「Fate/stay night [Unlimited Blade Works(以下UBW)]」は、2004年に発売されたPCゲームをアニメ化した作品です。
2010年公開の劇場版アニメと2014年から2シーズンにわたって全26話放送されたTVアニメシリーズがあり、俗に制作会社の名称から劇場版が「DEEN版」TVアニメシリーズが「ufo版」と呼ばれています。
この記事では「DEEN版」と「ufo版」の違いを比較して、どちらを見るのがおすすめなのかを紹介いたします。
ネタバレに注意だよ。
目次
UBWとは
「UBW」は「Fate/stay night」をアニメ化した作品で、原作となったPCゲーム(R18)はビジュアルノベルです。
「Fate/stay night」には3つのシナリオルートが存在しており、「UBW」はその一つで、2番目に登場するシナリオです。
主人公の衛宮士郎は自分の理想「正義の味方」という宿願を持ち続ける少年で、冬木市で行われた七騎のサーヴァントによる第五次聖杯戦争に、マスターとして巻き込まれました。
3つのルートは設定や第五次聖杯戦争が行われることは変わらず、それぞれのルートごとに別のヒロインが設定されたエンディングとなっているため、展開や結末がパラレルなストーリーとなっています。
3つのルートはそれぞれアニメ化されており、劇場版3部作の「Heaven’s Feel」は2021年に最終話が公開されました。
UBWは少年漫画みたいな話と言われています。
UBWルートのヒロインは「遠坂凛」
UBWは遠坂凛(とおさか りん)をヒロインとしたルートで、主人公の衛宮士郎(えみや しろう)が自分の描いた理想の「正義の味方」の姿を追いかけるストーリーです。
遠坂凛が聖杯戦争において召喚した謎の英霊アーチャーと心を通わせながら、士郎と聖杯戦争を共闘していく話でもあります。
1話で第五次聖杯戦争に巻き込まれた衛宮士郎は、穂群原学園でアーチャーとランサーの聖杯戦争を目撃したことで、ランサーによって心臓を破壊されます。しかし、瀕死の状態を遠坂凛によって救われました。
死の淵から目覚めた士郎が傍らで見つけたのは、赤い宝石をあしらったペンダント。
このペンダントは士郎と凛、そしてアーチャーの運命的な関係へと繋がっていき、3人が残酷な運命と葛藤していく物語は「DEEN版」と「ufo版」でそれぞれ描かれます。
衛宮士郎とアーチャーの関係性
衛宮士郎にとって、遠坂凛のサーヴァントのアーチャーは超えなければならない壁であり、自身の理想の果てにある存在として描かれます。
士郎は聖杯戦争マスターとして戦うことを決め、赤いペンダントの持ち主の遠坂凛と同盟関係になりました。
士郎とアーチャーは凛と共に共闘していましたが、アーチャーは現界した目的「衛宮士郎の抹殺」のために、遠坂凛との契約を破棄して士郎と凛に敵対していきます。
互いに譲れない目的のために、ぶつかり合う士郎とアーチャー。
アーチャーは士郎に「理想を抱いて溺死しろ」と宣告して、士郎は亡き義父の衛宮切嗣に幼いころ誓った言葉「正義の味方になる」を理想として決闘します。
「UBW」は衛宮士郎が理想の自分を乗り越えて「正義の味方になる」話です。
そんなアーチャーの正体は、【Fate/stay night】アーチャーの正体は?真名や強さを紹介 | 詠唱内容や裏切った理由もで紹介しています。
遠坂凛とアーチャーの関係性
遠坂凛の呼び出したサーヴァントは召喚時に記憶を失っており、自分がどんな英霊か凛に答えませんでした。
穂群原学園でランサーが襲った士郎を助けた凛は、自宅に戻ったところでアーチャーから赤い宝石のペンダントを渡され、それを受け取る凛。同じペンダントを持っている士郎は、いつか凛にペンダントを返そうと、それを持ち続けていました。
士郎と共に聖杯戦争を戦う凛はかつて惹かれていた少年への想いを自覚していき、士郎が持っていたペンダントからアーチャーと士郎の関係に気付きます。
正義の味方の慣れの果てだったアーチャーが裏切り、最後に凛に託した想いを語るシーンは必見です。
互いに惹かれあっていく凛と衛宮士郎の関係性は【Fate/stay night】遠坂凛の能力や強さ | 衛宮士郎との関係性や声優情報を紹介で紹介しています。
劇場版とTVアニメの違い
主な違いとして次のような4つの点が挙げられます。
- シナリオ監修
- 戦闘シーン描写
- 凛との恋の進展
- 時計塔と正義の味方
それぞれをご紹介していきましょう。
シナリオ監修:奈須きのこ氏の存在感
項目 | 劇場版 | TVアニメ版 |
制作 | スタジオディーン | ufotable |
脚本 | 佐藤卓哉 | ufotable/監修:奈須きのこ |
話数 | 劇場1作品(105分) | 2シーズン26話 |
