「憂国のモリアーティ」は2020年秋の新作アニメとして、1クール目が放送されていた人気テレビアニメです。
そして2021年春からは待望の第2クール目が放送中です。
本記事では第19話で初登場を果たしたアダム・ホワイトリー議員のキャラクター性や能力を紹介。
記事の後半では、彼が迎える豹変と結末・そして死亡後にもらたす展開についても迫ります。
目次
アダム・ホワイトリー議員
まずは、本作品の中におけるアダム・ホワイトリー議員(以下は「ホワイトリー」と表記します)のキャラクター性から紹介していきます。
民衆から高い支持を得る「白い騎士」
初登場して早々から議会の中で“平等”をテーマに熱く語り続けます。
このホワイトリー議員は”不平等が当たり前”とされてしまっている社会に対して、堂々と向き合いながら「平等な社会」を目指す数少ない議員と言えます。
ホワイトリー「“平等の実現”こそが私の使命であり、私の“夢”だからだ!」
彼のそうした熱い姿勢は民衆からも強く共感されると同時に「白い騎士」として多大な支持を得ているのです。
原作コミック版では、単行本の第9巻から登場したよ!
優しい”家族”に恵まれた生活を送る
ホワイトリー議員は自身の邸宅で一緒に暮らしている“優しい家族たち”との触れ合いにも恵まれています。
愛する“弟”であるサムだけでなく、血のつながっていない秘書(マーカス)やメイド(マギー)も、ホワイトリーにとっては”愛する家族”なのです。
ホワイトリー議員がここまで頑張ってこられたのも、こうした家族の存在が大きかったと思われます。
しかし、それは反対な言い方をしてしまうと、もしも唐突に家族を失わされた場合には、自分が頑張っていける”支え”そのものを失ってしまうことになります。
ウィリアム達からも認められる存在に!
多くの民衆たちから支持を得てきた故、新聞記事などでも取り上げられている程に有名でもあるホワイトリー議員の名は、ウィリアム達モリアーティ家の者たちにも知れ渡ります。
さらに、ウィリアムからは“大きな可能性”を見出されます。
ウィリアム「ホワイトリー次第では僕たちが必要なくとも、この国は“平等への道”を歩むことができます」
あくまでも「上手くいけば…」であることをモラン大佐から指摘されるものの、ホワイトリー自身がウィリアムから認められたことに変わりません。
そして、”ある文書”を持ってアルバートの方から接触しますが、彼からもホワイトリー自身の才覚と人間性を認められたのです。
アルバート「気持ちの良い男じゃないか!」
しかし、アルバートから渡された”文書”が原因となり、ホワイトリー自身を豹変させてしまうことになります。
それはウィリアムたちにとっても”辛い選択”を強いることになるわけですが、それはあくまでも「ホワイトリーを守るため」として行ったのです。
何故なら、ホワイトリーはモリアーティ兄弟から見込まれる以前に”メディア王”かつ”脅迫王”として恐れられているミルヴァートンからも狙われていたのです!
セバスチャン・モラン大佐の詳細は以下の記事をご覧ください。
ホワイトリー議員の能力とは?
ホワイトリー議員が持つ能力の数々を紹介していきます。
【能力①】高速すぎる”直感”と”処理能力”
ホワイトリー議員の幅広い能力は、初登場した直後から披露されました。
議会での演説が終わり、大勢の民衆たちから囲まれながら迎えの馬車に乗ろうとした直前、「爆薬が仕掛けられている」という異変に気づきます。
ホワイトリー議員が犯人を取り押さえた直後に、市警たちも駆け寄ってきますが、そんな彼らに対して「自身の“直感力”」について語り始めます。
ホワイトリー議員「私は1人1人の顔を見ると、彼らがどんなことを考えて、私のことを見ているのかが“瞬時に分かる”んだ」
これはまさにホワイトリー議員による”直感”に当たるものですが、専門家による診断では「彼自身の意識が理解できない程の情報を“高速で処理”している」とされています。
そしてホワイトリー議員から見える“顔”とは、主に以下の3パターンがあります。
- 自身に”希望”を託し、期待に溢れる顔
- 自身に”猜疑心”を持ち、訝しむ顔
- そして犯人のように、自身に”敵意”を持って殺さんとしている顔
これらの”顔”を見た時点で瞬時に”直感”できるだけでなく、それを頭の中で”高速に処理”できる人間など、そうはいないはず。
しかし、ホワイトリー議員の場合は自身の職務上、大勢の人間たちの前で話す機会が多く、そうしてきた中で自然に身についてしまった能力だったようです。
この時も彼が捕らえた男の鞄の中から“導火線”や”拳銃”が発見されたため、瞬時の“直感”が見事に的中したのです!
