『ひきこまり吸血鬼の悶々』は、小林湖底先生により執筆されている大人気ラノベ作品です。
コミカライズに続きテレビアニメ化も果たしており、2023年10月から放送および配信中です。
本記事では『ひきこまり吸血鬼の悶々』の原作小説の最新巻までのネタバレ記事を作成してみました。
原作を既読の人はこれまでの復習用に、アニメから入った新規ファンの人達は先の展開への予習用として役立てていただけると幸いです。
本作品の人物相関図は「ひきこまり吸血鬼の悶々の人物相関図!登場人物・キャラクターの一覧を解説【ネタバレ注意】」の記事をご覧ください。
目次
- 1 『ひきこまり吸血鬼の悶々』の世界観と作品概要
- 2 【1巻のネタバレ】七紅天にさせられたコマリがミリセントと死闘
- 3 【2巻のネタバレ】サクナやフレーテも参戦 | 七紅天闘争が勃発
- 4 【3巻のネタバレ】ネリアとの共闘でアルカ共和国を救う
- 5 【4巻のネタバレ】アマツ・カルラを救うため、コマリも天舞祭に出場
- 6 【5巻のネタバレ】吸血動乱でコマリ達が逆さ月のボスや幹部と死闘
- 7 【6巻のネタバレ】年明けの温泉旅行 | 母親(ユーリン)からの誕生日プレゼントとは
- 8 【7巻のネタバレ】華燭戦争に挑むコマリ | アイラン・リンズの衝撃的な真実
- 9 【8巻のネタバレ】常世編の開幕 | ヴィルヘイズの過去や出生も判明?
- 10 【9巻のネタバレ】コマリと逆さ月の共闘 | トレモロとの再戦でフーヤオが死亡
- 11 【10巻のネタバレ】常世編の完結 | コマリ達の処刑・スピカとの別れ
- 12 【11巻のネタバレ】リオーナからの挑戦状 | サクナが帝都の失踪事件に挑む
- 13 【12巻のネタバレ】帝国VS愚者の戦争が勃発 | ミリセント失踪の理由や目的とは
- 14 【13巻のネタバレ】プロへリヤとのエンタメ戦争 | 白銀革命の末に迎えた結末とは
- 15 『ひきこまり吸血鬼』13巻や14巻の発売日はいつ?
- 16 『ひきこまり吸血鬼』最終話や結末を予想
- 17 まとめ
『ひきこまり吸血鬼の悶々』の世界観と作品概要
本作品のメイン舞台となる「第一世界」では主人公(テラコマリ)が生まれ育ったムルナイト帝国を含む“6つの王国”で構成されています。
そのような世界にて頻繁に起きる「エンタメ戦争」ですが…
本作品では戦争そのものがエンタメ扱いであり、仮に戦争中に死亡したとしても複数ある例外を除いては各国に存在する「魔核」で簡単に蘇ることができるのです。
【1巻のネタバレ】七紅天にさせられたコマリがミリセントと死闘
物語の開始と共に序盤となる1巻では3年間もひきこもり生活を続けていたテラコマリが、父親(アルマン)やカレン皇帝の勝手な策略や行動により、ムルナイト帝国の幹部・七紅天の“第七部隊隊長”にさせられた場面から始まります。
(アニメ1期での1〜4話のエピソードにあたります)
絶望的に弱いコマリだが、ヴィルヘイズの助けで戦闘や決闘を乗り越える
朝目覚めたコマリの前に現れたメイド・ヴィルヘイズから、コマリが望んでもいないのに七紅天の“第七部隊隊長”に任命させられたことを告げられます。
その直後には父親(アルマン)も入ってきた上、ムルナイト宮殿に呼び出してきたカレン皇帝から「七紅天の仕事内容や解任させられた場合に起きること」を教えられます。
七紅天の将軍は他国とのエンタメ戦争で勝利しなければならず(一度負けた後も次の戦争で挽回できるチャンスもありますが)、3回以上負け続けた場合には強制的に解任させられる規則も設けられています。
しかし、解任させられた場合には本人の首が爆発することにより死亡させられてしまうのです。
本の吸血鬼には体内にある“魔核”で何度でも生き帰ることが可能ですが…
他国で死亡した場合や“神具”で殺された場合、そして身体をバラバラにされた場合は例外として二度と生き帰ることができません。
しかもコマリは吸血鬼の重要な栄養源である“血”を嫌いで飲まずに生き続けてきたため、普段の戦闘能力は皆無で「絶望的に弱い」のです。
(コマリが血を嫌いという精神は彼女が起こした過去の惨劇が原因で、父親により仕組まれていたものです)
また、七紅天には部下たちからの“下剋上”の制度も設けられており、自分の部下から命を狙われてしまう危険もありました。
もはや辞めることも引きこもることも許されない絶望的な状況に追い込まれたコマリですが…
それでも変態だけど極めて優秀なメイド・ヴィルヘイズが仕掛けた事前工作などのおかげで、ラペリコ王国との戦争やヨハンから挑まれた決闘も何とか乗り越えていきます。
ヨハンの死亡、魔法や弱い理由については『【ひきこまり吸血鬼】ヨハンの死亡と弱い理由 | ミリセント戦後の役割とは』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
帰国したミリセントがコマリやヴィルを襲撃
何度もの戦争やヨハンとの決闘を乗り越えたコマリは、カレン皇帝が主催するパーティーに出席させられます。
始めは持ち前のハッタリで自分に話しかけてきた“仮面の少女”との会話を乗り切りますが…
実はこの少女の正体は、同じ帝立学園でコマリやヴィルを苛め続けてきたミリセントでした。
ミリセントはコマリを虐め続けた中で、彼女のペンダント(実は魔核)を奪おうとした瞬間にコマリの秘められていた強大な力(烈核解放)で倒されていました。
さらに、その後も暴走を続けて無関係な生徒たちを虐殺したコマリの罪を、彼女の父親(アルマン)から着せられたことによって、ミリセント自身も含めた一家全員を帝国から追放されていたのです。
父親とも離されて孤独となったミリセントですが、自分の家庭教師となって戦闘や烈核解放について教えてくれていた天津覺明からの誘いを受けて“逆さ月”の構成員となった上でスパイや暗殺稼業で生きてきました。
そんなミリセントの目標は「コマリへの復讐」であり、パーティー会場(宮殿)の中で自ら正体や素顔を明かした上でコマリにナイフ(神具)を向けて襲撃してきます。
この時は同行していた部下(ベリウス)が庇ってくれましたが、神具で受けた殺傷によりベリウスが重傷で倒れてしまいます。
ミリセントの強さはコマリの部下たちを遥かに凌いでおり、ヴィルの投げるクナイを簡単に弾き返す上にカレン皇帝が放つ攻撃魔法も颯爽と避けてしまいます。
その場ではミリセントから逃げるように引き上げましたが…
そのミリセントが今度はコマリの自宅へ侵入してきた上、神具で倒したヴィルを”人質”として拉致していきました。
ヴィルからの手紙でコマリが単身でミリセントに挑む
ヴィルを拉致されたコマリは過去のトラウマが蘇る中での強い恐怖心により、ミリセントから指示されていた場所へ向かおうとすらしません。
このまま再び”ひきこもり生活”に戻ろうと考えるコマリですが、ヴィルからの置き手紙を読んだことで「自分たちが過去(学生時代)に出会っていたこと」を思い出します。
実はヴィルの方が先にミリセントからの苛めを受けており、そんな辛い状況の中をコマリがミリセントを止める形で助けてくれていました。
しかし、その強い正義感が仇となってミリセントの苛めの標的がコマリへ変更されたわけです。
普段はコマリ好きさ加減で迫ってくることも多い困った変態メイドなヴィルですが、彼女もコマリから受けていた恩や“自分が犯した罪”を償うために自ら志願してガンデスブラッド家のメイド業を始めていたのです。
ヴィルからの手紙を読んで自身の愚かさを実感して涙を流すコマリですが…
この手紙がコマリの心を大きく動かします。
更に自宅前ではカオステルを始めとした部下たちも出撃準備も完了させた上で待ってくれていました。
しかし、ミリセントから出されていた「他言は禁止」という条件もあり、コマリは頼もしい部下たちには待機を命じた上で単身でヴィルヘイズの救出に向かいます。
ヴィルヘイズの正体や過去、強さや能力については『【ひきこまり吸血鬼】ヴィルヘイズの正体と家族 | 強さや能力・過去について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
コマリの烈核解放でミリセントを倒した
ミリセントから指定されていた教会に辿り着いたコマリが見せられたのは、あまりにも酷い光景でした。
人質に取られたヴィルが十字架に磔にされた状態でミリセントから神具でジワジワと傷つけられていた上、密かに自分と協力関係を結んでいたはずのヨハンにも重傷を負わせていたのです。
自分の部下たちを傷つけられた怒りを露わに出したコマリが準備していた魔法石で攻撃しますが、ミリセントはそれだけで倒せるような甘い相手ではありません。
魔法石に込められた“衝撃波”や”落石”だけでは少量のダメージしか与えられず、かえってミリセントの怒りを増幅させてしまうだけでした。
そんなミリセントからの容赦ない攻撃をマトモに喰らったコマリも、もはや戦闘不能な状態で倒されてしまいますが…
動けない状態から自身の右腕をも犠牲にしたヴィルヘイズが、自分の血をコマリに飲ませた途端、戦況が大きく一転します。
吸血種(ヴィル)の血を飲んだコマリが「烈核解放(孤虹の恤)」を発動させ、上級の攻撃魔法を放つだけでミリセントを簡単に倒してしまいました。
ちなみに、待機命令を受けていたはずの部下たちもこの時点で決闘場所(教会)に到着したことで、烈核解放を発動させたコマリの絶大すぎる強さを目撃しています。
数日後…
烈核解放の反動で動けなくなったコマリが部屋で安静に休んでいるところ、重傷を負わされていたヴィルとヨハンも回復していました。
更にヨハンはミリセントと協力関係を結んでいた罪の償いとして、今後は「コマリのボディガード」として懸命に働くことを宣言します。
テラコマリの本当の強さや魔法、母親や過去、死亡については『テラコマリの強さと能力・過去 | 血が嫌いで弱い理由・母親や死亡について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
【2巻のネタバレ】サクナやフレーテも参戦 | 七紅天闘争が勃発
ミリセントを退けたコマリ達ですが、平穏な日々が長く続くはずもなく、今度は七紅天の6部隊が戦う「七紅天闘争」が勃発してしまいます。
この時期にはコマリの父親(アルマン)を始めとした“帝国の要人や権力者の暗殺事件“も起きている最中でしたが…
その真犯人とは実はコマリ達と同じ七紅天の隊長である上、あまりにも意外な人物でした。
“コマリ解任”を賭けた七紅天会議からエンタメ戦争に発展
ムルナイト帝国や宮殿内で権力者たちの暗殺事件が続く中、ミリセント戦での傷が全快したコマリが同じ七紅天のサクナ(第六部隊隊長)やフレーテ(第三部隊隊長)と出会います。
サクナとは円満な関係を築けた一方、フレーテからは自分のことや皇帝の名前すら知らずにいたコマリの”常識のなさ”に激怒したことで「”コマリ解任”を賭けた七紅天会議」が開催されます。
第一部隊隊長のペトワーズを除いた6人の七紅天が集まる中、フレーテは“多数決”という形でコマリを解任させようと目論みます。
