2020年秋の新作アニメとして、ついに放送および配信開始された「魔女の旅々」ですが、第3話ではこれまでと異なり、2本立ての構成で放送(配信)されます。
そのうちの1本目「花のように可憐な少女」主人公イレイナが旅先で出会うことになるソロルとアルテミシアのキャラクター性や関係性を紹介すると共に、この2人が迎えることになる悲しき結末にも迫りたいと思います。
目次
ソロルとアルテミシアのキャラクター性
まずは主人公イレイナが旅先で出会うことになるソロルとアルテミシア、それぞれのキャラクター性から紹介していきます。
アルテミシアのキャラクター性
“灰の魔女”イレイナは第2話でサヤとお別れして「魔法使いの国」を発った後は「花の国」を目指して跳びながら移動しておりました。
サヤの詳細は以下の記事をご覧ください。
その先に辿り着いた広大なお花畑の中で出会った美しい少女がアルテミシアです。
一見はお花畑に座りこみながら楽しそうに数本の花を摘んでおり、初対面のイレイナにも「花の国」の件で親切に教えてくれるのですが、時おり邪念が混じったかのような声を発する様子もあるのです。
そして自分が摘んだ花たちをストールで巻きつけた“花束”を手渡して「届けてほしい」とお願いしてくるのです。
頼まれたイレイナからすれば、いったい誰に届ければ良いのかすら分からずに質問しますが・・・
アルテミシア「誰でもいいわ!その花が美しいと思われることが大切なのだから」
出会って数分間はまるで天使のような笑顔を振り向いていたはずのアルテミシアですが、この時にはまるで何かに取り憑かれたかのように人が変わったかのように変貌してしまいます。
ソロルのキャラクター性
アルテミシアから強引に頼まれた”花束”を持ちながら「花の国」に入った途端、若い門兵の男性ソロルから“花束”を取り上げられてしまいます!
ソロル「おい!これをどこで手に入れた?」
ソロルが強く反応したのは”花束”でなく、それを巻いていた1枚のストールでした。
イレイナから奪ったのも束の間・・・すぐに先輩の門兵が来て、今度はその男性から処分する名目で取り上げられてしまうのでした。
この男性からの話によると、イレイナがアルテミシアから託されて持ってきた花は全て“毒”であり、魔女ならともかく、魔法を使えない普通の人間がこの花を贈られた時にはその毒の影響で心を狂わされると言うのです。
さらに間が悪いことにソロルの妹が行方不明になっていることも教えられます。
ソロルとアルテミシアの関係性
一見は全く面識もないように思えたソロルとアルテミシアですが、実はこの2人には深い関係があり、出会ったばかりのイレイナに渡してきた“花束”と“ストール”が、2人の関係性を紐解く重要なアイテムとなるのです!
2人は実の兄妹であることが判明!
ソロルが取り上げられた“ストール”を焼却炉から出して顔を埋めながら何度も「アルテミシア」の名前を叫ぶところをイレイナが偶然にも見てしまいます。
これにより、ソロルとアルテミシアが実の兄妹同士であることが判明します。
しかし彼らには、その血のつながり故に辛い思いや境遇に落とされてしまっていたのです。
叶わぬ妹への愛
「花の国」に辿り着いたイレイナは、街の人からソロルたち兄妹がこの街で味わった辛い境遇や出来事について聞かされます。
元々はソロルたちも他所者であり、この「花の国」で有名な“恋結びの花”を目当てに訪れた観光客でしかなかったのです。
その時に見た街を気に入り、兄妹揃って引っ越してきたのです。
新たな生活の地でソロルは門兵に、そしてアルテミシアの方は「とびきり美人な花売りの少女」として働き始めます。
アルテミシアの美しさはタチマチ街中に広まり、すぐに大勢の住人たちから囲まれてはチヤホヤされるのですが、妹を溺愛するソロルにとっては面白くなく、次第にアルテミシアを外に出させなくさせてしまうのです。
その結果、ソロルたち兄妹には「近親者で愛し合う不埒者」と蔑まれてしまいます。
さらに追い討ちをかけるかのように、それ以降も「美しい不埒者(アルテミシア)」見たさで自宅の前に大勢の野次馬が集まってしまう始末でした。
ソロルとアルテミシアが迎える悲しき結末