【能力②】高い身体能力
先に挙げた”直感”で馬車の爆発から民衆たちを守ったホワイトリー議員は、自身が“犯人”と見抜いた男へと瞬時に走って見事に取り押さえてしまいます!
いくら”直感”や”処理能力”が高くても、実際に動くことまでできなければ、犯人を捕らえることまではできません。
これらに加えた「高い身体能力」と”護身術”も組み合わせることで、犯人を捕らえることにも成功したのです。
ホワイトリー議員のようなタイプには支持してくれる民衆も多い一方、彼の意見や考えに反論して殺害まで働いてしまう者も多く存在しています。
本人もそのことは承知の上で働いているわけですが、こうした身体能力や護身術もまた、自身や民衆を守るために身につけていったものと思われます。
シャーロックやジャック先生から直々に”殺人術”まで伝授されたウィリアム達には敵うべくもありませんが、ホワイトリーの持つ身体能力や護身術も、決して侮れませんね!
シャーロック・ホームズの詳細は以下の記事をご覧ください。
【能力③】脅しや批判には屈しない「強い精神力」
ホワイトリー議員の持つ能力を語る上で、頭脳的なものや身体的なもの以上に外せないのが、やはり「強い精神力」ではないでしょうか。
民衆から多くの支持を得ている一方で、それを快く思わない連中からの”脅迫”や”批判”もまた多く受けているわけです。
そうした様子は、自宅内や演説の最中にも見られました。
並の人間であれば、これほどの脅迫や批判ばかり続けられては、精神力すらおとされようものですが、ホワイトリー議員の場合は、それらも全て受け入れられてしまう程の「強い精神力」の持ち主なのです。
逆な言い方をすれば、職務上で何度にもわたって起き続けたことで耐性ができてしまったようにも思ってしまいますね。
ホワイトリー議員をここまで強く動かしているのは、やはり愛する弟(サム)の存在が最も大きいのかも!
ホワイトリー議員は豹変後に”殺人犯”へ堕とされる
第19話の時点ではウィリアムやアルバートからも認められる程の才覚を見せたホワイトリー議員ですが、ミルヴァートンの企みによって豹変させられてしまう展開が待ち受けています。
ここでは、その豹変させられる理由と、その後の行動に触れていきたいと思います。
ミルヴァートンとの接触から惨劇が始まる!
自身が設立した公園で、アルバートから声をかけられると同時に「貴族院ぐるみの“不正の証拠”が記載された文書」を渡されます。
それを持ってホワイトリーは「貴族院との交渉」を申し出ます。
しかし、待ち合わせの場所にいたのが議員たちでなく、彼らの“代理”として来ていた脅迫王ミルヴァートンでした。
ホワイトリーの方もミルヴァートンを”代理人”として認めたと同時に、アルバートから渡された文書を渡しながら”交渉”に移ります。
この時に彼が”交渉”と称して申し出た「要求の内容」は以下の2つです。
- 自分や大切な家族たちに手を出すようなことをすれば、この”不正の証拠”が記された文書を世間に公表する
- これから自分が庶民院で通過させる「改正選挙法案」を貴族院で”否決”した場合にも文書の内容を公表する
この2つの条件さえ守られれば、他言はしないことを告げると同時に去っていきます。
ホワイトリー議員「これで良い。相手は公表を恐れて、私たちに手を出せなくなった…」
彼は、この交渉の前後に「攻撃こそ、最大の防御」と告げては勇んで、この交渉に踏み切ったわけですが…そんな彼の”攻撃”が引き金となる形で、この直後に取り返しのつかない惨劇が起きてしまうのです。
ミルヴァートンという男に対しては「脅迫」など全く通じないことを、ホワイトリーの方は全く把握できずにいたのです。
護衛の市警に弟たちを殺された
ミルヴァートンとの交渉を済ませてから、すぐに帰宅したホワイトリー議員を、あまりにも残酷な惨劇が待ち受けていました。
マギーやマーカスに加えて、最も愛する弟(サム)までナイフで刺し殺されていたのです!