コマリを称賛する将軍がサクナとヘルデウス(第二部隊隊長)の2名だけなのに対し、コマリを否認する将軍はフレーテに加えてデルピュネー(第四部隊隊長)にオディロン(第五部隊隊長)と3人いました。
そのため、本来は多数決の時点でコマリは解任されると同時に身体の爆発で殺されていたはずですが…
ヴィルが会議前から仕掛けていた「毒盛り」によりデルピュネーが会議中の時点で死亡していたため、多数決が”2対2″という引き分けの結果に終わりました。
しかし、ヴィル以外の者たちが“デルピュネーの突然死”に対する驚きから疑惑に変わり、その疑惑がやはりコマリに向けられます。
デルピュネーの突然死や多数決の結果に納得できないフレーテが皇帝もいる前で”コマリへの決闘”を申し出ますが…
彼女たちの横から割り込んできたオディロンからの宣言により、全ての隊長と部隊をひっくるめて戦う「七紅天闘争」へと発展してしまいます。
フレーテの強さや魔法、テラコマリを嫌う理由などについては『フレーテは悪役令嬢な吸血鬼?強さと弱点・恋愛 | テラコマリを嫌う理由』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
七紅天闘争でフレーテやデルピュネーを退けるが…
ペトワーズや第一部隊を除いた”6人の七紅天”と6つの部隊ひっくめて戦う「七紅天闘争」が開始されました。
この時点ではヴィルの毒で死亡していたデルピュネーも完全復活を果たしていましたが、コマリが一方的に狙われてしまいます。
(ちなみに部下のカオステルたちはフレーテからの挑発に怒りを爆発させながら、彼女たち第三部隊への襲撃を始めていました)
ヴィルと一緒に騎獣(ブーケファロス)で逃げ続けるコマリですが、オディロンが横から放ってきた攻撃魔法で騎獣を、デルピュネーの血液を操る”凝血魔法”によってヴィルまで倒されたため、第七部隊の生存者はもはやコマリ1人きりとされてしまいました。
それでもデルピュネーから容赦なく攻撃を仕掛けられたところ、飛び散った彼女を血をたまたま飲んでしまったコマリが烈核解放を発動した上で無意識に放った魔法での大爆発により、デルピュネーを倒していました。
しかし、その直後にカオステル達を倒していたフレーテがコマリの前に現れます。
コマリの真の強さをまだ信じきれていないフレーテがコマリに対して「爆弾などを仕掛けて卑怯な戦い方をした」などの一方的な言いがかりを始めた途端、背後に現れたサクナに倒されます。
しかし、この時のサクナにいつもの可憐さはなく、まるで殺人鬼のような“冷たい雰囲気”に変わっていました。
そして、サクナは自分が「暗殺事件の犯人」であることを宣言した上でコマリをも殺そうと接近してきます…。
デルピュネーの正体と素顔、強さと能力については『【ひきこまり吸血鬼】デルピュネーの正体と素顔・強さと能力 | 死亡した理由や回数』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
サクナが逆さ月の構成員として帝国内での暗殺を続けた理由
サクナが帝国内での暗殺を続けてきたのには少し複雑かつ悲しい理由があります。
サクナはオディロンと同じく、実は“逆さ月”の構成員として活動していましたが、サクナの場合は完全に自分の意思というわけではありません。
サクナはまだ幼い頃に既に逆さ月の構成員として働いてきたオディロンの手で大切な家族を殺害されていました。
さらに「家族を生き帰らせる方法を教える」という交換条件のもとで同意したサクナも構成員として働き始めますが、実質的にはオディロンから家族を人質に取られて脅迫され続けていた関係性だったのに過ぎません。
この七紅天闘争の中でもオディロンから「コマリを殺して魔核を奪うこと」を命じられていましたが…
コマリの優しさに心を打たれたサクナは自分たちの前に現れたオディロンに反旗を翻した上で攻撃魔法を仕掛けます。
この時点で長年にわたり続いてきた“サクナとオディロンの主従関係”も決裂したわけです。
サクナの正体や過去、強さや魔法については『【ひきこまり吸血鬼】サクナ隊長の正体と過去・強さと魔法能力 | かわいい魅力について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
コマリとサクナの共闘で真のスパイ(オディロン)を倒す
氷結魔法で戦うサクナはオディロンに一定量のダメージを与えたものの致命傷にまでは至らず、逆に倒されてしまいます。
そんな絶体絶命の中、七紅天闘争の前に出会ったミリセントから受けていたアドバイスを思い出します。
「コマリに自分の血を吸わせなさい」
ミリセントから言われた通りに、自分の血を倒れたコマリに飲ませたことでコマリが再び烈核解放を発動させます。
しかし、蒼玉種の血も引くクウォーターであるサクナの血を吸ったコマリはこれまでとは異なる変化の形と能力を得ていました。
純粋な吸血種であるヴィルやデルピュネーの時とは違い、青白い光を放ちながら回復魔法も使えるようになれた上、神具による攻撃も通さない程に硬い肉体へと変化していました。
オディロンの攻撃も再び烈核解放を発動させたコマリには全く通用しないどころか、ミリセントと同じように一方的に倒してしまいます。
この時点ではオディロンが魔法石による転移で一時的に逃れましたが、その安息も束の間でしかありません。
ゲラ=アルカ共和国にある逆さ月のアジト内に逃げたオディロンがコマリのことで天津覺明に対して猛抗議する中、自分の部下たちに刺され続けて更なる重傷を負わされます。
実は、この部下たちはオディロンの知らぬ所でサクナの烈核解放「アステリズムの廻転」で操られていたのです。
サクナに操られた部下たちのナイフで刺され続けた末、そのまま追ってきていたコマリに倒されたことでオディロンは死亡しました。
その後は七紅天闘争の結果発表がされて、コマリが晴れて優勝を飾ります。
また、七紅天闘争の模様はムルナイト帝国内外で中継されており、カレン皇帝もオディロンが逆さ月の構成員かつサクナにまで脅迫しながら働かせていたことを知りました。
そのため、既に死亡したオディロンを解任させた一方、自分の罪で謝罪してきたサクナを許すことで今後も七紅天として働き続けるように命じたのです。
オディロンの正体や最期、サクナとの関係性については『【ひきこまり吸血鬼】オディロンの正体 | サクナとの関係性・死亡後の後任は誰?』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
【3巻のネタバレ】ネリアとの共闘でアルカ共和国を救う
七紅天闘争で優勝したコマリですが、終盤でオディロンを倒すために放った氷結魔法でゲラ=アルカ共和国の半径1キロ圏内を凍土にしていたことが原因で、ムルナイト帝国とゲラ=アルカ共和国の関係性が緊張状態にありました。
そんな状況の中、共和国の八英将の1人であるネリア・カニンガムからの招待状が届き、ヴィルやサクナと共に夢想楽園でのリゾートを楽しめたのも束の間…
ネリアからの提案や性癖に加えて、コマリにとっては初となる「他国での戦争(六国大戦)」で戦わされる羽目になります。
(アニメ1期での9〜12話のエピソードにあたります)
翦劉茶会でネリアやアマツ・カルラと出会うが…?
ヴィルやサクナと共に共和国でのリゾートを楽しむコマリたちの前に、八英将の1人であるネリアが現れます。
ネリアは自分の国とムルナイト帝国にある緊張関係を緩和したい思いでコマリたちを招待した上で“翦劉茶会”を開催しますが、その茶会の席にはネリアの専属メイドを務めるガートルードと、天照楽土から来た五剣帝の1人であるアマツ・カルラもいました。
この茶会での出会いが後にコマリをネリアやカルラと何度も共闘させながら成長させていく展開につながるわけですが…
この茶会での状況は最悪な形で終わってしまいます。
初対面のネリアから「一緒に世界征服しよう」と誘われる上、一方的にコマリを“自分のしもべ”にしようとしてきます。
しかし、そんな最中に帝国と共和国の間に更なる亀裂が入る出来事が起こります。
コマリ達よりも遅れて共和国に到着したカオステル達がホテル手前の駐屯地に駐在していたネリア部隊と交戦した上、しまいにはホテル自体を爆破までしたことて両国の関係性が更に悪化してしまいました。
ネリアの強さや能力、テラコマリ達との関係性については『ネリア将軍の血と能力 | テラコマリや母親との関係性・ヴィルやサクナとの違い』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
天照楽土や白極連合も巻き込んだ六国大戦が開幕
両国の関係性が悪化したまま帰国させられたコマリ達ですが、数日後に天照楽土のアマツ・カルラが“同盟の使者”としてムルナイト帝国に訪れてきます。
その同盟を結んだ後、帝国側が共和国の大統領ゲラ・マッドハルトから“降伏勧告”されますが、そんな一方的な要求を皇帝が受け入れるはずがありません。
帝国や共和国に加えて天照楽土や白極連合まで巻き込んだ上で「六国大戦」という、これまでの戦闘とは比較にすらならない大規模な戦争が始まります。
帝国側では”防御グループ”と”攻撃グループ”に分けた編成で戦いますが、コマリはサクナやカルラ、そしてデルピュネーと共に“攻撃グループ”の方に配属されました。
ネリアの裏切りや過去 | コマリとの協力関係を結ぶ
“攻撃グループ”としてサクナたちと共に出撃したコマリですが、パスカルとネリア…八英将同士による交戦が勃発していました。
この時点でネリアはゲラ大統領の恐ろしい目的や真相を知ったことで彼を裏切っていた上、再会したコマリを戦場から一緒に転移させてしまいます。
転移させられた先でコマリも大統領の正体や目的を知らされた上、ネリアがかつて「コマリの母親(ユーリン)の教え子であったこと」も聞かされます。
これまでの実績や新聞での宣言に加えて、自分の先生だった女性の娘(コマリ)だからこそ、ネリアもコマリの実力に対して高い希望や可能性を見出していました。
これらの話も聞かされた後に、コマリもネリアとの協力関係を結んだ後には彼女たちよりも遅れてガートルードと共に転移してきたヴィルやカルラとも合流したため、この5人で夢想楽園を目指します。
ガートルードの裏切りで一気に窮地へ
ムル天同盟軍の奮闘によってゲラ=アルカ軍が劣勢および「ゲラ大統領へのデモ」が起き始めた中で、コマリ達5人も夢想楽園に到着します。
ゲラ大統領は翦劉の伝統を第一とする独裁者であり、己の権力を濫用しながら反抗する者たちや拉致してきた他種族の者たちの身体も使って“恐ろしい人体実験”を行なってきた首謀者でもありました。
さらに、ネリアの父親も人質に取った上で彼女に反抗などをさせないようにしていたのです。
しかし、そのような事実を突き止めたのも空しく「ガートルードの裏切り」という予想外な展開となり、ネリアが重傷を負わされます。
ガートルードは八英将のパスカルの妹であり、自分の兄から命じられていたために「ネリアの監視役」となってメイドとして働いていたのです。
さらにゲラ大統領が他国からの制止も聞かずに、自分が作り出してきた“五千人もの精鋭部隊”まで投入した事実まで知らされたネリアは消沈します…。
