SAO19巻と20巻にまたがるお話「ムーン・クレイドル」では、18巻で完結したアリシゼーション編のその後が描かれています。
今回は私が原作を読破した感想と内容を語っていきます~!
※内容のネタバレありなのでご注意ください
[SAO動画情報]
目次
SAO19・20巻ムーンクレイドルのネタバレ感想
アリシゼーション編の後日談
ムーンクレイドルでは、アリシゼーション編のラストにて、限界加速フェーズまでのログアウトが間に合わず、アンダーワールドで200年を過ごすことになったキリトとアスナ、そしてアンダーワールドの人々の後日談が描かれています。
本編では、
- 200年過ごした記憶はラースにて目覚めた後削除されたこと
- 200年の間にキリトとアスナは星王、星王妃として崇められたこと
しか語られていなかったので、この200年の内容というのは正に気になっていた内容で、嬉しいお話でした。
本作で描かれるのは、正確にはアリシゼーション編のエンディングから1年と3ヶ月後のアンダーワールドで、キリトは『人界代表会議・代表剣士』、アスナは『副代表剣士』の地位についています。
人界代表会議とは
アドミニストレータ亡き後の公理協会の呼び名です。
人界には混乱を避けるためにアドミニストレータは長き休眠に入っていると発表され、その代わりに暗黒神ベクタを討って人界の英雄となったキリトがそのトップの座についていました。
構成メンバーは
- 旧公理協会メンバー(整合騎士たちや修道女など)
- ロニエ・ティーゼ(見習い騎士として参加)
です。
また、この1年半の間に人界代表会議(キリト)は爵士等級の廃止(事実上の貴族制度廃止)して、私領地民を全て開放しました。
しかし権力を取り上げられることになった貴族たちは猛反発。
4大貴族帝国による内乱が起こり、整合騎士たちが4大皇帝を討つことでこれを鎮圧するという経緯を辿っていました。
さらにファナティオには亡きベルクーリの子供「ベルチェ」が生まれていたり、なんと整合騎士レンリからティーゼへの求婚があったりなどファンがニヤリとする展開もありましたね(´∀`)
余談ですが、18巻でロニエとティーゼの子孫たちが宇宙で乗っていた機竜のプロトタイプをキリトが開発しているシーンなんかも描かれてます。
ゴブリンによる人界人殺害事件
そんな中、物語が動く最初の事件となったのがゴブリンによる人界人殺害事件です。
ここ1年半で、暗黒界人が人界に観光にこられるようになっていたのですが、観光客のゴブリンが掃除夫のヤゼンをナイフで刺殺したと通報が入ってきます。
驚愕したキリトは自ら現場に急行。
容疑者のゴブリンから話を聞くと「落ちていたナイフを拾って見ていたら犯人と勘違いされた」と話しており、状況から見てもゴブリンが犯人である線は薄そうだと判断します。
ということは、暗黒界人に人界人を殺させたと見せかけることで、また戦争を起こしたい何者かの犯行なのではという不穏な仮説が・・・。
この事件の真犯人を探していくのが今巻のお話になっていきます。
暗黒界のイスカーン・シェータと会談
事件後、暗黒界側に情報をすぐさま共有するためにキリト自ら暗黒界まで飛行で向かいます。
現在暗黒界を仕切っているのは元拳闘士ギルド長のイスカーンです。
そしてなんとその妻となった元整合騎士のシェータはイスカーンと結婚し、子供を生んでいました。
子供の名前は「リーゼッタ」緑の剣士リーファから名前をもらったんだそうです。
アリシゼーション編でリルピリン達を助けて以来、リーファは暗黒界では大人気ですね(´∀`)笑
しかしここでまたもや事件が・・・リーゼッタがさらわれてしまうんです。
そして犯人が残した手紙には「人界代表剣士の処刑」の要求、さもなくば赤ん坊の命はない、というもの。
急いで犯人を探すキリト達。
リーゼッタを連れたミニオンが窓から逃げるところを目撃した兵士がいましたが、キリトの心意で探知できないことから何かおかしいと考えます。
実はまだ城の中にいるのではないかと仮説をたて捜索した結果、残すところ今は不思議な力で封印されて誰も入れない「ベクタの玉座の間」だけになります。
ここでキリトさんがやっちゃいます。
とんでも心意パワーで最大強化した「ヴォーパルストライク」で誰も解けなかったという封印の鎖をまっぷたつ!!
