2021年にアニメ『SHAMAN KING』がスタートしたことで再び話題に上がる様になった『シャーマンキング』。
作となる漫画が存在しますが、その原作漫画が実は打ち切りとなってしまったのは有名な話です。
『シャーマンキング』はなぜ打ち切りとなってしまったのでしょうか。
目次
『シャーマンキング』とは
![シャーマンキングはなぜ打ち切りになった?理由・いつから何巻で打ち切りになったか解説](https://animegaphone.jp/wp-content/uploads/2022/03/mankin-uchikiri1.jpeg)
出典:『SHAMAN KING』プロジェクト公式Twitter
『シャーマンキング』は、1998年に週刊少年ジャンプで連載をスタートした武井宏之(たけい ひろゆき)さんのバトル漫画です。
主人公の麻倉葉(あさくら よう)は霊を自身の体に憑依させることのできるシャーマン。
持ち霊である阿弥陀丸(あみだまる)や仲間たちと共に、シャーマンの頂点であるシャーマンキングを決める大会「シャーマンファイト」に挑んでいき、悪しき目的を持ったシャーマンであるハオの野望と戦っていく物語です。
2001年にはテレビ東京系列にて、原作をベースにTVアニメシリーズが放送をスタート。1年以上にわたって放送され、当時はトレーディングカードや対戦格闘ゲームなど多岐に渡るメディアミックス展開が実施されました。
『シャーマンキング』はなぜ打ち切りになった?理由を解説
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©︎武井宏之『SHAMAN KING』32巻 / 講談社
一時はTVアニメ化を果たすほどの人気でありながら、漫画『シャーマンキング』の連載は、宿敵である葉の双子の兄・ハオに挑もうとする展開の途中で突然終了しています。
漫画『シャーマンキング』で何が起こっていたのでしょうか。
打ち切りの理由!打ち切りになったのはいつ?
『シャーマンキング』は週刊少年ジャンプの2004年9月13日(40)号で連載を終了しました。
打ち切りになった理由は、主に以下の2つが考えれらます。
- 当時人気がなかったため
- 人気作が続々登場したため
当時人気がなかったため
当時はTVアニメも終了しており、雑誌内での掲載順もほぼ最後尾となっていました
週刊少年ジャンプは、読者によるアンケートでの人気が掲載順に影響しているとも言われており、当時は打ち切りとなってもしょうがないほど、低調な人気だったことが伺えます。
まずそもそも週刊少年ジャンプ内でもTVアニメ化を果たした当時ですら、看板作品と言えるほどの人気ではありませんでした。
連載当初こそ早い掲載順を獲得していましたが、同時期に連載を開始した『ONEPIECE』や『NARUTO』ほど勢いを維持できませんでした。
人気作が続々登場したため
『シャーマンキング』の連載開始から少し遅れて、主人公が剣を振るうダークファンタジー物という点でコンセプトが近い『BLEACH』が登場します。
2003年末から『DEATH NOTE』や『銀魂』といった後にアニメ化や実写化へ発展していく人気作が登場していき、それらの人気に押されるように『シャーマンキング』は人気を落としていきます。
打ち切りは何巻の何話?その内容は?
