「憂国のモリアーティ」は2020年秋の新作アニメとして、1クール目が放送されていた人気テレビアニメです。
そして2021年春からは待望の第2クール目が放送中です。
本記事では第14話ラスト場面で、アイリーン・アドラーから大きな変化を遂げた、ジェームズ・ボンドのキャラクター性や理由・数多い変更点を紹介。
記事の後半では、強さや能力・今後の展開で最も大きく関わることになるメンバー(キャラクター)たちにも迫ります。
アイリーン・アドラーの詳細は以下の記事をご覧ください。
目次
ジェームズ・ボンドとは?
まずはアイリーンから大きな変化を遂げた、ジェームズ・ボンド(以下は「ボンド」と表記します)のキャラクター性から紹介していきます。
アイリーンから名前と見た目を変えている
アニメ2クール目の開始と同時に突入した「大英帝国の醜聞編」で初登場したアイリーン・アドラーが、今後の人生を生きていくために大きく変化した姿が“ジェームズ・ボンド”です!
ボンド「アイリーン・アドラーは、もういない…僕の名は“ジェームズ・ボンド”」
あまりにも両極端すぎる変化には、シャーロックと今生の別れを遂げた後、モリアーティ側についた彼女にとって「アイリーンとの決別」や「今後の人生を生きる上での覚悟と決意」が込められているのです。
(変化の理由や、外見を始めとした数多い変更点については、また後の項目で紹介していきます)
アイリーンから”ボンド”に大きく変わる瞬間や場面は、原作コミック第6巻で見られます。
本人はあくまでも”男”であることを主張する
ボンドに変わったと同時に、本人も「自分は“男”であること」を強く主張します。
こうした主張に対して、始めのうちはモラン大佐だけがどうしても納得できない様子でした。
しかし、初任務のため外に出かけた途端、さらに驚くべきことが起こります。
一般女性たちからは、”イケメンな男性”と認知!
ルイスたちと共に歩くボンドは、街の女性たちからはイケメンとして見惚れられてしまいます。
そんな女性たちの視線に気づいたボンド自身の方も、それに応えるかのように笑顔でウインクしますが、それだけで女性たちを”虜”にしてしまいました。
さらにモリアーティ家で開催された「お茶会」の時でも、ウィリアムやアルバートにも負けない人気ぶりを見せました。
そんな中で調子に乗った女性2人がウィリアムの部屋に無断で入ると同時に、彼の杖まで勝手にいじったりと、やりたい放題です。
しかし、そんな状況の中に真っ先に駆けつけたのがボンドでした!
ボンド「いけない子猫ちゃん達だ!こんな所に迷い込んでしまうなんて…さぁ、お茶会に戻ろう」
彼女たちはボンドが”元アイリーン”であることなど知る由もなく、イケメンなボンドに優しく注意されただけでも嬉しさのあまりに感激してしまいます。
さらには、「ウィリアム様には内緒にしておいてあげるから!」の謳い文句まで加えられたら…若い女性であれば”本当は女性(アイリーン)”であることなど疑いようもなく、惚れ込んでしまいますよね!
この”お茶会”エピソードは、原作コミック第9巻で読めます。
“負けん気”が強い!
初任務として仲間たちと一緒に入った銀行の貸金庫の中で、モラン大佐から「指示待ち人間」と言い放たれたことに対し、ボンド自身も内心ではカッとなり“悔しさ”を強く抱きます。
これまでは組織や仲間と早く馴染むため、雄弁に話していたボンド。
しかし、そうした行動について実は「早くウィリアム達に“自分も仲間であること”を認められたい」と強く焦っていたことの裏返しのです。
「負けん気の強さ」があったからこそ、かつて女優を目指していた中で何度も遭遇してきた”挫折”にも負けずに努力し続けられたのでしょう。
そして、ボンドに変わってからは「早く仲間として認められたい」という、熱い気持ちの裏返しとも取れますよね。
ウィリアム(青年期)の詳細は以下の記事をご覧ください。
型に嵌ることが大嫌い
初任務の中では、まだ”新入り”だから…という遠慮の気持ちも少なからずあったボンドですが、モラン大佐からの教えによって完全に吹っ切れます!
