彼方のアストラは仲間との絆が描かれた感動ストーリーであると同時に、緻密な伏線により構成されたミステリーSF漫画でもあります。
作中では本当に多くの伏線が登場し、一度読んだだけでは把握しきれないほどです。
この記事では、何度も読み返して私なりに整理した彼方のアストラにおける伏線回収を、分類別に網羅する形でまとめて考察していきます!
※物語根幹のネタバレを含みます
彼方のアストラの謎・伏線回収一覧を考察!(分類別にまとめ)
彼方のアストラには本当にたくさんの伏線が張り巡らされていますが、あまりに多いので、分かりやすく大きく分類をすると
- クローンの伏線
- 裏切り者の伏線
- 歴史改ざんの伏線
- タイトルと物語の背景についての伏線
これらに分けられます。
それぞれの伏線回収について、詳しく考察していきます。
関連記事
【分類1】クローンと黒幕の親に関連する伏線
彼方のアストラで最大の衝撃だったのが、B5班は全員クローン人間だったという事実ですよね。
しかしこのクローンである事実も、それを指し示すいくつもの伏線が作中では示されていました。
例えば、
- B5班がみな類まれな能力を持っている
- アリエス以外は親からの愛情を受けていない
- キトリーの母親とザックの父親の会話
- ザックの父親は記憶の研究をしていた
- キトリーとフニシアが義理姉妹なのに似すぎてる
- シャルスとアリエスの笑い方が似てる
- シャルスのアリエスへの接し方
以上のような描写です。
発覚のきっかけとなったのはキトリーとフニシアが似すぎていることからでしたが、冷静に見返してみると他にも本当のたくさんの伏線が登場してみます。
伏線①:B5班がみな類まれな能力を持っている
まずはB5班の共通点について。
冷静に見てみるとB5班はみな類稀な能力・特徴を持ちすぎています。
- カナタ → 運動能力
- アリエス → 映像記憶能力
- ザック → 頭脳(IQ200)
- キトリー → 医師の能力
- ユンファ → 歌唱能力
- ウルガー → 銃の能力
- ルカ → IS(実は絵が上手い)
普通の高校生がランダムに集まっただけで、こんなタレントが集まることはあり得ないですよね。
優れた高校生だけが集められた、みたいなことも一切語られていませんし。(ルカのISは長所には見えないかもしれませんがオリジナルの芸術家は望んでいる特徴)
これは親たちが全て著名人で、類稀な才能を若返りによって保ちたいと考えたための結果です。
このメンツが集まったのは偶然ではありませんでした。
でも読者目線からしたら、漫画ではこんなご都合展開なんて日常茶飯事なので受け流しがちだと思います。
まあ漫画だし・・・と疑問にも思わず片付けてしまいますよね。
かくいう私もそうでした。
しかしそれすらも作者の狙い通りだったのではないでしょうか。
伏線②:アリエス以外は親からの愛情を受けず育った
そしてこれもB5班の特徴なのですが、アリエスを除いた全員が親からまともな愛情を受けていません。
これはクローンだから親から愛されていなかったという伏線になっています。
逆にアリエスが愛情を受けていたのは育ての親がクローンのオリジナルではなかったからです。
例えばウルガーは兄だけが愛されていたという話をしていますが、物語冒頭ではウルガーが愛されなかった理由の説明はありません。しかし後に、これは兄は実子でウルガーはクローンだったから愛情に差があったということが分かります。
ザックに至っては、父親が自分を見る目はモノでも見るような目だったと言っていましたね。
さらに、親たちが集まって子供たちの捜索を打ち切る決定をする場面がありますが、自分の子供の捜索なのにあまりにもあっさりと打ち切りすぎです。
取り乱していたのはアリエスの母親のみ。
これらはすべて、愛情がなかったのは実の子ではなくクローンだったからという伏線になっています。
真実を知る前だと、なんかこの親たち怪しいな、程度にしか思えないのが絶妙な伏線だったと思います。
伏線③:キトリーの母親とザックの父親の会話