ホワイトリー議員「何故だ!何故こんなことに…?」
弟の死体を抱きしめながら、悲しみの涙を流すと同時に大声で叫びます。
そんなホワイトリーの前に現れたのが、彼によって”護衛”として選抜された市警の1人・スターリッジでした。
彼だけ無事であることに不信感を抱きながら質問しますが…そんなスターリッジの左手には“多量の血が付着したナイフ”が握られています!
ホワイトリー「まさか!お前が殺ったのか?」
スターリッジ「はい…私がやりました。3人は、私が殺したのです」
この返答により、大切な家族たちを殺した犯人がスターリッジであることが、アッサリと判明します。
しかし、大切な家族たちを殺したのは自分であることを、申し訳なさそうな表情で薄情するスターリッジですが…彼も決して故意でやったわけでは、ありません。
スターリッジの手で家族を殺された理由とは?
スターリッジはホワイトリーに対して大切な家族たちを殺害したことを正直に明かしたものの、彼自身も決して好きでやったわけではありません。
このスターリッジもまた、ミルヴァートンの策略に利用されていただけでした。
しかし、この手口があまりにも卑劣だったのです。
スターリッジ「…こうしろと“脅迫”されたのです」
ミルヴァートンの手下たちによって、スターリッジの愛する妻子が誘拐されたと同時に、”人質”に取られてしまっていることを告白してきます。
こうした”脅迫”に対して、なす術もないスターリッジは妻子を無事に返してもらうため、ミルヴァートンの言いなりになるしかなかったのです。
ホワイトリー「“脅迫”だとっ?だからと言って、何か別の道もあったはずだ!」
スターリッジ「なかったんです!私には、こうする以外…家族を救う術が!」
ミルヴァートンからの”脅迫”により完全に追い詰められた末の犯行でしたが、彼からスターリッジに突きつけられ要求は、もう1つありました。
それは「3人を殺害した後、スターリッジ自身もホワイトリーの手で殺させる」というものでした。
スターリッジ「人を殺めて尚、生きながらえようとは思っておりません!どうか裁きを…」
まるで懺悔するかのように膝をついては、持っていたナイフをホワイトリーに差し出します。
そして、今度はホワイトリーの手で自身も殺害してもらうように要求されます。
いくらなんでも卑劣すぎる…。
謝罪するスターリッジをホワイトリーが殺してしまう展開に
ミルヴァートンの手によって、お互いに追い詰めてしまったホワイトリーとスターリッジ…しかしホワイトリーは、「どんな理由があろうと“殺し”が正当化されるはずなどない」と自身に強く言い聞かせます。
さらに、ホワイトリー議員にとっては、弟(サム)がいななった世界など、変える意味もないことも悟ります。
ホワイトリー「私から全てを奪った、この男を許すことはできない!」
確かに、スターリッジも妻子を誘拐された上に脅迫までされて辛い状況であるとはいえ、殺人など決して許されない行為です。
しかし、怒りに任せてこの場でスターリッジを殺害してしまっては、ホワイトリー自身も完全に後戻りできなくなります。
さらに、殺されたサム自身が”復讐”など望んでいるとも思えません。
ホワイトリー「こいつを許せと言うのか?うわぁー!」
悲しみの叫びを上げながら、差し出されたナイフを持って振り下ろしますが、この時にはまだスターリッジでなく、付近の床に強く突き刺すのです。
ホワイトリー「やはり私には、殺すことは…」
何とか理性を保って殺害までしなかったように思えたのも束の間…この直後、脳裏に弟と楽しく過ごしてきた思い出が脳裏に浮かぶと同時に、ナイフを持ち替えながら、スターリッジの首を強く刺して殺してしまったのです!
