平成最後のジブリ映画として、金曜ロードショーにて「風立ちぬ」が放送されます。
そしてその風立ちぬのキャラクターの中でも明らかに異端の雰囲気を放つキャラクター、カストルプ。
今回は謎の多いキャラクターであるカストルプの正体と、そのモデルについて迫りたいと思います。
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目次
風立ちぬのカストルプの正体はスパイ?
作中から読み取れるカストルプの特徴として以下のようなものがあります。
これらの特徴から彼はスパイである可能性が非常に高いです。
- ドイツ人
- 熱心に新聞を読んでいる
- 日本やナチスドイツに批判的
- 何者かに追われている
カストルプはドイツ人でありながら、ナチス・ドイツや日本の戦争について非常に詳しく、また批判的な発言をします。
熱心に新聞を読んでいるのも情報収集をしていると考えると納得がいきます。
そして彼は作中「ドイツのタバコ。これ最後。悲しい」と発言するのですが、後日なんとまた同じタバコを吸っています。
このことから彼はなんらかのルートで支給を受けていることが分かりますね。
追われているのも特高(日本の秘密警察)の可能性が高いです。
(カストルプと接触したのちに二郎も特高から追われたことから見てこの線がが濃厚)
作中の数々の描写、発言が彼がスパイであることを示唆しています。
カストルプのモデルはだれ?
カストルプの正体がスパイであることが濃厚となりましたが、彼のモデルとなった人物はいるのでしょうか?
いくつか説があるのでご紹介していこうと思います。
公式情報ではスティーブン・アルパート
カストルプのモデルとして宮崎駿さんが公言している人物が、カストルプの声優を担当しているスティーブン・アルパートさんです。
アルパートさんは長年ジブリ作品の海外展開に尽力されてきた方で、2011年に家庭の事情によりスタジオジブリを退社しなければならなくなりました。
そこで宮崎駿監督が彼へのはなむけとして考えたのが、カストルプのモデルとしてジブリ作品に登場させることでした。
かくしてアルパートさんは自分の外見がモデルとなったキャラに、声優として声も吹き込むことになったのです。
しかしお分かりかと思いますが、アルパートさんはスパイとしての人生を送ってきた方ではありません(笑)
カストルプの容姿に関してはアルパートさんをモデルにしたのは明らかですが、カストルプの内面のモデルは他にいたのではないか?と思われます。
「魔の山」の主人公ハンス・カストルプがモデル説
カストルプは作中にこんなセリフを発します。
「ここは【魔の山】いやな事、みんな忘れる」
ドイツの作家トーマス・マンの作品に「魔の山」という小説があります。
そしてこの魔の山の主人公の名前がハンス・カストルプと言うのです。
これは流石に偶然とは思えませんよね。
しかしこのハンス・カストルプもまた、スパイとしての人生を送ったキャラクターではありませんので、個人的にはここからカストルプという名前だけをとったのではないかと見ています。
リヒャルト・ゾルゲがモデル説
リヒャルト・ゾルゲは実在した人物です。
[11月7日]1944年の今日は、ソ連のスパイ組織が逮捕された「ゾルゲ事件」があった日です。逮捕された人物にはリーダーのリヒャルト=ゾルゲの他、近衛内閣のブレーンとして日中戦争を推進した元朝日新聞記者、尾崎秀実もいました。pic.twitter.com/sOydVBtgHf
— 今日は何の日? (@today_is_specia) 2014年11月6日
スティーブンアルパートさんが外見上のモデルであることは間違いないのですが、ゾルゲもまた外見に盛り込まれていても不思議ではない感じがしますよね。
このちょっと怪しげな目つきが、アルパートさんと足して2で割ったらカストルプになりそうです。
しかし、ゾルゲとカストルプの共通点はそれだけではありません。
ゾルゲはドイツ人とロシア人のハーフで、ドイツ人になりすまし日本に潜入。
その実、ソ連のスパイとして日本の機密情報を横流ししていました。
カストルプの特徴としても述べましたが、カストルプはドイツ人でありながら日本とドイツを批判しているんですよね。
これ、カストルプが実はドイツ人になりすましたソ連のスパイだとすると合点がいきます。
こうした一致から、カストルプの内面や人物背景についてはリヒャルト・ゾルゲがそのモデルとなっているのではないかと思われます。
(余談ですが、カストルプがゾルゲと同じ末路を辿るとすると、このあと特高に捕まり処刑されることになります・・・。)
まとめ
今回の記事をまとめると、
- 作中の数々の描写がカストルプの正体はスパイと示唆している
- カストルプの外見上のモデルはスティーブンアルパート
- カストルプの名前のモデルは「魔の山」のハンス・カストルプ
- カストルプの内面のモデルはリヒャルト・ゾルゲ
でした!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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