これにはイスカーンも「とっとんでもねえっ!」と叫ぶほど(笑)
中にはリーゼッタを抱えた黒マントの男がおりビンゴ。
最終的に男は窓から身を躍らせ姿を消したものの、
シェータの手刀と、ロニエのソニックリープで男の腕を切り落としリーゼッタを取り返すことに成功します。
ここまでが19巻の内容です。
次の章からは20巻の内容に入ります。
殺害事件の過去を透視
無事リーゼッタを取り戻したキリトたちは人界に戻って新たな事件の顛末を会議にて話し合います。
そんな中出た案が、元元老院が人民の監視に使っていた「神聖術により過去を垣間見る」という術。
しかしこの術の欠点が膨大な情報量に脳に多大な負荷がかかるという点でした。
そこで、ステイシアアカウントの地形操作によりある程度の耐性があるであろうアスナが願い出て、過去を透視することに。
透視の結果・・・断片的な映像ではあったものの犯人の「私領地民は一生私領地民です。それが嫌なら今ここで死になさい」というセリフを聞き取ることに成功。
キリト達は犯人は元大貴族であり、自分の元私領地民であったヤゼンを貴族裁決権を行使して禁忌目録に違反せず殺したのではないかと推理します。
犯人はノーランガルス東皇帝と北皇帝の従者だった
場面変わって、ティーゼはロニエに対して、湖の傍にある皇帝の別荘廃墟に幽霊が出るらしいから肝試しに行こうと提案していました。
なぜ急にティーゼがこんなことを言い出したのかというと、実は幽霊の噂を聞いたティーゼはユージオを連想してしまったからです。
幽霊が実在するのならユージオの幽霊に会いたかったんですね。
泣けるっ・・・(´;ω;`)
しかしなんと、廃墟で見つけたのは幽霊ではなく、4帝国の内乱でロニエとティーゼがその手で殺したはずの北帝国皇帝クルーガ・ノーランガルスでした。
クルーガは暗黒神ベクタの宝珠に精神を宿して生き永らえていたんです。
さらにクルーガはこの事件の真実
- ヤゼン殺害の犯人はクルーガの従者ゼッポスであること
- 禁忌目録に縛られずに殺人を犯すことができたのは、貴族裁決権を行使し私領地民であるヤゼンを裁いたため
- リーゼッタ誘拐犯は東皇帝で、窓から落ちた際に核が破損し既にやつは消滅していること
を語ります。
全てを悟ったロニエ・ティーゼは、今度こそクルーガを討とうと死闘を繰り広げますが、後一歩のところでミニオンに深手を負わされてしまいます。
そこに現れたキリトとアスナが無双してクルーガを倒しますが、本体の精神が宿った宝珠には逃げられてしまいました・・・。
20巻の内容はここまでですが、最後にロニエとティーゼは見習い騎士から正式に下位整合騎士に任ぜられることになります。
- ティーゼ・シュトリーネン・サーティツー
- ロニエ・アラベル・サーティスリー
となるわけです。
ティーゼの番号は奇しくもユージオが一時的に洗脳されて整合騎士になった時の番号、サーティツー(32番)ですね。
結局ティーゼはユージオへの執着でロニエを連れ出して危険に晒してしまったことを気にして辞退を言い出してしまうんですが、それを聞いたキリトが持っている青薔薇の剣をティーゼに継承します。
その剣を愛情込めて使っていればいつかティーゼにもきっと剣に宿ったユージオの声が聞こえると・・・。
またも泣ける展開です(´;ω;`)
河原先生はWEB版から改稿してユージオを生存させるか悩んだ末、ユージオ死亡というストーリーをそのままにしたと話していましたが・・・それはこういった展開を描くためだったのかもなあ・・・なんて考えてしまいした。
ムーンクレイドルのタイトルの意味
読み終わってみて、タイトル「ムーンクレイドル」の意味はなんだったのかなあと考察しました。
クレイドルとは英語で「ゆりかご」という意味みたいですね。
ゆりかごと言えば、19巻の最後でロニエが<月影の剣>を命名する際にそんなことを言っていたなと思い出しました。
人界と暗黒界は遠く離れているけれど、どちらの世界に暮らす人々も、同じ月を見ているのだ・・・。
(中略)
夜空にひっそり浮かぶ三日月が、たくさんの命を育む揺りかごであるかのように感じられて、ロニエはそっと月に向けて左手を伸ばした。
出典:SAO19巻ムーンクレイドル
タイトル『ムーンクレイドル』の意味はここから「月の揺りかご」という意味なのでしょうね。
またクレイドルは「ゆりかご」の他にも「最初期」という意味もあるそうです。
ここから200年経ってロニエとティーゼの子孫・生まれ変わりがキリト達と宇宙で再会するあの日まで、その極々初期の最初のお話という意味もあるのかもなあ・・・なんて考察していました。
まとめ:SAO19・20巻ムーンクレイドルのその後は未発売
19巻・20巻のムーンクレイドルでは結局皇帝は捕まえられず、一連の黒幕との戦いは続く形で終わりました。
河原先生のあとがきを読むと、この通称・黒皇帝一派との戦いはこれから100年以上も続くらしいです。
最終的にはキリトたちは200年生きる予定ですしね・・・(笑)
この続きもどこかで書くかも書かないかも的な匂わせもありましたが・・・。
しかし21巻からはユナイタルリングという新章にも突入しており、一旦はアリシゼーション編の後日談はこれにて一区切りという扱いのようです。
新章のユナイタルリングの感想記事も別でまとめてます。
コメント
人界代表会議ではなく、人界統一会議です。