ガートルードの正体や過去、強さや魔法については『【ひきこまり吸血鬼】ガートルードの正体と目的・強さと能力 | ネリアを裏切った理由』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
ネリアもコマリと共に烈核解放を発動
一度は消沈しながら諦めたネリアですが、コマリからの説得により再起した上、コマリの血を飲ませてもらうことで烈核解放「尽劉の剣花」の発動によって得られた双剣により“何でも切ることが可能”となりました。
この双剣で敵や物体に加えて“己の迷い”まで断ち切れたネリアが囚人たちを解放した上、自分を裏切ったガードルートをも倒します。
しかし、大統領や精鋭部隊は未だ健在のため、コマリも“ネリアの血“を飲まされたことで自分の烈核解放を発動させては、絶大な魔法力で世界中を震撼させたことで他国の軍も動き始めます。
(その部隊の中には新たに七紅天となったミリセントも出撃していました)
ネリア以外の八英将を指揮していたパスカルを倒したことで八英将が全滅した上、今回の戦争や事件の首謀者であったゲラ大統領も自分たちの敗北を理解しながら蒸発するように姿を消しました。
ネリアとコマリの烈核解放などにより六国大戦が終結した後は「アルカ共和国」という国名に変わり、蒸発したゲラに代わってネリアが“新たな大統領”に就任します。
さらに、一度は自分を裏切ったガートルードのことを許した上で、再び”自分のメイド”として働かせます。
【4巻のネタバレ】アマツ・カルラを救うため、コマリも天舞祭に出場
六国大戦の終結から帰国したコマリ達に、天照楽土の国主である“大神”からの招待状が届きます。
しかし、コマリ達が出席した平和祈願のための核領域パーティーの最中、「天舞祭」の開催および「五剣帝のカルラとレイゲツ・カリンのどちらかを“次期の大神”に決めること」まで宣言されてしまいました。
始めはアマツ家の現当主である天津神耶から弱みを握られながら乗り気でないコマリも、カルラの真実などで和解したことなどにより、全力で天舞祭に臨みます。
“実は最弱な者同士”でコマリとカルラに芽生えた友情関係
六国大戦での活躍により、今では第一世界中で“最強”と謳われるコマリですが…
カルラの祖母(天津神耶)からも皇帝たちと同様に「(日常時では)実は弱いこと」を見抜かれていました。
まるで脅迫めいた言い方でカルラを”次期の大神”にするように協力を求められたため、始めは乗り気になれなかったコマリでしたが…
天舞祭の最初の催し物となる「討論会」の席でその気持ちが大きく一転します。
討論会ではカリンの食客として過ごしているフーヤオが司会を務めますが、まるで職権乱用したかのように討論会の席には“カリン陣営”のお客ばかりを集めていました。
そのため、カルラにとっては完全に不利な状況とさせられますが…
ここでカルラが“自分の夢”と“自分の想い”を大勢の前で宣言します。
カルラの本当の夢は「”和菓子職人”となって京一のお菓子屋を開くこと」でした。
さらにカルラ自身には大神になることなど、全く望んでいなかったのです。
この時のカルラの告白に衝撃を受けながら共感したコマリもまた、カルラの夢や想いを批判するお客たちに対して怒りを露わに出しながら反論します。
さらに、カルラもコマリと同様に「実は弱いこと」や「コネで五剣帝にさせられたこと」を聞かされ、お互いに共感しながら和解しました。
そして、カルラの夢は祖母からも認められていたものの「大神にならなくていいこと」に加えて「カリンを大神にさせないために勝たなければならないこと」を教えられます。
アマツ・カルラの強さと能力、未来と死亡(消滅)、テラコマリとの関係性については『アマツ・カルラの未来と死亡(消滅) | 血と能力・テラコマリとの共通点』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
レイゲツ・カリンを大神にさせてはならない理由とは
カルラの祖母(天津神耶)からカリンを大神にさせてはならない理由…
それは、未来から来た次期・大神(正体は未来のカルラ)から教えられており、実際の歴史では今回の天舞祭ではカルラに勝利したカリンが”次期・大神”となっていました。
しかしカリンが大神となった未来では、逆さ月により天照楽土を滅ぼされてしまう歴史を迎えていたことを伝えられていました。
そのため、今回の天舞祭では何がなんでもカルラの方を勝たせて“次期・大神”にさせる必要があったのです。
祖母の暗殺未遂でコマリとカルラが指名手配される?
コマリとカルラがお互いの信頼や友情関係を深める夜、祖母(天津神耶)がフーヤオに襲撃された上に神具で刺されたことにより重傷を負わされました。
それでも祖母は死に至らず、安静に休む中…
今度は「祖母(天津神耶)の暗殺未遂」という容疑を着せられたコマリとカルラが“追われる身”とされてしまいます。
しかも、自分たちの逮捕令状を出した者が“現在の大神”であることを知ったコマリ達はその真偽を確かめるために桜翠宮に向かいますが、そこで待ち受けていたカリンとフーヤオから衝撃的な事実を聞かされます。
実は、コマリ達への逮捕状を出した“現在の大神”とは「フーヤオが自分の烈核解放で化けた姿」に過ぎませんでした。
あまりにも卑劣すぎるフーヤオとカリンに対して、これまで辞任宣言ばかりしてきたカルラが一念発起して2人に告げます。
討論会での発言を撤回した上で、自分がカリン達を倒して”次期・大神”なることを宣言しました。
天舞祭の黒幕・フーヤオの正体と裏切りについて
天舞祭の最終日となり「カルラ&コマリVSカリン&フーヤオ」の戦闘が始まりますが…
試合開始と同時に、フーヤオがカリンへの裏切り行為をした上で“自分の正体”を明かします。
実はフーヤオもまた「逆さ月の構成員」であり、天照楽土の魔核を見つけては壊すためにカリンに取り入るフリをしていただけに過ぎません。
そのような正体を自分にカメラを当てている六国新聞社の記者たち(メルカとティオ)にまで堂々と宣言しながら逃亡していきます。
フーヤオの突然の宣言や逃亡によって会場内が混乱する中、カルラが自分の烈核解放「逆巻の玉響」の制御を果たした上で、フーヤオに倒されたコマリとカリンの治療にも成功します。
そして回復したコマリがカルラと共に東都へ向かったフーヤオを追います。
カルラとコマリの共闘でフーヤオを撃破したが…?
東都に到着したコマリもまた、カルラと共闘しながら自分の烈核解放でフーヤオを倒しました。
しかし、倒されたはずのフーヤオは実は転移魔法で生き延びていた上、逆さ月の幹部格とされる“朔月の1人”であるトリフォンから声をかけられます。
この時点で自分の本当の死を覚悟したフーヤオでしたが、トリフォンから出された話はあまりにも意外な提案でした。
トリフォンからの提案でフーヤオも“朔月”に昇格した上で、再び逆さ月としての任務や活動に臨んでいきます。
大神(2年後のカルラ)が話す”コマリの未来”とは
天舞祭の終了後、ムルナイト帝国の宮殿内にて、カレン皇帝が主催する会談が開かれます。
招待されていたのはアルカ共和国の大統領となったネリアだけでしたが、そんな彼女たち2人の前に「未来の大神(2年後のカルラ)」が現れます。
カルラの烈核解放「逆巻の玉響」は「時間を巻き戻せる」という、あまりにも型破りな異能であり、状況や使い方次第ではコマリの烈核解放をも超えると言われています。
それ故に何度も使い過ぎることへの代償も大きく、未来のカルラも烈核解放を使って過去の時代にまで来るという荒業まで実行したため、カルラ自身の姿が2人の前から消え去りました…。
さらに、消える寸前の大神(カルラ)から話された内容とは「コマリさんのことをよく見ているように」に加えて「私(カルラ)の知る未来ではいなくなってしまった人」という、大きな疑問や不安を煽る内容でした。
【5巻のネタバレ】吸血動乱でコマリ達が逆さ月のボスや幹部と死闘
六国大戦や天舞祭がした後、季節が秋を迎えた中でムルナイト帝国に神聖教の教皇・スピカが訪れます。
何故か行方不明となり不在中のカレン皇帝に代わってフレーテが丁重に対応しますが、コマリの非礼でスピカの怒りを買ってしまいます。
コマリの非礼に対する報復として「ヴィルの引き渡し」を要求されますが、コマリの意思とは裏腹にヴィルの方からアッサリと要求をのんでコマリの前から立ち去ってしまいました。
また、スピカこそが実は「逆さ月のボス」であり、スピカ自身の報復がヴィルの引渡しだけで済むはずがありません。
そして数日後には、逆さ月総動員でムルナイト帝国に侵攻されたことで「吸血動乱」が勃発してしまいます。
帝国内での暴動から”吸血動乱”に発展
吸血動乱が起きた理由にはスピカの怒りだけでなく、逆さ月の幹部クラスとなる”朔月の”の1人であるトリフォンの計画も含まれていました。
トリフォンはムルナイト帝国にある魔核を全て奪取した上で”神殺しの邪悪”という二つ名ももつスピカを「新たな皇帝」にさせようと目論んでいたのです。
コマリの非礼が原因で起きた問題を解決するために七紅天会議が開かれますが、この時も皇帝が不在だった代わりにこれまで不在だったペトローズ(第一部隊隊長)に加え、新たに第五部隊隊長となったミリセントも出席していました。
思いがけぬ場面やタイミングで因縁深い相手との再会に戸惑うコマリですが、コマリの心が落ち着くまでスピカたち逆さ月が待ってくれるはずもありません。
スピカの扇動によりムルナイトの帝都内で“神聖教の信者たちの暴動”が起きますが、この暴動はあくまでも吸血動乱での前座でしかありません。
帝国の部隊や七紅天が鎮圧する中で「神聖教と逆さ月の共謀」を突き止めます。
そのような共謀まで突き止めた結果、スピカと和解するためにコマリとサクナ、さらにミリセントも一緒に聖都を目指します。
コマリの烈核解放をトリフォンに封じられる?
サクナやミリセントと共に聖都に潜入しますが、トリフォンの部下である聖騎士団に見つかると同時に交戦状態となってしまいます。
そんな状況の中でも単身で大聖堂の地下に到着したコマリがトリフォンからの拷問を受けていたヴィルを発見して、すぐ救出しようとトリフォンを倒そうと奮いながら烈核解放を発動します。
これまでの戦闘や戦争ではコマリの烈核解放でシメを飾るように強大な敵たちを倒してきましたが…
この戦闘では拘束中のヴィルを人質に取られている上、トリフォンからの脅迫に臆したコマリが自ら烈核解放を解除してしまい、倒すどころか攻撃もできない状態にされてしまいます。
さらにトリフォンは攻撃できないコマリに対して「降伏勧告」の要求を続けますが、遅れて到着したミリセントが放つ“魔弾”を喰らってダメージを負わされます。
魔弾だけでトリフォンを倒せたわけではありませんが、その隙を突いてヴィルも救出した上で大聖堂から何とか脱出しました。
ミリセントの過去や目的、強さや魔法能力については『【ひきこまり吸血鬼】ミリセントは人間のクズ? | 過去や目的・強さと魔法について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
コマリの母親(ユーリン)の生存を知らされる?