作中、キトリーの母親とザックの父親がこんな会話をする場面があります。
ザック父「うちのザックとおたくのキトリーちゃんが結婚する未来ならあり得るんじゃないか?」
キトリー母「つまんない冗談やめて」
キトリー母「それが絶対にない事はアナタもよくわかってるでしょう。」
出展 彼方のアストラ
この会話は一見、ザックとキトリーに恋愛感情がないとかそういう話をしているようにも見えますが、”絶対にない”と言い切るのは不自然です。
これは、ザックやキトリー含むクローン達を宇宙の彼方へと飛ばし、始末する計画を立てたのは親たちだったという事実への伏線となっています。
自分達が計画したからこそ、彼らは5千12光年の彼方から絶対に戻ってこれるはずがないと分かっていての発言だったんですね。
伏線④:ザックの父親は記憶の研究をしていた
ザックの父親が記憶の研究をしていたのも伏線です。
親たちはクローンを作って、記憶を移植することで体を乗っ取り、若返りを企んでいた。
その事実に暗に繋がる設定になっています。
伏線⑤:キトリーとフニシアが義理姉妹なのに似すぎてる
キトリーとフニシアは義理の姉妹であり、血は繋がっていないと物語冒頭で早々に打ち明けられます。
そしてキトリーが最初フニを邪険にしていたことから、義理であるという設定を自然に受け入れてしまいがちですが、義理姉妹にしては容姿が似すぎですよね。
普通キャラクターとして血の繋がっていない姉妹を描こうと思ったら、血が繋がっていないことが一目で分かるような容姿の違いを描きそうなものです。
そしてこの伏線はクローン計画露見の決定打になります。
キトリーとフニシアが本当の姉妹だと思ったというポリ姉の一言により、カナタ達B5班のメンバー全員がクローンである真実が明らかになったのです。
伏線⑥:シャルスとアリエスの笑い顔が似てる
キトリーとフニシア以外にも、実はB5班の中には血縁者がいます。
シャルス(王のクローン)とアリエス(王女のクローン)です。
そしてこの2人、原作漫画のおまけ4コマページでの笑い方が似てると連載時から噂になっていました。
彼方のアストラはね、アリエスはカナタのことが気になるらしいんですけど…マイナーカプスキーとしてはね、シャルス君を推したい。似た者同士だし、美男美女だし、アリエスの瞳の色の違いに気づいたのは彼ですからね pic.twitter.com/U7LZaUSIVd
— うらえりー (@109aila) 2016年11月27日
確かに似てますよね。
でも言われてみればそう思いますが、なんのヒントもなしにここを怪しいと思う読者すごい(笑)
伏線⑦:シャルスのアリエスへの接し方
シャルスのアリエスへの接し方は特別です。
シャルスが女性をすぐ口説くという設定でうまく隠してはいますが、読み返してみるとやはりやや気にしすぎです。
アリエスがオッドアイであること、映像記憶能力を持っていること、全てがシャルスにとってはセイラのクローンであるとしか思えない特徴でした。
これはアリエスがセイラのクローンであることが分かった時に、なぜシャルスがアリエスをやたらと気にしていたのか初めて繋がる伏線となっています。
【分類2】裏切り者と通信機を壊した犯人の伏線
彼方のアストラでは、作品の早い段階で裏切り者の存在が示唆されていました。
まず始めに通信機の切断面の新しさから、B5班がアストラ号に乗ってから通信機は壊されたとザックが気づいたこと。
そして謎の球体の正体はワームホールで、何者かが操っていたとカナタが気づいたこと。
これによりこのB5班を亡き者にしようとしている犯人が紛れ込んでいる事実が浮上します。
そしてその犯人とは・・・なんとシャルスでした。
そして犯人がシャルスであることを示す伏線もいくつも散りばめられているんです。
- シャルスがアリエスに興味を示していた
- アリエスが映像記憶能力を持っている
- ある時から球体がアリエスを襲わなくなる
これらの犯人についての伏線はこちらの記事で詳しく考察しています。

【分類3】歴史改ざんの4つの伏線
彼方のアストラは西暦2063年という設定の元、物語が描かれます。
