『呪術廻戦』は、人間と呪霊が呪術を使って戦うダークファンタジーです。
作中でかっこよくてダイナミックな技「領域展開」。
発動をすると、術式を付与した生得領域を呪力で周囲に構築し、その空間に敵を閉じ込めます。
術師にとってまさに切り札であり最終奥義です。
この記事では、領域展開の発動条件・効果・強さなどを解説していきます。
単行本16巻までで登場する領域展開の情報やキャラクターの情報でまとめてみたよ。
領域展開とは?
『呪術廻戦』での見どころの1つである必殺技「領域展開」。
発動をしてしまえば、一気に決着をつけることができる強さを持っています。
ここでは、そんな領域展開について詳しく解説していきます。
領域展開の意味について
領域展開は、怒りや憎しみなどの負の感情を利用して、術師の心の中のイメージを現実に空間として再現した術式です。
「呪術を使える者が最終的に辿り着く術式の完成形」と言われています。
この世に存在しないものを現実に空間として具現化するため、誰もが簡単に為せる技ではありません。
最強の術師・五条悟は、領域展開を「術式を付与した生得領域を呪力で具現化すること」と説明しています。
術式?生得領域?呪力?
何やら専門的な用語が出てきてわかりづらいので、それらを初めに解説します。
呪力
呪力とは、「負の感情」を指します。
具体的には、怒り・恨み・悲しみ・苦しみ・憎しみなどが当たります。
これらの負の感情を自身でコントロールすることによって、呪力を縦横無尽に使うことができるのです。
ちなみに、虎杖は呪力を自由自在に使えるように、短期間で映画を数多く見るという修行をしていました。
「術式を付与した生得領域を呪力で具現化すること」と五条は言っていますが、その呪力とは負の感情のエネルギーのことを指します。
呪力というエネルギーを使用して、具現化することで領域展開を実現すると言うことになるね。
術式
術式とは、「呪力を使って様々な技を発動させること」を指します。
術式は、先天的に身体に刻まれているもので、「生得術式」とも呼ばれます。
4歳から6歳頃に自らの術式を自覚するとされ、一部の限られた人しか使用することはできません。
また、漫画では、「呪力と術式」の違いを、「呪力→電気、術式→家電」に例えて説明しています。
電気を使って家電を動かすことができるように、術式も呪力を使うことによって発動できるのです。
つまり、五条先生が説明した「術式を付与した生得領域を呪力で具現化すること」を説明すると、呪力(電気)を通すことで、術式(家電)を使って、生得領域を具現化するということになります。
基本的に術式を持つ術師は、呪力を使って術式を使うんだよ。
その応用で、生得領域という不思議空間に術式を使用して、指定した範囲で術式をつけるようにした…ってイメージ!
わかりやすい術式を使用しているのは、「狗巻棘」です。
狗巻棘は、呪言という術式を使用しますが、一番理解しやすい術式だと思われます。
術式の解説や術式のデメリットも解説しているので、そちらも合わせてご覧ください。
生得領域
生得領域とは、「術師の心の中を現実にした空間」を指します。
つまり、「生得領域を具現化する」とは、術師の心の中のイメージを現実に再現するということです。
生得領域は術師それぞれに生まれつき違いがあり、再現される領域も術師によって様々です。
例えば、五条悟は宇宙のような空間を、伏黒恵は洞窟で地面から影がうねっているような空間を再現しています。
生得領域自体は誰でも持っているんだけど、自分の生得領域を理解したうえで具現化するのも難しいみたい。さらに、生得領域に術式を加えるとなると並大抵の術師じゃできないんだって♪
未完成の領域
漫画1巻で出てきた術式が付与されていないただの領域のことは、「未完成の領域」と言います。
虎杖らが少年院で体験したのはこの未完成の領域であり、ちゃんとした領域なら全員死んでいたと五条は語っています。
アニメ版だと、4話の内容だよ!
領域展開の発動条件
領域展開を発動させるためには、独特な手の形を作り、「領域展開」と唱える必要があります。
手の形はそれぞれの術師によって違いがあります。
例えば、両面宿儺は、両手の人差し指と中指を合わせ、薬指と小指は折り曲げ、両手で三角形に見えるような形を作っています。
人によっては、絵に書くことで領域展開をしているから、指にこだわる必要もないのかもね。
領域展開の効果・強さ
領域展開は、一種の結界術のようなもので、対象を「閉じ込める」ことを目的としています。
発動してしまえば、一定の範囲まで結界が張られ、領域内の者は基本的に逃げることができません。
領域内は、発動した術師が戦闘しやすいホームのような環境になっています。
閉じ込められた術師は、相手有利のアウェイの状況で戦わなければいけません。
また、領域内では、術師の術式が必中するという強みもあります。
このように、領域展開を発動することによって、自分に最適な環境に対象を閉じ込め、地の利を生かして戦いを優位に進めることができます。
最大限のパフォーマンスの中、術式は必中だし、相手を逃がさないってなると…かなり強いよね!
