『鋼の錬金術師』は、コミックス連載途中だった2003年に『鋼の錬金術師』としてアニメ化、さらに、連載終了後の2009年に『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』として再度アニメ化されています。
スクウェア・エニックスのコミックスで最高記録の累計発行部数を記録している大人気コミックが原作です。
『鋼の錬金術師』『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』ともに高視聴率となり、コミックスだけでなくアニメも大ヒットとなっています。
では、『鋼の錬金術師』と『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』は、どちらがおもしろいのでしょうか?
今回は新旧ハガレンアニメの違いや見る順番について解説します。
結論から言えば
新アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』が原作通りの内容で、面白いです。
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旧アニメは途中からアニメオリジナルになっているので、新アニメを観た後でOK(原作重視なら観なくてもOK)
アニメは『鋼の錬金術師』と『FULLMETAL ALCHEMIST』が存在する

出典:Amazon
旧アニメ | 新アニメ | |
タイトル | 鋼の錬金術師 | 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALLCHEMIST |
監督 | 水島精二 | 入江泰弘 |
放送期間 | 2003年10月4日~2004年10月2日 | 2009年4月5日~2010年7月4日 |
テレビ局 | MBS・TBS系列 | MBS・TBS系列 |
製作会社 | 毎日放送・アニプレックス・ボンズ | ボンズ・鋼の錬金術師製作委員会 |
話数 | 全51話 | 全64話 |
声優 | ウィンリィ・ロックウェル:豊川 めぐみ ロイ・マスタング:大川 透 リザ・ホークアイ:根本 美智子 |
ウィンリィ・ロックウェル:高本めぐみ ロイ・マスタング:三木 眞一郎 リザ・ホークアイ:折笠富美子 |
鋼の錬金術師は放送順に「鋼の錬金術師」と「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」があります。
「鋼の錬金術師」は先に制作・放送されているため旧鋼、「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」はFULLMETAL ALCHEMISTの頭文字からFAとも言われています。
「鋼の錬金術師」は原作連載途中であったことからオリジナルストーリーに、「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」は連載終了後であったため原作に忠実なストーリーとなっていることが特徴です。
ここでは、それぞれのハガレンの特徴についてまとめます。
鋼の錬金術師(旧鋼)
『鋼の錬金術師』は連載開始から程なく人気作となり、すぐにアニメ化が決まりました。
しかし、コミックスの既刊が6巻までなのに対し、予定されている放送期間が1年間であったため、序盤はコミックスのエピソード、それ以降はオリジナルエピソードで進められることが製作段階で決定していました。
ちなみに、原作者の荒川弘さんは「根っこの部分さえ取り違えなければ、思い切りやっちゃって」、「原作とまったく同じなら、アニメという別メディアに乗せる必要はないと思う」と言っていますね。
原作読者からもアニメファンからも高評価で、前番組の『ガンダムSEED』、後番組の『ガンダムSEED Destny』と並ぶ高視聴率を記録しただけでなく、アニメ最終回後のエピソードとなる劇場版も異例の大ヒットとなったのです。
アニメの大ヒットを裏付けるように、いくつものアニメ関係の賞を受賞しています。
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- 平成16年度文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 審査委員会推薦作品
- 第9回アニメーション神戸 作品賞・テレビ部門
- 2004年東京国際アニメフェア ノミネート部門 テレビ部門 優秀作品賞
- 日本のメディア芸術100選(2000年代)アニメーション部門第3位
「今までで最も面白かったテレビアニメ(2008年調査)」でも第9位に選出されていることから、いかに人気アニメだったのかがわかるでしょう。

原作とかけ離れたオリジナルストーリーなのに、ここまで人気があって評価されているアニメも珍しいよね!
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鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(FA)
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(FA)は、月間少年ガンガンでの原作連載終了間近に放送が始まり、原作を忠実に映像化しています。
原作の内容すべてをアニメ化するにあたり、視聴者にわかりやすいよう作品内での出来事の順番を入れ替えたり、場合によっては登場人物の回想にまとめたりしていますが、基本的には原作どおりです。
ちなみに、原作最終回とアニメ最終回がほぼ同時であったため、アニメの制作サイドは原作者の荒川弘さんから途中のラフをもらい、絵コンテにしていたとも言われています。
アニメ放送後、劇場版が制作されていますが、『鋼の錬金術師』(旧鋼)のようにアニメの続編ではなく、本編の間の出来事と取り上げたものです。

『鋼の錬金術師』では原作未登場だった、シン国のリン・ヤオ、メイ・チャン、アームストロング少将など、人気キャラクターも登場!原作ファンはうれしいよね!
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新旧アニメ「鋼の錬金術師」の違いを比較

