『ダンジョン飯』に登場するセンシは、迷宮内で自給自足をしていたドワーフです。
魔物食のスペシャリストであり、大サソリを調理しようとしていたライオスたちを見かねて彼らのパーティーに同行することになりました。
この記事ではセンシの過去や正体、作中での活躍や『冒険者バイブル』で描かれたセンシの日記について紹介していきます。
本編のネタバレを含みますのでご注意ください。
また、以下の記事では『ダンジョン飯』全巻のあらすじや一部伏線について紹介・解説しています。
目次
『ダンジョン飯』センシとは
センシは、『ダンジョン飯』の1巻でライオスパーティーに加わったドワーフです。
長いヒゲと装飾の角を付けた形見の兜が特徴で、筋肉質で強靭な肉体を持ちます。
物語の舞台である島で迷宮が発見される前から迷宮内で自給自足をしており、魔物食に関してはプロフェッショナルです。
環境や生態系を重んじる思考の持ち主であり、自分も迷宮の一部だと考えています。
そのため、マルシルが爆破魔法でまとめて刃魚を倒した際には殺し過ぎだと怒っていました。
実際は中年のチルチャックを子ども扱いしており、若く見える相手に対しては世話を焼く性格です。
長い間ダンジョンで暮らしていたこともあり、時には非常識でマイペースなところを見せます。
一方で、ライオスパーティー内では最年長であるため、冷静で示唆に富んだ言葉をくれることもあります。
センシのプロフィール
本名 | イズガンダのセンシ |
誕生日/年齢 | 10月2日・112歳 |
人種/性別 | ドワーフ・男 |
出身地 | 東方大陸・イズガンダ |
家族構成 | ― |
体格 | 身長140cm前後 |
好物 | 魔物料理 |
苦手 | 栄養分に乏しい料理 |
センシの声優は「中博史」さん
中博史さんは、大分県出身で賢プロダクションに所属する声優、俳優です。
大分県の芸術緑丘高等学校を卒業後、俳優を目指して上京しました。
舞台の『夜明けに消えた』に共演した俳優の坂本長利さんに師事したことで、声優を目指し始めます。
バオバブ学園の3期生であり、その後2014年2月に賢プロダクションへ移籍しました。
中博史さんの代表作として、以下の作品が挙げられます。
- 『ONE PIECE』(モンキー・D・ガープ)
- 『名探偵ピカチュウ』(ハワード・クリフォード)
- 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』(ヨハン・イブラヒム・レビル)
『ダンジョン飯』センシの過去|グリフィンのスープ
センシは小さな坑夫団の一員だった
センシはもともとドワーフたちが集まった坑夫団のひとりでした。
彼らは戦争前の遺跡を探し、一攫千金を目指していたのです。
あるときドワーフたちは黄金に輝く古代の城を発見。
それは現在、ライオスがいる迷宮でした。
全員が魅入られたように奥へ進んで行くと、出口が塞がれてしまいます。
さらにはグリフィンに襲撃され、センシを含めて生き残りが三人になりました。
食料が尽きかけていた状況で、坑夫団リーダーのギリンが最年少のセンシに食料を分けていました。
これは、地図を書いているセンシが脱出の鍵になると希望を見出していたからです。
ちなみに、ギリンはこのとき「次の世代の面倒を見てやれなくなったら終わりだろ」と語っており、センシが食事にこだわるようになったきっかけの言葉となりました。
その後、些細なできごとがきっかけでギリンとブリガンは言い争いから喧嘩に発展。
外へ出た二人は、またしてもグリフィンに襲撃されてブリガンは死亡。
ギリンも負傷し、兜には打撃痕が刻まれていました。
センシにはある疑念が湧いた
ギリンはグリフィンの肉をスープにしてセンシに振る舞いました。
その後、ギリンは二度と戻ってきませんでした。
センシは残りのスープを食い繋ぎながら、地図や壁に書かれていた暗号の法則性を見つけます。
意を決して部屋の外に出るとグリフィンの死体は無くなっていました。
他の生き物が綺麗に食べてしまったのだろうと考え、センシはオークに捕まりながらも地上に出ることに成功。
しかし、故郷に戻る気にはなれず迷宮に戻ってダンジョン内で生活するようになります。
それからセンシにはある疑念が常に付きまとっていました。
ギリンが振る舞った肉は本当にグリフィンの肉だったのか。
本当は誰かの肉だったのではないか。
そうした疑念が食事をするたびに思い返されたのです。
『ダンジョン飯』センシが書いた日記の内容について
『ダンジョン飯ワールドガイド冒険者バイブル』の234ページからは、センシの日記が描かれています。
その日記には、ライオスたちへの印象や食べた魔物などが載っています。
ここではセンシの日記の一部について紹介し、迷宮を潜る中でどんなことを感じていたのかを見ていきます。
ライオスたちへの第一印象
3月16日と17日の日記には、ライオスたちと出会った際の印象などが記載されています。
この時点でセンシはレッドドラゴンを調理するためにパーティーに同行しました。
また、エルフのことはよく思っていないようで、マルシルの似顔絵は性格がキツそうに描かれており、17日の喧しくてエルフらしいとも書いていました。
チルチャックに対しても18日の日記で子供だと勘違いしており、子供に危険な罠開けを任せているライオスに腹が立ったとも記載されています。
このように、序盤のセンシはエルフに対して良いイメージを抱いてはおらず、ハーフフットという種族についてもダンジョン内での自給自足生活で詳しくありませんでした。
レッドドラゴン討伐後の日記
3月24日の日記において、レッドドラゴン討伐後の内容が描かれています。
ここでは、マルシルの古代魔術に対して恐ろしいという感想を抱いていました。
ですが、もし自分が同じ力を持っていれば使わずにはいられるか分からないと語っており、マルシルたちに対して一定の理解を示していました。
ライオスやマルシル、ファリンといった似顔絵が以前よりも正確に描かれていることから、しっかりと彼女たちを仲間だと認識するようになったという解釈もできそうです。
このようにセンシの日記を紹介しましたが、作中では細かく描写されていないセンシの心境の変化なども見られます。
一部だけの抜粋であるため、ぜひ『冒険者バイブル』の方も読んでみてください!
