『86-エイティシックス-』は、2021年春の新作アニメとして4月から6月にかけて、第1期が放送されていた人気テレビアニメ作品です。同年10月からは、第2期が放送されました。
本記事では主人公・シンの強さや異能、レーナやアネットなどとの関係性を紹介。さらに、シンの異名やパーソナルネームの由来、原作やアニメ本編で見せている行動の理由を、過去から辿る形で迫ります。
本作品の人物相関図は「【86-エイティシックス-】人物相関図!アニメ版の登場人物・キャラクターの一覧を解説」の記事をご覧ください。
目次
シンエイ・ノウゼンとは
シンエイ・ノウゼン、はスピアヘッド戦隊の戦隊長で、第一小隊の隊長とを務めています。
「死神」という異名や「アンダーテイカー(葬儀屋)」というパーソナルネームを持ち、戦闘後にも他隊員たちとは違う行動を起こしますが、これらはシン自身が入隊時から出会った人達が強く影響しています。
シンの過去や、異名などの由来はまた後に詳しく説明しているよ!
シンのプロフィール
本名 | シンエイ・ノウゼン |
愛称 | シン |
異名 | 死神 |
パーソナルネーム | アンダーテイカー(葬儀屋) |
人種 | 黒系種(オニクス)と赤系種(パイロープ)の混血 |
階級 | 大尉・隊長 |
誕生日 | 5月19日 |
年齢 | 11歳(入隊時)→16歳(第1巻) |
身長 | 175cm |
出身地 | サンマグノリア共和国の首都 (リベルテ・エト・エガリテ) |
シンの容姿は、兄(レイ)とは正反対で“黒髪”と“赤い瞳”が特徴的な少年です。
シンの性格
生まれた頃から優しい兄(レイ)や両親から可愛がられて育ったため、幼少期は優しく甘えたがりな性格でした。
しかし自分たち家族が第86区に送られたことで事態が急変してからは次第に心を閉ざすようになり、仲間達とも必要以上の会話をしなくなってしまいます。
シンの声は声優「千葉翔也さん」が担当
シンの声を担当している声優さんは、「シグマ・セブン」に所属している千葉翔也さんです。
2004年に放送された、ショートアニメ作品「カレーの国のコバ〜ル」で主演デビュー(コバール役)を飾りました。
千葉翔也さんの代表作(キャラクター)は、以下の通りです。
- 『ようこそ実力主義の教室へ』:綾小路清隆 役
- 『どろろ』:多宝丸 役
- 『地縛少年花子くん』:源光 役
- 『TRIBE NINE』:青山カズキ 役
シンエイ・ノウゼンの過去 | 首の傷についても
生まれてから共和国の首都で家族揃って幸せに暮らしてきたシンですが、その幸せも長くは続きませんでした。
ここでは、悲しく絶望してしまうシンの過去について迫ります。
家族揃って収容所に送られてしまう
共和国に”レギオンの襲撃”が起きたことに加えて、シンたち家族が“有色種(エイティシックス)”であるという理由だけで、祖国から銃を向けられながら、トラックや貨物列車に詰め込まれる形で、収容所に送られてしまいます。
首の傷は兄(レイ)につけられた
シンの“首の傷”は、兄(レイ)から首を強く絞められたためにつけられたものです。
弟にはいつも優しいレイでしたが、先に出兵させられた”母親の死”で苦悩する中、シンからもその理由を聞かれたことがトリガーとなって豹変した結果に起きた事件でした。
シンの兄(レイ)に関する詳細は「レイ(ショーレイ・ノウゼン)の過去と現在・シンやレーナとの関係も紹介」の記事をご覧ください。
首のスカーフは最初の上官(アリス)から譲り受けた物
本編ではストーリー開始の時点から首に“空色のスカーフ”を巻いていますが、これはシンが最初に配属された部隊(ハルバート戦隊)の戦隊長・アリスから譲り受けた物です。
アリス「これなら要らぬ詮索もされないだろう」
そう言いながら、自分の愛用しているスカーフをシンに巻いてくれました。
ちなみに、出兵させられたばかりの頃(11歳)は、消えない首の傷に包帯を巻く形で隠していましたが、アリスからは「包帯では痛々しい」とまで言われてしまいます。
後の相棒となるファイド(スカベンジャー)との出会い
所属していたアリスやイスカの部隊が全滅させられた後もシンだけが生き残って戦い続けます。レギオンからの攻撃や無茶な操縦ぶりで自分の機体(ジャガーノート)を壊してしまうこともありました。
これにより基地へ帰ることすら困難となってしまった状況の中、後に相棒となるファイド(スカベンジャー)と出会います。