モラン大佐「俺たちがやるべきことから逸脱しなきゃ、自分で考えて“好きに”やりゃいいんだよ!」
モラン大佐からの「好きに」の言葉で燃え上がり始めたボンドがたどり着いた結論は以下の2つです。
- 誰がこなしても同じ任務なんて、つまらない。
- 自分たちが”やる意味”が、そこになければならない。
そして自身の髪をまくし立てながら、これまで抑えきた本心を露わに出します。
ボンド「僕って元々…型に嵌るの、大嫌いなんだ!」
仲間たちに対して告げると同時に、完全に吹っ切れます。
そして本人が瞬時に思いついた”奇策”により、思いがけない形で作戦を見事に成功させてしまうのです!
ジェームズ・ボンドに変化した理由とは?
ここからは、アイリーン・アドラーからジェームズ・ボンドとして大きな変化を遂げた理由に迫ります。
【理由①】アイリーンが”表面上の死亡”を遂げたため
アイリーンだった頃に盗み出していた「機密文書」が原因で”命の危機”に陥ったところをシャーロックとアルバートの機転が効いた取引のおかげで、命そのものは失わずに済みました。
しかし、このまま生きることが許されたわけでなく“表面上の死亡”という形で処理されたのです。
それは即ち、命は助かっても「今後は”アイリーン・アドラー”として生き続けることは、もう許されないこと」を意味していました。
【理由②】今後の人生と仕事のために”新たな名前”が必要になったため
“表面上の死亡”という結末で片付けられたアイリーンですが、今後はアルバートを指揮官として率いる「MI6」のメンバーとなって、存分に働くことを命じられます。
アイリーン自身もアルバートやウィリアムたち”犯罪卿”に対して、大きな可能性を見出していたため、快く忠誠を誓いました。
しかし、そうして今後の人生と仕事のために“新たな名前”が必要になります。
新たな名前と苗字の”由来”とは?
ここまでの経緯と理由によって、アイリーンから「ジェームズ・ボンド」へと変わりましたが、”アイリーン”と”ボンド”では、あまりにも大きく違いすぎて、これと言った共通点もありません。
それでも、この新しい名前と苗字には大きな”由来”によって名付けられたものです。
ここで、この新たな名前と苗字の”由来”を分けた形で辿ってみましょう。
名前(ジェームズ) | ・アルバートから与えられた。 |
苗字(ボンド) | ・アイリーン自身で考えて名付けた。 ・”ボンド”には英国英語で「緑」という意味がある。 (さらには「束縛」「結束」「絆」「契約」などの意味も込められている) |
アルバートから与えられた「ジェームズ」と、これからのウィリアム達への忠誠と同時に得た“結束”や“絆”の意味も込められている「ボンド」を合わせた結果として「ジェームズ・ボンド」になったわけですね。
ジェームズ・ボンドに変わってからの変更点とは?
ジェームズ・ボンドとして生まれ変わってからの“数多い変更点”は、主に以下の6つです。
①髪型 | ・「短髪」になり、”ボーイッシュ”な印象に大きく変化した! ・第14話ラスト場面で変わった瞬間や、銀行の倉庫内で髪をまくし上げた時(第15話)に見せた”ツンツンヘア”は、どことなくフレッドやワトソンの髪型にも似ている。 |
②服装 | “男性用スーツ”に変わった。 ・「MI6」のメンバーとして戦わなければならない局面も多いため、少しでも動きやすい服装に変わることも必然と言える。 |
③一人称 | “私”から「僕」に変化した。 ・自身を”男”として意識するようになった影響によるもの。 |
④話し方 | “男性的な話し方”に変わった。 |
⑤声質 | “男性的なもの”に変わった。 |
⑥行動や活躍の仕方 | ・任務内容により、アクションシーンが多く増加した。 |
ジョン・H・ワトソンの詳細は以下の記事をご覧ください。
ジェームズ・ボンドになっても変わっていない部分
アイリーンからボンドにかけて、数多い変更点を持つ一方で「変わっていない部分」も存在します。
身体面の性別は”女性”のまま!
ボンドに変わってからは仲間たちに対しても「自分は”男”だから」と強く主張しているものの…変わったのは、あくまでも名前や人生、立ち位置などです。
そして、正式に「MI6」に配属されてからも性転換手術まで受けたわけではありません。
男性用スーツに身を包んでいる状態では気づきにくいかもしれませんが…身体そのものはアイリーンだった頃と変わらず「女性」のままです。
ボンドに変わってからも同じ声優さんで続行!