ホワイトリー「私も…ここまでだな」
自身でも取り返しのつかないことをしてしまった後に、辛うじて理性を取り戻すと同時に、いつもの穏やかな表情に変わりますが、気づいた時には既に手遅れでした。
スターリッジを自身の手で刺し殺した瞬間から、ホワイトリーは「白い騎士」から“殺人鬼”へと堕とされてしまったのです。
しかし、これこそがミルヴァートンにとっての”本当の狙い”であり、ホワイトリーは彼の描いたシナリオ通りに善から“悪”に変えられてしまったわけです。
ホワイトリー議員は壮絶な結末を迎える
ミルヴァートンの企みにより、護衛として雇い入れた市警(スターリッジ)の手で愛する弟たちを殺害されたとはいえ、ホワイトリーもまた”殺人”を犯した以上、完全に後戻りできない状態とされてしまいます。
ここから、そんな彼がウィリアムたちの協力も得て迎える“壮絶な結末”に迫ります。
自身の命をウィリアムに捧げる…
殺人鬼へと堕ちてしまったホワイトリーは、モリアーティ家に”差出人のないメッセージ”を送ります。
自分が子供たちのために設立した公園で待つ中、アルバートがウィリアムとルイスも同行させる形で会いに来てくれました。
ホワイトリー議員は、まず自分が譲られた”不正の証拠”を返却することを申し出て、その後に自宅で起きた惨劇や“自分の殺人罪”についても話します。
そして「自分はもう終わりだ」と告げますが、ウィリアムの方から「まだ終わりではないこと」を返されます。
ウィリアム「もし、その罪を”死”でもって償うつもりが今でもおありなら…あなたのその“命”、僕に頂きたい!」
そうした内容の申し出にたじろぐホワイトリー議員ですが、そうした取引をしている中でも、自身も出席する”両院委員会”の日がやってきます。
民衆たちの目前で犯罪卿(ウィリアム)に殺害される
“両院委員会”の日、ホワイトリー議員を強く支持する民衆も国会議事堂の前に大勢で集まってました。
そんな彼らも「ホワイトリーの大切な家族が殺害されたこと」を新聞記事などで既に知っており、強く心配される中でも姿を現します。
彼は民衆たちに対しても、自宅で起きた惨劇のことを話しますが、ここではいつもの“明るい笑顔”を取り戻しながら、これからも平等な社会を築いていくことを堂々と宣言します。
ホワイトリー議員「たとえこの先、どんなことが起ころうとも、この国の“不平等を正すため”に戦い続ける!それが私だ!」
そんな頼もしい姿の彼に対して、民衆たちは安心しながら「ホワイトリーこそ、この国の“救世主”だ!」と称賛します。
しかし、そんな矢先に舞い降りてきたウィリアムからナイフで刺される形で殺害されてしまうのです!
(この時のウィリアムは黒いコートを纏いながら、ハットも深めに被る姿であり、民衆たちからは顔も体型も見えない状態です)
そしてホワイトリーを殺害した直後には、ワイヤーを使って議事堂よ屋根まで一気にかけ上がってしまいます。
ウィリアム「議員の家族や警官たちを“殺害”したのも、この私。一連の事件は全て私が企だてたこと…“犯罪卿”のこの私がね!」
これによりウィリアムにとっては、民衆たちに対して、自身が”ホワイトリーや家族たちを殺害した犯人”であることを擦り込ませると同時に「“犯罪卿”が本当に実在していたこと」まで信じさせることに成功します。
なお、ウィリアムから刺されたホワイトリー議員の方も出血多量で倒れたものの、意識だけはまだ微かに残っており、そこまでの彼の言動を見て(聞いて)いました。
ホワイトリー自身も承知の上による”殺人劇”だった!