出典:鋼の錬金術師公式サイト
『鋼の錬金術師』と『FULLMETAL ALCHEMIST』は、ストーリーだけでなく、世界観そのものが違ったり、キャストが大幅に変更されていたりします。
それぞれのハガレンの違いについてまとめました。
① ストーリー
錬金術が発達した世界で、兄・エドワードと弟・アルフォンスは、禁忌とされている人体錬成に失敗。
その代償として、エドワードは右腕と左足を、アルフォンスは肉体を失ってしまいます。
エドワードは右腕と左足に機械鎧(オートメイル)を装着、アルフォンスは鎧に魂を定着させ、すべてを取り戻すための旅をしています。
エドワードとアルフォンスの「エルリック兄弟」のすべてを取り戻すための旅の結末は、『鋼の錬金術師』と『FULLMETAL ALCHEMIST』で大きく違ってきます。
また、キャラクター設定に関しても、アニメ設定に沿って性格の変更、年齢や地位、事件の起こった時間なども変更されています。
物語の序盤から中盤までは原作に沿ったストーリーとなっていましたが、旧鋼は後半から原作とは全く異なるオリジナルストーリーで進んでいき完結。
異なる結末を迎えるそれぞれのラストを紹介します。
鋼の錬金術師(旧鋼)のラスト

出典:鋼の錬金術師公式サイト
エドワードはホムンクルスのエンヴィーに隙をつかれて命を落としますが、アルフォンスが錬金術で蘇らせます。
目覚めたエドワードは錬金術でアルフォンスを取り戻しますが、真理の扉の向こうの世界に飛ばされてしまったのです。
そして、肉体を取り戻したアルフォンスはエドワードを探すため、錬金術がない世界にやってきたエドワードは元いた世界に戻るため、それぞれ旅立ちます。
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- アルフォンスがエドワードを錬成して、エドワードがアルフォンスを錬成
- 錬金術がない世界に飛ばされたためエドワードは錬金術が使えなくなった

エドワードとアルフォンスがそれぞれ兄・弟を錬成していること、結果的にエドワードが錬金術を使えなくなってしまっていることがポイントだよ!
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(FA)のラスト
ホムンクルスからお父様と言われている「フラスコの中の小人」との最終決戦で、窮地に陥ったエドワードを救出するため、アルフォンスはエドワードの右腕を錬成。右腕を取り戻したエドワードが、「フラスコの中の小人」を倒します。
自分自身の真理の扉と引き換えに、エドワードはアルフォンスを取り戻すことに成功します。
その後は、エドワードは西回り、アルフォンスは東回りに旅立って行ったのです。
- アルフォンスがエドワードの右腕を錬成して、エドワードがアルフォンスの肉体を取り戻す
- 自分自身の真理の扉を対価にしたため、エドワードは錬金術を使えなくなった

エドワードがアルフォンスを錬成しているとは言えないけど、エドワードは錬金術を使えなくなっているし、意外にもオリジナルの旧鋼が原作のエンディングに近くなっているのが驚き!
② 世界観

出典:鋼の錬金術師公式サイト
鋼の錬金術師そのものは19世紀の産業革命期のヨーロッパがモデルとなっており、科学技術だけでなく錬金術が発達しているという設定です。実際に、エルリック兄弟が蒸気機関車で移動していたり、壊れたラジオを錬成したりするシーンがあります。
どちらも基本的な世界観は同じですが、『鋼の錬金術師』のみオリジナルの世界が存在します。
“真理の扉”でつながっている錬金術のない世界=「第二次世界大戦の最中の現実世界」があり、原作と『FULLMETAL ALCHEMIST』には存在しない設定です。
第二次世界大戦時の戦闘機が飛び交っていたり、映画が撮影されたりしている世界です。

鋼の錬金術師の劇場版 シャンバラを征く者では、現実世界が錬金術のない世界へ侵攻しているよ!
③ 声優
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』では『鋼の錬金術師』から大幅にキャストが入れ替わっています。
なお、エドワード・エルリックは朴璐美さん、アルフォンス・エルリックは釘宮理恵さんはじめ、一部のキャストのみ続投です。
続投のキャスト
エドワード・エルリック | 朴璐美 |
アルフォンス・エルリック | 釘宮理恵 |
アレックス・ルイ・アームストロング | 内海賢二 |
マース・ヒューズ | 藤原啓治 |
キング・ブラッドレイ | 柴田秀勝 |
変更のキャスト
旧鋼 | FA | |
ウィンリィ・ロックベル | 豊口めぐみ | 高本めぐみ |
ロイ・マスタング | 大川透 | 三木眞一郎 |
リザ・ホークアイ | 根谷美智子 | 折笠富美子 |
ジャン・ハボック | 松本保典 | うえだゆうじ |
ヴァトー・ファルマン | 室園丈裕 | 浜田賢二 |
マリア・ロス | 斎賀みつき | 名塚佳織 |
スカー | 置鮎龍太郎 | 三宅健太 |
ラスト | 佐藤ゆうこ | 井上喜久子 |
グラトニー | 高戸靖広 | 白鳥哲 |
エンヴィー | 山口由里子 | 高山みなみ |

ちなみに旧鋼では地位相応にと低音ボイスの大川さんが起用されましたが、FAではマスタング大佐以上の階級の登場人物が増えたことで三木さんに変更となったそう!
アニメを見る順番は「FA→旧鋼」がおすすめ
鋼の錬金術師は、放送順だと『鋼の錬金術師』→『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』となりますが、あえて『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』→『鋼の錬金術師』、さらに劇場版の『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』の順番に見ていただきたいです。
鋼の錬金術師の正規線とも言える『FULLMETAL ALCHEMIST』を視聴して、鋼の錬金術師本来のストーリーのおもしろさやキャラクターの魅力を知ってから『鋼の錬金術師』を見ることで、どうしてオリジナルストーリーでありながら高評価となっているかがわかるはずです。
さらに『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』は、『鋼の錬金術師』の続編であり、本当の意味でのラストとなっており、エドワードとアルフォンスが選択した衝撃的なラストは賛否両論ありますが胸アツです。
アニメは新旧どっちがおもしろい?

