エヴァンゲリオンは1995年10月4日から放送されたアニメで、当時深夜アニメとして人気を出しました。
そして、「エヴァ現象」といった社会現象になったと当時の人は覚えている方多いのではないでしょうか。
特に話題に上がったのは「人類補完計画」。
また、2007年にリビルド(再構築)されたシリーズ、ヱヴァンゲリヲンシリーズが映画にて公開されるようになりました。
そんな、息の長いエヴァンゲリオンシリーズが2021年3月8日に『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』が映画で公開されることで終わりを迎えました。
そこで、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』でお子供から大人になったシンジ、そして、チャッチコピーの「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」はどういう意味だったのか劇中の内容をもとに感想を述べたいと思います。
※ネタバレ含みますのでご注意ください。
最後の終わり方が意味深すぎて眠れない
目次
シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇の感想
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』は、新劇場版4作品目でこれでエヴァンゲリオンは終わりだという声がよく聞こえました。
ファンとしてもちょっと寂しいところがありますが、私個人がエヴァンゲリオンのTVシリーズ・旧劇と新劇場版を見た感想を以下のように述べていきたいと思います。
- 何故シン・エヴァンゲリオンに変更したのか
- 敵も味方もエヴァンゲリオン
- 敵がNERV
- エヴァンゲリオン初号機だけが改造されない謎
- ラストで語られたカップリングの意味
- 人類補完計画の意味とは
- 『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』は最後なのか
こちらの順番でこれから詳しく説明します。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』は公開初日から各劇場で盛り上がっているよね
何故シン・エヴァンゲリオンに変更したのか
新劇場版のタイトルは以下のように変更されています。
- 1作目 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
- 2作目 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
- 3作目 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
そして、序はTVシリーズ・旧劇のヤシマ作戦まで公開されており、破で「ニアサード・インパクト」を起こす前まではほぼTVシリーズ・旧劇と同じ(使徒の名前や順番などは大幅に変更されています)です。
ただ、その後世界観が大きく変わり、Qからは14年後の世界となっています。
そのため、TVシリーズ・旧劇の世界線からは大きく外れてしまった世界線になります。
これで、今までの世界線からは抜けたということになります。
ただ、エヴァパイロットは年齢だけ増えて、身体の変化はありませんでした。
そして、完結編のタイトルが以下になります。
- 4作目 シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇
TVシリーズは『新世紀エヴァンゲリオン』がタイトルです。
こちらからすると、新世紀の「新」と、新劇場版の「劇場版」が合体したように思えます。
もちろん、こちらは実際に映画を見て思ったのですが、最後にシンジはアスカ、レイ、カヲルといった重要人物の記憶を書き換えエヴァンゲリオンがいない世界を作り上げます。
つまりネオン・ジェネシス(新世紀)になります。
そのため、今回完結編で2つの世界線の完成品を作ったのではないかと感じています。
エヴァンゲリオンファンとしては、TVシリーズ・旧劇と新劇場版の流れは1つの可能性と考えていて、どの世界線もありえた未来と考えています。
ではどうしたら綺麗に追われるかというとTVシリーズ・旧劇と新劇場版を最後に綺麗にまとめ上げるしかないと思っています。
正直、映画を見るまでは何故、4作目からシン・エヴァンゲリオンにしたのか疑問だったのですが、実際に映画を見てからは納得する部分が多かったです。
タイトルの作り方が意味深でなかなか真意を掴めないよね
敵も味方もエヴァンゲリオン
「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」というチャッチコピーを見て、最初はとりあえず最後だから、違和感のない物を選んだのかなと思いましたが、14年後の世界『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』から使徒を見ないなと思っていました。
そして、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に登場した使徒は第13使徒まで、しかも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』ではカヲルがゲンドウの罠にはまったことで第13使徒になるのですが、最後は「DSSチョーカー」が起動して亡くなってしまいます。
つまり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の時点で使徒はほぼいなくなっています。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』からは使徒は単体として出現することはなく、エヴァのパイロットの体内にいたりと今までの使徒の考えが変わっている世界でした。
そのため、純粋にエヴァンゲリオンVSエヴァンゲリオンの世界ができあがったということになります。
使徒がいなくなったのはエヴァンゲリオンだけにするため!?
劇中でタイトルコール!?