領域展開から対処・逃げる方法
発動されたらおしまいだ!と思われるほど強力な領域展開ですが、対処する方法も6つあります。
①呪力で防御する
領域内の術式は必中であるものの、放たれた攻撃自体は呪力で防御することができます。
五条VS漏瑚(じょうご)の戦いで、五条は漏瑚の領域展開をひたすら呪術で受け流しています。
五条悟の術式は、無限を現実に持ってくる無下限術式というものであり、この無限を常に纏いバリアの働きをさせているのです。
必中するけど、守ることが出来るっていうのは確かにウイークポイントかも…?
でも、守ることに特化した術式を持っている人の方が少ないから、相性が大きいかもね。
②領域外に逃げる
領域外に逃げるには、領域の端がどこにあるのか把握している必要があるため、難易度が高いです。
陀艮vs伏黒では、伏黒がこの方法を使って領域を破っています。
しかし、その時は伏黒が外から侵入しており、領域の端の近くにいたためできたことです。
基本的にはできないと考えましょう。
領域展開に自分から入るメリットはほぼないし、領域展開に巻きこまれない範囲で2対1で戦っている…っていう、なかなかない状態じゃないと実現しないよね。
③自身も領域展開を発動する
自身も領域展開を発動する方法は、領域展開に対する最も有効な手段といえるでしょう。
同時に2つの領域が展開された場合、より洗練された領域がその空間を支配します。
相手の領域よりも卓越した領域を展開することができれば、相手の領域を無効化しつつ、自分の術式を必中させることができます。
五条悟VS漏瑚の戦いでは、漏瑚が五条相手に領域を展開しました。
しかし、五条相手に全く歯が立たず、逆に、より洗練された領域を五条に展開されて漏瑚は瀕死になってしまいます。
圧倒的な呪力量で押し返すことが出来る場合に限るから、特級レベルじゃないとまず難しいよね。
④簡易領域を展開する
簡易領域とは、領域展開から身を守るためにつくりだされた領域で、「弱者の領域」とも呼ばれます。
発動すると、術師の周りに小さな円状の領域が形成され、領域展開の必中効果を無力化することができます。
簡易領域は、領域展開より効果範囲が狭いので、呪力を消費せず使用可能です。
また、領域展開を発動できない術師でも使用できるため、1番簡易的な対処法と言えるでしょう。
簡易領域を「弱者の領域」なんて言い始めたの誰なんだろうね。
対抗策を習得していること自体すごいことだよね。現に、1級呪術師の七海はできないようだし。
簡易領域は、シン・陰流の蘆屋貞綱(あしやさだつな)という人物が領域展開に対抗するために考案しました。
シン・陰流の門下生しか使用できないという「縛り」を設け、その効果を底上げしています。
作中では三輪霞や与太吉(メカ丸)などが使用していて、恋愛関係も絡むほどの仲です。
それぞれの術式や関係性は勿論、シン・陰流についても解説しているので、ぜひご覧ください。
⑤領域展延(りょういきてんえん)を展開する
領域展延とは、自身の身体を液体で覆うように領域を構築すること。
領域展開のような必中効果はなくなりますが、相手の術式を中和しながら戦うことが可能です。
弱い点としては、術式が使えなくなり、肉弾戦のみを強いられることでしょう。
作中では、漏瑚と花御が、渋谷駅地下で五条悟に攻撃する際に使用しました。
相手が術式に頼りきりの相手には良いかもだけど、体術ができない術師って少ないから長期戦を挑むには難しいかもね。
⑥落花の情を使用する
落花の情とは、御三家「禪院家・五条家・加茂家」に受け継がれる対領域展開の術です。
簡易領域や領域展延のように領域は展開しませんが、必中の術式が触れた瞬間、カウンターで呪力を解放し身を守ります。
作中では、禪院直昆人(ぜんいんなおびと)が陀艮との戦いに使用しました。
カウンター技を御三家が握っているのって不公平感がすごい…。
マイノリティーだって自覚しているなら、少ない術師を守る方向性にシフトしたらいいのにね…。うまくいかない世界観だよね。
領域展開のメリット・デメリット
次に、領域展開のメリットとデメリットを説明します。
メリットは3つ、デメリットは2つあります。
領域展開のメリット
術師のステータスが上昇し、術式の発動が早く強力になる
領域内は、術師が戦闘をするのに最も得意な環境を作っています。
例えば、大地への恐れから生まれた特級呪霊・漏瑚は、火山の火口をイメージした領域を展開します。
大地の変化に深く関係がある火山は、漏瑚にとってまさに最適な戦闘環境なのでしょう。
このように、自分の得意な環境を展開することにより、戦いを有利に進めることができます。
術師の術式が必中する
領域内にいる相手には既に術式が当たることが確定するため、術式を用いた攻撃が絶対に命中します。