アイリーンからボンドに変わった瞬間、本人の声質も大きく変化しました。
そのため、それぞれの声を担当される声優さんも、別々の人が演じていると捉えた視聴者も多かったかもしれません。
しかし、声を担当される声優さんも、アイリーン役だった頃から同じ日笠陽子さんが、そのまま続行する形でボンド役も演じられているのです!
あまりの声質の違いにより、同じ声優さんが演じられていることを知った時にはかなり驚きましたが、ここまで違う声を使い分けられる日笠さんの声優としてのレベルは相当に高いものと言えるでしょう!
こうした演じ分けをこなせる点もまた、見事な「一人二役」と言えますね。
ジェームズ・ボンドの役職や任務とは?
ここからは、「MI6」に配属されてからの役職や待遇を紹介していきます。
「7番目の工作員」となった
同じ「MI6」の中で6番目となるモラン大佐の次に配属されたため、ボンドは「7番目の工作員」となりました。
そして、これからはモラン大佐が”直々の指導係”となります。
“殺しの許可書(ライセンス)”も与えられた
“ジェームズ・ボンド”として配属されたことによる、最も大きな待遇とは、やはり「殺しの許可書(ライセンス)」まで与えられた点でしょう。
基本的には、誰も殺さずに任務を完遂できることが望ましいのですが…「MI6」として働いていくからには、その標的を殺さなければ自分の身を守れない事態にも多く遭遇してしまうことも多くあります。
さらに言ってしまえば、ウィリアムたちも完全な正義の使者でなく、罪を犯した貴族たちを容赦なく殺してきたわけですからね…。
ジェームズ・ボンドの能力や強さとは?
ここからは、ボンドに変わってから披露され始めた、能力や強さに迫ります。
高レベルの演技力
「MI6」に配属されたボンドに対して、身体上は女性であることが原因で、モラン大佐からはなかなか認めてもらえません。
そんな彼の拒否反応は、ルイスから案内される形で更衣室に入ってきた時から本格化してしまいます。
(モラン大佐の方も、自分が全裸になっている状態の中で入ってこられたこともあって拒否したくなってしまう気持ちも分かりますが…)
しかし、そこまで拒否を続けるモラン大佐に対して、ボンドも黙ったままでなく、強烈な蹴りを彼の顔面の真横に浴びせます!
ボンド「しつこいな!僕は“男”だって言ってるだろ?」
先ほどまでと違い、この時に出していたボンドの威圧感は半端なく、あの強気なモラン大佐をも黙らせてしまうのです!
こうして出せる威圧感も、おそらくは大女優として培ってきた演技力の賜物でしょう。
しかし、ボンドが出してくる威圧感は、これだけでは終わりません。
ボンド「そんなに僕のこと、男として認めてくれないなら…試してみるかい?モラン君」
モラン大佐「何なんだ、あいつ!怖えーよ!試すって何?」
さらに追い討ちをかけることで、モラン大佐を黙らせた上に“恐怖心”まで植えつけてしまうのです…。
状況把握や分析のスピードも早い
ボンドはウィリアムから与えられた”初任務”として、仲間たちと一緒に銀行に向かいますが、応接室で待っている間に乗り込んできた銀行強盗たちによって、思わぬ事件に巻き込まれてしまいます。
大勢の人質を心配するボンドをよそに、ルイスたちは既に応接室から出ては、それぞれの仕事に取りかかっている状況です。
完全に出遅れた形でボンドも、貸金庫にいるモラン大佐から「この状況の中で自分たちが何をすべきなのか?」と問われます。
ボンド「任務の目的である、貸金庫の中の物(ジャック師匠の武器)は、絶対に強盗に奪われてはいけない…」
モラン大佐「そうだ!」
さらにモラン大佐からは、自分たちの任務が完了した今、捕らえられてしまった大勢の人質を放置して立ち去ることも可能であることを指摘されますが、ボンドの方は真っ先に拒否します。
ちなみに、ボンドがモラン大佐からの意見を拒否した理由は、以下の2つです。
- 自分たちが今すぐこの場から去った場合、人質を銃殺してしまう可能性があるため
- モリアーティ家の人間が消えたと分かれば、強盗たちの疑いの目が自分たちに向けられてしまうため
こうした緊迫した状況の中で、瞬時に状況把握をするだけでなく「自分たちが強盗や人質を放置したまま退散した場合に起こり得ること」をすぐに分析してしまいます。
ここまで速い状況把握や分析力を見せたボンドですが、モラン大佐から今度は「強盗たちを殺すか否か?」について問われます。
しかし、この問いに対してもボンドからの答えは「No」でした。
そこまで考えたと同時に分析した結果、ボンドから出てきた結論とは…
ボンド「僕たちがやったことを、誰にも悟られないように強盗を倒して、人質を救出する!」
モラン大佐「そうだ!大事なのは、そこだ!」
ここまで話したことで、モラン大佐からの合格点をやっともらえることになりますが、そんな中でホールや大金庫室での仕事を終えたルイスとフレッドも駆けつけてきます。
ルイスからの話では、強盗たちはホールに集まっているため「完全に誰からも悟られずに倒すのは無理だったこと」を聞かされます。
これにより、ホールだけが厄介なことが判明しますが、ボンドだけが燃え始めます!
