『ひきこまり吸血鬼の悶々』は、小林湖底先生により執筆されている大人気ラノベ作品です。
コミカライズに続きテレビアニメ化も果たしており、2023年10月から放送および配信中です。
本記事ではオディロンの正体やサクナとの関係性について解説。
さらに、七紅天闘争の後に迎えた最期(死亡)についても迫ります。
本作品の人物相関図は「ひきこまり吸血鬼の悶々の人物相関図!登場人物・キャラクターの一覧を解説【ネタバレ注意】」の記事をご覧ください。
オディロン・メタルとは
オディロンはムルナイト帝国軍の七紅天“第五部隊隊長”で、左目の上下にある大きな傷跡が特徴的な褐色肌の男性です。
オディロンもフレーテ達と共に”コマリ解任”に賛同する
フレーテが開いた七紅天会議の中で出された不信任議決(コマリ解任)に対して、オディロンもフレーテやデルピュネーと共に賛同していました。
七紅天とは“武の象徴”であり「鍛え上げた己の肉体で敵を打ち滅ぼす事こそが宿命であること」をテラコマリに諭しながら、その辺を理解できて否かについて問い詰めます。
そのような主張をもつオディロンもまた、フレーテと同じく戦争で自ら戦わずに勝利し続けてきたコマリの戦い方に対して納得できていなかったのです。
フレーテの強さや魔法、テラコマリを嫌う理由などについては『フレーテは悪役令嬢な吸血鬼?強さと弱点・恋愛 | テラコマリを嫌う理由』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
デルピュネーの正体と素顔、強さと能力については『【ひきこまり吸血鬼】デルピュネーの正体と素顔・強さと能力 | 死亡した理由や回数』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
オディロンが七紅天闘争を提案した理由
七紅天会議でフレーテがコマリへの勝負を挑む中、オディロンが横やりを入れながら提案したために“七紅天闘争”が勃発してしまいます。
本来は隊長同士の勝負(フレーテVSコマリ)だけで済むはずの状況を全隊長や全部隊(ペトローズ率いる第一部隊は除く)ひっくるめての大規模なエンタメ戦争へと発展させてしまったオディロンですが…
このような提案や振る舞いにはオディロン自身の内にある「隠れた目的」が潜んでいたためです。
オディロンの声は声優「稲田徹さん」が担当
オディロンの声を担当している声優さんは「青二プロダクション」に所属する稲田徹さんです。
稲田さんはラジオ番組『コサキンDEワァオ!』のリスナーを務められた中、もりいくすおさんのモノマネと『空飛ぶモンティ・パイソン』を見たことがキッカケで声優を目指しました。
そして1994年に発売されたOVA作品『マクロスプラス』で声優デビューを果たされています。
稲田徹さんの代表作(キャラクター)は、以下のとおりです。
- 『銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅』フリッツ役
- 『SSSS.GRIDMAN』アレクシス役
- 『地獄楽』民谷厳鉄斎役
- 『るろうに剣心(リメイク版)』御庭番衆・式尉役
オディロンの正体・サクナとの関係性について
七紅天に君臨するオディロンですが、その正体は「逆さ月の構成員」であり、諜報活動などの方を本職として働いています。
さらにカレン皇帝や他の七紅天たちには知られない形で、サクナを都合よく利用していました。
オディロンとサクナの主従関係は偽りに過ぎない
オディロンはまだ幼き頃のサクナの家族(両親や姉)を殺して死亡させた張本人です。
さらに「家族を取り戻す方法を教える」という条件を押しつけながら、サクナをも”逆さ月のスパイ”にさせた上で働かせていました。
これだけならば、お互いに交換条件つきでの合意と取れますが…
実際にはコマリや皇帝、他の七紅天たちに気づかれない場所(サクナの自室)などでオディロンが脅迫しながらサクナを自分の部下や手駒のように扱いながら利用し続けているだけに過ぎません。
一方、利用されているサクナも不本意ながらも大切な家族を人質に取られていることで逆らえず、アルマン(コマリの父親)を始めとした「ムルナイト帝国の権力者たちの暗殺」を続けてきたわけです。
オディロンがサクナを利用し続けた理由
オディロンが執拗にサクナを利用し続けてきた理由には「逆さ月の目的」と「サクナのもつ烈核解放の能力」が深く関係しています。
逆さ月のボスであるスピカの目的が「世界中にある烈核解放の消滅」であり、構成員の一員として働くオディロンもボスからの命令に従順に働いています。
とはいえ、ただ闇雲に探すだけで見つけられるわけでなく、要領よく烈核解放を持つ者を見つけだすためには「サクナの烈核解放が必要不可欠」だったわけです。
サクナの正体や過去、強さや魔法については『【ひきこまり吸血鬼】サクナ隊長の正体と過去・強さと魔法能力 | かわいい魅力について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
反旗を翻したサクナをも殺そうとする
サクナを使っての度重なる「権力者たちの暗殺」に加えて、自ら提案した”七紅天闘争”も実行されたところまでは、ほぼオディロンの計算通りに進んできました。
しかし、その七紅天闘争の最中に部下として使ってきたサクナがコマリの側につくことで反旗を翻えされる上に攻撃まで仕掛けられます。
サクナの反乱に激怒したオディロンは自分のもつ神具で容赦なく攻撃することで、サクナに重傷を負わせてしまいました。
土壇場でのサクナの裏切りに激怒したオディロンはコマリと一緒にサクナも倒して始末しようとしますが…
