シュタインズ・ゲートは、過去と未来への移動と、それによる世界線の変動があることから、中々分かり辛い点がありますよね。(そこがまた面白いのですが…)
今回は、シュタインズ・ゲートを見たけど忘れてしまった方、そして、見てないないけどなんとなく雰囲気を知りたい方向けて解説をしていきます。
それぞれの世界線について改めて見ていくと共に、アニメ本編のシュタインズ・ゲート(無印)に用意された伏線・設定について見ていきましょう。
目次
世界線について
シュタインズ・ゲートで重要な設定となっているのが、この「世界線」という存在です。
世界線とは、過去から未来を繋ぐ一本の線であり、どのような過程を経たとしても、「収束」という事象により、決まった結果に行きつくようになっています。
また、シュタインズ・ゲートにおいては、「パラレルワールド」という概念は無く、何らかの事態により世界線が変わった場合、その世界線に沿って世界が再構築されるようになっています。その為、シュタインズ・ゲートでは常に世界は一つの世界線上の運命を進んでいることになります。
※パラレルワールド…今いる自分の世界と、同じ時間軸で別の世界にいる自分が並立している世界観。
パラレルワールドを作品に用いている代表的な作品は、「ひぐらしのなく頃にシリーズ」や、「ぼくらの」、「FAIRY TAIL」など。
世界線は、本作を語る上で重要な要素であると共に、これを理解できればある程度物語の概要まで分かるようになりますので、もう少し細かく見ていきます。
アトラクタフィールドα(α世界線)
まずはα世界線です。
【概要】
世界線変動率0%台。シュタインズ・ゲート本編のストーリーの殆どは、このα世界線での日常として描かれている。
【本編上の収束】
✔まゆりが8月中旬に必ず死亡する。
✔クリスが生存し続ける。
【この世界線が向かう未来】
✔2034年にSERNがタイムマシンを開発し、世界にディストピアが構築される。
✔2025年に岡部は死亡する。
✔2033年にダルが未完成のタイムマシンを遺し死亡。鈴羽は自分の父親を知らない。
本編上、岡部が1話でクリスの殺害現場を見た後にダルへメールを送ったことにより、この世界線へ移動して来てしまうことになります。
この世界線に移動し、岡部は日常を過ごしていく事になりますが、8月中旬頃にはまゆりが死亡します。
ラウンダーに射殺、電車で轢殺……過程は問わずにまゆりが死亡する結末は、正に世界線の収束となっています。
岡部はまゆりを救う為、このα世界線を抜け出し、元居たβ世界線に到達することで、収束の結末を変えようと試みるのですが、そのβ世界線にも、大きな問題があることに気が付いてしまいます。
次に、そのβ世界線について見ていきましょう。
アトラクタフィールドβ(β世界線)
続いてβ世界線を見ていきます。
【概要】
世界線変動率1%台。本編の1話序盤と、最終局面にて岡部が存在していた世界線。
ストーリー中盤では、このβ世界線が岡部の目指すべき世界線であると考えるものの、大きな問題は解決しないことが判明。
また、余談だが、シュタインズ・ゲート0については、このβ世界線での物語となっており、様々な点でα世界線との違いを感じることができる。
【本編上の収束】
✔まゆりは生存し続ける。
✔クリスはラジ館で「本当に」死亡する。
【この世界線が向かう未来】
✔中鉢論文を基として、2025年頃に第三次世界大戦が勃発する。
✔2025年に岡部は過去の自分宛てにDメールを送り、S.G.世界線の存在を伝えた後死亡。
✔ダルは生存し、タイムマシンC204を完成させる。鈴羽は自分の父親を知っている。
β世界線は、岡部がDメールやSERN等、何も関わらずに過ごしていた場合の世界線。
本編では、クリスの死を持ってα世界線に移動してしまうことになるのですが、
そのままβ世界線にいたら、第三次世界大戦が始まっているという恐ろしい世界となっています。
ですが、このβ世界線は、全くの別の世界線に移動することができる重要な世界線であると考えられます。
その理由は、「ダルが完全なタイムマシンを完成させる」という未来が収束されている為です。
世界線変動については、後程解説します。
シュタインズ・ゲート(S.G.世界線)
最後に、本編タイトルでもある、シュタインズ・ゲートです。
【概要】
本編のトゥルーエンド。岡部が目指すべき真の世界線であり、誰もが欠けない理想の未来。
世界線変動率は1.048596%となっており、アトラクタフィールドの狭間にある世界線となっている。
また、シュタインズ・ゲートの世界線については、唯一収束の影響を受けることが無い世界となっている。
【本編上の収束】