しかし実はこれは政府が100年ずらして捏造した西暦で、本当は2163年だったことが判明します。
これは以下のような描写が伏線になっていました。
- 未来SFにしては描かれる年号設定が近い(2019年⇔2063年)
- ウルガー兄の「大人たちは嘘をついている」の発言
- ポリ姉の話す母星の危機が、カナタ達の歴史には存在しない
- カナタ達が歴史や過去に興味がなさすぎる
それぞれ順に見ていきましょう
伏線①:未来SFにしては描かれる年号設定が近い(2019年⇔2063年)
彼方のアストラは少年漫画には珍しいSFを題材とした漫画ですが、こうしたSFを描く時に、現代から50年も経たない近い年号設定とするのは珍しいです。
普通だったら、読み手がこれくらい未来だったら見たこともない技術があっても不思議じゃないなーと感じるくらい遠い未来を設定しますよね。
その点彼方のアストラは5千12光年を3ヶ月で走破できるような宇宙船があったり、反重力シューズなど今の人類には到底不可能と思える技術を2063年という近い年号で登場させているんですよね。
しかし彼方のアストラの本当の年号は2163年。
明かされてみれば2063年は不自然だったと読者が気づく、意図的な設定となっていました。
伏線②:ウルガー兄の「大人たちは嘘をついている」の発言
ウルガーの兄は「大人たちは嘘をついている」と発言しています。こ
の発言に関しては、あからさまな伏線という伏線ではあります。
しかしその伏線の真意を見抜くのは中々難しいです。
親たちは明らかにB5班の子供たちを愛していませんでしたから、この時点で宇宙漂流の黒幕なのかも?くらいは想像できるかもしれません。
しかしウルガー兄の言っているのは親たちのことではなく「大人たち=政府」だったんですね。
あからさまな伏線ではあったけれど、「政府に命令された世の中の大人たちが惑星ぐるみで歴史を改ざんしていた」ことを示唆しているとは中々見抜けない。優れた伏線でした。
伏線③:ポリ姉の話す母星の危機がカナタ達の歴史には存在しない
ポリ姉はどう考えても容姿も似通っているしカナタ達と同じ星の人間にしか見えませんでした。
しかしポリ姉の話す、母星への隕石衝突の危機はカナタたちは存在すら知らなかった。年齢的に生まれていなくとも、親や学校で聞いてもおかしくないですからね。
このポリ姉の話す歴史と、カナタ達の歴史の矛盾は連載中も様々な考察がなされましたが、まさか100年分歴史が改ざんされていたとする事実に繋がるとはだれも見抜けませんでした。
伏線④:カナタ達が歴史や過去に興味がなさすぎる
カナタたちB5班のメンバーは歴史を始めとする、自分達の星や社会の過去にあまりに興味を持っていません。
これはカナタたちが前向きと捉えることもできますが、作中では明らかにこれも伏線ですよ~という描かれ方をしているんですよね。
しかしこれも政府ぐるみで子供たちが歴史かいざんに気が付かないように、歴史に興味を示さないよう洗脳教育されていた事実につながっていました。
歴史かいざんについては、以上のようなの伏線が物語終盤のポリ姉との会話で一斉に回収されていきました。
この一連の流れは驚愕とともに、回収の完璧さに気持ちよさすらありましたね・・・!
【分類4】タイトルの真の意味についての伏線
彼方のアストラというタイトルはダブルミーニングになっており、秘められた意味があります。
物語冒頭、宇宙を旅する船の名前がアストラ号と名付けられたことから誰もが連想するカナタの船・アストラ号という意味。
しかしもう一つ秘められた意味が物語後半で明らかになります。
それは遥か彼方の惑星・アストラという意味です。
作者の巧妙なミスリードにより読者は目的地が地球だと思い込まされていましたが、実はカナタ達は「地球→アストラ」へ旅をしていたのです。
この事実も当然示唆する伏線がありました。
一番大きな伏線はカナタとザックによる、アストラ号命名の会話です。
この伏線についてはこちらの記事で詳しく考察しています。
彼方のアストラの矛盾点と残された謎は?