瞬時に思いつく奇策と機転
ルイスから聞かされたホールの現状を聞いた直後に、ボンドは「ある奇策」を思いつきます。
ボンド「解決策が僕にはある…協力してくれるかい?」
ボンドからの提案に乗ってくれたモラン大佐の協力により、彼の得意な狙撃で壁側面に取り付けれているホール内のランプをすべてを撃ち壊してもらいます。
その直後からボンドも動き始めますが、本人よって実行された“奇策”の内容や成果は、以下のとおりです。
奇策の内容 | ①完全に暗闇になっている間に、強盗全員を格闘術で倒してしまう。 ②強盗全員を倒して(殺さず気絶させただけ)捕らえた後には、気絶させられていた市警(ジェフ)の”お手柄”に仕立て上げた。 |
奇策の成果 | ・人質にされていたお客や銀行員たちからも「自分たち(モリアーティ家)は一切介入していなかった」と完全に思い込ませることに成功した。 |
これらの奇策と成果によって、モラン大佐からも「及第点以上だった!」と褒められますが、この評価により、ボンドもやっと仲間として認めてもらえたのです。
軽いフットワークを活かした格闘術も強い!
先に挙げた”奇策”の中で、ボンドはまるで「踊るような動きとスピード」で、4人もの銀行強盗たちを倒してしまいたした!
この初任務に向かう前までは、女性の身体によってモラン大佐から「男よりも腕力が弱いこと」を指摘されていました。
確かに純粋な”力”や”腕力”においては、男性である彼らの方が上であり、一撃ごとの攻撃力においては劣っているでしょう。
しかしボンドの場合は、そうした“己の攻撃力の弱さ”をカバーするかのように高スピードかつ“軽いフットワーク”を駆使した格闘術も得意としています。
さらに、そのような軽いフットワークに“絶妙なリズム感”も合わさることで、本当にテンポ良く強盗たちを倒せてしまっていた点も見逃せませんね。
コントロールも抜群!
ボンドの優れた能力を語る上で「コントロールの抜群性」も外せません。
第15話での初任務で銀行強盗から人質を救ってから、モリアーティ家に戻るボンドたちですが、皆で出かけていた間に、ウィリアムたちに”殺人術”を伝授した師匠である”ジャック・レンフィールド”が来訪していました。
(ちなみに彼こそが本物の”切り裂きジャック”です)
このジャックが来訪してから、「ホワイトチャペルの亡霊編」に突入するわけですが、ボンドはこのエピソード内でも、先の銀行強盗事件で挙げてきたものとは、また違う能力を披露してくれます。
それこそが、小さなコインでも自分の狙った位置めがけて蹴ってしまう程の「抜群なコントロール」です。
“偽物の切り裂きジャック達”を誘き出すため、本物(ジャック師匠)が演じながら逃げ続けるサポートについたボンドは、この時もモラン大佐と同じ持ち場について彼の狙撃をサポートします。
しかし、市警たちから走りながら逃げ続けてきたジャック師匠にも、体力の限界が出始めた瞬間に”ガトリング砲”が待ち受けていました。
さすがのジャック師匠でも、ガトリング砲が相手では迂闊に動くこともできません。
そんな状況の中で、ボンドが新たな”奇策”を思いつき、自身のスーツの中から出した小さなコインをガトリング砲の“砲身”めがけて蹴ることによって、モラン大佐が砲身に向けて狙撃できるように仕向けたのです!
