『ミステリと言う勿れ』の1巻・2巻に収録されている「バスジャック事件」は、主人公の久能整が大きくかかわっています。
久能整の今後を左右する人物との出会いも描かれた、始まりの事件ともいうべき事件です。
今回は、バスジャック事件編のあらすじ・ネタバレ・犯人を紹介していきます。
原作漫画が3巻まで無料で読める!
※ さらに初購入で50%オフクーポンが6枚も貰えます
1-2巻のバスジャック事件編とは?久能整がきた経緯
「バスジャック事件」とは、久能整が巻き込まれた事件の一つです。
美術館で開かれる印象派展にいくため、久能整はバスに乗ろうとします。しかし、池本巡査から家庭内の相談や最近起きている連続殺人事件の相談を受けている間に、家を出る時間が遅れてしまいました。
すでに到着していたバスに駆け込み乗車をしますが、いつの間にかいつもとは違うルートを通るなどおかしな様子があります。騒ぎ始めた乗客を脅すように、一人の乗客が刃物を持ってバスジャックを宣言しました。
バスジャック事件のあらすじ・事件の概要
池本巡査に家庭内の相談や最近起きている連続殺人事件の相談を受けた久能整は、美術館行きのバスに駆け込むはめになりました。
そのバスは運転手や久能整を含めた10名が乗っており、通常運航している路線バスでした。しかし、路線バスはいつものルートとは全く違うルートで走行しはじめます。
異常に気が付いた乗客が騒ぎ出したとき、刃物を持ったバスジャック犯が乗客・運転手を脅してスマホやパソコンを提出させます。バスジャックにあった8名の乗客は、バスジャック犯の目的も全くわからないまま。バスジャックした犯人に逆らわないよう指示を待つばかりです。
しかし、バスジャックの犯人からの指示は妙な物ばかりでした。例えば、「おしゃべりをしていい…フルネーム・以後と・目的・自分の欠点や弱点を述べろ」と言われたり、「人を殺したことはあるか?」や「一番イヤだと思う死に方を教えてくれ」などと聞かれたり、おしゃべりをさせたがるようです。
しかも、おしゃべりで短気な犯人にしては、カーテンをあらかじめつけておき、さらにバスの外装までバレにくいように観光バスに見せかける用意周到さがあるなど…チグハグな点がありました。
そして、バスの乗員・乗客はついに山の中に館に連れてこられます。
多数の犬が警備をする「犬堂」の屋敷は豪勢でしたが、特に目を引く美しい女性の絵がありました。美しい人の絵だというのに、女性の絵を見た瞬間おかしな反応をする乗客もおり、バスジャックの目的が深まるばかりです。
そして、屋敷の中でいよいよバスジャックの目的や、乗客たちと館に飾られた女性との関係性が明かされていきます。
バスジャック事件の登場人物
久能 整(くのう ととのう)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
バスに乗った目的 | 大隣美術館にいくため |
弱点 | カレー |
出かける直前に池本巡査に絡まれて疲弊させられたうえ、美術館で開かれている印象派展の最終日に行こうとバスに乗ったらバスジャックにあったかわいそうな大学生。
天然パーマでカレーが大好物のしゃべりたがりです。
刃物を持ったバスジャック犯にも屈せず、強気でしゃべり続ける胆力を持っています。
熊田 翔(くまだ かける)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
バスに乗った目的 | 友達の家に行くため |
欠点 | 執念深いところ |
熊田は陰のある色男で、自称院生です。バスの中で久能整とよく話をしています。
久能整を気にいっており、「自分と似ている」と何度か口にしています。
久能整も熊田のことを気に入っており、家に誘っているほどです。
久能整は「僕のことをうざいっていわない珍しい人」と言っており、もっと話したいと思っています。
犬堂 オトヤ(いぬどう おとや)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
バスに乗った目的 | バスジャックをするため |
欠点 | キレやすいこと |
犬堂オトヤはバスジャック犯です。
ナイフを持っており、運転手にいう事を聞かせて乗客・運転手合わせて9名を誘拐します。
乗客におしゃべりを許し、一人5分のトイレ休憩もとってくれる気の優しいバスジャック犯です。
しかし、本人の申告通りキレやすく、久能整の言葉に苛立ったオトヤはナイフを振りかざしてしまいます。
坂本 正雄(さかもと まさお)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