彼方のアストラにおいて、矛盾点は一切残りませんでした。
しかし残された謎をあえて語るとすれば、
- シャルスがセイラの写真を見ながら「すまない・・・セイラ」と発言する伏線
- ウルガーの兄が死んだ理由
でしょうか。
こちらは明確な回収という回収ではなかったですが、意図を予測することはできます。
シャルスのセイラの写真の伏線
シャルスが1人自分の部屋でセイラの写真を見て「すまない・・・セイラ」と呟くシーンがあります。
しかし特にこの意味深な伏線が回収されることはありませんでした。
この意味としては、恐らくシャルスはセイラを救えなかった自分をずっと責めていたということを描いておきたかったのかなと。
またちらりと映る写真のセイラが子供の頃亡くなったにしては大人すぎていたので、シャルスの話が嘘だという伏線になっていたという考え方もできます。
今週の彼方のアストラで刺客候補筆頭だったシャルスの過去が書かれたけど、最後の写真の髪型と顔つきが大人びている事から意識不明の後回復してる可能性がありそうなると嘘をついてる事になる。
— you (@_ik_uy) February 5, 2017
Seira→Ariesというアナグラムからアリエスはセイラのクローンというのは可能性として高そう。 pic.twitter.com/Bf3Xbu2B6h
ウルガーの兄が死んだ理由
ウルガーの兄は何か大きな真実を掴んでしまったがために自殺にみせかけて殺されたとウルガーは信じていました。
しかし本当のところどうだったのかは結局語られませんでしたね。
ウルガー兄が気づいた真実として「クローンについて」か「歴史かいざん」についてが考えられますが、歴史の矛盾についてカナタ達が語り合っているくだりで
ウルガーはこう発言しています。
ウルガー「大人たちは嘘をついてる。兄貴はそう言ってた。何か理由があって子供世代には伝えられてない可能性もある。大人なんか信用できねえ。」
出典 彼方のアストラ
この流れを見ると、ウルガーの兄は歴史かいざんの真実を知って消されたと考えるのが自然ですね。
ここで少し違和感を覚えたのが、物語のエピローグでカナタたちは簡単に歴史かいざんの事実を世間に公表してしまっているんですよね。
ここで「カナタ達そんなことして危険じゃないの!?」と個人的には思ってしまったんですが、ウルガー兄と違ってカナタ達は複数人で事実を共有していることと、既に有名人になってしまっていることから簡単には消せない存在になっていたってことなのかなーと解釈していました。
【2019年9月 追記】
この残された謎がアニメ版最終回で補完されました。
シャルス「世界政府にはそうした機密漏洩を防ぐ部署もあると聞いているよ」
ウルガー「おれの兄貴もそいつらに消されたのかもしれねえ。クローンだけじゃなくて、アストラの秘密に感づいたんだ。」
出典 彼方のアストラアニメ版12話
これは漫画版にはなかったやり取りです。
漫画版で残った謎をわざわざアニメ版では追加で補完してくれたんですね。
断定的な言い方はしませんでしたが、ウルガーの兄は政府の諜報機関に消されたということですね。
そしてその実行グループの頭は「マルコ・エスポジト」であることをウルガー父に言質を取るところまでアニメでは描かれました。
また、カナタ達が歴史改ざんの事実を世間に公表するまでの不安や、自分達の実を守るための根回しの過程も詳しく補完されていました。
やはりカナタ達も公表したら自分たちの身が危ないかもとは考えていたんですね。
作品の伏線回収に対するネットでの評価
作品全体を通して、SNSでも矛盾の一切ない完璧な伏線回収との声しかありません。(連載中は矛盾点がいくつか考察されていたようですが、連載が終了して全ての伏線回収とともに解消されたようですね。)
彼方のアストラ、シャルスのアリエスへの態度がようやく納得できた。惚れてる態度かこれ?…とずっと思ってたけどそういうことだったのか、と。篠原センセ天才すぎる。読み返しても絵とストーリーに矛盾がないから作品に美しさすら感じる。#少年ジャンププラス@shonenjump_plus
— どうなつぱんけえき (@donutspancake) 2017年10月21日
彼方のアストラ全5巻読み終わった
— やまとぅん (@yamatoon_dyn31) 2018年5月11日
もうさすが篠原健太としか言えない短期集中連載だからこそ出来たであろう最後まで綿密に練った物語がヤバかったしヤバかった綺麗に完結したし散りばめた伏線も全部回収してたし1周読んだ感じ矛盾点も見当たらなかったからスッキリできたし何が言いたいかと言う文字数
本作品における緻密な伏線、そして完璧な伏線回収には素直に脱帽です。
私はスケットダンスは読んだことがなかったので、本作から作者を知りましたが、完全にファンになってしまいました!笑
まとめ
今回は「彼方のアストラ」における伏線回収全般についてまとめてみました。
これらを理解して彼方のアストラを見返すことでより楽しめると思うので、ぜひもう一度彼方のアストラの世界を楽しんでみて下さい!