特に、特級呪霊・真人の「無為転変」のように相手を即死させる能力を持った術式には、このメリットが強力に作用します。
領域展開を中和できる
相手の領域展開への対処法として、自身も領域を展開することが有効なのは、術式や領域に対して中和作用があるからです。
例えば、五条悟の無下限呪術は、無限を身に纏い、相手からの攻撃を完全にシャットアウトすることができます。
しかし、領域内では、その無限でさえも中和され、五条に攻撃を当てることが可能となります。
メリットが基本的に大きいよね。
相手によれば、発動させれば勝ち確定にもなるし♪
領域展開のデメリット
呪力を大幅に消費してしまう
一度使えば呪力を回復させるのに相当な時間がかかるため、気軽に何度も領域展開をすることはできません。
例えば、特級呪霊・真人の場合、一度領域展開をすると、呪力が完全に回復するまで10日ほどかかってしまいます。
領域解除後に一定時間、術式の使用が困難になる
仮に領域展開を発動して相手が生き延びた場合、術式の使用が困難になり、相手に攻撃する隙を与えてしまいます。
虎杖・七海と交戦した真人は、領域展開後に無為転変を使用して何とか逃げ切っています。
しかし、ファンブックによれば、連載前は、領域展開後の術式の使用は不可能という設定であったようです。
領域展開は発動してしまえば勝負を決めきる力を持っているので、どちらも当然と言えば当然のデメリットです。
真人の初めての領域展開は可哀そう…。
もう少し無双感を味わっていたかっただろうにね。
領域展開を使用できるキャラ一覧
領域展開は術式の最終奥義であり、領域展開ができる人と領域展開ができない人がいます。
領域展開を体得し、使いこなせるキャラはごくわずかです。
では、実際に領域展開を使用できる数少ないキャラをみていきましょう。
五条悟|無量空処(むりょうくうしょ)
領域内は宇宙空間のようになっており、情報を知覚し神経に伝達するという行為を相手に際限なく強制します。
分かりやすく言うと、脳に処理しきれないほどの情報を流し込み、フリーズさせてしまうのです。
それにより、対象者は何もすることができず、緩やかに死亡します。
つまり、領域内に相手を引き込めば、確実に勝つことができます。
ただし、領域内にいる全員に効力が及ぶので、領域内に一般市民がいた場合は巻き添えを食って死亡してしまいます。
そこで考案されたのが、領域内の人間へのダメージを限りなく抑えつつ敵を倒す「0.2秒の領域展開」です。
渋谷事変では、真人ら特級呪霊との戦いで、この「0.2秒の領域展開」という離れ業をやってのけました。
周りの人間へのダメージを最小限に抑えつつ、領域解除後、特級呪霊・真人の改造人間1000体をわずか299秒で皆殺しにしたシーンは、五条悟の凄さが存分に伝わる戦いだったね!
自他ともに認める「最強」である五条悟の術式や領域展開の他にも、目隠しをしている理由などをまとめた記事を別途用意しているので、そちらをご覧ください。
伏黒恵|嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)
領域内は、洞窟内に地面から影が波のようにうねっているような空間になっており、影から鵺(ぬえ)や蝦蟇(がま)などの式神を召喚しながら戦います。
また、影で自身の分身をつくり出したり、影に入り相手の攻撃を避けたりすることも可能です。
八十八橋の特級呪霊と対峙した際に、初めて領域展開を発動。
領域自体は不完全であり、呪力に押し負けることもありましたが、特級呪霊相手に互角の戦いをみせています。
渋谷事変では、陀艮の領域に侵入し、自身の領域を展開させて陀艮の必中効果を中和しました。
ただし、このときの目的は陀艮を倒すことではなく、領域に穴を開けて仲間を逃がすことでした。
伏黒恵についての術式や領域展開の他にも、過去や宿儺が執着する理由についても解説しているので、あわせてお読みください。
両面宿儺|伏魔御廚子(ふくまみづくし)
領域内はお寺と牛の頭蓋骨が存在する空間になっており、対象に目に見えない斬撃「解」または「捌」を止め処なく浴びせ、切り刻みます。
本来、領域は対象を閉じ込めるために使いますが、宿儺は威力を上げるため「縛り」を設け、領域内に閉じ込めることはしません。その代わり、宿儺は半径200mにも渡る領域展開を可能にしています。
漫画119話で、宿儺は伏黒を助けるために、最強の式神「魔虚羅(まこら)」に対して伏魔御廚子を発動させます。
この際、伏黒が近くにいたため、術式の必中範囲を140mまで狭め、魔虚羅を攻撃しています。
領域の範囲を自在に操れる点も、宿儺の伏魔御廚子の強みの1つですね!