バスに乗った目的 | たまたまバスに乗ったため目的はない |
欠点 | 勇気がなかったこと |
坂本は体格のいい青年です。
しかめっ面をしており、久能整がバスに飛び乗った際にジッと久能整をみつめていました。
露木 リラ(つゆき りら)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
バスに乗った目的 | 居酒屋のバイトに行くため |
欠点 | 見境がないこと |
露木は意志の強そうな、バスジャックにあっても毅然とした態度を崩さない女性です。
バス内では自身がジャーナリストだと言っときながら、バスジャック犯の目の前では事務員だと嘘をつき、平然としている気の強さをみせます。
誰かが殺されるかもしれない状況で「バスジャック犯から逃げないか?」と柏に提案しますが、すぐに断られます。
淡路 一平(あわじ いっぺい)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
バスに乗った目的 | コンビニのアルバイトに行くため |
欠点 | バイトが続かないこと |
淡路は弱気な青年です。
オドオドしており、コンビニのバイトをクビになることを恐れている様子。バスジャックに会った際も、「身代金目的なら分けてほしい」と言う程お金に困っているようです。
バスジャックに会っている最中終始顔を青くしており、落ち着きがありません。
犬堂の屋敷に代わってある女性の絵を見て声を失う程驚いています。
柏 めぐみ(かしわ めぐみ)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
バスに乗った目的 | 通っているクリニックに行くため |
欠点 | 弱いこと |
柏は、どこか陰のある主婦です。
子供はないとのこと。
「家族に看取られたい」や「心配されたい」と口にしており、家庭をおもんばかっている言動がみられますが、自信が無さ気です。露木に「逃げよう」と誘われても、なぜかかたくなに逃げようとしませんでした。
犬堂の屋敷に飾る女性の絵を見て顔を青くしています。
奈良崎 幸仁(ならさき ゆきひと)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
バスに乗った目的 | ボランティアに行くため |
欠点 | 部下に「鬼」と恐れられた頑強さ |
大手企業の役員まで上り詰めた男性で、退職後はボランティア活動を行っているようです。
バスジャックされたバスの中では大柄な態度をとっており、バスジャック犯に「君のおじさんじゃない」と言い放ったり、「俺の若いころは…」と若い頃はできていたアピールをしたり、上から目線を崩さない姿勢が見られます。
犬堂の屋敷に飾ってあった女性の絵に目を取られている様子。
小林 大輔(こばやし だいすけ)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
バスに乗った目的 | 祖父の見舞いに行くため |
欠点 | コミュ障 |
マスクと眼鏡をしているため顔は見えにくいですが、終始淡々と話す男性です。
バスジャックされた車内でも落ち着いているというよりは、なにかあきらめているようなどうでもいい態度を崩しませんでした。
しかし、柏が「家族に看取られて死にたい」と口にした際に、「一人で死んでも充実した人生を送っているかもしれない」と反論し、世の風潮にモノ申します。
犬堂の屋敷に飾ってあった女性の絵を見ても、特に表情は動かしませんでした。
煙草森 誠(たばこもり まこと)
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
いつも路線バスを運転している、バスの運転手。
職場でも「きれい好きすぎて疲れる」と言われるほどのきれい好きです。
バスの運転手として乗客に謝罪し、毒見薬まで請け負う程、運転手として責任を持って働いている様子。
「キレイにするのが基本です 気持ちよく乗っていただきたい」とまで言っています。
犬堂愛珠
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
犬堂家の長女で連続殺害事件の被害者。
バスジャック犯に連れてこられた犬堂家に、愛珠の巨大な絵が飾られています。
池本 優人(いけもと ゆうと)巡査
Ⓒ田村 由美 / 小学館サービス
池本は「寒河江健殺人事件」の容疑者として任意同行された久能整を取り調べた1人。久能整を違う視点を持つアドバイザーと思っている節があるようです。
お調子者の既婚者で、子供が生まれたばかりです。
