
俺ガイルを全巻読み終わった〜

俺ガイル面白いね
読み終わった後に、色々と考察したいテーマが出てきました。

出典:「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」公式ページ
- 比企谷の言う本物とは何だったのか
- 由比ヶ浜の言う全部欲しいの意味は?
- 比企谷はなぜ雪ノ下を選んだのか
などなど。
今回の記事では、
俺ガイルという物語のテーマの答えはどういうものだったのか、改めて考察してみました。

壮大にネタバレを含む内容だから注意してね!

楽しみ♪
俺ガイルの伏線の考察まとめ(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。)
#俺ガイル 復習完了。
この作品、其々の目線や観覧車等、やはり演出/比喩が上手すぎる
最終話のガハマさんの抽象的な言い回しも何度見ても考察しがいがある。ずるい(=利己的)か…最後は奉仕部3人の関係に回帰する
この3人はどこに辿り着くのか。
八幡の探す本物は見つかるのか。
3期へ期待高まる。 pic.twitter.com/RbVUMIXjWs— はるぽっぽ ❅* (@po_104) April 7, 2020
俺ガイルを見終わって浮かぶ大きな疑問というのは、以下のようなテーマなのではないでしょうか。
- 比企谷の言う本物とは何だったのか
- 由比ヶ浜の言う全部欲しいの意味は?
- 比企谷はなぜ雪ノ下を選んだのか
これらについて順に考察してみました。
比企谷八幡の言う『本物』とは何だったのか?

出典:「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」公式ページ
俺ガイルのテーマとも言える、「本物」とは一体なんのことだったのでしょうか?
比企谷のこのセリフが最も印象的でした。
比企谷「言ったからわかるってのは傲慢なんだよ。言った本人の自己満足、言われた奴の思い上がり……、いろいろあって、話せば必ず理解し合えるってわけじゃない。だから、言葉が欲しいんじゃないんだ」
由比ヶ浜「だけど、言わなかったらずっとわかんないままだよ……」
比企谷「そうだな……。言わなくてもわかるっていうのは、幻想だ。でも……。でも、俺は……。俺は……。」俺は言葉が欲しいんじゃない。俺が欲しかったものは確かにあった。それはきっと分かり合いたいとか、仲良くしたいとか、一緒にいたいとか、そういうことじゃない。おれは分かってもらいたいんじゃない。俺はわかりたいのだ。わかりたい。知っていたい。知って安心したい。安らぎを得ていたい。わからないことはひどく怖いことだから。完全に理解したいだなんて、ひどく独善的で、独裁的で、傲慢な願いだ。本当に浅ましくておぞましい。そんな願望を抱いている自分が気持ち悪くて仕方がない。
だけど、もしも、もしもお互いがそう思えるのなら。
その醜い自己満足を押しつけ合い、許容できる関係性が存在するのなら。
そんなこと絶対にできないのは知っている。そんなものに手が届かないのもわかっている。
それでも……。比企谷「それでも、俺は……。俺は、本物が欲しい」
出典:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2期8話
テレビをつけたら俺ガイル2期の8話の名シーンでした
このちょっと前の本物がほしい。も9話の平塚先生との橋のシーンも最高ですよね
東京MXしか再放送してなかったので見れて感動。。 pic.twitter.com/x1u80varG9— 近藤大成@TEAM3K (@taisei3K) September 25, 2018
このシーンは本当に心が動かされましたよね。
『本物』とは本当の気持ちで通じ合える関係性
BS-TBS派の皆様、本日のご視聴ありがとうございました!これにて、全国で「俺ガイル」第8話の放送が終了いたしました!
この2人が目から焼き付いて離れないです・・・! pic.twitter.com/0J8gU6SNgO— やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (@anime_oregairu) May 30, 2015
ここで言う”本物”とはなんだったのか?
あえて言葉にするなら
- 「言葉になる前の”相手の本当の気持ち”、それを感じ合える関係」
- 「相手の心と自分の心そのもので通じ合える存在」