出会ったばかりの時はファイドも大きく損傷していたものの、ジャガーノート程ではなかったため、この時はシンの機体もひっくるめて一緒に連れて行ってもらう形で帰還を果たせました。
帰還後は、所属していた部隊の整備班長・トウカにファイドも一緒に修理してもらい、万全に動けるようになります。修理後、シンへ“別部隊への移動命令”が来ますが、この時からファイドも一緒についてくるようになりました。
本編では当たり前のようにシン達と一緒にいるファイドですが、こうした出会いから関係性が始まったわけですね。
シンが戦闘の度に機体を壊す習慣は、出兵したばかりの頃からあったのね…。
最終的には兄(レイ)や両親と死別した
修理してもらえたファイドも連れる形で転属した部隊では、シンは早くも“副隊長”となっていました。しかし、地位や階級が上がったからと言って、これまでの無残な戦況を覆すことはできず、またもや自分だけが生き残ってしまいます。
1人きりでも帰還しようとする中、吹雪が強く雪が降り積もった場所で、兄(レイ)が搭乗していた機体を発見します。
コクピット内では、首なしの腐った死体が座っていましたが、機体の側面に描かれたパーソナルマーク(剣を持つ首なし騎士)により、これが自分の兄(レイ)であることをすぐに理解します。
この時点で両親に続き、兄とも死別したことを実感したシンですが、最終的に家族たちと死別させられたことになります。
この悲しいシーンは、アニメ版だと第6話冒頭の場面で見れるよ。
シンエイ・ノウゼンの強さ・異能
シンの飛び抜けた強さは、入隊したばかりの頃から発揮されてきました。
わずか11歳の初陣の中でも、自分のジャガーノートよりも遥かに強い戦車型(レーヴェ)をも、たった1人で瞬時に倒してしまえる程だったのです。
しかし、操縦技術以上に特出すべきは、シンに備わっている異能になります。
死者の声が聞こえる異能を持っている
シンの異能は、「死者の声を聞くことができる能力」です。
シンの母親の出身であるマイカの一族は精神感応の異能を持つ血筋であるため、シンのように特殊な能力をもつ子供が生まれてくるそうです。
そうした血を受け継いで生まれてきたため、シンには元々“人の心を読める能力”をもっていました。
そして、あることがキッカケで死者の声を聞けるようになったのです。
死者の声が聞こえる異能はいつ開花した?
生まれつき”人の心を読める能力”を持っていたシン。
その能力が開花したのは、本人が10歳ほどにまで成長した頃に遭わされた事件がキッカケでした。
その事件とは、先の項目でも紹介した「兄(レイ)から首を絞められて殺されかけたこと」です。
この時は2人を引き取った教会の神父がレイを止めてくれたおかげでシンも一命を取り留めますが、この時に味合わされた強い恐怖感が引き金となって開花したものと思われます。
異能のメリット・デメリット
シンの異能は、レギオンとの戦闘において多くのメリットを発揮しています。
死者の声が聞こえることによって、レギオン達の居場所や数、移動方向を把握できます。上手く利用することで、戦況を自分たちの優勢に持っていけるわけです。
さらに第5話では戦死してレギオンと化してしまったカイエの声に気づくこともできました。
しかし、異能には「シン自身でも制御できない」というデメリットもあります。例えば、戦闘中以外でも常に死者たちの声が聞こえてきます。
シンが読書を趣味にしている理由は、自身の異能によって聞こえてくる”死者たちの声”から意識を逸らすためなのです。
カイエの詳細は「カイエの強さと能力・戦死後の変化や展開も紹介」の記事をご覧ください。
シンエイ・ノウゼンが持つ異名とパーソナルネームの由来
シンの異名やパーソナルネーム、さらにそれらの由来となった行動には、実に多くの人達との出会いと別れを経たことで形成されました。
異名「死神」の由来
「死神」という異名の由来は、シンの異能と深く関係しています。
シンが戦闘中に共和国軍のハンドラー(指揮管制官)と知覚同調(パラレイド)で通信する際、シンに聞こえる羊飼い(死者の脳を取り込まれたレギオン)の声や叫びが、ハンドラーにも聞こえてきます。
レギオンに取り込まれている人間の脳は、いつも死ぬ直前の状態のため「死にたくない!」「助けて!」という声ばかりが亡霊が叫ぶ断末魔のように響き続けており、それを聞かされ続けるハンドラーの方が精神的に耐え切れなくなってしまうのです。
本編ではレーナが良い例として描かれ、初めて聞こえた時には倒れ込んでしまうこともありましたが、これはまだ良い方です。以前までにシンと知覚同調していたハンドラー達の中には、正気を失った末に自殺者まで出ていました。