コマリたちがトリフォンから逃れていた間にも逆さ月のテロリスト達の侵攻は進んでおり、その攻撃はとうとうムルナイト宮殿にまで及んでしまいます。
“朔月”の1人であるコルネリウスが開発した“絶望破滅魔砲”で宮殿も壊され始めたところをペトローズが止めてコルネリウスを捕縛した一方、別の場所で戦い続けるフレーテが“デルピュネーの死亡“を聞かされます。
一方、トリフォンから逃れたばかりのコマリ一行も自分たちの前に現れた天津覺明から渡された魔法石のおかげで一瞬で帝都に戻れるチャンスを得たと同時に、彼から渡された“一通の手紙”がコマリの心を大きく揺り動かします。
手紙に書かれていた字は確かに”自分の母親の字”であり、何の変哲もない一言だけで終わっていますが、次巻で「母親(ユーリン)が今でも生きていること」を知らされると同時に確信させられる出来事が待っています。
ネリアやカルラの助太刀も得ながらスピカ達との決戦へ
母親の生存を知れた喜びに浸れたのも束の間…
トリフォンの部下である聖騎士団が再びコマリ達に襲いかかります。
この時点ではサクナとミリセントの2人で騎士団たちを食い止める間にコマリとヴィルの2人きりで転移して帝都へ戻りますが、その帝都ももはや陥落寸前だった上、逆さ月のテロリストたちの猛攻もまだ続いていた状況です。
しかし、このような危機的状況の中を救ってくれたのが他国から助太刀に来てくれたネリアやカルラ、カリン達でした。
帝都で暴れ続けるテロリスト達をネリア達に任せて、コマリとヴィルが自分たちの烈核解放を発動した上でスピカとトリフォン、フーヤオと対峙します。
逆さ月のボスに加えて幹部2人を一度に相手にしなければならないコマリ達の方が不利に見えたものの、彼女たちの中に割入ってきたプロへリヤがフーヤオと戦ってくれます。
スピカ達との最終戦の舞台は常世(第二世界)へ…
プロへリヤの協力も得られた上でコマリとヴィルによるトリフォンとの再戦も始まりました。
その戦闘中にコマリのペンダント(ユーリンから託された魔核)を破損させられた影響で、コマリとヴィル、さらにトリフォンの3人が常世へと転移させられます。
突然の転移に戸惑う3人ですが、それでも烈核解放を発動させたコマリとヴィルが力を合わせた魔法攻撃でトリフォンを退けられたため、スピカを撤退させることに成功しました。
さらに、ネリア達のおかげで逆さ月の構成員たちの殆どを倒し捕縛されていたことにより、陥落寸前にまで追い込まれた帝国も何とか守り抜くことができたのです。
【6巻のネタバレ】年明けの温泉旅行 | 母親(ユーリン)からの誕生日プレゼントとは
スピカ率いる逆さ月からの侵攻を退け、ムルナイト帝国が復興に進む中で年明けを迎えました。
ヴィルが福引きで当てたフレジール温泉街への旅行にサクナやエステルも連れて出発しますが…
その旅行先でコマリには、思いがけぬ人物からのプレゼントやサプライズを受ける展開が待ち受けていました。
エステルはコマリの部下たち(第七部隊)の中では最強?
コマリが指揮する第七部隊に、女性の新人エステル・クレールが新たに入隊してきました。
帝都学園では首席で卒業したエリートのエステルですが、初の戦争では何もできずに終わったことで落ち込みます。
それでもコマリからの励ましで再起した後、第七部隊の班長を決める”部隊内の戦闘”ではエステルが放つ「チェーンメタル」で自分を貶してきたヨハンたちを簡単に倒したため、新人でありながら早くも「第七部隊の班長」という地位に就きました。
このような結果により、エステルはヴィルを除けば第七部隊での”最強の部下”とも言えますね。
エステルの実家”紅雪庵”での出会いと異変
フレジール温泉街への二泊三日の旅行に出発したコマリ達は宿泊先の宿である“紅雪庵”で、同じタイミングで訪れていたネリアやガードルート、さらにはカルラや峰永こはるとも一緒に天然の温泉を満喫します。
ちなみに”紅雪庵”はエステルの実家であると同時に、そこでは病で寝込むエステルの妹・モニクとも出会い、仲良くなります。
しかし、そのモニクから「コマリが影に殺される」という不吉なことを聞かされた後、先ほどまで一緒に楽しんでいた仲間たちが次々と殺され倒れている状況に出くわします。
コマリの烈核解放でクーヤ先生を撃退
孤立させられた状況下でも単身でネリアたちを殺害した犯人の捜索を始めたコマリですが、その最中にモニクの主治医であるクーヤ先生がモニクを殺害しようとする姿を目撃してしまいます。
実はクーヤ先生の正体は“逆さ月の残党“であり、治癒と偽りながら「神具でモニクの病を悪化させていたこと」を知らされたのです。
それでもコマリはモニクの血を飲んで発動させた烈核解放により、クーヤ先生を退けてモニクを救うことに成功しました。
母親(ユーリン)からの誕生日プレゼントがモニクを救う?
クーヤ先生を退けられたのも束の間…
その後にモニクが話してきた“影の正体”も明かされます。
その影は自らを“キルティ・ブラン”と名乗り、自身が「”ユーリンの部下”として常世から第一世界に干渉していること」をコマリに話します。
キルティから「母親(ユーリン)が常世でまだ生きていること」に加えて、母親と会うためには「世界を1つに必要があること」を教えられます。
また、この日はコマリの誕生日であり、母親は娘の誕生日もしっかり覚えてくれていました。
さらに、16歳に成長した娘(コマリ)への誕生日プレゼントとして、水晶玉のような神具を渡されますが…
コマリはそのプレゼントを自分でなく、モニクのために使いました。
その直後、神具が砕け散ったもののモニクの病が完治するという劇的な展開には至らなかったものの、それでもモニクの心を前向きにさせるキッカケを作ってくれたのです。
母親(ユーリン)の容姿や生死と現状、娘(テラコマリ)と再会できる可能性については『【ひきこまり吸血鬼】母親(ユーリン)の容姿と声優 | ネリアとの関係性・生死や現状について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
仲間たちからの誕生パーティーがコマリの心をも変えた
モニクと一緒に”紅雪庵”へ戻った後には殺されたはずの仲間たちが皆揃って「コマリの誕生祝いパーティー」を開いてくれました。
実はネリア達の殺害現場は誕生祝いのための“仕込み”であり、あくまでも”死んだフリ”をしていただけに過ぎません。
かなり過激なサプライズでありながらも、プロへリヤが弾いてくれるピアノの音色を聴きながら楽しむ中でコマリの心をまた少し強くしました。
今回の戦闘やお祝いの席でモニクのような「不幸な者をこれ以上増やしてはいけないこと」それには「自分も引きこもってばかりではいられないこと」を改めて実感したようです。
7巻への伏線 | アイラン・リンズが来訪した理由
コマリたちが温泉旅行に出かけていた中で、夭仙郷の公主であるアイラン・リンズがムルナイト帝国に訪れており(本巻の中盤辺りで初登場しました)、コマリ達も帰国後に出会いました。
完全な行き違いだったために少し気まずい思いで軽く謝罪するコマリですが、リンズから「夭仙郷を救ってほしい」と頼まれ、すぐに応じます。
しかし、コマリはこの瞬間にリンズの従者であるメイファの烈核解放「屋鳥愛染」の効果で「リンズへの恋心を抱かされたこと」に気づく由もありませんでした…。
【7巻のネタバレ】華燭戦争に挑むコマリ | アイラン・リンズの衝撃的な真実
前巻のラストでアイラン・リンズからのお願いを受けたコマリがヴィル達と共に夭仙郷へ向かいます。
しかし、そのリンズが丞相であるクド・シーカイに幽閉されており、リンズを救うためにコマリがシーカイとの勝負に挑みます。
リンズを賭けた華燭戦争が勃発
リンズからのお願いを受けてから1ヶ月後にして夭仙郷を訪れたコマリ達ですが、この時点で「丞相(シーカイ)と公主(リンズ)の結婚」が決まっていた状況の上、そのリンズがシーカイにより幽閉されていることを聞かされます。
さらに国民からの支持率が高いシーカイも実はゲラ大統領と繋がった上での“人体実験”などの悪事を始め「夭仙郷を乗っ取ることこそが本当の目的」であることまで知らされます。
そこでコマリはネリアや六国新聞と協力しながら“リンズの救出作戦”を始めたものの、この時のコマリは前巻ラストでメイファにかけらられた烈核解放の効果がまだ消えていないため「リンズへの恋心を抱かされたまま」の状態です。
そのような状態で暴走するコマリを諦めさせたいシーカイからの提案で、リンズとの結婚を賭けた「華燭戦争」が始まります。
今回の「華燭戦争」はこれまでの武力による戦争や戦闘とは異なり、リンズに関する問題に答える“クイズ形式”という頭脳バトルになります。
そのため、戦闘が嫌いなコマリにはやりやすい戦いに見えたのもほんの一瞬のことで…
1ヶ月前に出会ったばかりのコマリと幼少期からの長い付き合いであるシーカイでは、確実にシーカイの方が有利となります。
さらにリンズがまるで洗脳されているかのようにシーカイの方ばかりに肩入れするため、コマリは速攻で大ピンチに陥ります。
それでもサクナやヴィルの協力、さらにヤケクソになりながら”リンズへの求婚”を始めてしまうコマリに“テロリストの容疑”をかけられた瞬間、ネリア達のおかげで間一髪で救われます。
コマリ達の前に割って入ったプロへリヤが司会を務めるネルザンピへの問い詰め、さらにメラコンシーの爆破工作で潜入したネリアと六国新聞の記者たちにより「シーカイ側の不正」および「シーカイが行ってきた悪行」を国民たちに暴露させることに成功しました。
コマリとリンズの結婚式が中断に
恐ろしい人体実験も含めた容疑によりシーカイを幽閉することに成功したコマリ達ですが、それは即ち「コマリが勝ってリンズと結婚する権利を得たこと」となります。
(ちなみに、この時点ではコマリにかけられていた”リンズへの恋心”も既に解除されています)
そのため、今度は速攻で「コマリとリンズの結婚式」が開かれてしまいますが…
この式の最中に更なる緊急事態が起きてしまいます。
ウェディングドレス姿のリンズが吐血しながら倒れたことで式は中断されますが、リンズもシーカイも動けなくなった状況を見計らっていたネルザンピが“自分の目的を果たすための行動”を開始します。
表向きでは夭仙郷の軍機大臣を務めるネルザンピの正体も「夕星が率いる“星砦”の一員」であり“意志力の研究”のためにシーカイやクーヤ先生を利用していただけに過ぎませんでした。
ネルザンピから告げられる夭仙郷の秘密とは
リンズが倒れたままの状況でネルザンピから“夭仙郷の秘密”について語られますが…
「夭仙郷の魔核“柳華刀”が600年前に壊れていたこと」さらに、その柳華刀の”元の形”を維持するための烈核解放「先王の導」を代々にわたり伝承されてきた事実を聞かされます。
しかし「先王の導」の担い手たちが次々と早逝しており、現在の担い手であるリンズも烈核解放を使用し続けてきた影響で“不治の病”に冒されていました。
(結婚式の最中に起こした吐血も、その病のためです)
さらに、そのリンズにも先代の担い手たちと同じ運命と結末が待ち受けていたのです。
リンズが一命を取り留めた後に起きる転移事件
コマリの烈核解放でネルザンピを倒せたことにより、この時点ではリンズも一命を取り留めます。
しかし、限界を迎えて形を保てなくなった柳華刀の方が崩壊します。
さらに、その崩壊に巻き込まれたコマリ達が常世(第二世界)へと強制的に転移させられてしまいました。
この出来事により、次の8巻からは常世での過酷な戦いに巻き込まれる展開となります。
【8巻のネタバレ】常世編の開幕 | ヴィルヘイズの過去や出生も判明?