✔まゆりが生存する。
✔クリスが生存する。
✔鈴羽がタイムトラベルしてこない。
【この世界線が向かう未来】
✔誰も分からない
この世界線が、岡部と、世界が目指すべきと言っても過言ではない未来となっています。
まゆりもクリスも生存することにより、SERNによるディストピアが構築されることも、第三次世界大戦が勃発することもない世界です。
同時に、鈴羽がタイムトラベルしてくる必要が無くなる為、未来の事が誰も分かりません。
ですが、岡部は話すことでしょう。
「これが、”シュタインズ・ゲートの選択”である」と。
世界線移動について
世界線は日常で常に少しずつ動いているのですが、通常の人間には認知ができません。
ですが、岡部だけは、「リーディングシュタイナー」により、世界線の変動時の眩暈にて察知ができるようになっています。
岡部だけに発現している力かと思いきや、劇場版ではタイムリープを行ったクリスにも発現していることを考えると、リーディングシュタイナーは「自身の手により世界線を変動させる者に発現する」と考察できます。
Dメール
Dメールは、岡部とラボメンにより開発された、電話レンジ(仮)の機能を持って送信できる、過去に送るメールの事を指します。
送信可能文字数は少ないですが、世界線を変動させる為には、Dメールでしか基本成しえません。
また、Dメールが実際に世界線変動に影響を与えたか与えていないかによってメール送信BOXに送信したDメールが残るか残らないかが変わってきます。
タイムリープ/タイムマシン
本作では、時空転移方法として、タイムリープとタイムマシンの2つの手法があります。
タイムリープは、対象者を一人として、記憶を過去の自分に送ることができるものです。
これにより、過去のやり直しが可能になるわけですが、結局世界線を変えるだけの力は無いため、収束は変えられません。
本編上で、何度も何度もまゆりの死を回避する為にタイムリープをしても、徒労に終わったのはそういった理由があります。
一方のタイムマシンは、人や物を過去や未来に送ることができる機械ですが、それ自体で世界線を変えることはできません。
あくまでも収束を変える為には、世界線を移動することが必須になって来ます。
何故α世界線でまゆりは死亡することになるのか?
まゆりの死は、α世界線において世界の収束事項となっています。
つまりα世界線にとってまゆりの死が必要だと選択されているのです。
それは一体何故なのでしょうか?
α世界線の向かう未来に照らして考えましょう。
α世界線では、SERNがタイムマシンを完成させ、ディストピアを作る未来があります。
その為、タイムマシンを作る為にSERNの手先であるラウンダーが、クリスのいるラボを狙うのは当然のことです。
何故なら、α世界線になったことで、タイムマシンの論文発表はクリスの手によって行われるからです。
タイムマシンを完成させるのに、クリスを誘拐することにしたSERNの陰謀により、邪魔なラボメン(技術を持たない人=まゆり)は殺害されていくのです。
つまり、α世界線ではSERNのタイムマシンへの想いが、まゆりを殺しているのです。
シュタインズ・ゲートに到達した岡部の未来は?
無事に本編でシュタインズ・ゲートに到達した岡部。その未来は誰もが知り得ないものとなっています。
シュタインズ・ゲートは、世界線の中でも唯一収束の影響を受けることが無い特別なものとなっています。
もちろん、理論を知っている岡部とクリスがいるので、シュタインズ・ゲートでもタイムマシンやDメールを開発することはできるでしょう。
ですが岡部は、α世界線、β世界線の経験を経ているので、自身がタイムマシンを完成されるどころか、クリスのタイムマシン完成すら止めるでしょう。
恐らくシュタインズ・ゲートでは、過去と未来を変えることなく、ラボメン皆がそれぞれ普通の人生を送っていくことでしょう。
まとめ
シュタインズ・ゲートは、「世界線」という設定をしっかり理解することで、様々な伏線が読み取れることになるでしょう。
α世界線を描いたシュタインズ・ゲート(無印)とを見た後は、β世界線を描いたシュタインズ・ゲート0を見ることで、世界線を跨いだ岡部の戦いを見ることができます。
是非、その目で確認してみて下さいね。
コメント
α世界線のまゆりの死の収束について、私は違う意見です。
タイムマシンが開発される世界線αについて取り上げた場合、岡部がタイムマシンを作る動機として、まゆりの死を回避したいというのがあります。
このとき、観測者である岡部が既にタイムマシンの搭乗者である鈴羽を観測済みであるため、タイムマシンを作る未来が確定的=まゆりの死という動機も確定済みであると解釈しました。