しかし、最近奥さんの機嫌が悪くいつもイライラいて当たられてるとのこと。そのことをまた久能整に相談し、「こどもが生まれたのに変わっていないあなたが問題」と言われ、またもハッとします。
久能整に最近起きている殺人事件についても聞こうとして、電話番号が書かれたメモを久能整に渡しています。
バスジャック事件の解決編
バスジャック事件の全貌や犯人を紹介していきます。
※ここからはネタバレが入ります。ご注意ください。
久能整の推理
バスの中で、バスジャック犯である犬堂オトヤが背中を平気で見せた相手…坂本正雄が、バスジャック犯の仲間であると判明します。
その後、坂本正雄は、自身を「犬堂ガロ」と名乗りますが「弓道でいうところの一の矢と二の矢つまり、オトヤとハヤがセットである」そのため、久能整はガロの名前に違和感を覚えます。
さらに、久能整は人生初めて出くわしたのバスジャックを「変なバスジャック」と称しています。
奇妙な点として以下を上げています。
- 「3時まで終わりますか?」の問いに、バスジャック犯の犬堂 オトヤが「終わるわけねえだろ」と即答した点。
- 短気で切れやすいと自覚があるバスジャック犯が、路線バスを観光バスに偽装し、普段はないカーテンを設置するほど用意周到だった点。
- バスジャックの目的は金じゃないと即答されたこと。
- バスジャック犯であるオトヤ・ガロが、平気で背中を向けた人がいた点。
- 犬堂の家にあった絵は左上がりになっているため、左利きの人が描いていると思われる点。
- 部屋に入ってすぐにコートを脱いだ人がいたこと。
普通のバスジャック犯ならいつまでに終わるか?という問いに「交渉相手次第」と答えるはずです。そう答えなかったため、犯人の目的が別にあるのだろうと推理します。
また、自身の欠点として「切れやすい」と言った犬堂オトヤが観光バスに偽装し、普段はないカーテンを設置するほど用意周到さに違和感がありました。
そして、どうして自分の名前があったのにまったく気にしなかったのか。コートをすぐに脱いだのか。
以上の点から、バスジャックの犯人が3人であると見抜きます。
さらに、2人目のバスジャック犯であり、坂本正雄と名乗った男の名が「犬堂ハヤ」であると見破りました。そして、最初の被害者が犬堂愛珠と池本巡査から教えて貰った久能整は、「連続殺害事件」の犯人が、犬堂の屋敷の中にいると断言します。
バスジャックの犯人は犬堂オトヤ・犬堂ハヤ・犬堂我路の3人
バスジャック犯として名乗り出ていた犬堂オトヤと犬堂ハヤは、久能整の通報で犬堂の屋敷に駆けつけた池本巡査・青砥巡査部長・乙部巡査・風呂光巡査に無抵抗で投降します。
抵抗がないことを不思議に思いながらも警察は2人を捕まえようと慎重に動きますが、久能整は「犬堂ハヤが不用意に背中を向けた人物。そして、犬堂の屋敷にあった左利きが書いた絵から、熊田 翔こそが3人目のバスジャック犯である犬堂ガロである」と告げます。
「犬堂ガロ」の正体は熊田 翔であり、犬堂ガロと名乗っていた二人目のバスジャック犯が「犬堂ハヤ」であると判明しました。
バスジャックをした動機は「犬堂愛珠を殺した犯人を見つけること」
久能整は、バスジャック犯である犬堂オトヤ・犬堂ハヤ・犬堂我路の3人の目的が、家族である犬堂愛珠を殺した犯人を見つけることであると推理します。さらに、3人がバスの乗客の中にいると推理していることも見抜いていました。
我路の姉であり、ハヤ・オトヤのいとこにあたる「犬堂愛珠」は連続殺害事件の一番目の被害者です。
犬堂の3人は、愛珠が通う病院の医者から「病院に通っていない」と連絡が入り行方不明であることがわかりました。
探偵に頼んでみつけた最後の足がかりが、あのバスであったと判明。そして、運転手がグルとなってバスジャックを起こしたことを白状します。
バス内でのおしゃべりや質問の意図、さらに犬堂の屋敷に入った際に目に入った犬堂愛珠の絵を見た際の反応などから、犬堂の3人は犬堂愛珠を殺した犯人を見つけ出そうとしていたのです。
連続殺人事件とは
最近、立て続けに殺人事件が起こっています。
すでに4人の埋められた遺体が見つかったことで警察も調べを進めているようです。
生き埋めにされたらしい4人は、若い女性・高齢な男性・中年の男性・中年の女性と、共通項がなくタイプに一貫性がなく、捜査が難航していました。しかし、「自宅付近のバスから乗ったのなら、ある路線バスのルートと重なる」と青砥が気が付き、その線で犯人を追っていきます。
そんな中、「友人がバスジャックにあった」と通報があります。さらに、久能整からの通報で連続殺人事件の犯人が犬堂の屋敷の中にいると連絡を受け、ついに警察が犬堂の屋敷に押し入ることとなりました。