“妹への溺愛”が原因で招いてしまった辛い境遇が、やがては2人を破滅に導き、悲しい結末を迎えさせてしまうのです。
アルテミシアも兄を救おうとしていた
兄の溺愛が原因で外に出させてもらえなくなったアルテミシアも住人たちや野次馬からあらぬ噂や汚名を着せられて苦しんでいた状態でしたが、それでも心配性の兄を安心させるために、何とかしようと行動を起こしておりました。
それこそが噂でしかない“縁結びの花”を手に入れようと、イレイナと出会った“お花畑”に1人で向かっついたのです。
ちなみにアルテミシアはサヤのような魔道士でなければ、イレイナのような魔女でもない、れっきとひた普通の人間です。
ソロルの先輩である男性から聞かされた通り、彼女はその“お花畑”に入った途端から心を狂わされ始めていたのです。
“花束”に込められていたメッセージ
冒頭の場面でイレイナと出会った時点で、”毒”に侵されていたと同時に狂わされた心が表面化し始めていたアルテミシアでしたが、この時にはまだ人間としての意思も少なからず保っておりました。
そしてアルテミシアもまた、最後の理性を振り絞って“花束”をイレイナに託すことで兄を何とか助けようと思いたったのです。
その真相を紐解く答えこそがアルテミシアが作った“花束”と、その中に入った花の色の“組み合わせ”だったのです。
アルテミシアが花束に入れた花の色は「白色」と「黄色」であり、これらの色にも“花言葉”が込められております。
白色 | 「私の愛は生きています」 |
黄色 | 「拒絶」 |
イレイナに対してソロルたち兄妹のことを教えてくれた住人から見ても、それはあまりにも正反対すぎる組み合わせであり、普通であれば1本の花束に組み合わせることはあり得ないことなのです。
しかし兄妹と対面したイレイナによって、アルテミシア自身が”花束”を通じて伝えたいことの意味をやっと理解してもらえるようになります。
私的であまりセンスのない訳し方になってしまいますが・・・
「私の兄さん(ソロル)への愛は、いつまでも心の中で生き続けています。兄さんまで追いかけて同じ苦しみを味わう必要はありません」
アルテミシアもまた、兄を”毒”へと近づけさせないための精一杯の力と気持ちを振り絞って頑張っていたのでしょうね。
花束を巻いていた”ストール”がアルテミシアが身につけていたものであり、兄の方もまた一目見ただけで「妹の物」と分かってしまったということですね。
しかし、彼女の頑張りも空しく、ソロルの方はこれまでに先輩から取り上げられてきた“花”をその都度、焼却炉から出しては自分のものとしてきていたのです。
ソロルとアルテミシアの兄妹愛が招いた悲しき結末
ここまで知って心配になったイレイナは、あの“お花畑の姿”をした毒地帯へと戻りますが、その時にはもう遅かったのです・・・。
昨日まで“アルテミシアだったもの”は既に朽ち果て、生きていた頃の美しさから遠く離れた無残な亡骸と化していたのです。
そんな彼女の前にはソロルが倒れ込んでおりました。
ソロル「ああ、アルテミシア・・・本当に綺麗だ」
アルテミシアが摘んできた“花の姿をした毒”に触れ続けてきた彼もまた、その毒に冒されて心を狂わせ始めてしまうのは、もはや時間の問題だったのです。
まとめ
今回は”兄妹同士による愛”が原因で破滅していくソロルとアルテミシアの関係性を紹介しながら、やがて迎えてしまう悲しき結末にも迫ってみました。
- アルテミシアの方はイレイナと出会った時点で既に”花の形をした毒”に冒され、心を狂わされいた。
- その”花束”を渡されたソロルの方もまた、毒に冒され始めていく。
- この2人の破滅は兄による妹への溺愛が引き金となって起きたものだが「花の国」に越してきたこと自体が、そもそもの原因と考えられる。
ソロルとアルテミシアの場合は「近親者同士の愛」でしたが、こうした強すぎる愛も一歩間違ってしまうだけでも大きな過ちや破滅を招いてしまうものなんですよね。
そして、こうしたことは本作品の世界だけでなく、我々が生きて生活している現代社会でも起こりうることでもあるため、決して他人事というだけでは片付けられないことではないでしょうか・・・。
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