これは即ち「跳弾」の原理を利用することによる”奇策”から始まったことですが、この時にボンドが蹴ったコインが見事に砲身の後側へ向かって飛びましたからね…サッカー選手も顔負けな”コントロール能力”も侮れないということですね!
ジェームズ・ボンドの強さや能力はコンビプレイで惹き立つ
単身でも優れた能力や強さを誇るボンドですが、モラン大佐との抜群なコンビプレイによって、さらに惹き立って見えるようになります。
モラン大佐のアシストでテンポ良く強盗を倒せた!
初任務の中で、軽いフットワークを駆使して銀行強盗たちを倒したボンド。
しかし、この戦いの勝利には実はモラン大佐による“絶妙なアシスト”も含まれていました。
ボンドは、自分の奇策を仲間たちに説明する中でモラン大佐にも”アシストのお願い”をしていました。
ボンド「この“8カウントのリズム”に合わせて、銃を撃ってくれるかい?」
お願いされたモラン大佐も、「銃の発射光」を利用する作戦であることを即座に見抜きます。
ボンド自身も、スムーズに強盗たちを倒すためには“瞬間的な光”を必要としていたのです。
初任務とは思えぬ程のボンドの能力や働きぶりに対して、モラン大佐も感嘆させられます。
ボンド「君のおかけだ、モラン君」
モラン大佐「次もよろしくな!ボンド」
始めてのコンビプレイとは思えぬような、絶妙すぎる程に息が合った2人…これはまさに「8カウントのリズムから生まれた“絆”」と言っても、過言ではないですね!
セバスチャン・モラン大佐の詳細は以下の記事をご覧ください。
2人のコンビプレイは、ジャック師匠も救う!
「ホワイトチャペルの亡霊編」で、”偽物の切り裂きジャック”を演じながら貧民街の中を逃げ続けるジャック師匠。
追い続ける市警たちが、そんな彼の前に”ガトリング砲”を持ち出しては、容赦なく連発してきます。
高い建物の屋上からジャック師匠の援護を続けていた2人も、思わぬ非常事態により、すぐに師匠の救出に向かいます。
しかし、モラン大佐がこの作戦中に使っていたのがQ(フォン・ヘルダー)から拝借していた“空気銃”だったのです。
空気銃の威力では”ガトリング砲”の破壊や無効化は不可能であり、悩まされる中でボンドが“跳弾”を使う奇策を瞬時に思いついたことで、さっそく行動に移します。
- ボンドが自身のスーツから出した、小さなコインを”ガトリング砲”の砲身(後ろ側)めがけて思い切り蹴り飛ばす。
- それを見たモラン大佐の方は、自身の拳銃に持ち替えては、ボンドが蹴り飛ばしたコインめがけて発砲した。
- モラン大佐の発砲した弾が当たったコインは、弾かれるように”ガトリング砲”の砲身に強い勢いで入っていった。
- その結果、コインが入っていった砲身が”内部爆発”を起こしたことで、市警たちの”ガトリング砲”は使い物にならなくなる。
- 市警たちが動揺している隙をついたジャック師匠は逃げ続けて、その先で待っていたフレッドと”バトンタッチ”して、安全の地下水路で休憩を取った。
この時の作戦やコンビプレイも成功を果たしたことで、2人はお互いの手を叩き合います。
ここまで見た時点で、やはりボンドの能力はモラン大佐とのコンビプレイによって本格的に惹き立って見える印象が強いですよね!
