を誘い、最終的には手早く彼らを殺そうと目論んでいたのです。
そこで疑問となるのが、「なぜルーデウスたちを殺そうと企んだのか?」という点。実はヒトガミには”未来を見る能力”があり、遠い未来に自分がルーデウスや子孫たちによって倒されてしまうことを予知していたのです。
その中で特に厄介となるのが、やがて結婚するルーデウスとロキシーの間に生まれる子供・ララの存在でした。
ロキシーがララを妊娠した時、ヒトガミから最後の助言(お告げ)として、ルーデウスに対して「地下室の様子を見てくるように」と言ってきます。ヒトガミは、「ルーデウスがこの最後の助言に従い、地下室から“魔石病”をもったネズミが飛び出して食べ物に感染し、それを食べたロキシーがララを生まないうちに死亡させる」という策略を立てました。
こうした悲しい歴史も実在したものの、本編の中では助言を受けたルーデウスの前に“未来の自分(老人となったルーデウス)”が現れて止めてくれたおかげで、このような死亡ルートを回避することができました。
ロキシーの強さや能力・娘(ララ)の詳細は【無職転生】ロキシーの結婚と子供たち・魔術能力と過去や今後の展開【ネタバレ】の記事を参照ください。
ヒトガミの能力と弱点
少し意外に感じてしまう人も多いと思いますが、ヒトガミの強さは「七大列強上位をも上回る」と言われています。
さらに、多才な能力まで持ち合わせているのです。
【能力①】信用させる呪い
一見は、この呪いのせいで誰もがヒトガミに信用させられてしまう怖い呪いのように思われがちですが、実際にはあまり大したことはありません。影響力もオルステッドの呪い(誰からも恐れられる)よりも遥かに弱く、相手の判断力を狂わせることまではできていないようです。
もちろん、転生者であるルーデウス(前世の男)にも全く効果がないため、結局は巧みな口調や話術を用いて騙すことになります。そういう意味では、ヒトガミの持つ中では”最も大したことのない能力(呪い)”と言えるでしょう。
そのため、ルーデウス以外に対しても、上手く騙して「ヒトガミの使徒」にさせているに過ぎません。
ヒトガミの使徒になった人物一覧
「ヒトガミの使徒」とは、ヒトガミの方から他人の夢に入って“ルーデウスの抹殺”を命じられた者たちです。ヒトガミの使徒となった者は、以下の7人です。
- ルーク・ノトス・グレイラット(アリエル王女の護衛)
- レイダ・リア(水神)
- バーディ・ガーディ(闘神・不死身王)
- ダリウス・シルバ・ガニウス(アスラ王国の上級大臣)
- レオナルド・キングドラゴン(王竜王国の第32代目国王)
- ギース・ヌーカディア(元・黒狼の牙メンバー)
- 冥王ビタ(粘族の王)
こうして並べてみると、ヒトガミに騙されて使徒となった者達が意外と多いことが分かりますね。
ルーデウスと従兄弟関係にあるルークや、かつてパウロの仲間だったギースまで使徒となってしまうのは、皮肉としか言えませんよね。
パウロの強さや能力・アニメ第2クール以降に迎える展開に関しては、「【無職転生】パウロ(父親)が嫌われる理由・強さや過去・死亡する結末」の記事を参照ください。
【能力②】夢の中で人の心を読む
ヒトガミの本当に凄いところは、「夢の中で呼び出した人の“心を読める”能力」ではないでしょうか。
まだ出会ったばかりのルーデウス(前世の男)に対して、相手の思いや事情を完全に見透かした上で巧みに話せたのも、この能力を使いこなしていたためです。
こうした能力は現実社会でも理想的であり、もしもヒトガミが営業マンとして働いていたなら、これを駆使することで絶大的な売上成績を出せていたかもしれませんね。
「前世の男」の詳細は「【無職転生】前世の男はクズニートだけど実は勝ち組!【ルーデウスに残した能力とトラウマとは?】」の記事をご覧ください。
【能力③】強力な遠視と未来視
ヒトガミは、自身のいる無の世界から“遠視”を使ってルーデウス達がいる人の世界を見られる上に、“未来視”で未来を確認できます。
遠視と未来視が、ヒトガミの使徒を増やすために必要不可欠な能力と言えます。
ただ、未来視は「一度に助言(お告げ)を出せる相手は3人まで」という制限があります。
自身の能力に頼り過ぎるところが弱点
“信用させる呪い”以外はチート級とまで呼べる程の能力を持つヒトガミにも、致命的な弱点があります。
その弱点は、自身の能力に頼り過ぎているせいで「相手の方から先に心を読まれた場合に対する、咄嗟の対応や演技が下手すぎる」という点です。
さらに先に少しだけ触れた”ヒトガミの使徒”においても、決して完璧でなく、使徒とされた者たちからも完全には信用されていないことも判明しています。
ヒトガミは死亡する?倒す方法はある?
最後は、ヒトガミという存在が果たして死亡するのか?
また、本当に倒せる方法があるのか?
それらの疑問を辿りながら、ヒトガミ自身が迎える結末について迫ります。
ヒトガミが死亡しない理由
結論から言ってしまうと、ヒトガミ「倒すことが不可能な存在です。
その理由はごくごくシンプルなものであり、ヒトガミがいるのは「無の世界」と呼ばれる、他人からは一切手出しされない場所にいるからです。
また、もしもルーデウス一家やオルステッドがヒトガミの前に辿り着けたと同時に倒せた場合でも、「ヒトガミが死んだ場合、ルーデウス達の住んでいる”人の世界”が滅ぶかもしれない」という新たな問題が発生してしまいます。
せっかくヒトガミを倒せても、自分たちの住む世界そのものが滅んでしまっては元も子もないですからね…。
ちなみに、オルステッドもヒトガミを殺すために100回以上にもわたるタイムリープを繰り返したんだけど、ヒトガミの居場所には一度も辿り着けなかったんだって!
ヒトガミの最後は封印される形で倒される
本編の結末は「ルーデウスの死亡(寿命)」で幕を閉じた上に「ヒトガミを倒したこと」は語られていません。
しかし、ヒトガミが最後に見せた未来で「ヒトガミ自身の四肢をバラバラにされた状態で“封印”されたこと」が判明した上に、オルステッド達の勝利まで示唆されています。
そのため、ヒトガミは死亡することなく、あくまでも封印される形で結末を迎えたのです。
倒したら世界そのものが滅ぶ可能性があれば、迂闊に抹殺することができません。とはいえ、ヒトガミのような危険な存在をのさばらせておくよりは、封じ込めてしまった方がまだ安全ですよね。
まとめ
今回はヒトガミの正体や本当の目的、多才な能力について紹介しました。さらに、ヒトガミを本当に倒せるのか否か考察しながら、本人が迎える結末にも迫りました。
ヒトガミからの助言(お告げ)のおかげで、ルーデウスたち”デッドエンド”も魔大陸での過酷な冒険や戦いを乗り越えられたことも事実ですが…そこまでしてくれたことの理由や目的が、かなりえげつないですね。
これは現実世界でも言えることですが、どんなに良くしてる者に対しても出会ったばかりの人間を簡単に信じきってはいけないことを、ヒトガミが反面教師となりながら、我々人類に対して教えてくれていたようにも感じられます。
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