共和国軍の中でこうした事件が続いてきたため、シンはハンドラー達から「死神」と呼ばれるようになりました。
第86区では”疫病神”から「死神」へ
「死神」の由来は、あくまでもハンドラー達だけの間によるものであり、シン自身が戦う第86区の中では少しだけ違っています。
シンの出兵後、所属した部隊が全滅しても彼だけが生き残って帰還してくるケースが続きます。それにより、同じ前線で戦うプロセッサー(操縦者)達からは、最初は“疫病神”と呼ばれていました。
しかし、兄(レイ)の機体に描かれたパーソナルマークを切り取って帰還後、それを見せられたセーヤ(整備班長)から「まるで死神」と言われます。
この言葉にシンも納得し、それ以降は同じ第86区で戦っている者たちから呼ばれる異名も疫病神から「死神」へと変わっていったのです。
戦場では「死神」が信頼の対象に
普通なら”死神”と言われると「怖い」「不吉な」という印象に見られがちですが、シンの場合は違います。(共和国のハンドラー達からは恐れられたままですが…)
「死神」の異名を引っ提げて初めて“隊長”に就任した部隊では、副隊長を務めていたサイキから強く信頼されていました。
サイキ「死んでも、お前が連れてってくれるんだろ…我らが“死神”」
サイキもレギオンとの戦闘で死亡してしまいますが、「自分達が死んでも、死神(シン)がまた新たな戦場へ連れて行ってくれる」と頼もしく感じていたのです。
本編中でライデン達が叫んでいる「我らが死神!」という台詞もまた“シンへの強い信頼”から来ています。
シンが所属している部隊での「死神」という異名は、良い意味として使われていたんだね。
パーソナルネーム「アンダーテイカー」の由来
「アンダーテイカー」は、“葬儀屋”という意味をもちます。
先の異名と同じく、これもまた、兄(レイ)のパーソナルマークを見せられたセーヤ(整備班長)からの台詞によって決定されたのです。
セーヤ「1人生き残って仲間の墓を掘る、化け物の“葬儀屋”って感じだ」
シン「いいですね、それ」
セーヤはあくまでも皮肉や当てつけのつもりで提案しましたが、シンが気に入ってしまい、即座に決定しました。
“金属片の墓標”はアリスから教わった
シンの”葬儀屋”というパーソナルネームには、異名以上に「行動の意味」が込められています。
本編の中で戦死した仲間たちの機体に描かれているパーソナルマークを切り取って持ち帰っては、その者たちの名前を彫って自分の機体の中に保存していますが、これはアリスが行っていたところを見かけた中で教わったものでした。
その後に戦死したアリスの首を持ち帰ったシンは、グレンから「エイティシックスのお墓は作れないこと」を教わった結果、本編での“金属片の墓標”を始めたわけです。
さらに、これは単なるお墓代わりとしてだけでなく「最後まで生き残った者が、戦死した仲間たち全員(名前を彫られた金属片)を連れていこう」という約束も込められています。
銃での葬り方はイスカから教わった
シンが”葬儀屋”である所以は、「死にかけた仲間たちを葬る」という役目も含まれています。
死にかけた人間の脳は、レギオンから回収された後、黒羊に取り込まれてしまうことで永遠に彷徨い歩く羽目にされていまいます。その悲惨を防ぐため、シンは死にかけと同時にもう助からないと判断した仲間たちに自ら銃の引き金を引くことで脳髄を損傷させているのです。
本編の中でダイヤやクジョーを銃殺したのにも、単に葬り去るだけでなく「仲間の脳髄を損傷させることで、レギオン化を防ぐため」にやっています。
こうした行動は、シンが2ヶ所目に配属された部隊の戦隊長・イスカから教わりました。戦闘で死にかけたイスカから銃を渡されては「自分の脳髄に当てろ」と指示された中で、銃の使い方も教えられたのです。
死に際のイスカからは、3発目で脳髄に命中させたことを褒められましたが…シンにとっては、初めての銃や葬り方による訓練の的が、自分と同じ人間だったことになりますね。
ダイヤの詳細は「ダイヤ戦死時の”最後の言葉”・アンジュとの関係性も紹介」の記事をご覧ください。
シンが「死神」や”アンダーテイカー(葬儀屋)”になるまでの過程は、原作小説の第10巻に収録されているよ!
シンエイ・ノウゼンの死亡フラグについて考察
アニメ第11話のラスト場面から、シンの死亡フラグについても、簡単に考察してみます。
アニメ第11話の死亡シーンが、その予兆に?