発表年 | 2010年 | 1st:2014年 2nd:2015年 |
「DEEN版」と「ufo版」の一番の違いは、「ufo版」のシナリオ監修に奈須きのこ氏が参加していることです。
原作者である奈須きのこ氏が参加していることで、原作にない大幅な追加シーンがある事がキャラクターの背景や結末に大きな彩りがあるところに違いがあります。
2021年4月ごろにSNSなどでオワコンといわれていた「Fate/Grand Order」は、奈須きのこ氏がシナリオを描きおろした第2部6章が配信されるや売上がV字回復するなど、その存在感は大きいでしょう。
他にも、制作や話数・発表年といった、細かな違いもあります。
戦闘シーン描写と作画
制作会社や発表年の違いから、それぞれ特徴があります。
「ufo版」は制作年が比較的に新しいので、キャラクターデザインが現代に近く、アクションシーンに定評のある「ufotable」制作の美しい作画での戦闘シーン描写が特徴です。
「DEEN版」は発表年が2010年であることから現代の作画に慣れていると、作画に物足りなさを感じてしまう所がありますが、原作に近いキャラクターデザインなので、ここは好みの問題となります。
凛との恋の進展
「DEEN版」は凛との関係性よりも士郎の成長のほうに重点を置いています。原作で描かれていた恋愛要素はかなり省かれており、少年漫画的な作品となっています。
その代わり、戦闘シーンが非常に綺麗で、こだわりを感じられます。
一方の「ufo版」は凛のキャラクターの掘り下げがあり、凛が士郎に惹かれていく様子やアーチャーとの関係性も0話として描かれ、士郎とアーチャーへの気持が垣間見えるものとなっています。
セイバーと衛宮士郎のデートシーンもしっかり描かれているので、恋愛要素が欲しい人にとっては見応えのある作品となっているでしょう。
セイバーについては【Fate/stay night】セイバーの正体や強さ・宝具を紹介 | 最後や声優情報もで紹介しています。
時計塔シーン追加
「ufo版」で追加されたシーンとして、最終話では全てが終わった後の士郎や凛のその後が描かれています。
イギリスにある時計塔(魔術協会)の設定が追加され、士郎や凛がどうなっていくのか分かる点が「DEEN版」とは違います。
ちなみに、アーチャーが笑うあの有名シーンはテレビ版でしか見られないよ!
TVアニメと劇場版はどっちから見るべき?
主な違いは制作会社の違い・脚本の違い・話数の違い・発表年の違いなどがあります。
どちらも原作のPCゲームの内容から大きく逸脱してはいないものの「Fate/stay night」を知らないと理解できない「初見殺し」なところもある作品です。
特に登場サーヴァントであり、Fateルートヒロインのセイバーというキャラクターについて、描写が浅い部分があります。
では、具体的にTVアニメと劇場版はどっちから見るべきなのでしょうか?
3つのオススメパターンで紹介しています。
①初めて「Fate/stay night」シリーズを視聴する人
視聴する際に初めて「Fate/stay night」シリーズを見る場合には、迷わずに「ufo版」です。
原作にないシーンが追加されているところもポイントが高いでしょう。
残念なことに、おおむね10時間かかり、そこだけデメリットとなります。
②10時間は長い!視聴時間を短縮したい人
「DEEN版」はPCゲーム原作の魅力的なストーリーを圧縮した作品となっているので、短時間でストーリーの流れをダイジェスト的に楽しめるメリットがあります。
型月ファン歴が長く時間をかけずにストーリーを振り返りたいという、コアなファンには「DEEN版」がおすすめです。
アニメ版「Fate/stay night」を制作した制作会社も「DEEN」なので、「Fate/stay night」を視聴したけどUBWを見ていないという人は、違和感なく楽しめるでしょう。
③推しキャラを深く知りたい人
アニメ版「Fate/stay night」やUBWが未視聴で、ゲームアプリ「Fate/Grand Order」などをプレイして、キャラクターの概要を知っている人は「ufo版」がおすすめです。
PCゲーム原作にない、推しキャラのシーンなどが追加されているので、オタク心をくすぐられる内容となっています。
アプリでしか知らなかったサーヴァントたちの物語は、きっと視聴者を魅了することでしょう。
まとめ
今回は、UBWのアニメ・劇場版の違いやどちらから見るべきかをご紹介してきました。
「DEEN版」と「ufo版」はそれぞれがすぐれた作品ではありますが、状況や目的によって違いがあり、それぞれ選択できます。
時間が取れる方は是非、両方の作品をご覧いただければと思います。
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