先の”犯罪卿”による殺人劇は民衆たちには、あまりにも突然かつ衝撃的な出来事でしたが、実際に刺された側のホワイトリーにとっては実は”自身も承知の上による殺害”だったのです。
アルバートたちを公園にまで呼び出した晩、ウィリアムからの話は更に続いており、ここからが本当に重要な要素となります。
ウィリアム「あなたには、この国の“救世主”のまま死んでいただく」
ホワイトリーにとっては、深い事情や悲しみから来た上での殺人であったものの、完全に殺人鬼にまで堕ちてしまった自分を今でも”救世主”などと呼ばれたことに驚きます。
しかし、不平等にまみれたロンドンでは今後も「”平等”への希望」であるホワイトリーの存在が必要なのです。
そんな中で真実(ホワイトリーの殺人罪)が世間に明るみに出てしまっては、全ての市民が希望を失うどころか絶望の淵に叩き落とされて「平等化への道」も潰えてしまいます。
それだけは何としてでも避けなければならないことを、ウィリアムから諭されます。
しかし、ホワイトリーにとっては、たとえ自分が死んだとしても”自身の罪”まで無きものにはならず、彼自身もそう伝えますが…
ウィリアム「あなたが犯した“罪”を我々が被ります!」
それは即ち「ホワイトリーには本当に”救世主”のままの状態で死んでもらう」という意味であり、それこそ彼が負うべき“贖罪”であるということです。
ホワイトリー「なぜ君たちが、そんな事をする必要がある?進んで“罪”を被り、憎まれ役を買って出るなど…」
ウィリアムからの話に対して、内容自体は理解できてもホワイトリーの方にとっては、自身の”罪”まで被ろうなどという彼らの”真意”までは掴めなかったようです。
ウィリアムたちからも、「自分たちこそが”犯罪卿”であること」をハッキリ伝えられます。
そこまで聞かされたホワイトリーもまた、ウィリアムたちが「平等の社会」を作ることを目的に動いていることまで知ったことにより、彼からの提案を飲んで取引に応じていたのです。
これはまさに「ウィリアムとホワイトリーの取引によって生まれた殺人劇」と言うことになります。
ウィリアム(青年期)の詳細は以下の記事をご覧ください。
ウィリアムたちに後を託しながら、息を引き取る
“犯罪卿”に扮したウィリアムが逃げ去ってからも議事堂の前で倒れたままのホワイトリーですが、その命も残りわずかとなります。
不平等にまみれたロンドンのために自ら進んで”必要悪”となるモリアーティ兄弟ならば、きっと国を変えられることを確信してから、涙を流しながら息を引き取りました。
ホワイトリー議員「この国を頼んだぞ…犯罪卿(モリアーティ)」
国の未来をウィリアムたちに託す形で満足げな笑みを浮かべながら死んでいったホワイトリー議員でしたが、心の底ではまだ微かな未練も残っていました。
それは「ウィリアムたちが創る“世界”を自身の目で見たかった」という、死亡後では叶わぬ願いでした…。
しかし民衆たちには彼らの取り引きなど知る由もなく、ウィリアムによる提案と行動により、ホワイトリーは本当に「”救世主”のままで死んだ結末」を迎えたことになります。
ホワイトリー議員の壮絶な結末は、コミック版の第10巻に収録されているよ!
ホワイトリー議員の敗因とは?
ここでは、民衆たちだけでなく、ウィリアムたちからも高く評価されてきたはずの彼らがドン底にまで堕とされた理由や敗因について迫りたいと思います。
ホワイトリー自身が狙われてしまった
ホワイトリー議員は「ロンドンの騎士編」で初登場した時点で、民衆たちからも高く支持されていました。
それ故に、ウィリアム達もまた、新聞記事や住人間の噂話で、彼の存在を知ることになると同時に興味を抱き始めます。
それだけで済めば良かったのですが、あの”メディア王”として君臨するミルヴァートンの目に止まって、彼から狙われた時点で、ホワイトリーに起きる悲劇は避けられなかったのでしょうね。
ホワイトリーにある”弱さ”まで見抜けなかった
ホワイトリー議員の存在に興味を抱いたウィリアムが、アルバートに頼んで”ある書類”を用意してもらいます。
それこそが、第19話の中でホワイトリーがアルバートから渡された「“不正の証拠”が記載された文書」だったわけですが、これもホワイトリーにとっては”凶”と出てしまうのです。
アルバート「彼も我々のように、痛みを伴ってでも”前に進める人間”なら、良いのだが…」
自分たちが行動を起こそうとする前に、アルバートの方がホワイトリーのことを心配していました。
確かに彼は、どんな脅迫や批判に対しても屈しないような「強い精神力」の持ち主ですが、それはあくまでも“自分への中傷だけ”に対するものに過ぎません。
自分でなく、弟(サム)を始めとした“大切な家族”に危害を加えられた場合は別であり、そうした危害を加えられたことに対する精神力の方は「弱かった」ようにも感じられます。
ウィリアムたちも文書の用意ができたばかりの時点では、まだホワイトリー自身と接触できてなく、彼の中にある“秘められた弱さ”まで見抜けぬまま、文書を渡してしまったこともいけなかったように見えますよね。
パターソンからの忠告も聞かぬまま”攻撃”に転じてしまった
ホワイトリー議員が捕らえた馬車の爆破犯と密かにつながっていたファウラー巡査もまた、口封じのためにミルヴァートンの護衛たちから殺害されました。
ホワイトリー自身も、邸宅に訪れてきたパターソンから聞かされると同時に「護衛の増員」を提案されますが、彼の方から真っ先に拒否してしまいます!