ここまで紹介したコンビプレイは、原作コミック第7巻で見ることができます。
2人の考え方も似ている
これは戦闘外のことですが、「最後の事件編」では”ウィリアムの死”を巡って、メンバー内で意見の食い違いが生じてしまいます。
ルイスやフレッドが彼の死に対して”否定的”ですが、ボンドは“肯定派”のモラン大佐と同意見であることを告げます。
モラン大佐「貴族と市民が等しく手を取り合う…ウィリアムが命を懸けた、この計画だけは絶対に崩すな!」
しかし、モラン大佐も本心からウィリアムの死を望んでいるはずもなく、ルイスとフレッドの気持ちも痛い程に分かっていました。
そのため、ウィリアムの命を救うために動くのであれば、やってみることも告げたのです。
フレッドの詳細は以下の記事をご覧ください。
そうした会話の中でボンドも介入しては、モラン大佐の意見に“賛成”であることを話します。
ボンド「僕はウィル君(ウィリアムのこと)の計画に共感して、この命を捧げた…だから、それだけは必ず成功させたい」
しかし、ボンドもまたルイス達の気持ちに強く共感している上、彼らが「シャーロックに頼る」という名案に対しても理解を示します。
ボンド自身も元々はシャーロックに命を救ってもらった身であり、容易くはないものの「彼ならば、ウィリアムを救うことが可能かもしれない」と助言してくれます。
シャーロック・ホームズの詳細は以下の記事をご覧ください。
この後にはボンドとモラン大佐は自分たちの任務のために立ち去ってしまいますが、この”肯定派”の2人も、本心ではウィリアムの死など望んでいるわけがありません。
それでも彼の計画や自身で臨んだ結末を叶えてやろうと、作戦に向けて動き続ける心の強さもまた、これまでに培ってきたコンビプレイから生まれた「強い絆」によるものでしょう。
この”ウィリアムの死”を巡っての、ボンド&モラン大佐とルイス&フレッドによる口論は、原作コミック第13巻で見られます。
(13巻目にして、ボンドもついに表紙イラストを飾れましたね!)
ジェームズ・ボンドが今後大きく関わる「MI6」メンバー
アイリーンだった頃はアルバートやウィリアムと、そしてボンドに変わった直後ではモラン大佐との絡みやコンビプレイが多く見られました。
しかし今後の展開では、他の「MI6」メンバーとも大きく絡んでいく姿も見られるようになります!
まずは簡単に、ボンドが今後の展開で大きく絡むことになるメンバーを簡単に紹介しましょう。
- フォン・ヘルダー
- ザック・パターソン
- ルイス・ジェームズ・モリアーティ
フォン・ヘルダーの発明品に興味津々!
「スコットランドヤード狂奏曲編」では、アルバートから直々に「ロンドン警視庁への“潜入任務”」を任されます。
その任務に備えて、「MI6」の中にある”Q課(兵器課)”を訪れたボンドのために、フォン・ヘルダー(通称は”Q”)が「自動拳銃」を作ってくれていたのです。
(ボンドの小さな手に合わせて、フォン自身がサイズ調整してくれています)
しかし、彼から自動拳銃の長所や扱い方の説明を懸命に聞く一方で、自分たちの側に置かれている「特別仕様の自動車」に目を光らせます!
フォンからは今すぐに走らせることも可能であることを聞いた途端、勝手に搭乗すると同時にエンジンまでかけてしまいそうになったところで叱られてしまいます。
その後も懲りず、本棚に置かれている多くの書物を漁り始めたりと完全にやりたい放題なボンド。
モラン大佐から「何でも自由に持ち出して良い」と聞かされていたようですが、事実は違っていました。
フォン「一体モランさんから、何を吹き込まれたんですか?ダメに決まってるでしょ?」
ボンド「そうなの?おかしいなぁ…」
ちなみに、”Q課(兵器課)”に置かれている武器や道具を持ち出して使用するには、マネーペニーの“許可”が必要となります。
パターソンからは初対面の時点から呆れられてしまう
アルバートから命じられていた「ロンドン警視庁への”潜入任務”」による打ち合わせのため、酒場でザック・パターソンと会う約束をしていたボンド。
“Q課(兵器課)”で見つけた「特別仕様の自動車」の持ち出し申請に時間がかかってしまっため、結局はそのまま乗ってきてしまいます。
それでも待ち合わせには遅刻してしまったために、「時間にルーズな奴」という烙印を押されてしまいます。
さらには、”Q課(兵器課)”の自動車で来たことに加えて、まるで初対面とは思えぬような話し方に呆れられた末に、やっと本題に入ります。
ちなみに、このパターソンは表向きではロンドン警視庁で勤務している“主任警部”ですが、その本性は「MI6」の“内通者”です!