出典:ねとらぼ
鋼の錬金術師のアニメは新旧どちらも高視聴率・高評価でどちらがおもしろいかは甲乙つけがたいですが…。
あえてここでは『鋼の錬金術師』がおもしろいと言っておきましょう。
アニメオリジナルのエンディングとなるものは、結果的に原作と比較され「おもしろくない」「つまらない」と酷評されることも珍しくありません。しかし、原作からかけ離れた、言わば「もうひとつの鋼の錬金術師」でありながら、これだけ評価されることは滅多にないでしょう。
それだけ『鋼の錬金術師』がおもしろいという裏付けとも言えるかもしれません。
ここからは、それぞれのアニメの見どころについてご紹介します。
鋼の錬金術師(旧鋼)の見どころ

出典:鋼の錬金術師公式サイト
『鋼の錬金術師』の見どころは、原作以上のダークファンタジーとなっているオリジナルストーリーが見どころです。
また、オリジナルキャラクターとなっている原作未登場のホムンクルスたちも、それぞれのキャラクターがよく作り込まれており、とても魅力的だと言えるでしょう。
『FULLMETAL ALCHEMIST』に比較すると古い作品になりますが、それでも映像のクオリティが高く、錬成シーンや戦闘シーンも迫力があります。特に、劇場版 シャンバラを征く者のクオリティは圧巻。
さらに、初代オープニングはポルノグラフィティの「メリッサ」、第2期オープニングはL’Arc〜en〜Cielの「READY STEADY GO」、第3期オープニングはASIAN KUNG-FU GENERATIONの「リライト」など、ヒット曲も目白押しです。

物語が進むにつれて、ダークファンタジー要素が強くなるから、原作以上に大人向けのハガレンだよね。
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMISTの見どころ
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』の見どころは、コミックスの鋼の錬金術師を忠実に、かつ原作のエピソードをコンパクトにまとめ、わかりやすく映像化しているところでしょう。
『鋼の錬金術師』と比較すると内容も全年齢向けとなっており、幅広く楽しめます。
また、『鋼の錬金術師』より新しい作品と言うこともあり、映像クオリティがアップしており、特に最終決戦は見応え抜群に仕上がっています。
さらに、『鋼の錬金術師』同様、オープニング・エンディングの楽曲が人気アーティスト提供のものばかりなのもおすすめのポイントです。第3期のオープニングはスキマスイッチの「ゴールデンタイムラバー」、第4期のオープニングはCHEMISTRYの「Period」、初代エンディングはシドの「嘘」となっています。

原作のエンディングをアニメで見られるのはうれしいよね!
▶︎ 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMISTの動画を見る
鋼の錬金術師の劇場版は見るべき?
- 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
- 鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星
- 鋼の錬金術師 (実写映画)
鋼の錬金術師の劇場版は実写を含めると3作あります。
劇場版1作目「シャンバラを征く者」は旧アニメの作品、劇場版2作目「嘆きの丘の聖なる星」は新アニメの作品となっています。
劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者(いくもの)』は、『鋼の錬金術師(旧鋼)』の続編となっています。本当の意味で旧アニメが完結する内容となっており、エドワードとアルフォンスが選択した衝撃的なラストは賛否両論ありますが胸アツです。
旧鋼を観たのであれば、必ず観ておかないといけません。
鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星
『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星(ミロスのせいなるほし)』は、鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(FA)の道中における本編とは関係ない話になります。
時系列だとマスタングがラストを倒した後辺り(アニメ21話)。
アニメ本編とは直接関係なく、FAを全て観終わった後にみて問題ありません。
鋼の錬金術師 (実写映画)
「Hey! Say! JUMP」山田涼介が主人公エドワード役を務めて話題になりましたが、内容はかなり低評価です。正直観なくてもいい作品ですが、改めて原作漫画・アニメの素晴らしさを感じれるという意味では観てもいいと思います。
まとめ
鋼の錬金術師のアニメには『鋼の錬金術師』と『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』がありますが、どちらも高視聴率・高評価であり、どちらも視聴する価値のあるアニメです。
- ダークファンタジーとしては旧ハガレン
- ハガレンらしさ少年漫画らしさは新ハガレン
『FULLMETAL ALCHEMIST』から見ていただくと、『鋼の錬金術師』がオリジナルでありながら素晴らしいひとつの作品となっていることがわかるかと思います。
ぜひ、本記事で違いを理解したうえで、ハガレンの魅力をアニメでたっぷりと楽しんでください。
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