ホワイトリー「いや、現状維持で構わない!」
パターソンから、そこまでの自信による理由を問われ、ホワイトリーにとっては「信用できない人間が”1人でも増える方が危険“であること」を言い放ちます。
それでもパターソンからは、「今の2人もまた、ファウラー巡査と同じように”弱み”を握られて牙を向いてくる可能性も大きいこと」を指摘しますが、ホワイトリーの方は、全く従おうとしません。
ホワイトリー「私も守ってばかりという訳ではない!“次の一手”を既に考えてあるよ!」
そこまで言われたパターソンの方が彼の言い分に従わざるを得ないため、退室していきますが…この後にホワイトリーが「攻撃」と称して、ミルヴァートンと接触したことが引き金となって、弟たちを殺されたのです。
さらに大切な家族を殺害した犯人が、自身で”護衛”としてつけていたスターリッジだったわけですから、目も当てられませんよね!
これはまさに“パターソンが危惧していたこと”が、そのまま現実として起きてしまったことになったのです。
ミルヴァートンの力や怖さを見抜けていなかった
ミルヴァートンから狙われた時点で終わりと言っても過言ではない程に、彼の力や怖さは絶大です!
ホワイトリー自身もミルヴァートンの名前くらいは少し聞いたことがある程度でしたが、彼の恐ろしい本質までは、全く読めていなかったのです。
ホワイトリーはアルバートから譲り受けた文書を渡して交渉を始めますが、それは一種の“脅迫”とも取れるものでした。
これが並の議員程度の者であれば、話し合いが終わった後も平穏に進んでいたかもしれません。
しかし、ミルヴァートンの場合は“脅迫”など一切通用しないような怖い相手でした。
ホワイトリーが退室していった後、ミルヴァートンが”脅迫の概念”を語り始めます。
そんなミルヴァートンが駆使した策略こそが「スターリッジの妻子を部下に誘拐させること」でした!
それによりホワイトリーは、完全に嵌められた形で“殺人鬼”へと堕ちてしまったのです。
それぞれの”護衛”に力の差があり過ぎた!
第19話のラスト場面でファウラー巡査が、ミルヴァートンの護衛たちに惨殺される場面が描かれました。
この2人の強さは完全に常識を超えており、ホワイトリーがつけた市警2人が戦ったところで勝てないどころか、ファウラー巡査と同じように殺されてしまうことも目に見えています。
これもまた、先のパターソンが話した助言ですが「護衛の増員」の方を攻撃よりも優先的に行うべきでした。
しかし、ミルヴァートンの護衛が相手では、並の市警たちがいくら束になって戦ったところで敵わないでしょう。
こうした常人離れした者たちにこそ、フレッドやモラン大佐のような強者を“ホワイトリーの護衛”につけるべきだったのです!
彼らを常に邸宅で待機させておけば、スターリッジの魔の手から弟たちを殺されずに、守り抜けていたようにも感じられます。
フレッドの詳細は以下の記事をご覧ください。
ホワイトリー議員が残した功績とは?
ここでは、「ホワイトリー議員が残した“功績”」を紹介したいと思います。
自身の能力を活かして民衆たちを守った!
ホワイトリー議員は、持ち前の”直感力”を活かして、迎えの馬車の下部に仕掛けられていた“爆薬”に気付きました。
こうして自身の周りにいる市警や民衆たちを守っただけでも“大きな功績”と言えるのではないでしょうか。
もし気付けていなかったらと思うと、ゾッとするね…。
先駆けした”バリアフリーな公園”を作り上げた!