今回、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を見る前に思ったのが、これで「最後じゃないだろう」というエヴァファンとしての想いがありました。
しかし、これで最後と感じたのは、終盤のシンジとレイの会話中に『新世紀エヴァンゲリオン』〜『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のタイトルが流れたことです。
もちろん、私はこんなシーンがあるとは思わなかったので思わず涙しました。
今まで、待っていた分今回の最新作への想いは募りましたが、タイトルコールで解放された気がしました。
本当に終わりだなと感じながらも、お疲れ様といいたくなるシーンですね。
敵がNERV
私は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』から、何故NERVが敵になったのかという疑問です。
ミサトもシンジも全てNERVでエヴァンゲリオンを使って街の平和を守っていました。
しかし、新劇場版からは関係性が大きく変わり、NERVが敵になりました。
今回、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を見て思ったのは全て、ゲンドウのユイに会いたいという想いにみんな振り回されていたことです。
しかも知っているのは当時研究所にいた冬月。
最後まで冬月とゲンドウが一緒なのは目的が同じだからと思っていますが、この時本当に止めないといけないのはNERVとミサトは感じたのではないでしょうか。
特にミサトは「ニアサード・インパクト」時に加持リョウジをなくしていますので、余計に想いが強くなったのだと思います。
これは「ニアサード・インパクト」が起こってからシンジがサルベージされるまでの空白の14年間がキーポイントですね。
まさかNERVが敵になるなんて
ヤマト作戦
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』の要といってもいい「ヤマト作戦」ですが、最大の目的はエヴァンゲリオン第13号機の無力化です。
ゲンドウが、「フォース・インパクト」をエヴァンゲリオン第13号機を使って行おうとしていたので、作戦を止めるために無力化を目指しているみたいです。
もともとエヴァンゲリオン第13号機は強すぎる機体なので破壊が難しいと考えたらしく、強制信号停止プラグを打ち込むことで二度と動くことができないようにしたかったみたいです。
ただ、結果からいうとヤマト作戦は失敗に終わります。
もともとゲンドウはシキナミシリーズを生贄のために作ったようで、NERVまで来てくれることを待っていたみたいです。
実際に映画を見た私の感想ですが、全てゲンドウの計画通りだったのではと考えています。
用意周到に冬月が乗ったNERV4番艦が戦線に出てきますし、オリジナルのアスカに必ずクローンのアスカが会いに来ると思っていたのでしょうか。
正直、NERVが敵というだけでも驚いたのですが、さらにミサトが組織を作って戦いをするとは思わなかったです。
エヴァンゲリオン初号機だけが改造されない謎
エヴァンゲリオン初号機は、TV・旧劇シリーズ、そして新劇場版とほぼデザインは変わっていません。
しかし、エヴァンゲリオン零号機とエヴァンゲリオン弐号機は、TV・旧劇シリーズ、そして新劇場版で大きな変更がされています。
例えば、エヴァンゲリオン零号機とエヴァンゲリオン弐号機は以下のように変更が行われています。
エヴァンゲリオン零号機
TVシリーズ・劇場版
- エヴァンゲリオン零号機
- エヴァンゲリオン零号機改
新劇場版
- エヴァンゲリオン零号機
- エヴァンゲリオンMark.09
エヴァンゲリオン弐号機
TVシリーズ・劇場版
- エヴァンゲリオン弐号機
新劇場版
- エヴァンゲリオン2号機
- エヴァンゲリオン改2号機β / γ
- エヴァンゲリオン新2号機α
しかし、エヴァンゲリオン初号機だけは改造が行われませんでした。
もともと、強いからという理由もありそうですが、個人的にはファイナルなので、『エヴァンゲリオン ANIMA』に出てくる「エヴァンゲリオン最終号機」が出て欲しかったかなと思いました。
ただ、エヴァンゲリオン第13号機(エヴァンゲリオン初号機に似た機体)が登場したので結構満足しています。
そして、エヴァンゲリオン初号機が改造されなかった理由ですが、私が思うに「父と子」の対決を実現するためだったのではと思います。
現に最後はゲンドウがエヴァンゲリオン第13号機、シンジがエヴァンゲリオン試験初号機に乗りお互いに対話をしながら決着をつけています。
もし、ここで新たにシンジ用のエヴァンゲリオン初号機の改造版を用意していたら、結末がおかしくなったのではと思います。
でも換装機器とかは欲しかったですよね。
脱げば元のエヴァンゲリオン初号機に戻るわけなので。
エヴァンゲリオン初号機は元のままがカッコいいよね
ラストで語られたカップリングの意味
シンジがエヴァンゲリオンがいらない世界に書き換えて進んだ先が山口県宇部市にある「宇部新川駅」でした。
私はこのシーンを見た時、エヴァンゲリオンのいらない世界(第3新東京市)を離れただけと思ったのですが、実は庵野秀明氏の故郷でした。
まさか自身の作品に、自身の故郷をアニメ化して入れてくるとは思いませんでした。
そもそも、エヴァンゲリオンの世界って架空の世界と思っていたので、実物をもとにアニメ化するとは思いませんでしたね。
実際の場所をアニメ化するタイトルとして「名〇偵コ〇ン」があるのですが、正直最後が似ていました。
そして、ほとんどの方が感じていると思うのですが、最後のカップリングの疑問です。
庵野秀明氏お疲れ様でした!
