この記事では、『Fate/stay night』に登場する冬木教会の神父「言峰綺礼」について、目的や過去や最後などをご紹介しつつ、声優についても記述いたします。
Fateシリーズは様々な派生作品があり、『Fate/stay night』と『Fate/Zero』から謎の多い言峰綺礼を解説します。
『Fate/stay night』と『Fate/Zero』については関連作品でありながら、大まかな流れは一緒ですが、詳細な設定が違うことをご理解いただけたら幸いです。
作品のネタバレに注意だよ♪
目次
言峰綺礼は元代行者でランサーのマスター
言峰綺礼は第五次聖杯戦争の監督者であり、冬木市の裏で暗躍しているランサーのマスターです。
謎の多い人物で、言峰綺礼は第四次聖杯戦争ではアサシンやギルガメッシュのマスターとして衛宮士郎の義父、衛宮切嗣と聖杯を巡って闘争しています。
言峰綺礼は聖堂教会で代行者としての職務に就いていましたが、生来の性格などが理由で人生に絶望して第四次聖杯戦争に参加するため、魔術協会に派遣されてマスターとなりました。
第五次聖杯戦争では、第四次聖杯戦争で聖杯の泥により受肉したアーチャーのギルガメッシュ・ランサーの2体のサーヴァントを操り、自らの目的のために策略を練る闇を抱えたキャラクターとして描かれます。
第五次聖杯戦争でサーヴァントとなるランサーについては【Fate/stay night】ランサーの正体や強さ・宝具を紹介 | マスターや最後・声優情報もで紹介しています。
言峰綺礼のプロフィール
家族構成 | 父:言峰璃正 妻:クラウディア・オルテンシア 娘:カレン・オルテンシア |
身長 | 193cm(185cm・Fate/Zero) |
体重 | 72kg |
好きな食べ物 | 紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐 |
言峰綺礼は父である言峰璃正によって魔術と体術を仕込まれた代行者で、聖杯戦争までは聖堂教会に所属していました。
代行者は教会にとって異端となる存在を排除する「異端審問官」で、吸血鬼や悪魔を討滅する神罰の代行者ともいえる存在です。
四川料理が好きなことから、派生作品『Fate/kaleid liner Prisma☆Illyaプリズマ☆ファンタズム』では、激辛麻婆(マーボー)ラーメンと共にラーメン屋として登場してコメディネタを披露していました。
『Fate/stay night』のイリヤについては【Fate/stay night】イリヤの能力や強さ・正体 | 死亡経緯や衛宮士郎との関係性・声優情報もで紹介しています。
言峰綺礼の性格
聖職者としての職務を全うしようと修行に明け暮れていても、愛で心が満たされることが無かった破綻した人物です。
簡単に言うと、言峰綺礼は「神を信じてはいるけれど、現実は善と悪が混じりあう混沌としたもので、矛盾によって生きている実感がわかない。」という気持を抱えています。
言峰綺礼の性格については、『Fate/Zero』で「なんでもあと一歩のところまで突き詰めておいて、そこから何の未練もなく次のジャンルに乗り換える。」と衛宮切嗣に分析され、何も信じておらず聖杯へ懸ける願望も持ち合わせていない空虚な精神性を見抜かれていました。
言峰綺礼の声優は中田譲治さん
言峰綺礼の声優は大沢事務所所属のベテラン声優、中田譲治さんが担当しています。
代表作は『HELLSING』の吸血鬼アーカード役などで、落ち着いた中年男性の声に定評があり、悪役やサブキャラクターで存在感を醸し出す人気声優です。
言峰綺礼の過去
言峰綺礼の過去の経歴について、『Fate/stay night』では謎が多く、詳細がわかりにくい人物です。
しかし、設定の違うスピンオフ作品の『Fate/Zero』で衛宮切嗣とのW主人公として補完されているので、こちらから大まかに過去を知ることができます。
『Fate/stay night』と『Fate/Zero』では時系列や年齢などにつじつまの合わない部分がありますが、まとめてみましょう。
言峰綺礼の人生まとめ
年齢 | 所属 | 概要 |
10代 | 聖堂教会 | 代行者見習いとして修行に明け暮れる。 |
20代前半 | 神学校 | 代行者となり神学校所属時に妻を得る。娘を授かるが妻は自殺。 |
20代半ば | 魔術協会 | 魔術協会に派遣され、冬木市で遠坂時臣に弟子入りする。 |
20代後半 | 魔術協会 | 第四次聖杯戦争。 |
30代前半 | 聖堂教会 | 代行者をしながら、遠坂凛に魔術を教える。 |
30代後半 | 魔術協会 | 第五次聖杯戦争。3つのルート全てで死亡する。 |
『Fate/Zero』の衛宮切嗣による調査では、言峰綺礼は幼少期より言峰璃正に師事していて、マンレーサの聖イグナチオ神学校を飛び級の上に首席で卒業し、言峰璃正と同じ聖堂教会の第八秘蹟会に所属します。
言峰綺礼は幼少期から聖職者としての修行をしても、幸福の概念について理解できず、他人の不幸にほの暗い感情を抱くことに後ろめたさを持っていました。