前巻での柳華刀の崩壊に巻き込まれたコマリ達が、常世(第二世界)へと強制的に転移させられてしまいました。
コマリとヴィルにとっては再び訪問することとなった常世にて“ヴィルの幼馴染”を名乗る少女・コレットと出会います。
さらに星砦からの襲撃や逆さ月との再会など、目まぐるしい展開の数々がコマリたちに襲いかかります。
コレットから聞かされた常世の世界情勢や母親(ユーリン)の活動
コマリが目覚めると、側についていてくれたヴィルが崩壊した柳華刀に巻き込まれる形で「自分たちが常世へと強制的に転移させられたこと」を教えられます。
さらにコマリ達と一緒に常世へ飛ばされたネリアとエステルは周辺の探索などで「自分たちの世界(第一世界)へ戻るための方法」を探すために既に動き始めていました。
さらに常世のアルカ兵士に襲われていた少女コレット・ルミエールを助けますが、コレットは自分と酷似した容姿のヴィルを見るなり「幼少期に離れ離れにされた幼馴染」と言いながら執拗に懐いてきます。
コレットの言動に悩まされながらも、コマリたちはコレットから「常世での現状」を聞きます。
コレットからの話では「常世の各地で抗争が勃発していること」さらに、コマリの母親(ユーリン)が組織のリーダーとなった上で「常世での抗争を止めるために奔走していること」を教えられました。
そこまで教えてもらえたコマリ達は「常世にあるムルナイト帝国」を目指す決意を固めますが、常世での身分証明書を持たないコマリ達4人は、コレットから紹介された傭兵ギルドにて「コマリ倶楽部」という傭兵団を結成します。
コレットの正体や素性・ヴィルヘイズとの関係性とは
「コマリ倶楽部」という傭兵団を結成したものの、コマリとコレットに与えられた仕事とは”偉い人の屋敷のお掃除”な上、コマリが3巻ぶりに“メイド姿”となってコレットと一緒に広いお屋敷の掃除に励みます。
しかし、その日が終わった夜になるとネリアの前に眼帯の女性トレモロ・パルコステラが現れます。
トレモロもネルザンピと同様に“星砦のメンバー”であり、コマリ達の魔核や命を狙って襲撃してきます。
ネリアが戦いながらトレモロを自分に引きつけてくれる間にコマリ達はコレットを連れて逃げますが、そのような中でコレットが自ら“自分の正体や素性“について語り始めます。
コレットはムルナイトが“アルカとの和睦のため”に献上した巫女姫ですが、そのコレット自身が護送中に起きた事故に乗じて逃亡していたのです。
この時にコレットが起こした逃亡が原因で両国の関係性が決裂した上、そのコレット自身も今でもアルカ軍から追われているというわけです。
しかも、コレットを乗せた護送車の事故を引き起こした張本人も実はトレモロであったことまで判明しています。
ちなみにコレットには6年前に別れて”生死不明”となった自分と似た容姿の幼馴染がおり、コレット自身が「ヴィルこそが自分の幼馴染」と強く言い張ります。
ルミエール家が代々、未来予知が可能な「巫女姫の家系」であること、さらにヴィルが自分の烈核解放「パンドラポイズン」によって“未来を見ることが可能である点”も、コレットから幼馴染と強く主張される要因となっています。
それでもヴィルの方はコレットからの言い分を頑なに否定し続けます…。
コマリ達の烈核解放でもトレモロを倒せない?
コレットから自身の正体や素性を聞かされたコマリ達はコレットの故郷であるルミエール村に到着します。
そしてルミエール家まで送ってから村を後にしますが、コレットの村がトレモロの扇動したアルカ兵士たちの襲撃を受けた上、ルミエール家も消し飛ばされてしまいました。
(先の戦闘でコマリ達に倒されたトレモロは”影武者”に過ぎませんでした)
そのような惨状に悲しむコレットですが、側にいたヴィルからは「全ては自身が招いた自業自得」とコレットに対して厳しく言われます。
そのような状況の中、烈核解放を発動させた状態のコマリとネリアが戻ってきます。
2人の剣に加えてヴィルが放った毒で完全にトレモロを追い詰めて倒せるかのように思えた瞬間、完全に予想外な結果で逆に追い詰められてしまいます。
糸使いであるトレモロが使う“名号絃”は確かにコマリたちの剣で全て切られましたが、その切られた糸たちをトレモロがツギハギのように結び直していました。
再び結ばれた名号絃に縛られた上、烈核解放まで解除されたコマリは身体も動かせぬまま地面に墜落させられて重傷を負わされます。
コマリ達の危機をスピカが救う?
思いがけぬ形成逆転により、一気に窮地となったコマリがトレモロのナイフで殺されそうになった瞬間、意外な人物が現れてコマリを救いました。
その人物とは逆さ月のボスであるスピカですが、彼女もまたコマリたちより一足遅れる形で天津覺明やコルネリウスも連れて常世へ到着していたのです。
スピカの乱入はトレモロにとっても誤算であり、この場では彼女の方から退く形でひとまず窮地を脱します。
しかし、ルミエール村がほぼ壊滅状態とされた上、重症を負ったままのコマリもスピカに連れ去られてしまいました。
思わぬ場面でのスピカの乱入はヴィルたちにとっても予想外な事態だったものの、何もできずにコマリを守れなかった悔しさを募らせます。
【9巻のネタバレ】コマリと逆さ月の共闘 | トレモロとの再戦でフーヤオが死亡
スピカの乱入という予想外な展開で連れ去られたコマリですが、その先で無事だったリンズとの再会を果たします。
しかし、再会を喜ぶ間もなくコマリはスピカたち“逆さ月との共闘”という、更に予想外な展開と結末に翻弄されていくのです…。
スピカの目的を知ったコマリが逆さ月との共闘を受け入れる
前巻での窮地からスピカの手で気を失いながら連れ去られたコマリが目を覚まします。
開けた瞳の目前には自分を連れ去ったスピカと、彼女たちによって保護されたために無事だったリンズもいました。
しかもトレモロとの激闘で重傷を負わされていたコマリも手当てされており、身体状態も回復していたのです。
しかし、この場でスピカから「星砦を倒すための共闘」という意外な提案を持ち出されます。
さらにコマリやリンズの周りにはスピカと共に常世に来ていた天津覺明やコルネリウスに加えて、吸血動乱(原作5巻)で死闘を繰り広げたトリフォンまでいました。
コマリやリンズにとって完全に逃げ場すら無い状況の中、コマリは仕方なくスピカからの提案を受けました。
(途中でリンズを連れて逃亡したこともありましたが、結局はすぐに捕まってしまいます)
また、自分たちの共闘を実行するにおいて、スピカの本当の目的まで聞かせられます。
スピカの本当の目的とは「常世を楽園にすること」であり、600年前に別れた友人ナチューリア・ルミエールの封印を解くため、星砦の者たちよりも先に魔核を集めるために動いていました。
ちなみに、スピカの友人であるナチューリアこそが「戦乱を収める方法を知ることができる」とまで言われています。
そのスピカの目的を果たすため、かなり大掛かりな作戦や戦闘に巻き込まれることを勘づいたコマリは不安でいっぱいですが、常世で自分と離れ離れになったヴィルやエステル、そしてネリアも無事であると聞かされたことでひとまずの安堵感も得ます。
一方、同じ常世でもコマリ達とは全く異なる場所に転移させられていたサクナとカルラ、こはるですが、自分たちの前に現れたキルティ・ブランから「カルラの従兄(天津覺明)もユーリンの部下であり、今はスパイのために逆さ月に己の身を置いていること」を、従妹であるカルラにもやっと知らされたのです。
さらにキルティからは「コマリ達が逆さ月と共に鉱山都市ネオプラスに向かっていること」まで教えられたことで、サクナたちもコマリ達と同じ鉱山都市に向かって出発します。
コマリがフーヤオと共にネフティーを襲撃
既に目的の魔核を1つ入手していたスピカ達はコマリとリンズも連れた上で鉱山都市ネオプラスへ向かいます。
ネオプラスは鉱山都市というだけあり“魔核の発掘のための拠点”とされてきた場所です。
コマリとリンズがスピカと共に侵入させられた“星洞”と呼ばれる中心部では“匪獣”という巨大かつ凶暴な魔物までいます。
潜入と同時にさっそく匪獣と遭遇して襲われるコマリたちを助けてくれたのが、スピカ達と別行動を取っていたフーヤオでした。
さらにネオプラスで知事を務めるネフティへの襲撃にも成功したため、フーヤオが自身の烈核解放でネフティの姿になり代わる形でネオプラスの掌握も果たせました。
このように逆さ月との共闘を進めていく中、コマリはスピカの思想や目的について考えながらフーヤオとの親交を少しずつ深め始めていました。
しかし、ネオプラスでの作戦が成功した後、天津覺明からは「スピカに気を許すな」と警告されます。
さらにスピカ達の作戦が成功したのも束の間…
スピカやコマリ達が魔核の採掘を始めた中で地下牢に監禁していた“本物のネフティ”が自力で脱出していた上、彼女の策で起きた爆発によって洞窟を爆破されたことでコマリ達が閉じ込められてしまいます。
トレモロの真の強さや能力も烈核解放だった
ネフティが起こした爆発で閉じ込められたため、コマリとフーヤオが必死に出口を探す中、因縁深い相手であるトレモロが再び立ち塞がってきました。
トレモロとの交戦中、フーヤオの血を飲んだコマリの烈核解放で放たれた光がトレモロの特殊な触手を次々と溶かしていった末、完全に追い詰めながらも尻餅つくトレモロへのトドメまでは差しませんでした。
そのような采配をフーヤオから「甘い」と指摘されたコマリですが、その甘さが災いするかのように気づいた時にはトレモロの“黒い触手”がコマリの腹部を貫いていました。
トレモロの真の強さや能力もまた“烈核解放”であり、倒れたコマリに代わり再びフーヤオが1人で戦いますが、どんなに触手を斬ってもトレモロを倒せません。
そんな状況の中で助けに駆けつけてくれた天津覺明から「トレモロは普通の戦い方では倒せないこと」を教えられたフーヤオが「己の命と死をかけた戦法」を決意します。
そして、洞窟内で確保した魔核と共に倒れたコマリを天津覺明や彼と一緒に来てくれたトリフォンやコルネリウスにも託した上で…
自分の奥の手を出して最後の勝負に出ます。
トレモロとの再戦の果てにフーヤオが死亡
トリフォンやコルネリウスと共に天津覺明もコマリを抱えながら洞窟からの脱出を果たしますが、その先で辿り着いていたサクナやカルラ達とも合流します。
またしてもトレモロからの攻撃で重傷を負ったコマリですが、従兄(天津覺明)からの制止も聞かずに自身の烈核解放を発動したカルラのおかげですぐに意識を取り戻しました。
しかし、1人きりで洞窟内に残ったフーヤオの方は己の命を捨てる覚悟で戦った末にトレモロを倒せた代償として「己の本当の死」を迎えてしまいます。
フーヤオはコマリに自分の頼み事「自分の代わりに邪悪な者たちを倒してほしい」と告げた直後に息を引き取りますが、このような死別を納得できないコマリがカルラの烈核解放でフーヤオの時間を戻してもらいます。
それによってフーヤオの時間は戻り、トレモロ戦でつけられた傷や怪我などもきえましたが、それでもフーヤオが目を開いて生き返ることはありませんでした…。
確かに本作品では戦争などで死亡した後に何度も生き返ることが可能ですが、それにも複数もの制約や限度があります。
さらに例え何度でも生き返れようが「人の根本は心」であり、フーヤオ自身の意志が”生きよう”と思わぬ限り、どんなに有能の回復魔法や烈核解放を用いても生き返ることは不可能なのです。
そのことを強く思い知ったコマリがいつまでもフーヤオの亡き骸を抱きながら涙を流し続けます…。
【10巻のネタバレ】常世編の完結 | コマリ達の処刑・スピカとの別れ
前巻でフーヤオと死別させられたコマリですが、サクナやカルラとの合流を果たせました。
そしてスピカが次の狙いに定めた魔核を入手するため神聖レハイシア帝国に向かいますが、その道中で復活していた“天文台の愚者”に行く手を阻まれます。
さらに捕縛されたコマリ達が処刑される危機に陥る上「スピカとの別れ」という思いがけぬ展開や結末を迎えさせられます。
“天文台の愚者”にはスピカでも敵わない?