(表向きの仕事の方では、レストレード警部と同期です)
アルバートは、ボンドをパターソンと会わせることで、潜入任務をやりやすくさせようという算段でした。
しかし、警視庁の中の状況が悪化しており「もはやパターソン1人だけでは、ボンドを本庁内に潜入させることができない状況」となっていたのです。
仮に本庁に入れた場合でも、難問ばかりが続くことをパターソンから教えられますが、ボンドの方はあくまでも強気です。
ボンドは、自分たちより少し離れた席で呑んでいるお客たちに目をつけます。
ボンド「僕があいつ(悪酔いした男性客)を倒した後、僕を逮捕してくれ」
自身を”悪者”と偽ってパターソンに逮捕および連行されることで、本庁の地下にある留置場への潜入を早い段階で果たしてしまいます!
パターソン「あのお方(ウィリアム)が認めて、組織に入れただけのことはあるということか…」
作戦終了まで、パターソンからは呆れられてしまうことばかりでしたが、ボンドなしではこの作戦が成功していなかったことも認められたのです。
フォン・ヘルダーやパターソンとの絡みや関係は、原作コミック第8巻で見られます。
「新たな指揮官」となったルイスの下でも存分に働いていく
アイリーンの頃までは話すことなく終わったルイスとも、ボンドに変わってからは少なからず話したり交流を持つようになります。
- 配属された自分に対して、屋敷内の案内をしてくれた。
- ウィリアムからの指示により、ルイスとも一緒に初任務に挑んだ。
- 初任務から帰宅後に出会ったジャック師匠との関係性を教えてくれた。
こうして見ると、ルイスとは当たり障りのない程度に、友好的に接していることが解りますね。
しかし、今後はルイス自身も“大きな転機”を迎えることにより、彼との関係性も大きく変わっていくことになります。
「最後の事件編」の結末でウィリアムとシャーロックが”行方不明”となった上、長兄でアルバートもまた「これまでの罪と責任」により”幽閉状態”とされてしまいます。
これまでボンドたちを導いてくれたウィリアムだけでなく、M(指揮官)であったアルバートまで失わされたものの…今後は残されたルイスが「新たなM(指揮官)」となり、これまでと同じ仲間たち(モラン大佐を除く)と共に作戦任務を遂行しながら生きていきます。
ルイス(青年期)の詳細は以下の記事をご覧ください。
ここから新章「空き家の冒険編」が開幕し、ボンドたちはさっそく新たな作戦任務に取りかかり始めた途端に衝撃的な出来事と遭遇してしまいます。
この任務の標的である”アデア卿”が何者かによって射殺された瞬間を、ボンド自身が目撃してしまうことになるのです!
すぐにルイスを連れて、アデア卿が射殺された現場へ向かいますが…この時点では「殺害犯はモラン大佐である可能性が極めて高い」と推測されてしまいます。
もしも、本当にモラン大佐が殺害犯であるならば、ボンド自身も今度は彼と戦わなければなりません。
お互いの実力や手の内を知る者同士である上、「MI6」の中でもフレッドにも負けない程に仲の良かったモラン大佐と戦わなければならない辛さは、相当なものになるでしょうね…。
「空き家の冒険編」の始まりは、原作コミックの第57話(ジャンプSQの2021年5月号に掲載されています)で見ることができます。
まとめ
今回はアイリーンから大きな変化を遂げた、ジェームズ・ボンドのキャラクター性や変化した理由や要素を紹介しました。
記事の後半では能力や強さ、モラン大佐とのコンビプレイや今後の展開にも迫ってみました。
- アイリーン・アドラーから大きく変化したキャラクターが「ジェームズ・ボンド」
- 本人はあくまでも”男”として振る舞う。
- 変化した理由は”アイリーンの死”と今後は「MI6」として本格的に働いていくため
- 身体面の”性別”や、声を担当されている声優さんまでは変わっていない。
- 「MI6」に配属されてからは”7番目”として「殺しの許可証(ライセンス)」も手に入れた。
- 本人の能力や強さは、モラン大佐との絶妙なコンビプレイによって、さらに惹き立つ。
- 今後の展開では、モラン大佐以外にもQ(フォン)やパターソンとも大きく絡み、関わることとなる。
- 今後は「最後の事件編」結末の形により、新たな指揮官となったルイスの下で働くようになる。
アイリーンの頃からは“別人”とまで感させてしまう程に大きな変化を遂げたジェームズ・ボンドですが、それにより以前までは隠されていた能力や魅力が大いに解放されたイメージが強いですよね!
モリアーティ家や他のメンバーたちでは持ち得ない程に個性的な能力やキャラクター性を駆使して、今後も大活躍していきそうですね。
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