『シャーマンキング』の打ち切りとなった際のエピソードは、シャーマンキング(通常版)32巻に収録されている284廻「おやすみ」です。
葉たちは圧倒的な巫力を持ったハオに打ち勝つために、ハオがシャーマンキングになる直前に勝負を仕掛ける作戦に移ります。
そんなハオを守ろうとする十祭司を次々に倒していき、いざハオとの最終決戦を目前に控えた葉たちは、一時休息をとります。
『オイラたちの戦いはこれからだ 明日勝つために』
『寝るぞーっ!!!』
こうして、布団に飛び込もうとするレギュラーキャラクターたちの姿で終わりを迎えました。
ちなみに週刊少年ジャンプ本誌では、この布団のシーンで終わっているのですが、後に刊行された通常版単行本32巻でさらに追記が施されます。
プリンセス姿のハオと、それを助けに向かおうとする葉。
そんな姿を、まん太が夢で見るという内容となっており、ハオとの最終決戦の行方はもちろん、葉たちの顛末が不明なままの完結となってしまいました。
『シャーマンキング』が復活!背景を解説
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©︎武井宏之『シャーマンキング 完全版』1巻 / 集英社
多くの伏線を残したまま完結してしまった『シャーマンキング』でしたが、打ち切りとなった後にも、新たな形でその続きが描かれていきます。
打ち切りのその後が描かれた完全版が公開
打ち切りから4年後の2008年に、『シャーマンキング』を大判の新装丁で追加ページを加えた完全版シリーズが刊行されます。
完全版は全27巻が刊行されるのですが、そのうち26巻の後半から描き下ろしの新エピソードが収録されました。
最終巻にあたる27巻は、一冊丸ごと描き下ろしとなっており、当時は実現できなかったハオとの最終決戦が具体的に最後まで描かれることになります。
グレートスピリッツの中で、葉たちはハオとついに直接対決となるのですが、ハオの憎しみの要因となった母親である麻ノ葉(あさのは)の魂を連れてきたことをきっかけにハオの魂は救われ、ついに葉とハオは和解することになります。
ハオはシャーマンキングとなり、葉たちが残された時間をどう生きるのか見守ることを約束し、葉の日常に平穏が戻るという結末を迎えるのでした。
このハオを救済するという結末をわずかな数ページにまとめたものが、通常版単行本32巻で追記されたプリンセスハオを救う葉たちの姿だったのです。
さらに続編が登場!『シャーマンキング』の新作とは?
本誌での打ち切りから数年を経て、完結を迎えた『シャーマンキング』でしたが、実はさらにその続きやスピンオフエピソードが2011年に刊行された月刊誌「ジャンプ改」で描かれます。
まずジャンプ改の2011年11月号からは、『シャーマンキング』の登場キャラクターの前日譚を個別に描いていく『シャーマンキング0-ZERO-』を短期連載します。
このシリーズでは葉はもちろんのこと、ハオやX-LAWSなど敵キャラクターのエピソードも描かれました。
その後、ジャンプ改2012年5月号では、『シャーマンキング』の続編『シャーマンキングFLOWERS(フラワーズ)』の連載がスタートします。
これは葉とアンナの息子である麻倉 花 (あさくら はな)を主人公にした物語で、完全版での完結直後に刊行されたファンブック「マンタリテ」に収録された読み切り作品として登場した内容を連載作品にしたシリーズです。
しかし、今度は掲載誌であるジャンプ改が2014年に休刊を発表。それに伴い、『シャーマンキングFLOWERS』も終了せざるを得なくなり、実質二度目の打ち切りとなりました。
『シャーマンキング』がまさかの再アニメ化!なぜ今復活したのか?
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©︎武井宏之『SHAMAN KING THE SUPER STAR』1巻 / 講談社
二度の打ち切りに陥った『シャーマンキング』でしたが、廃刊から4年後の2018年に講談社から刊行されている月刊漫画雑誌「少年マガジンエッジ」で続編漫画の連載がスタートします。
それが『SHAMAN KING THE SUPER STAR』です。
『シャーマンキング』、『シャーマンキングFLOWERS』に連なる新シリーズで、これまでの作品に登場したキャラクターたちのその後が描かれます。
これまでのシリーズの出版社だった集英社から、講談社へと出版元を移し、タイトルもカタカナ表記から英語表記へと変更。それに伴い、これまでのシリーズも『SHAMAN KING』の英語表記に改めて、講談社下で再度の刊行をスタートしました。
講談社傘下での再スタートを切ったことで、シャーマンキングシリーズの権利状態なども新しくなりました。