前巻での作戦や激闘の末、星砦は拠点を失うことで崩壊しましたが、生前までのトレモロの暗躍によって常世では今でも各地での戦争や争い事が続いています。
サクナやカルラ、そしてスピカを始めとした逆さ月の者たちと神聖レハイシア帝国に向かう中でキャンプを楽しむ中で、リウ・ルクシュミオが現れた上、攻撃まで仕掛けてきます。
ルクシュミオはスピカが600年前に敵対関係にあった“天文台の愚者の1人”であり、現世(第一世界)で起きた“柳華刀の崩壊(原作7巻)”が原因で復活していました。
ルクシュミオは「現世(第一世界)の繁栄と秩序の維持」という目的のため“常世の平和を乱す悪の象徴”と捉えた「コマリとスピカを処分するため」に容赦なく攻撃を仕掛けてきます。
第一世界では最強クラス級の強さを誇るスピカでもルクシュミオが使う“特級神具”の前では手も足も出ないまま、攻撃もできぬまま押される一方です。
そんな状況の中、サクナやコルネリウスの奮闘によって、この場では何とか逃げ切りますが、その後にはルクシュミオの扇動によりコマリとスピカが“テロリスト”という名目で指名手配されてしまいました。
コマリ達の人質作戦が失敗して処刑の危機に
レハイシアの食堂に到着したコマリ達はルミエール村で離れ離れとなっていたヴィルやネリア、エステルとの再会を果たします。
(コマリ達が目指していたレハイシアは村の手前にありました)
念願の再会を果たした後、コマリ達はスピカが立てた作戦の実行に移ります。
レハイシアの魔核は神聖教の教皇であるクレメソス504世が持っており、彼女を人質にして尖塔に立てこもった上で「残りの魔核も差し出せ」と声明を出します。
しかし、尖塔自体をルクシュミオに強行突破された上、自分の力を封じられていたコマリやスピカは抵抗できぬまま捕えられてしまいます。
さらに数日間の監禁生活を送らされた後、民衆たちの前での“公開処刑”まで決行されますが、間一髪で間に合ったネリア達に救出されたおかげで助かります。
スピカが塔の封印を解除 | ルクシュミオとの最終戦へ突入
ルクシュミオによる公開処刑から逃れた後、スピカはネリアがユーリンから託されていた2つとプロへリヤか回収していた1つ、そしてクレメソス504世が所持していた1つを譲渡されたことにより“6つの魔核”を揃えました。
そしてスピカが神殺しの塔の封印を解きますが、その解除が原因で星砦の手に落ちて地獄と化した“第三世界”から瘴気の獣とされる大勢の匪獣たちが一斉に常世へと送り込まれてしまう事態に陥ります。
さらに、コマリ達を追って塔に辿り着いたルクシュミオがその瘴気を自身の身に集めたことでさらに強化されてしまいます。
特級神具だげでも厄介なのに瘴気での強化まで果たしたルクシュミオとの最終戦に臨むコマリ達ですが、やはり敵うはずもありません。
さらに交戦中の最中、ルクシュミオによって神殺しの塔を破壊されたことにより「第三世界につながる大穴」まで出現したのです。
スピカとコマリたちの共闘でルクシュミオを倒すが…?
コマリと協力して戦うスピカが自分の烈核解放「パラドックスオラクル」を発動させながらルクシュミオにしがみつきます。
スピカの烈核解放を発動させるためには「犠牲が必要」という制約があり、スピカはその条件となる犠牲に“自分自身”を選んだ上でルクシュミオを道連れにしながら大穴へと落ちていきました。
スピカ自身も「自分の血が友人(ナチューリア)へ届けばいい」と強い決意と覚悟をもっての行動だったのです。
落下する大穴の中で烈核解放を発動したスピカにしがみつかれたルクシュミオは瘴気での強化後に最終形態にまで進化させた”殲滅外装04″のコントロールすら出来ない状態にまで追い詰められます。
そんな状態となったルクシュミオにしがみついたままのスピカを何故かコマリとヴィルも追うように自ら大穴の中に落ちてきます。
このように落下する中、コマリの烈核解放とヴィルのクナイでの攻撃がルクシュミオに命中して倒すことに成功しました。
スピカと別れた後、コマリ達も自分の世界へ帰還する
ルクシュミオを倒せたコマリ達ですが自分たちが大穴の中で落ち続けている状況は変わりません。
そんな状況の中、スピカが自分の周囲に浮かんでいる”6つの魔核”に対して“4つの願い”を告げ始めます。
スピカが魔核に告げた4つの願いとは「地獄への大穴を塞ぐこと」「現世と常世を繋ぐ門を創ること」「コマリ達を現世に帰らせること」「自分(スピカ)を友人(ナチューリア)の元へ導くこと」でした。
それでもコマリは必死にスピカを助けようとし続けますが、スピカからは“コマリの今後の役目“を勝手に押しつけられた上でスピカの方から消えていってしまいました。
スピカからの話ではこれからの常世が神聖教主導で統一されていくこと、そのトップに立つのがクレメソス504世となるものの誰かが彼女を支えていかなければいけないけないことを教えられます。
そして、そのクレメソス504世を支える者たちが必要であり、その役目をコマリと自分の部下たち(逆さ月)にさせると言うのです。
しかし、スピカからの「また会おうぜー!」というひとまずの別れ言葉を告げられた直後、コマリ達に見えたのはかつて年明けの旅行(原作6巻)で訪れていた温泉街フレジールの景色でした。
そう、コマリとヴィル達はスピカから強制された役目(クレメソス504世を支えること)を果たす間もなく、自分たちが生まれ育った現世(第一世界)へと強制送還されました。
ちなみに大穴に落ちなかった天津覺明やトリフォン、コルネリウスがスピカから託された役目を果たすように、レハイシア帝国に残って「クレメソス504世のサポート」を始めます。
【11巻のネタバレ】リオーナからの挑戦状 | サクナが帝都の失踪事件に挑む
常世での戦いからムルナイト帝国に戻ってきたコマリ達を待っていたのは、皆が穏やかに暮らせる日常などではありませんでした。
リオーナからの挑戦状で再び六国でのエンタメ戦争に駆り出される上、天子としての仕事に加えて教皇の来訪など、これまで以上の多忙さがコマリに降りかかってきます。
そんな中、帝都では人々が行方不明になる事件が発生まで発生しており、サクナも思いがけぬ危機に陥ります。
リオーナとの戦争でコマリ達が敗北する
リオーナから叩きつけられた挑戦状で開幕したエンタメ戦争…
常世で戦い続けたコマリにとっては久々となるエンタメ戦争となりますが、もちろん本人にはやる気などなく、当日になっても行きたくない思いをヴィルに喚いて縋ります。
しかし、七紅天の将軍であるコマリに拒否権などあるはずもなく戦場へと駆り出されました。
今回のエンタメ戦争ではリオーナ率いるラペリコ王国と“3チーム編成”で戦うこととなり、ムルナイト側はコマリ軍(第7部隊)とフレーテ軍(第2部隊)、デルピュネー軍(第4部隊)というチームで臨みます。
リオーナが強敵とはいえ、戦力差だけにおいてはコマリたちムルナイト側の勝率が高かったものの…
入念な準備を続けていたリオーナが仕掛けてきた「自害覚悟の騙し討ち作戦」に見事かかったため、フレーテ軍とデルピュネー軍がアッサリと全滅させられるという完全に予想外な戦況となりました。
さらに残ったコマリ軍にもリオーナ軍が容赦なく攻め込んできますが、リオーナ達からの攻撃が放たれる寸前に「決着の合図」が響いたため、コマリが戦わされないまま「リオーナたちラペリコ側の勝利」という結果で終わります。
今回の戦争では「先に2チーム全滅した側の負け」というルールが敷かれており、国やチームとしては敗北しましたが“コマリ自身の敗北”は運良く免れたわけです。
リンズとの職務中にサクナも乱入
リオーナ達とのエンタメ戦争が終わった後にはリンズの父親(イージュ)から届いてきた手紙により、ヴィルを連れて夭仙郷を訪れます。
父親からの手紙に書かれていた内容とは仕事の依頼であり「コマリが“天子”となって夭仙郷をまとめてほしい」というものでした。
しかし仕事らしい仕事をすることなく、リンズとのトランプ遊びに興じる上、メイファから背中を強く押されていたリンズがコマリへの口づけまで実行しようとしますが、その瞬間…
ヴィルからの報せを受けて向かってきていたサクナも到着します。
“閣下Tシャツ”を着て怒りの表情を露わに出すサクナから容赦なく責められるリンズを必死に庇うコマリですが、話はサクナが着ているTシャツを巡っておかしな方向へと進んでしまいます。
それでも3日後には「夭仙郷の魔核の問題が少しずつ解決し始めている状況」へと好転していました。
他の国からの協力を仰ぐことで“神仙種たちを別の魔核に登録する政策”が始まっており、それはムルナイト帝国を始めとした他の六国が賛同してくれたためであること、更に夭仙郷の民からも高い人気を誇るコマリが天子になってくれた影響力がとても強かったためです。
テラコマリが教皇クレメソス504世の先生に?
