「彼方のアストラ」とてもキレイな響きのタイトルですよね。
しかしこの彼方のアストラというタイトルはどんな意味を持っているんでしょう?
原作を読破し、伏線を考察したいま、なんとなくその本当の意味が分かった気がします。
今回は彼方のアストラのタイトルの意味を考察していきます!
目次
『彼方のアストラ』のタイトルの意味を考察
実は彼方のアストラのタイトルには2つの意味があります。
そして片方の意味は、ミスリードによって巧妙に隠されていました。
それではタイトルに隠された2つの意味について、作中の伏線も交えて考察していきましょう。
【考察1】カナタのアストラ号の解釈はミスリード
彼方のアストラと聞いて誰もが思い浮かぶ解釈。
それが1つ目の解釈である「主人公カナタの船・アストラ号」という意味です。
物語冒頭、惑星ヴィラヴァースへ向けて出発する前に、この宇宙船に名前はあるのだろうかという話題になります。
そこでカナタは船のプレートに書かれたある文字を発見します。
書かれていた言葉は「ペル・アスペラ アド・アストラ」。
今日配信の彼方のアストラ読んで衝撃受けたから一話から読み返したら、
今まで地球ってワードが一回も出ていないのと二話でのカナタのセリフ…
この時にもう今日の話の伏線があったなんて pic.twitter.com/pFjb3dVaO4— ちとせ (@tuna_susshy) 2017年7月14日
ここで誰もが思うのが、なるほど、「主人公カナタのアストラ号」というのがタイトルの意味なのか、ということ。
しかし実はこれは作者によって意図的に仕掛けられたミスリード。
隠されたもう一つの意味が物語後半になって明らかになります。
【考察2】タイトルに込められた真の意味と伏線 ※ネタバレあり
タイトルに込められたもう一つの意味。
そしてこちらがこの作品を示す真の意味といってもいいと思います。
それは『遥か彼方の惑星アストラへの旅路』という意味です。
カナタ達が目指している5千12光年離れた母星。
この母性は当然地球であると思い込まされていますが、実は地球ではないんです。
物語後半になって、この母星の名は「惑星・アストラ」であることが明らかになります!
実は惑星アストラは人類が地球から移住した後の星であり、カナタたちは地球という星の存在すら知りません。
ここで先程のカナタとザックの会話を振り返ってみましょう。
ザック「アスペラは困難、アストラは星。困難を乗り越えて目的地へ。宇宙関係の施設で標語に使われることが多い古い格言だ。」
カナタ「ふむ。古い意味だと星っつー意味があんのか。じゃあそれでいいか。アストラ号だ。」
出典 彼方のアストラ
カナタの発言の本当の意味を補足すると、
「ふむ、(アストラって言葉は母星の固有名詞でしか知らなかったけど)古い意味だと星っつー意味があんのか。じゃあそれで。いいかアストラ号だ。」
となります。
これも作者によって緻密に仕掛けられた伏線です。
真実を知ってからでないとこの伏線に気づけないですからね・・・。
また、ザックの言葉も興味深いです。
「アスペラは困難、アストラは星」
そう言っているのに、次の言葉ではなぜかアストラは”目的地”という言葉に置き換えられています。
これはザックの頭の中で「アストラ=目的地」という脳内変換が自然にあったからこそ出てきた言葉なのだと思います。
地球は実は母星ではなかった
実はカナタたちが球体によって飛ばされた先、旅の出発地点。
そこに浮かんでいた氷に閉ざされた星こそが地球です。
カナタたちは『地球 → アストラ』への旅をしていたのですね。
だから彼方のアストラ。
主人公の名前をカナタにしたのは、この伏線に気づかせないようミスリードするためだったのでしょうね。
まとめ
実は『彼方のアストラ』というタイトルは
- 主人公カナタのアストラ号
- 遥か彼方の惑星アストラへの旅
のダブルミーニングでした!
本作における緻密な伏線の数々は考察すればするほど感嘆してしまいますね。
最後まで考察にお付き合いいただき、ありがとうございました!
コメント
A.(主人公である)カナタの(宇宙船)アストラ(号)
B.(母星から見て、遥か)彼方の(宇宙船)アストラ(号)
C.(主人公たちから見て、遥か)彼方の(惑星)アストラ
D.(主人公である)カナタの(母星である惑星)アストラ
という四つの意味も持ったクアドラプル・ミーニングでしょう。
「母星」が地球であると思い込んでいる内は、AとB(母星=地球として)のダブル・ミーニングになっているけど、実は「母星」が惑星アストラであると判明した瞬間に、Bの意味が変化して(母星=惑星アストラに変わって)、更にCとDの意味が出て来る、という、とんでもないタイトルです。