さらに、昨今の90年代作品のリバイバルブームなども重なったことで、ついに2021年より講談社のもとで刊行した英語表記によるTVアニメシリーズを一から制作しなおされたのです。
『シャーマンキング』が今までアニメ化を実現できなかった理由
実は2017年時点で、原作者の武井宏之先生が自身のTwitterで、再アニメ化に言及しています。
じつを言うと本格的なところまで再アニメ化の話はありましたが…前作の声優さんや楽曲が使用できないとのことで、お断りさせていただきました。またチャンスがあるといいですね https://t.co/gk4i5TsFEi
— 武井宏之 (@takeimokei) February 14, 2017
講談社での新シリーズの連載スタート前の時点ですでに再アニメ化の話が出ていたこと、そして「前作のTVアニメ版の声優さんや楽曲が使用できない」という条件があったことが原因で、実現しなかったことが明らかになりました。
『シャーマンキング』の再アニメ化が実現した経緯
『シャーマンキング』の再アニメ化が実現したのは、原作者の武井宏之先生と恐山アンナ役を務めた林原めぐみさんなどとの交流が深かったことも関係しています。
2010年にファンによって、『シャーマンキング』の劇中詩として登場する「恐山ル・ヴォワール」に曲が付けられたのですが、これを原作者の武井先生が視聴。
感動を伝えるツイートが武井先生のスタジオの公式アカウントが寄せられるのですが、のちにこの曲を武井先生の描き下ろしらしきイラストと、林原めぐみさんらしき声の方の歌唱による動画が公開され話題になります。
当時はこの動画が誰の元で制作されたのかなど、詳細は明らかにされていなかったのですが、2011年に改めてジャンプ改の公式アカウントよりこれが武井先生と林原めぐみさんによるものであることが発表されました。
林原めぐみさんも自身のラジオなどで、『シャーマンキング』に対する思い入れなどを語っていたり、武井先生からの手紙が読まれたりと前アニメシリーズ終了後も交流がありました。
打ち切り後も制作サイドで作品を盛り上げるアクションが続き、さらにはアニメ化で培った多くの縁をそのままに再度アニメ化する体制が整ったことで、今回の再アニメ化が実現したのでしょう。
ちなみにこの「恐山・ル・ヴォワール」は、新アニメシリーズ第33話「恐山ル・ヴォワール quatre4」の挿入歌として使われています。
打ち切り後に連載した『重機人間ユンボル』とは
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©︎武井宏之『ユンボル-JUMBOR-』1巻 / 集英社
一見、打ち切り以降も原作者の武井宏之さんが『シャーマンキング』に継続して注力していたからこそ、今回のアニメ化が適ったとも言えますが、実は『シャーマンキング』だけを展開していたわけではありませんでした。
『シャーマンキング』以外の作品を展開していこうとしていた時期がありました。それが2007年に週刊少年ジャンプで連載をスタートした『重機人間ユンボル』です。
大災害に襲われ復興を目指している世界で、重機士団の隊長であるバルが、突如現れたゲンバー大王によって命を落とした末、重機人間ユンボルとして生まれ変わるという、建設重機を題材にしたファンタジー作品でした。
しかし、この『重機人間ユンボル』もわずか10話にて連載が終了。打ち切りという形で終わってしまいます。
しかし、この作品も諦めることはなく2009年に集英社の別雑誌ウルトラジャンプで『ユンボル-JUMBOR-』とタイトルや設定を改めて、連載を再スタートしました。
しかし、この再スタートを切った『ユンボル-JUMBOR-』も2015年に連載を休止して以来、再開されないままとなっています。
このユンボルシリーズについても、武井先生は自身のTwitterで絶対に復活すると明言しています。
でも絶対にユンボルは復活します。
— 武井宏之 (@takeimokei) July 16, 2015
こうして『シャーマンキング』が復活しているので、近い将来ユンボルも何らかの形で復活するかもしれません。
まとめ
『シャーマンキング』は2004年に打ち切りとなってしまい、通常版32巻に収録されている284廻「おやすみ」で最終話を迎えます。
しかし、完全版での加筆や続編などの制作、出版社の移行などを経たことで、2021年の再アニメ化を果たすことになったのです。
原作者の武井宏之先生が制作した『重機人間ユンボル』のシリーズも今後、復活することを期待しても良さそうですね。
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