『ダンジョン飯』センシの作中での活躍を紹介
作中において、センシはライオスたちの料理番という役割を担っています。
空腹で全滅の危機に瀕したライオスには最適な冒険者ですね。
また、魔物や生き物、料理の豊富な知識を持っており、そのおかげでパーティーを危険から救ったこともあります。
ここでは、センシの活躍した場面についていくつか紹介していきます。
16話『蒲焼き』
3巻16話において、ライオス一行は巨大なクラーケンと遭遇。
マルシルの爆破魔法が効かず、センシの斧でも薄皮一枚を切るので精一杯でした。
ここで、センシは機転を利かせてマルシルに魔法の使用を頼みます。
その魔法は「水上歩行」です。
水上歩行を使用したことでクラーケンが水上に打ち上げられたのです。
センシはイカとタコを捌いた経験から、クラーケンの目と目の間を槍で一突きし、討伐することに成功しました。
魔物の知識を多く有するライオスでもクラーケンには敵わなかったため、センシでなければこの場面を切り抜けることは難しかったでしょう。
20話『シチュー』
3巻18話では、マルシルがウンディーネに襲われます。
何とか退避して逃げますが、出血と魔力切れでピンチであることには変わりませんでした。
このとき、水棲馬で焼き肉をしていると、元ライオスパーティーのメンバー「ナマリ」が新たな雇い主のタンス夫妻とともに現れます。
マルシルは怒っているウンディーネを鎮める方法を尋ねますが、あそこまで怒っている状態なら無理だとタンス夫妻は地上に戻ろうとしました。
ここでマルシルはウンディーネを飲めば魔力も回復して一石二鳥だと思い立ちます。
そして、センシとライオスがアダマント製の鍋と蓋でウンディーネを挟み、火にかけて討伐しようと立ち向かいました。
トールマンのライオスでは力負けして弾かれてしまい、代わりにナマリが駆け付けたことで何とか場が収まりました。
20話ではセンシの鍋がアダマント製だと判明し、これは防具にすれば竜の牙すら通さない代物です。
ちなみに、センシが所持している包丁はミスリル製で竜の鱗も貫きます。
このように、センシの知識や腕力・持ち物が仲間を助けるのに役立つことが多く、要所で活躍しています。
パーティーのために料理を作って支えてきたセンシの活躍は他にもあります。
『ダンジョン飯』センシと関連する主な人物を紹介
ライオス
ライオスは『ダンジョン飯』の主人公であり、迷宮1階で出会ったトールマンです。
彼に対しては、当初「変な奴」と思っていました。
実際、4月3日の日記では「ライオスがかつての仲間と仲違いしてしょげていた。この男にもそういう感情があったとは意外だ」と書かれており、人間味の薄い人物だと考えている節がありました。
ですが、『グリフィンのスープ』のエピソードでは、ライオスのおかげで過去に食べたスープが仲間の肉ではなくヒポグリフの肉だということがわかり、トラウマを克服することに成功しました。
そうしてライオスに感謝し、リーダーとして信頼するようになりました。
ライオスの強さや活躍、マルシルたちとの関係などについては以下の記事で紹介しています。
マルシル
魔術師であるマルシルに対しては、エルフに対して偏見があったことで良い印象を持っていませんでした。
魔物食への拒否反応も示されており、最初は良い関係とは言えない状況でした。
ですが、冒険を続けていくうちに魔術について理解を示すようになり、マルシルを仲間だと思うようになっていきます。
マルシルの使用した魔術や目的などについては以下の記事で紹介しています。
チルチャック
チルチャックはライオスパーティーの鍵師であり、ハーフフットであるため子供のような見た目をしています。
センシは当初そんなチルチャックを危険な仕事でした生きていけない孤児だと勘違いしており、子供を働かせているライオスに内心憤っていました。
ですが、互いの来歴について腹を割って話したことで、妻子持ちでなおかつ中年であることに気付き、認識を改めます。
チルチャックの活躍や声優・家族などについては以下の記事で紹介しています。
イヅツミ
イヅツミは途中からライオスのパーティーに加わった獣人です。
食事のマナーが悪く、好き嫌いも激しいため、センシは手を焼いています。
終盤では、これからどうするのかと問われたセンシが「わしはお前が心配だ。いつまでもお前の面倒は見てられん」と話しており、気にかけている様子です。
まとめ
この記事では、センシの過去や活躍などについて紹介してきました。
かつては坑夫団に所属していたドワーフであり、あるとき黄金城を発見します。
しかし、金に魅入られた仲間たちは魔物に殺されてしまいました。
このときリーダーのギリンが作ったスープは仲間の肉を使ったのではという疑念を持ち続け、地上に出てからも迷宮内に戻って自給自足の生活をしていました。
そういったトラウマがありましたが、ライオスの提案によって解決。
センシが涙する姿は読者としても心に来るものがありました。
物語の最期までライオスたちを魔物食で支え続けてきたセンシは、他にも見どころがたくさんあります。
良ければ『ダンジョン飯』原作も読んでみてください!
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