本編の中で最も目立って見えていた貢献とは、「バリアフリーな公園を設立したこと」だったように見えます。
ホワイトリーにより作られた公園のある地域は、以前までは廃工場ばかり並んでおり「犯罪の温床」としても有名な“危険なエリア”だったそうです。
さらに、公園そのものにも劇的な工夫がなされていました。
それこそが「“段差”をなくしたことで、車椅子が必要な子供たちでも危険に臆することなく、存分に遊べる作りにした」という点です。
ホワイトリー自身も障害を持つ弟(サム)を持ち、おそらくは彼のために作り上げたものだったのでしょう。
しかし決してサムだけでなく、他の同じ境遇に置かれている子供たちも“招待”する形で大いに遊ばせてくれたのです。
さらに、本作品の時代では”バリアフリー”という言葉は、まだ使われていなかったはずです。
そうした意味でもホワイトリーが設立した公園は、完全に「時代を先取りした形による貢献」だったと思いますね。
子どもが安全に遊べるような公園を作ったのは、立派な功績だよね!
死後も”救世主”として、民衆に「希望」を残した
ウィリアムからの絶妙な提案のおかげで、”救世主”のままで人生を終えられた点も大きなポイントです。
もしもホワイトリー自身が彼らに何の相談もしないまま、警察へ自首しに行っていたとしたら、それこそウィリアムが危惧した通りの展開となっていたことでしょう。
ホワイトリーの惨劇や最期には少なからず同情してしまうものの、死ぬまで民衆の”希望”を奪わない形で生涯を終えた点もまた、大きな功績と言えます。
この功績によって、民衆たちからは永遠に“救世主”として支持され続けると同時に、ホワイトリー亡き後も「民衆たちに“頑張れる力”を与えたこと」になりますね。
ホワイトリー議員の声は声優「武内駿輔さん」が担当
ホワイトリー議員の声を担当している声優さんは、「81プロデュース」に所属されている、武内駿輔さんです。
武内さんはまだ小学生だった視聴した「ダークナイト(2008年)」のジョーカー役として出演されたヒース・レジャー氏の名演技に感動したことがキッカケとなり「俳優になりたい」という夢を抱きます。
それ以降も俳優の研究として多数の洋画を視聴していく中で”吹き替え”という仕事の存在を知ったことで、声優を意識するようになりました。
そして中学生の頃から養成所に通い始めて、レッスンを続けた結果、17歳という若さで「アイドルマスター シンデレラガールズ」のプロデューサー役に大抜擢されたことで、大きな注目を集めました!
ホワイトリー議員役の声優・武内駿輔さんの代表作
声優デビューされてから「高校生とは思えないダンディーすぎる声」と評される低い声質で、主に青年役を演じるようになります。
多くのキャラクターを演じながら、声優としての経験や実績も着実に積んできた武内さんですが、最も有名なメインキャラとして「ダイヤのA」に登場した結城将司役を挙げるファンも多いのではないでしょうか。
この結城将司が登場したのは、主に第2シリーズでしたが「ダイヤのA」アニメ版は2015年から2020年まで続いた長い作品です。
武内さんのその他代表作は、以下の通りです。
- 「火ノ丸相撲」久世草介役
- 「彼方のアストラ」ザック・ウォーカー役
- 「灼熱カバディ」伊達真司役
- 「先輩がうざい後輩の話」武田晴海役
まとめ
今回は民衆たちの”希望”として登場したホワイトリー議員のキャラクター性や能力を紹介しました。
記事の後半では、彼が豹変させられる理由や敗因、そしてウィリアムとの関係性によって迎える結末にも迫りました。
「平等な社会」を目指して頑張る姿勢はウィリアムとも共通していたように見えましたし、だからこそ彼らからも認められたのでしょうね。
本来ならば、ジャック先生やジェームズ・ボンドと同じように生き延びて、彼も”MI6″の一員に加入してくれれば、とても心強い味方になってくれたかもしれませんが、あくまでも「ロンドンの騎士編」のゲストキャラとして終わってしまったことが本当に残念でなりません。
ジェームズ・ボンドの詳細は以下の記事をご覧ください。
しかし、このエピソードでは間違いなく「ホワイトリーこそが“主役”だった」と言えるのではないでしょうか。
本作品のアニメ動画や見逃し配信の詳細は以下の記事をご覧ください。
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