関連記事
コメント
矛盾ゼロは言い過ぎでは?
まず既にクローン製造が違法になってる時点で臓器移植用クローンなんて作ってるのに、クローンの処分方法すらまともに持ってないのがおかしいし(じゃあどうやって臓器移植するんだよって話)
なんで閉鎖的な王政区に住んでる奴と無関係な民間人7人で結託してクローン製造しようって話になるのかも繋がりが無さ過ぎて強引だし(どう見ても社会的地位に共通点の無い7人の親を共謀犯にする共通点を見出すのは無理ゲー)
それにセイラ殺した奴はアリエスの消息を把握していた癖に、なんでセイラは暗殺したのにアリエスは生かしていたのか甚だ疑問過ぎるし
そもそもシャルスが最初にアリエスを気絶させて放置、その後に他の7人を異界送りにする、もしくはアリエスがセイラのクローンだと気づいていないなら、修学旅行で軽く探り入れてから確信持ったタイミングで他の7人を消しとばせばいいのに
シャルスは終盤まで使命感にとりつかれたキャラだったくせに、物語の冒頭では「暗殺を達成する」と「アリエスを帰還させる」のダブスタで行動してるせいで計画が杜撰過ぎて、犯人として間抜け過ぎる
「暗殺計画として破綻しているガバ計画」のせいで、推理物として破綻しているし
そもそもシャルスがアリエスを気にかける理由はあっても、謀略渦巻く政争の蠱毒にアリエスを返す理由が弱過ぎる
どう考えてもシャルスがアリエスを殺したくないだけなら、3番目の星で船壊してみんなで永住した方が自然
星に返してもまた暗殺されるのがオチとかは考えないのか、そしてセイラ死んだ後にもう一回セイラのクローン作る事は出来なかったのか
シャルス関連に関しては、動機づけに関してかなり弱くてガバ理論だと思うし
それにクローンが20歳過ぎないと記憶移植出来ない時点で、クローン側が既に社会的地位や腕力でオリジンに対抗する事は容易だと思うし、20年間クローンに自分がクローンだと気付かれないように育てるっていうのも
リスクばっか高くてとてもIQ200の天才の考える行動とは思えない
元の知性や身体能力が無いと困るのは分かるけど、それを機械的に育成する技術や、体を成長する技術とか文明レベル的にはありそうなのに
わざわざ自然に育てて偽りの家族ごっこをしているのが腑に落ちない
これで実は親側が僅かでも愛情持ってた、だから廃墟となった地球で9人でひっそりと暮らして欲しい
みたいなオチなら納得出来るけど
最初から全員養子に出すなり地下室で育てて戸籍を隠すなりすればいいのに
計画の参加者全員がリスクとって自然に育ててるのが本当にガバいとしか言いようがない、家族や幼なじみが気づいてもおかしくないのに隠し通せると思ってるのがおかしい
演出とか伏線回収は上手いけど
ネタばらしされた時のおかしくね?っていう矛盾は多すぎて流石に矛盾無しは言い過ぎだと思う
そもそも、DNAなんて髪の毛1本で採取出来んのに、なんで殺せばバレないと思うのかもかなり謎
死者のDNA調査されないなら事故死させて火葬で十分だし、死者も遡るなら生きた痕跡全部消すのは無理ゲー
別に親が黒幕で皆がクローンだから処分した、っていうオチはそれでいいと思うけど
だったらその動機づけはDNA採取法案だと矛盾になる
本当は親の方がクローンで、隠された100年の間にアストラ星を発展させる為に作られた存在で
アストラ星が地球滅んだ日と同じ年代まで復興出来たからカナタ達はコールドスリープから目覚めて
それでオリジンが目覚めたらクローンは用済みになる、だからクローンはオリジンを抹殺して自分の人生がコピーでも代役でも無く自分だけのものであると証明する為にオリジンを殺そうとした、って展開の方がまだ納得度が高かった思う
あとカナタ達は全員善人なのに、オリジンの親が全員クズなのも矛盾と言えば矛盾してる、カナタ達もクズ親に育てられたならクズに育たないとおかしい