常世での死闘後、正式に神聖レハイシア帝国の教皇として国を治めることとなったクレメソス504世ですが、自分が考えついて発案した「娯楽の増加」を逆さ月の3人からことごとく却下されることで落ち込みます。
そんなクレメソスのために天津覺明が自身の能力を使って、テラコマリたちのいる現世へと行けるようにしてくれました。
さっそく現世を訪れたクレメソスを真っ先に歓迎してくれたのはネリアとカルラですが、クレメソスから「逆さ月の者たちを従わせる方法」を質問されます。
さらに、その後に再会したコマリやヴィルの力も借り、一緒に帰宅した直後にコルネリウスの秘密(官能小説を書くこと)を盾に脅迫します。
脅迫などで臣下たちとの良好な関係を築けるわけではありませんが…
それでも以前までよりはクレメソスと逆さ月の関係性が少しは改善される結果でした。
さらにコマリがクレメソスから「先生」と呼ばれるようになります。
サクナが元・上官(メイジー)と再会
いつものように朝早くから自室に飾ってある大量のコマリ写真に挨拶しながら”コマリ成分”を摂取するサクナの前に、自分の元・上官であるメイジー・ベリーチェイスが現れます。
元々は第6部隊の隊長としてサクナたちを指揮していたメイジーですが、自分たちが参戦したエンタメ戦争の最中、サクナが放った攻撃魔法がたまたまあたって爆殺された事での下剋上により、復活後からはヘルデウスの管理する教会で働いていました。
しかし、ヘルデウスからの依頼を受けて「サクナの監督役」として第六部隊隊に復帰してきました。
(メイジーは漫画版から逆輸入されてきたキャラクターであり、漫画版の方では第1話の時点で描かれています)
また同じ頃、ムルナイト宮殿では七紅天が集まり、帝国内で起き始めている“連続失踪事件”についての会議が始まっていました。
その会議の最中、サクナの心にヌーナからの通信が入りますが…
ヌーナを始めとしたヘブン教会の子供たちが、かつて第6部隊に所属していた男性・ガレットの手で人質に取られていることを知らされます。
サクナが元・上官(メイジー)と共に失踪事件の犯人を倒すが?
ヘブン教会の子供たちを人質に取った上で、サクナに対して「1人で廃城に来るように」と命じてきたガレットですが、彼は自分が狙い続けてきた“第6部隊隊長の座”をサクナに奪われたことに対する恨みを抱いていました。
そして自分の前に現れたサクナに対して、子供たちを人質に取りながら暴言を続けますが、同行してくれていたメイジーの特級貯古魔法「メルトダウン」による援助も得ながらガレットを倒して子供たちの救出に成功しました。
これまでに起きていた失踪事件にガレットも加担していたものの、彼はあくまでも利用されていただけの”かませ犬”に過ぎません。
帝国内で起き始めていた失踪事件の首謀者はルクシュミオと同じ“天文台の愚者”でした。
ガレットに力を貸してくれていた少女ララ・ダガーは天文台の愚者01であり、ルクシュミオと違って単独ではなく同じ愚者の仲間たちとの連携で動いていたのです。
しかも愚者たちは帝国内での失踪事件と同時に“プロへリヤ暗殺の計画”まで進めていました。
さらに、帝国内では“ミリセントの失踪”と同時に七紅天の命まで狙われ始めます…。
【12巻のネタバレ】帝国VS愚者の戦争が勃発 | ミリセント失踪の理由や目的とは
前巻で起きた失踪事件を解決したサクナたちですが、それはまだ前哨戦に過ぎず、この巻で複数人もの愚者たちが襲撃してきたことにより「帝国VS愚者の戦争」が本格的に始まります。
その一方で、ミリセントが失踪していた理由や“真の目的”も、ついに明かされます。
コマリ軍と愚者たちの激闘
天文台の愚者たちが起こした失踪事件により七紅天会議が開催されますが、今回は白極連邦の将軍(六棟梁)であるプロへリヤも出席する形で始まります。
フレーテとプロへリヤによる口論が激化する中、カレン皇帝から「ミリセントが壊滅外装を持ち出したまま失踪したこと」が1番の問題として取り上げられました。
そんな中でも天文台の愚者たちが帝国のレストランに集結した上で次の計画を着々と進めており、前巻でガレットを程よく利用していた01のララが他4人を指揮するリーダー的存在として動いています。
01(ララ)と共に行動する愚者は02(ルーミン・カガミ)と03(ニタ・カイテン)、05(ワドリャ・レスコーフ)と06(ツキ・ランスパート)の4人です。
また、表面上では冷静に振る舞うララですが、先にミリセントからの襲撃に遭った上、ルクシュミオが利用していた壊滅外装04を奪われたことにより内心では気が立っています。
しかし愚者たちが集まるレストラン内にカオステルを始めとしたコマリの部下たちも入店してきたことで一触即発…
すぐに大激戦へと発展します。
ミリセントと天津覺明、師弟同士の再会と確執
“コマリたち七紅天の会議”や”部下たちと愚者たちの激闘”が勃発した中、ミリセントの自宅にかつての師匠・天津覺明が訪れます。
この再会時に天津覺明から「ミリセントの先生となった理由」や「ブルーナイト家を国外追放した張本人が自分(天津覺明)であること」をミリセントに話して驚かせます。
天津覺明が知る1年後の未来では、ミリセントのブルーナイト家がやがでコマリのガンデスブラッド家に反旗を翻すこと、それが原因で「コマリがスピカに倒されて死亡する結末」を迎えてしまうのです。
即ち、天津覺明がミリセントの先生として雇われたのも「ブルーナイト家への潜入調査」が真の目的でしたが、自分の弟子(ミリセント)本人に話して明かしたのは、これが初めてとなります。
2人の会話がそこまで進んだ時にはコマリもサクナ達と一緒にブルーナイト家へと向かっていましたが…
コマリ達が到着した時にはミリセントが放った魔弾をまともに受けて「重傷を負いながら倒れた天津覺明の姿」がありました。
重傷を負ったものの一命を天津覺明は、従妹のカルラに看病されながら安静に過ごします。
しかし、その倒れた天津覺明の側にいたミリセントはコマリからの質問に答えぬまま去ってしまいました。
カレン皇帝も参戦 | コマリたちが妹(ロロッコ)を救出
結局ミリセントから失踪の理由や目的を聞けぬまま逃げられてしまったコマリ達ですが、翌日にはコマリ達を震撼させる事件まで起きてしまいます。
それはカレン皇帝に送られてきた“天文台からの脅迫状”であり、ロロッコとドヴァーニャが「愚者たちの人質」として捕まってしまったのです。
さらに2人が両手足を縛られた状態の写真まで同封されていた上、天文台からは「ミリセントの引き渡し」という要求までされていることでコマリは更に混乱させられます。
それでもヴィルが通信用鉱石で“愚者たの居場所”を突き止めたことで、さっそく2人の救出に向かいます。
さらにコマリ達がロロッコ達の救出に向かう中で他の七紅天たちも愚者との戦闘を繰り広げていました。
サクナとヘルデウスの共闘により06(ツキ)を倒した上、リンズと共にいたカレン皇帝も05(ワドリャ)からの攻撃を喰らっても全くダメージを受けずに(ドレスは破れたものの)倒してしまいます。
そして2人の人質の側にいた02(ルーミン)もコマリが発動した烈核解放での攻撃から退き、ヴィルとプロへリヤに拘束を解いてもらえたことでロロッコとドヴァーニャも無事に救出されました。
ここまでの時点で愚者5人のうち3人を捕縛することに成功し、ひとまずの休息を迎えられたのも束の間…
コマリはヴィルも連れた上で宮殿へ向かいます。
そう、今度はコマリ自身がミリセントからの呼び出しを受けていたのです。
ミリセント失踪の理由が判明すると同時に天文台の襲撃が始まる
コマリ達よりも先に宮殿で待ち受けていたミリセントから「明日の夜に天文台が攻めてくること」を聞かされただけで、またもや逃げ去られますが、翌日の夕方に再び七紅天会議が始まります。
この時点で02(ルーミン)と03(ニタ)の居場所をまだ突き止められていない上、長らく失踪していたミリセントがさも普通の表情で会議に出席しているのとをフレーテから強く問い詰められます。
実はミリセントが失踪していた理由とは「カレン皇帝からの指示」であり、ミリセントはカレンから預けられていた”刻”をエサにする形で「天文台の愚者たちをおびき寄せる役割」をこなしていただけに過ぎません。
そのように話し合う中、昨晩のミリセントの言葉通り本当に天文台の愚者2人が襲撃を開始した上、監禁から逃れていた05(ワドリャ)も加わって殲滅外装05「砕」を発動したことにより天地を揺るがす程の大衝撃を起こします。
ミリセントの血を飲んだコマリが愚者たちを壊滅させる
愚者たちの容赦ない攻撃が開始された中、カレン皇帝は自身の魔力が尽きていたため、愚者たちの殲滅をコマリたち七紅天に託します。
フレーテやデルピュネーに続いてコマリやサクナも出撃しようとする中、ミリセントがいきなり自分の血をコマリに飲ませることで烈核解放を発動させました。
愚者たちの殲滅外装が常識外れな威力や性能を誇ろうとも烈核解放を発動したコマリの前では全く歯が立たず、ルーミンの右腕を犠牲にしながら退却していきます。
逃亡した先の天文台にはララもいましたが…
ルーミンたちが逃れたはずのコマリも追ってきており、愚者たちの目前にいました。
さらに烈核解放を発動したままのコマリが放つ絶大な攻撃魔法の一撃だけでララたち愚者を倒してしまうのです。
ミリセントが自身の目的(復讐と再興)を果たす
コマリたちの活躍で愚者たちを退けることには成功しましたが、彼女たちの知らぬ場所でミリセントがペトローズと共に暗躍した上で「自分の目的(復讐と再興)」を果たしてしまいます。
まず1つ目の復讐においては先の「天津覺明への攻撃」で果たしており、もう1つの目的である「ブルーナイト家の再興」もまた、ペトローズからの入れ知恵で実現したことになります。
コマリたちがララやルーミンとの死闘を繰り広げている最中、入念な準備を進めてしたミリセントが自らの手でカレン皇帝を殺害してしまっていたのです。
再興においてはカレン皇帝の権力でもどうにもならず、ムルナイト帝国らしいやり方(下剋上)で果たすように言われていました。
そのため、ミリセントもまた皇帝や帝国のモットーに従ったに過ぎず、その場にいたペトローズもカレンの死体を見ながら高笑いを始めます。
ここまでの行動でミリセントの望み通りにブルーナイト家が再び爵位を取り戻すこととなりますが、側にいたペトローズから今度は「皇帝をやってみないか?」という話を持ちかけられていました。
【13巻のネタバレ】プロへリヤとのエンタメ戦争 | 白銀革命の末に迎えた結末とは
前巻で天文台の愚者たちを倒せたコマリ達にプロへリヤからの呼び出しがかかり、今度は「白極連邦とのエンタメ戦争」を強いられます。
プロへリヤは今回のエンタメ戦争を以て自身が進めてきた「白銀革命の完遂」を目指しますが…
あまりにも意外な戦況および衝撃的な結末を迎えることとなります。
プロへリヤからの挑戦状で白極連邦とのエンタメ戦争が勃発
プロへリヤからの挑戦状が届けられたコマリ達が白極連邦統括府を訪れますが、他国のネリアとカルラ、リンズやリオーナも同じように呼び出されていたため、コマリも含めた六戦姫が一堂に集まる状況となりました。
さらに、このように集まる前には「イグナート書記長の逮捕」という事件を六国新聞で知った上、プロへリヤと同じ六棟梁で“琥珀王子”とも呼ばれる青年アレクサンドル・アルケミーまで現れるなど、白極連邦の状況はかなり緊迫している様子です。
そのような状況の中で姿を現したプロへリヤから「白銀革命を完遂するためのエンタメ戦争」を提案された上で勃発します。
今回のエンタメ戦争は「北軍(プロへリヤたち白極連邦)VS南軍(コマリ達の軍)」という構成となり、厳正なくじ引きの結果、3つのタームに分けられました。
第1タームが「コマリ達第7部隊とリンズの夭仙郷」
第2タームが「ネリア達アルカ共和国とカルラたち天照楽土」
第3タームが「リオーナのラペリコ王国とサクナたち第6部隊」
以上の3ターム全てとプロへリヤたち白極連邦が戦い、3タームとも倒すことで「白銀革命の完遂」および「六国の統括権を白極連邦が得る」という仕組みです。
意外な敗北でコマリたちがプロへリヤのメイドに?