宿儺の術式や領域展開について、渋谷事変にて明らかにされ始めました。宿儺の過去や虎杖悠仁と結んだ契約についても解説しているため、そちらも合わせてごらん下さい。
漏瑚|蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)
領域内は火山の火口をイメージしてつくられています。
内部は非常に高温であり、並の術師であれば領域を展開しただけで灰と化してしまいます。
また、巨大な火山弾を相手に飛ばすような攻撃も可能。
しかし、最強の術師である五条悟との戦いには全く通用せず、「無量空処」であっさりと無力化されます。
領域内の空間がかっこいいので、個人的には一番好きな領域展開です!
漏瑚の術式や領域展開の他にも、切ない最期やプロフィールについてまとめています。そちらもあわせてご覧ください。
真人|自閉円頓裹(じへいえんどんか)
領域内は無数の手で埋め尽くされており、真人の術式「無為転変」を必中させることができます。
「無為転変」とは、相手の魂に触れることによって、身体を自由に変形できる術式です。
つまり、「自閉円頓裹(じへいえんどんか)」を発動させることで、領域内の相手を確実に倒せます。
虎杖と七海との戦いで、自身が死の恐怖に直面した際に発現し、七海だけを領域内に引き込みます。
しかし、外から天敵の両面宿儺の器である虎杖が入ってきてしまい、瀕死に追い込まれてしまいます。
真人の詳しい術式や領域展開の他にも、性格や最期については別記事がありますので、そちらも合わせてごらんください。
花御|朶頤光海(だいこうかい)
交流会襲撃時、虎杖・東堂相手に朶頤光海を発動します。
しかし、五条悟の乱入によって、中断・撤退を余儀なくされています。
そのため、領域展開の詳細は不明。
見せ場を作ってもらえないかわいそうなキャラだね…
花御の術式と領域展開の他にも、性格や最期など詳しい記事を別途用意しています。そちらを合わせてご覧ください。
陀艮|蕩蘊平線(たううんへいせん)
領域内は南国のリゾートビーチのようになっており、魚の姿の式神を際限なく召喚することが可能です。
呪力を使って水の防壁を生み出したり、敵の攻撃範囲外から様々な遠距離攻撃をすることもできます。
また、莫大な呪力を持っており、それゆえに、手数の多い攻撃を繰り出すことが得意。
渋谷事変では、七海建人・禪院直昆人・禪院真希・伏黒恵と対峙します。
4人に対して有利に戦いを進めますが、途中参戦してきた禪院甚爾(ぜんいんとうじ)に敗北します。
ちなみに、領域は穏やかな雰囲気であるためか、呪霊たちにミーティングの際にも使用されてました。
くつろげそうな空間なので、自分が使えるならぜひ使いたい領域展開だね!
疱瘡婆|?(名称不明)
疱瘡婆(そうそうばばあ)は、人のウイルス感染症・天然痘への恐れから生まれた特定疾病呪霊です。
名称は不明ですが、領域展開を使用することができます。
領域内は墓場をイメージしており、多数の墓石が並んでいる空間となっています。
また、術は3段階に分かれています。
- 1段階目:対象を棺桶の中に閉じ込め拘束する
- 2段階目:墓石が棺桶の上に落下し、棺桶は地中に埋葬される
- 3段階目:3秒以内に棺桶から脱出できなければ、対象は病にかかって即刻死亡する
ただし、領域内で呪力が高い術者から1人ずつしか選択することができず、対象が棺桶から脱出できた場合は、必中効果は無効化されます。
偽夏油(にせげとう)が冥冥(めいめい)・憂憂(ゆうゆう)と対峙した際に、この呪霊を使役しました。
冥冥・優優を十分追い詰めますが、最終的には冥冥の新風(バードストライク)により敗北します。
偽夏油は呪霊操術を使用できるため、呪霊を所有することができます。
偽夏油の術式や他の呪霊の他にも偽夏油の仲間や、夏油一派の一部も偽夏油に協力しています。その目的や正体について解説した別記事を用意していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
この記事では、『呪術廻戦』の最終奥義・領域展開の発動条件や強さを解説しました。
術師それぞれの領域に違いがあり、どの領域にも魅力があってみていて楽しいですよね。
この作品はまだ完結していないので、また新たな領域展開が出ることも期待したいです!
また、2021年冬には0巻が劇場版化もあり、2期以降のアニメ化期待できそうです。
劇場版を待ちながら漫画の続きやアニメ化を待ちましょう…!
領域展開を習得しそうなキャラクターや0巻の内容・見どころに関する記事もあるので、ぜひそちらもご覧ください。
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