だったのではないかと私は思います
なぜなら自分の心は自分が知っているから。
でも相手の心はわからない。
比企谷は、人の言葉を聞いても、それが本当の気持ちなのかなんてわからないから、それが怖い、だから相手の心を直に知って安心したい。
だから欲しいのは上辺の言葉じゃない、その奥にある本当の心だ。
相手の心なんて分かるわけないってわかってる、でもそれでも知りたい。
こんな風な内面があって、それが「本物」がほしいというセリフにつながった。
比企谷は中学時代の折本の件から相手の気持ちが分からないのが怖い
これは作中でも示された、女の子に振られた経験などから来ているトラウマでもあると考えられます。
俺は優しい女の子は嫌いだ。
ほんの一言挨拶を交わせば気になるし、メールが行き交えば心がざわつく。
電話なんかかかってきた日には、着信履歴を見てつい頬が緩む。
だが知っている。それが優しさだということを。
俺に優しい人間は他の人にも優しくて、そのことをつい忘れてしまいそうになる。
真実は残酷だというのなら、きっと嘘は優しいのだろう。
だから優しさは嘘だ。
いつだって期待して、いつも勘違いして、いつからか希望を持つのはやめた。
訓練されたボッチは二度も同じ手にひっかかったりしない。
百戦錬磨のツワモノ。
負けることに関しては俺が最強。
だから、いつまでも、優しい女の子は・・・嫌いだ。
折本のエピソードが何の意味もなく描かれているとは考えられませんし、これが比企谷の本物が欲しいという願望に繋がっていると考えるのが自然です。
平塚先生との会話で『本物』の答えを知った比企谷
俺ガイル8話泣けた。・゚・(ノД`)・゚・。
いい話だった。 pic.twitter.com/PylPRoB15x— 三森秀 (@morimori_gennki) May 22, 2015
作中のいくつかのセリフから類推してもこの仮説はしっくりきます。
特に平塚先生との会話は、基本的に俺ガイルの中での「答え」を示すものとして使われています。
#後世に残したいアニメの名言
俺ガイル2期8話平塚静より pic.twitter.com/PMLubUSE2u— 🍏すわわ🌾TrySail栃木2日目 (@3Ag760) August 23, 2016
平塚先生「君の気持ちは、言葉一つで済むようなものか?」
比企谷「・・・まさか。たった一言で、済まされちゃたまんないですよ。だいたい言葉なんかじゃ、うまく伝わらない。」
今だって、思考も思想も感情も、何も表しきれていない。そこに意味を作っていないのなら、こんなのは鳴き声と同じだ。一つの感情に当てはめてくれるなと吠え立てて、伝わるわけがないと牙を剥き、そのくせ伝わらなくてもいいのだと尻尾を丸めているだけだ。
歯がゆさに知らず、手の中の缶コーヒーを強く握る。
出典:『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』14巻
比企谷は言わなくても分かるなんて幻想、言ったら分かるなんてのは傲慢、そう言いつつも・・・そんなのは言い訳にすぎず”逃げ”であると分かっているんですね。
それがこの場面の比企谷の心情に表現されています。
でもだからといってどうすればいいかなんて分からない。
だから歯がゆい。
それに答えを示してくれたのが平塚先生でした。
平塚先生「問題の根っこは1つなんだよ。心だ」
比企谷「けど、それって考えて分かるものじゃないじゃないですか。」
平塚先生「わからないか?なら、もっと考えろ。計算しかできないなら計算しつくせ。全部の答えを出して消去法で一つずつ潰せ。残ったものが・・・君の答えだ。」
比企谷「それでも・・・分かるものじゃないんじゃないですかね・・・。」
平塚先生「なら、計算が間違っているか、見落としがあるんだろう。また計算のやり直しだな。」
比企谷「あんた無茶苦茶だ・・・。」
平塚先生「馬鹿者。感情が計算できるならとっくに電脳化されてる。計算できずに残った答え・・・それが人の気持ちというものだよ。」
(中略)
平塚先生「考えてもがき苦しみ、足掻いて悩め。そうでなくては”本物”じゃない。」
出典:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2期8話

そしてこの会話をさらに補足したものが、最終巻での平塚先生とのバッティングセンターでのやり取り
平塚先生「自分の中で答えはあるのに、それを出す術を君は知らないだけさ。だから、わかりやすい言葉で納得しようとする。そこにあてはめて済ませてしまおうとしている」
確かにそうかもしれない。(中略)それは思考停止であり現実逃避に他ならない。
平塚先生「けどね、やり方はひとつじゃないよ。言葉一つとっても、表し方は無限にある。例えば、私も君に対して思うことはたくさんある。面倒くさいとか、ヘタレとか、拗らせすぎとか、将来が心配とか・・・まだまだこんなもんじゃない。もっともっと思うことはたくさんあるんだ。わざわざ言葉にするのも面倒なくらいにね。けど、そういうのを全部ひっくるめて・・・君が好きだよ」
(中略)
平塚先生「一言で済まないならいくらでも言葉を尽くせ。言葉さえ信頼ならないなら、行動も合わせればいい。どんな言葉でもどんな行動でもいいんだ。その1つ1つをドットみたいに集めて、君なりの答えを紡げばいい。キャンパスの全部を埋めて、残った空白が言葉の形をとるかもしれない」
もやもやと滞留していた煙はやがて掻き消える。出典:『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』14巻
この「もやもやと滞留していた煙」とは平塚先生のタバコの煙のことなんですが、これは比企谷の心の中の煙も掻き消えたことを2重で比喩しているのだと思います。
つまり平塚先生のこのセリフの中にこそ、比企谷の求めていた「本物」の答えがあったということです。
この時、比企谷は無理だと思っていた「本物」に近づく方法を理解したんだと思います。
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