己の攻撃で流させた“サクナの血”が、後にオディロン自身の敗北や最期を迎えさせる引き金となってしまいます。
オディロンの最期(死亡)と敗因について
サクナを利用し続けてきたオディロンですが、自ら提案して開催された七紅天闘争で、これまでの報いを受けさせられるかのように死亡させられる最期を迎えさせられます。
サクナとコマリの攻撃に敗北して逃亡
七紅天闘争の中で自分に反旗を翻してきたサクナを攻撃して重傷を負わせた行動が「オディロン自身の人生の終わり」を招いてしまいます。
サクナを傷つけたことでコマリの怒りを買い、烈核解放「孤虹の恤」を発動させた時点でオディロンの敗北が決まりました。
蒼玉種の血も引くサクナの血を飲んだコマリの肉体は鋼鉄並みに硬くなっており、オディロンの神具での攻撃すら全く通用しません。
それに加えて、サクナが放ってきた上級の攻撃魔法まで喰らったオディロンはこの場では勝てないことを悟った上で魔法石を使い、逆さ月としての自分たちのアジトへと転移する形で逃亡します。
テラコマリの本当の強さや魔法、母親や過去、死亡については『テラコマリの強さと能力・過去 | 血が嫌いで弱い理由・母親や死亡について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
逃亡後にサクナと天津覺明に殺されて死亡した
逆さ月のアジトに逃亡したことで一命を取り留めたオディロンでしたが、それも一瞬のことで…
帰還してきた直後に、通信モニターで話してきた天津覺明(あまつかくめい)の口から“処刑宣告”をされてしまいます。
その宣告の通り、オディロンは自分の側にいた部下たちから神具で刺され続けた末に死亡します。
ちなみに、その部下たちは既に“死体”となっており、実はサクナの能力で操られていた者たちでした。
そのため、オディロンはサクナと天津覺明により「間接的に殺されて死亡した結末」を迎えさせられたことになります。
オディロンの敗因はサクナの心を掴めなかったこと
サクナを自分の手駒にして使いながらも惨めな最期を迎えてしまいましたが…
そんなオディロンの敗因とは「サクナの心を掴みきれなかったこと」に尽きます。
確かにサクナのような内気で大人しめな少女に対しては”家族”などの言葉を出しながら脅迫することで従わせることは容易でしょう。
しかし、オディロンがやっていたのはあくまでも恐怖でサクナの心を支配していただけに過ぎず、そのような横暴なやり方ではあくまでも一時的な効果しか得られません。
もしも、オディロンも父親やヘルデウスと同じような“優しさ”や“包容力”などで時間や年数もかけてサクナに接し続けることが出来ていたならば、オディロンも本当の意味でサクナの心を掴んだ上で「父親代わり」と見てもらえていたかもしれません。
ただ、オディロンにはそこまで長い期間や年数をかける余裕もなく、そのような切羽詰まった状況もまた、部下(サクナ)に殺される原因を自ら造り出してしまったわけです。
また、オディロンは逆さ月の幹部である”朔月”の座を狙っていましたが、部下(サクナ)の密かな行動も見抜ききれないまま従わせており、既に朔月の地位にいる天津覺明からも「朔月の器ではない」とあしらわれていました。
天津覺明から言われた台詞も上手くあてはまっており、オディロン自身が自分に分不相応な夢や目標を追い続けたこともまた、自身の敗因や死因を招いてしまったとも言えますね。
オディロン死亡後の後任にはミリセントが就任した
オディロンの死亡および解任となった時点で、七紅天の空いた“第五部隊隊長”の座にはミリセントが後任として就任させられます。
ミリセントも完全に自ら望んで隊長となったわけでなく、あくまでもカレン皇帝の采配によるものです。
それでもコマリに敗れた後から始まった監禁生活や処刑という処罰を下されるよりはミリセント自身も七紅天として働いた方が、自分の新たな目標に向かって歩き始められるために好都合だったようです。
さらに、ミリセントが隊長として働き始める時期も意外と早く、七紅天闘争の終了後…
即ち、オディロンが解任された直後からです。
七紅天闘争の後にアルカ共和国で始まった六国大戦(原作3巻)ではコマリたちの知らぬ場所でのサポート役で終わります。
しかし、その後の吸血動乱(原作5巻)で実際にコマリやヴィルヘイズ、サクナ達の前に再び現れた上で、トリフォンの部下たちとの戦いで共闘する展開を迎えるのです。
ミリセントの過去や目的、強さや魔法能力については『【ひきこまり吸血鬼】ミリセントは人間のクズ? | 過去や目的・強さと魔法について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
まとめ
今回はオディロンの正体をサクナとの関係性も含めた上で紹介しました。
会議の席では豪快で爽やかなおじ様という印象に溢れていたオディロンが実は逆さ月のスパイであったという事実に衝撃を受けた読者や視聴者も多かったかもしれません。
ただ、それ以上にスパイの存在すら見抜けない皇帝や七紅天の管理能力が意外と低い点も心配に残ります。
最後には、これまでの報いを受けるかのような結末を迎えたわけですが…
オディロンのやってきたこと自体が非道で許されない行為ばかりだったため、完全に”自業自得”としか言えず、同情する気にもなれませんよね。
本作品の全巻ネタバレの詳細は「【ひきこまり吸血鬼】原作の全巻ネタバレ解説 | 最後の結末はどうなる?」の記事を参照ください。
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