シンジ×マリ
実際にアニメに出てきたのは社会人になったシンジと、大人びたマリでした。
この時点でエヴァの呪縛から解放されたことは感じました。
しかし、何故シンジ×マリなのかという疑問です。
シンジとマリはほとんど接点がなく、ラストで結構2人でいることが多かったような気がしますが、少なくとも親しくなるといったらアスカとレイがふさわしいのではと思います。
そこで私なりに考えたのが、シンジが記憶を書き換えてエヴァンゲリオンのいない世界にしたから、関係性も変わった?と思っています。
そして、記憶の書き換えを行うにあたり、最後まで一緒にいたのはシンジとマリです。
そのため、2人が一緒にいるという設定で終わったのではと思っています。
ただ、最後のシーンが出ただけでどんな関係かは読み取れませんでした。
恋人なのか、知り合いなのか、それとも師弟なのかとファンに関係性をはっきり把握させない状態で終わったのはエヴァンゲリオンらしいですね。
また、私自身どうしても意味が分からなところがあり、何故エヴァンゲリオンがいない世界なのに、シンジがDSSチョーカーをしていたのか、そしてどうしてマリが外したのかという点です。
これが、次回作の伏線ということはないと思うのですが、例えばシンジとマリの子供が主人公でまた新たなエヴァンゲリオンの世界が始まる可能性はありますよね。
カヲル×レイ
カヲルとレイが最後反対側の路線で仲良く話していました。
こちらも付き合っているのか、付き合っていないのかわかりません。
ただ、エヴァンゲリオンのいない世界なので、2人の関係を縛るアダムとリリスはなくなっています。
それでも一緒にいるということは運命ということでしょうか。
ちなみに『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』では、渚指令と加持リョウジが話すシーンがあり、ゲンドウ=カヲルというイメージが伝わる場所でした。
もしかしたらカヲル=ゲンドウ、レイ=ユイとしたら世代を超えて、運命で付き合っている可能性もあります。
正直、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を見ていて、もっともしっくりこなかったのは最後のカップリングです。
私はシンジとレイ、カヲルとマリが付き合っていて4人で楽しく話していると思っていました。
ちなみにアスカはケンスケと付き合っていると勝手に想像してしまいました。
そこにゲンドウや冬月やミサトが合流して、「全てのエヴァンゲリオン、ありがとう」になるかなと思ったのですが、意外な線行きましたね。
人類補完計画の意味とは
エヴァンゲリオンとセットでイメージされている「人類補完計画」ですが、正直どのような役割だったのかという疑問が思い浮かびあがりました。
もともと、ゲンドウがユイと会うために人類を生命のスープにすることで、再会を果たしたかったらしいですが、ゼーレの「人類補完計画」は純粋に海や陸や人の浄化でした。
TVシリーズ・旧劇では、ゲンドウがゼーレを裏切り単体でインパクトを起こそうとしました。
そして、新劇場版では邪魔をするゼーレがいない世界で、「アディショナル・インパクト」を起こすことでユイに意識として再会して争いのない世界で幸せに暮らしたいと思っていました。
おそらくどちらも目指している未来は同じですが、結果的にユイはシンジの中にいたという結論になり、ちょっとゲンドウがかわいそうな気もしました。
人類が1つになれば争いもなくなるよね
葛城博士が考えた人類補完計画
そもそも「人類補完計画」を考え出したのは葛城博士。
自身が永久に存在するには、自分のクローンを何体も作ればいいが、もし100人作って100人死んでしまえばそれで終わり。
そのため、不老不死になる必要があると感じて、インパクトを起こすことでS2機関を探して自身に取り入れようとしました。
ちなみに、S2機関取り入れた生物を実験として作っていますが、その失敗作が「使徒」です。
もともとは1人の人物の欲望から始まったインパクトが、さまざまな考えになりゲンドウの行動を生み出したといっても過言ではないと思います。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』は最後なのか
結論からいうと終わっていないと思います。
何故なら、タイトルに「𝄇」があるからです。
「𝄇」はピアノの楽譜で繰り返しを意味する記号になります。
つまり、ここからまた前に戻って繰り返しとなります。
ただ、エヴァンゲリオンの世界は終わっていると思います。
あとは、今までのエヴァンゲリオンをファンの間で繰り返してみることで終わらせてほしくないという意味だと捉えています。
特に気になったのは『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』の世界で、「インフニティ」という言葉が出ていることです。
無限に広がる世界をエヴァンゲリオンでは作られており、この言葉を聞いてすごくしっくりきました。
そして逆に監督からの挑戦状だと思っており、「エヴァンゲリオンがこれで終わるか終わらないかはファン次第」とも聞こえました。
さらに、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』のポスターが、当時、シンジとアスカとマリとレイとカヲル(おそらくエヴァの呪縛に縛られているパイロットが解放されたということで5人にしている)だったのですが、新たに書き下ろされたポスターは全ての主要人物が揃っていました。
そして、ポスターを見た時、言葉にできない「ありがとう」という言葉が頭に浮かびました。
何といいますか、今までエヴァンゲリオンを見て、愛して、楽しんできたファンに対する敬意といった感じで感動しましたね。
また、海が赤から清々しい青に変わっているのも、書いてある登場人物が全て笑顔でいることにも感激しました。
いろいろあったけど、やっぱりみんなこういう世界を望んでいるんだなって共感しました。
ありがとう!全てのエヴァンゲリオン
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:ll』が面白いか、つまらないかは以下でまとめていますので、ぜひあわせてお読みください。
今までのエヴァシリーズをどう見たらいいかは以下でまとめていますので、ぜひあわせてお読みください。
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