まずは第1タームである「コマリたち第7部隊とリンズの夭仙郷」がプロへリヤたちとの戦争に臨みますが、あまりにも意外な形で敗北させられてしまいました。
アレクサンドルがコマリ達に容赦なく攻撃してくる中でもヴィルの血を飲み烈核解放まで発動した上で強力なバリアを張って防ぐも空しく、白極連邦が数日前からの準備で仕込んでいた大きな雪崩が襲いかかります。
しかも雪崩と同時に降りかかるアレクサンドルの錬金魔法で作られた“黄金の礫”をリンズがコマリを庇うように一身に受けて重傷を負い、もはや戦闘続行が不可能な状態となってしまったためです。
自分たちの敗北でコマリとリンズが「プロへリヤのメイド」として働かなくてはならない状況とされた上”2人がメイド姿でプロへリヤに従わされる姿”をTV中継までされてしまったのです。
さらに続く第2タームのネリアとカルラもプロへリヤが入念に練っていた作戦にかかって敗北したため、彼女たちもコマリやリンズと同じメイド姿にさせられます。
サクナの新たな能力がプロへリヤ達を倒す?
残る第3タームとなるサクナとリオーナがアレクサンドルと交戦する中、プロへリヤ隊にも異変が起き始めます。
サクナの烈核解放で遠方から操れられたプロへリヤの部下たちが同士討ちを始めてしまったことにより、プロへリヤ隊の兵士たちが半分以下に減少します。
さらにサクナ達を倒そうと躍起になって攻めるアレクサンドルの足を第6部隊に復帰してサクナ達と共に参戦していたメイジーがチョコの魔法で止めてしまいます。
それでも自身の錬金魔法でメイジーにかけられた魔法を無効化しながらリオーナの拳をも絡め取ったアレクサンドルですが、サクナの巨大スティックでの打撃を喰らうことで重傷を負わされた挙句、さらに続く物理攻撃で吹っ飛ばされます。
そのアレクサンドルを助けたのが仲間たちを救うために駆けつけていたプロへリヤであり、この時点で選手交代となりました。
ここからはサクナとプロへリヤによる一騎討ちとなりますが、この瞬間にサクナが新たに得ていた能力「時殺しの魔眼」を発動し、空中に浮いているプロへリヤの部下たちを一瞬で消し去ってしまいます。
サクナの魔眼は逆さ月のコルネリウスに作ってもらっていた強力な義眼であり、彼女からの話では「発動させれば、どんな敵も倒せる」と言われていた程に絶大すぎる威力を見せつけました。
それはプロへリヤも例外ではなく、部下たちと一緒にサクナの魔眼の能力を喰らった彼女の姿も消えていました…。
新たに得た強力な魔眼でプロへリヤを倒すことに成功したサクナですが、プロへリヤはまだ自分の副官(ピトリエ)と共にかろうじて生き延びていました。
プロへリヤはサクナの魔眼から発射された冷凍光線があたる寸前に自身で発動した障壁魔法のおかげで一命を取り留めていたのです。
しかし障壁魔法でもサクナの攻撃を完全に防げたわけでなく、ピトリエを庇った上で自ら喰らったプロへリヤも脇腹を完全に抉られたために出血多量で、もはや戦う力など残っていない状態です。
プロへリヤが烈核解放が発動した後に死亡する?
出血多量の重傷で半身がほぼ機能しない状態でありながらも立ち上がったプロへリヤがピトリエからの制止もきかずに自身の烈核解放を発動します。
プロへリヤの烈核解放「春望のプレリュード」はコマリの「孤虹の恤(ここうのとむらい)」にも対抗できる究極奥義ですが、発動した直後に「戦争終了の空砲」が青空に鳴り響きます。
プロへリヤが烈核解放を発動した同じタイミングでリオーナがアレクサンドルを倒していたのです。
それにより、最終戦は「サクナとリオーナの勝利」で幕を閉じ、プロへリヤの白銀革命は実現しないまま終わりました。
しかし、その直後にコマリたちは烈核解放を使った反動で「死亡したように倒れているプロへリヤの姿」を目の当たりにします。
ピトリエからの話ではプロへリヤが姉から分け与えられていた寿命が3ヶ月しかなかった上、烈核解放を発動させた代償により、ただで少ない期間の寿命が「あと1週間のみ」にまで減少したことを聞かされます。
『ひきこまり吸血鬼』13巻や14巻の発売日はいつ?
ここでは『ひきこまり吸血鬼』13巻や14巻の発売日について解説および予想していきたいと思います。
発売日 | 次巻発売までにかかった期間 | |
14巻 | 2024年8月(予想) | 5ヶ月(予想) |
13巻 | 2024年3月15日 | 5ヶ月 |
12巻 | 2023年10月12日 | 5ヶ月 |
11巻 | 2023年5月11日 | 4ヶ月 |
10巻 | 2023年1月13日 | 3ヶ月 |
9巻 | 2022年10月13日 | 5ヶ月 |
8巻 | 2022年5月12日 | 4ヶ月 |
7巻 | 2022年1月13日 | 4ヶ月 |
6巻 | 2021年9月13日 | 4ヶ月 |
5巻 | 2021年5月12日 | 4ヶ月 |
4巻 | 2021年1月13日 | 4ヶ月 |
3巻 | 2020年9月10日 | 4ヶ月 |
2巻 | 2020年5月13日 | 4ヶ月 |
1巻 | 2020年1月10日 |
13巻では“ドラマCD付き特装版”も発売される関係もあり、12巻の発売日から間隔が少し長く感じられるかもしれません。
それでもアニメ1期の時点では後半からの登場となったネリアやアマツ・カルラの声も存分に堪能できる特典は、ファンにとっては充分に美味しい内容となるはずです。
そのため、次の14巻では再び通常版のみでの発売になるかと思いますが、これまでの巻と同じく4〜5ヶ月後辺りに発売される可能性が高いと思われます。
『ひきこまり吸血鬼』最終話や結末を予想
最後は『ひきこまり吸血鬼』最終話や終盤で迎える結末について予想してみます。
コマリは最終話までに母親(ユーリン)と再会できる?
5巻や6巻の時点で「母親(ユーリン)の生存」を確信できたコマリですが、常世での戦い(8〜10巻)の中でも母親との再会までは叶わずに帰国しています。
母親との再会を果たす方法が本当に「世界を1つにするしかない」しかない以上、やはりコマリの手でその方法を実現するしかありません。
本編のストーリーそのものがまだまだ完結する気配を見せていない現状ですが、それでも最終的には思いがけぬ形や展開で母親との再会を実現させることでしょう。
しかし、コマリ親子の再会が完全なハッピーエンドで終われる保障もありません。
一度は劇的な再会を果たせた後に、コマリと敵対した組織(夕星など)の者の手で母親(ユーリン)を殺されて死別させられる結末を迎えさせられる可能性もまた、ゼロとは言い切れないのです。
最終的にコマリと結ばれる結婚相手とは?
コマリが複数の女性キャラ達との“百合関係”を築いていく点も本作品の魅力となりますが、1巻目から追い続けているファンにとって最も気になる点とは、やはり「コマリが最終的に誰と結ばれて結婚するのか?」という点でしょう。
それでも、最終的にはヴィルヘイズこそが「コマリの結婚相手」になる可能性が高いです。
コマリからの視点で見るとサクナは妹的な存在であり、ネリアは逆にお姉さん的な立ち位置となります。
さらにお互いの弱さや境遇で共感したカルラとは、あくまでも”友情関係”に落ちついています。
このように仲間キャラ達との関係性から消去法を用いて考えてみた結果、やはり「ストーリー開始時から親密な関係性を築いてきたヴィルヘイズ」という答えに落ちついてしまいます。
コマリも始めはヴィルのことを”変態メイド”などと言いながら避けがちでしたが、幾多もの戦いでお互いに助け合ってきた(日常ではヴィルの方が何度もコマリを助け続けてきました)2人だからこそ、今では誰もが断ち切れない“女同士の強い絆“で結ばれているはずです。
さらに、アニメ円盤の店舗別特典(タペストリー等)でも「コマリとヴィルのツーショット」による描き下ろしイラストがメインな上、アニメイトでの全巻購入特典では「2人のウェディングドレス姿」となっていますからね。
特典イラストに対しては、あくまでも「ヴィルの理想的な光景を絵にしただけ」と捉えるファンも多いかと思いますが…
それでも、ヴィル以上に「コマリとのツーショットが似合う女性キャラ」が意外といないですからね。
まとめ
今回は『ひきこまり吸血鬼』原作小説のストーリー内容をネタバレしながら紹介しました。
常世編までの時点でついに10巻目を越えたことにより長編作品の仲間入りを果たした本作品ですが、今後は新巻の発売と共に最新巻のストーリー内容も追記しながら紹介していきたいと思います。
「小説家」や「母親(ユーリン)との再会」など、まだまだ多くの目標や目的に加えて様々な試練がコマリにのしかかってきますが、これからも仲間たちとの協力も得ながら何とか頑張り続けてほしいですよね。
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