人の幸福がわからないことが引き金となった妻の自殺をきっかけに、自らに絶望して自分の中の「悪」について自覚します。
そして、令呪が発現したことで魔術協会に派遣されて遠坂凛の父、遠坂時臣の弟子として第四次聖杯戦争に参戦。10年後、言峰綺礼は第五次聖杯戦争で「悪」という概念の是非を全世界に向けて聖杯を使って問いただすことになりました。
言峰綺礼の目的は「この世全ての悪の誕生」
言峰綺礼の目的は、『劇場版 Heaven’s Feel Ⅲ spring song』において、衛宮士郎との対決で語られています。
そのいきさつは、言峰綺礼の過去や性格によるところが原因です。
言峰綺礼は状況に流されるまま聖職者でいることに疲れていて、第四次聖杯戦争で出会ったアーチャーのギルガメッシュから「愉悦」という、自分の心に巣くっていた「悪」についての概念を知ります。
全人類の生命を犠牲にする「この世全ての悪(アンリマユ)」を誕生させることで、聖職者でありながら非情さと冷酷さをもって、善と悪の矛盾を推し量ろうとするのが目的でした。
言峰綺礼の強さ
言峰綺礼の戦闘スタイルは幼少時から言峰璃正の指導により、魔術を一通り修めているものの、同時に教えられた格闘戦に重きを置いています。
錬金術・降霊術・召喚術・卜占術・治癒魔術などを使う事もできますが、戦闘向きではないのでしょう。
そのため、代行者の「黒鍵」と格闘戦で衛宮切嗣や衛宮士郎などと戦います。
サーヴァントの宝具に勝てる要素は無さそうですが、悪魔や魔術師に関しては圧倒的な戦闘能力を見せつけます。
膨大な令呪
第四次聖杯戦争では、言峰綺礼はケイネスに殺された言峰璃正の腕から大量の令呪を奪い、衛宮切嗣との対決で使っています。
また、第五次聖杯戦争では冬木教会の監督者としてさらに多量の令呪を保有していて、劇場版『Heaven’s Feel』では間桐桜の治療に令呪を使うなど治癒魔術として使う場面もありました。
令呪を起動させることで自身の魔力強化を行ったり回復したりできる言峰綺礼。
言峰綺礼の令呪は、聖杯戦争において歪んだ目的を果たす道具になり下がりました。
八極拳と黒鍵
言峰綺礼が戦闘で使うのは、言峰璃正直伝の八極拳を改良したもの。俗に「マジカル八極拳」と呼ばれています。
これは第四次聖杯戦争で孤児となった遠坂凛の後見人として伝授しているので、遠坂凛の格闘術も八極拳です。
その他に「黒鍵」と呼ばれる不死の存在を滅ぼす長剣を使った攻撃や、弾丸をはじく神父服を着込んでいるので、近接戦闘能力の高さには定評があります。
遠坂凛の強さに関しては【Fate/stay night】遠坂凛の能力や強さ | 衛宮士郎との関係性や声優情報を紹介で紹介しています。
各ルートで異なる3つの最後
言峰綺礼は『Fate/stay night』の3つの結末、アニメ版「Fate」ルート、「UBW」ルート、劇場版『Heaven’s Feel』ルートの全てにおいて死亡しました。
この項では言峰綺礼のそれぞれの死亡ルートについてご紹介していきます。
アニメ版Fateルート:死亡
最終話で聖杯に取り込まれたイリヤを救おうと柳洞寺に駆けつけた衛宮士郎の前に、言峰綺礼はラスボスとして立ちはだかります。
バトルの末に遠坂凛に渡されて衛宮士郎が隠し持っていた、言峰綺礼が遠坂時臣を刺殺したアゾット剣のレプリカを右胸に撃ち込まれて絶命する、言峰綺礼の因果応報エンドです。
ファンの間ではアゾット剣での死亡は、俗に「アゾる」って言われるよ。
UBWルート:死亡
言峰綺礼はアインツベルン城に囚われた遠坂凛の心臓を聖杯の依り代とするため、摘出する命令をランサーにします。
ランサーが心情に合わないと拒否したので言峰綺礼は用済みとなったランサーに自害を命じ、ランサーはゲイ・ボルクで自分の心臓を突き刺し倒れ込みます。
凛の心臓に手をかけようとした刹那、まだ息の合ったランサーに心臓をゲイ・ボルクで刺殺される、言峰綺礼の油断大敵エンドです。
綺礼のドヤ顔と驚きの落差は必見だね。
Heaven’s Feelルート:死亡
この世全ての悪となった聖杯の前で衛宮士郎を待っていた言峰綺礼は、衛宮士郎との素手での最終決戦の末に死亡します。
魔術師の言峰綺礼と衛宮士郎が、殴り合いによって物理的に決着をつける、言峰綺礼の完全燃焼エンドです。
青春か。
まとめ
どう転んでも「悪」にしかなりえなかった言峰綺礼のあり方は、聖職者であることの自己矛盾が最悪の形で発露してしまった『Fate/stay night』のラスボスです。
ここまで、劇場版『Heaven’s Feel』ルートや『Fate/Zero』を見終わった後は、はた迷惑極まりない印象を持ってしまう言峰綺礼の強さや目的や過去についてご紹介してきました。
言峰綺礼は人間の悪感情を見ることでしか生を実感できない、かわいそうな人なのではないかと思います。
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