アニメ第11話ラストでシンの死亡シーンが描かれたものの、この時はギアーデ連邦に拾われて保護してもらえたために一命を取り留めました。しかし、これは完全な夢などでなく、今後の展開を経てから最終的に起きることへの予兆とも考えられます。
シンは出兵時から兄(レイ)を探すという目的を持って戦ってきました。そして、その目的は第1巻やアニメ第1期の時点で早くも果たされてしまいました。
これにより、ハッキリとした目標を失ったことと、レギオン達の猛攻で倒れた仲間たちの姿を見せられたシンの中に“もう死にたい”という思いが、少なからずあったようにも感じられます。
死亡シーンの前に描かれた騎士の姿となったレイと会えた光景はシンの中の夢であり、「大好きな兄に、自分も連れて行ってほしい」という願望も抱いていたのではないでしょうか。
最終的に死亡エンドで終わる可能性も高い
本編の戦争や物語はまだまだ終わりそうな気配を見せていませんが、最終的にはシンも先に戦死した兄や仲間たちを追うように死亡してしまう結末も考えられます。
シンの場合、飛び抜けた異能や操縦の腕前で多くの戦闘を切り抜けてきたものの、その戦い方があまりにも無謀かつ無鉄砲なところは変わっていません。
そんな戦い方を続けていては、シンがどんなに強かろうと、いつか来るであろう最終決戦の末に敵と相討ちするような形で戦死してしまう可能性も高いように感じられますね。
レーナやアネット達との関係性
レーナやアネットを始めとした人気ヒロインキャラ達との関係性についても、簡単に触れておきます。
レーナとは恋人同士として結ばれる
シンが隊長を務めるスピアヘッド戦隊の新たなハンドラーとして着任してきたのが、ヒロイン兼もう1人の主人公でもあるレーナです。
始めは知覚同調を使ってのコミュニケーションだけの上に、レイとの決戦後には一度離れ離れとなりますが、ギアーデ連邦戦の中で再会後は、大規模な部隊で共に戦っていく関係となります。
そして、お互いに好意を抱き始めた結果、恋人同士として結ばれました。
レーナとシンの恋愛関係における詳細は「レーナが赤髪になった理由 | シンとの恋愛関係やキスシーンを紹介」の記事をご覧ください。
アネットとは幼馴染同士の関係だった
レーナの親友であるアネットは、シンとは隣同士の家に住んでいた“幼馴染”の関係となります。
始めは一緒に仲良く遊んでいたものの、アネットが有色種(シン)と友達であることを理由に学校でいじめられるようになったことが原因で突き放されてしまいます。
その後はシンたち家族が第86区へ強制的に移住させられたため、長年にわたって離れ離れに。そして、レーナと同じくギアーデ連邦に派遣された時にシンと再会します。
シンは、この再会で苦悩するアネットから謝罪されるものの、特に怒ることもなく許します。
さらに、レーナたちと同じく共に戦うようになってからはシンから“リッタ”と、まだ仲良しだった幼少期の頃と同じ呼び名で呼ぶようになりました。
フレデリカとは兄妹のような関係
ギアーデ連邦で出会ったフレデリカからは、戦死して”羊飼い”にされてしまったキリヤを助けることに協力してほしいと頼まれます。
シンは生き残った仲間たちと共に戦場に復帰する形でフレデリカに協力します。日常生活では、彼女の嫌いな人参を食べてあげるなど、いいお兄さんぶりを見せています。
こうした光景を見ていると、ユージンでなくても、この2人が“仲のいい兄妹”に見えてしまいますよね。
フレデリカの詳細は「フレデリカのかわいい魅力| 正体や異能・目的も紹介」の記事をご覧ください。
キリヤとは血のつながりはない?
キリヤもまた、シンや同じく“ノウゼン家の一族”です。
しかし、キリヤの場合はノウゼン候の直系ではなかったため、シンとの血は近くないことが判明しています。
キリヤの詳細は「キリヤ(モルフォ)の強さや能力 | フレデリカとの関係性や死亡経緯を解説」の記事をご覧ください。
まとめ
今回は、主人公であるシンの強さや異能・シンの異名やパーソナルネームの由来、過去や死亡フラグなどを紹介しました。
一見は寡黙で近寄り難い印象の強いシンですが、大切な仲間たちの死を決して忘れることなく、背負い続けて戦う優しさも併せ持つ”死神”に惹かれるファンや読者も多いはずです。
今後は更に強力なレギオンや困難を極める戦いが待ち受けているのでしょうが…それにも負けないくらいに、レーナとの恋愛も頑張ってほしいところですね。
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