犬堂愛珠を殺した犯人は「煙草森 誠」
犬堂オトヤ・ハヤ・我路の3人は、行方不明となっていた愛珠を探し、すでに死亡していたことを知ります。
そのため、当時愛珠と一緒にバスを降りた5人を怪しみ、「殺す事・死ぬことそれらをどう思うか、身の危険を感じたらどう動くか、何にこだわって何を恐れるか、人の命をどう思っているか」を知り、愛珠を殺した犯人をあぶりだそうとしました。
しかし、5人は「殺していない」と言います。
そんな中、久能整は煙草森に「あなたは人を殺したんじゃない 人を片付けただけなんですね?」と問います。犬堂愛珠を殺したのは、煙草森だったのです。
いつもは全員おりたか確認するのにうっかり忘れてしまい、飲酒運転もしていたとき、バスで倒れれていた犬堂愛珠を見つけ、山に埋めて片付けたと供述。しかし、なぜか生き返ったため、土を押さえて片づけます。
人が死ぬときの、「最後に押さえつけた時の身体の震えが気持ちよかった」と語る煙草森は、あまり重そうでない方が1人になった際、急ブレーキをかけて昏倒させて埋めていたそうです。
犬堂オトヤ・ハヤ・我路の3人や、3人が雇った探偵も全員が運転手である煙草森に事情を聴き、煙草森を信じて協力者になってもらっていた関係上、犯人だとすぐに気が付けなかったようです。
被害者・犯人のこれから
事件が終わり、バスジャックからは移封された久能整の元に、犬堂我路の名前で冷凍便が届けられます。冷凍の荷物はなんと「犬堂我路の腕時計とブレスレットをした煙草森の右腕」でした。
煙草森の移送中に車ごと煙草森がさらわれ、右腕が切り取られた遺体が釣り堀に投げ捨てられたところを発見されています。煙草森を殺害したらしい犬堂我路、オトヤ・ハヤは行方知れずとなりました。
これから先、久能整に近いところで犬堂の3人は「犬堂愛珠の足跡」をたどる旅をすることとなります。久能整が今後関わる事件とかかわることもあるようです。
バスジャック事件の名言カルタ
久能整の独自の視点で語られる考えは作中に何度も名言という形で登場します。
バスジャック事件の明言カルタは2つに分かれているため、抜粋して紹介します。
どうしてひとをころしちゃいけないんだろ
バスジャック犯である犬堂オトヤはナイフを片手に「どうして人を殺しちゃいけないのか教えてくれ」と言い、久能整は「いけないってことはないんですよ」と肯定します。
人を殺した際の罰則は、あくまで安定した社会を作るために便宜上のルールであり、戦争下になればひっくり返る程度の適当な話だと断言し、人を殺してもいいと思える人達がいう国に行けばいいとアドバイスまでしています。
しかし、「人の優位に立ちたい。殺されたくないが殺したい」と考えているなら、それはコンプレックスの裏返しでしかないと言い放ちました。
もんだいはあなたがいっしょにかわってないこと
子供が生まれたばかりでピリピリした様子の奥さん。
しかし、育児を手伝っているつもりの池本巡査は「なるべく育児に参加しようと思っている 手伝っているつもり」だと言いますが、奥さんとうまくいかないのはなぜかと久能整に尋ねます。
久能整は、「メジャーリーガーの場合は子供の成長に立ち会うことは父親の権利だからと嬉々として仕事を休む。対して、日本の解説者は大切な仕事を休んでまで子供の行事に参加することはない。奥さんが怖いから仕事を休むのだろうと捉える。」と言います。
目を離しただけで直ぐに死ぬような存在ができて変わった奥さんと、奥さんの付属物だと思い子供に向き合わない川本巡査の意識に差があると指摘します。
子供ができて奥さんが変わった…それが問題なのではなく、父親も一緒に代わっていないことが問題だと糾弾します。
どうしていじめられるほうがにげなきゃならない
子供の頃いじめにあっていた淡路は、駄菓子屋で万引きを行ったり海に突き落とされたりしても、逃げずにいました。
その理由は「逃げていいよ」と誰も言ってくれなかったからとのこと。淡路はいじめの原因が自分にあると思っているようです。
久能整は、「欧米ではいじめを行った方がカウンセリングを受ける。イジメている方が病んでいる」と告げます。
淡路は、いじめられていたのは自分の所為ではないのでは?と可能性を見出しました。
まとめ
『ミステリと言う勿れ』の1巻・2巻に収録されているバスジャック事件のあらすじ・ネタバレ・犯人を紹介しました。
最終的にバスジャック事件から連続殺人事件にまで発展しました。
犬堂我路・オトヤ・ハヤがどのように生きていくのかや、久能整が今後犬堂我路とどう絡んでいくのかが楽しみですね。
原作漫画が3巻まで無料で読める!
※ さらに初購入で50%オフクーポンが6枚も貰えます
コメント