異能力バトルコミックとして男性からも女性からも人気のある『文豪ストレイドッグス(通称:文スト)』では、太宰治や芥川龍之介、福沢諭吉など、実在の文豪が魅力的なキャラクターとなって登場します。
また、文豪ではなく文豪の有名作品の登場人物がモチーフとなっているキャラクターもいます。
今回ご紹介する『銀』もそのひとりです。
文豪ストレイドッグスのポートマフィアの構成員で、物語が進んでいくことに意外な人間関係や素顔が明らかとなっていきました。
そこで今回は、文ストのギンについて、性格や強さ、そして人間関係などを詳しく解説していきます。
目次
銀(ギン)とは?
ポートマフィアの構成員である銀は、黒蜥蜴の同僚・立原道造からは「鬼魅(きみ)の悪い男」といわれていますが、実は女性です。
ポートマフィアではマスクをしているうえ、服装はオールブラック、さらに無口なところから、見た目はまるで忍者のよう。しかし、そのマスクを外すと、かわいい少女の顔があらわになります。
ポートマフィアの黒蜥蜴の十人長
文豪ストレイドッグスの「ポートマフィア」とは、横浜を拠点としている巨大マフィアです。特に、ポートマフィアでも武闘派の実働部隊とされているのが「黒蜥蜴」です。
黒蜥蜴の構成員は特殊部隊に匹敵する戦闘技術を持っているそうで、ポートマフィアの内部粛清を担うこともあるようです。
裏切者は容赦なく皆殺しにされており、内外からも怖れられています。
その十人長である銀は、暗殺、潜入などを得意としているのです。
初登場時は、黒蜥蜴の広津柳浪、立花道造などとともに武装探偵社を襲撃しますが、見事に返り討ちに…。
ですが、その後は芥川龍之介の救助に協力したり、ボスの護衛を任されたりなどの活躍がみられます。
芥川龍之介の実妹
文豪ストレイドッグスでは、主人公・中島敦のライバルとなる芥川龍之介。
ある日、腹心・樋口一葉は美女との逢瀬を目撃してしまいます。その美女こそ……女性の恰好をした銀だったのです。
ですが、芥川龍之介と銀は逢瀬をしていたわけではありません。
アニメでは第3期にして、まさかの芥川龍之介の実妹であることが判明することになります。
衝撃を受けたのは樋口一葉だけではないはず…視聴者からも驚きの声が寄せられていたようですね。
芥川龍之介と銀の兄妹は、ともに貧民街で育っています。
異能力者である芥川龍之介がポートマフィアにスカウトされたことがきっかけで、銀も暗殺者としての道を歩くことになったようです。
芥川龍之介が「久しぶりだな。帰るぞ」と言っていることから、ポートマフィアの関係でなかなか帰宅できなくても兄妹ふたりで生活しているのかもしれませんね。
モデルは芥川龍之介の短編小説「お銀」
文豪ストレイドッグスの芥川龍之介のモデルは、言うまでもありませんが、文豪の芥川龍之介です。
教科書にも取り上げられる羅生門の作者ですね。
ですが、銀は実在の文豪ではありません。
芥川龍之介の短編小説「お銀」がモデルになっています。
隠れキリシタンを題材とした物語だよ。
銀の声優は「夏川椎菜」さん
公式で「声がかわいい」とされている銀を演じるのは、夏川椎菜(なつかわしいな)さんです。
代表作は『アイドルマスター ミリオンライブ!』の望月杏奈役、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』の由比鶴乃役、『ウィッチクラフトワークス』の宇津木環那役などです。
また、「TrySail」として、雨宮天、麻倉ももと活動していることからもわかるとおり、歌唱力もあることで知られています。
銀の性格
ポートマフィアでは同僚の立原道造から「鬼魅(きみ)の悪い男」と言われたとき、言葉ではなく刃物で切りかかるほど無口です。
ですが、とても恥ずかしがり屋であることがわかっています。
マスクをしているのも、口数が少ないのも、女性として知られないようにしているだけでなく、どうやらその性格からのようです。
銀の異能力
ポートマフィアからスカウトされるほどの異能力者である芥川龍之介が兄の銀ですが…どうやら異能力者ではないようですね。
能力での戦闘シーンはありません。
谷崎潤一郎・ナオミ兄妹もそうですが、兄妹だからといって異能力は遺伝子ようです。
もっとも、谷崎兄妹の場合は、本当に兄妹なのかもさだかではありませんが…。
文豪ストレイドッグスの異能力者は実在の文豪がモチーフになっているし、やっぱり銀に異能力はなさそうだね!
銀の強さ
ポートマフィアでも黒蜥蜴の十人長である銀は、間違いなく特殊部隊レベルの戦闘技術を持っています。樋口一葉の背後も簡単に取っていますね。
田山花袋と樋口一葉に追いかけられたときは、ヒールのまま大型トラックを飛び越えてしまうほどの身のこなしを見せています。
「あの身軽な体捌き、やはり敵組織の間者か…!」と樋口一葉が思うほどです。
ちなみに、暗殺術を仕込んだのは、『文豪ストレイドッグス STORM BRINGER』に登場する暗殺王・ポール・ヴェルレエヌのようです。
銀の人間関係
ここでは、銀との繋がりが深いキャラクターとの人間関係を紹介しています。
太宰治
ポートマフィアに芥川龍之介をスカウトしたのが太宰治です。
当時は、ポートマフィアの幹部になったばかりの頃ですね。
おそらく、太宰治と銀が出会ったのもこの頃でしょう。
本編では「やあ、銀ちゃん。背、伸びたね」と太宰治は言っていることからも、こどもの頃からの付き合いであることがうかがえます。
貧民街での生活から兄妹ともども救い出してくれた太宰治は、もしかしたら銀にとっては恩人かもしれません。
また、「昔はこーんなにちいさくて、可憐な少女だったのだよ」と言う太宰治に、「話をすり替えないでください……」と照れる銀はまんざらでもない様子です。
芥川龍之介には手厳しかった太宰治も、「銀ちゃん」のことはかわいがっていたのではないでしょうか。
初恋が太宰治だったら、それはそれでエモいよね!
立原道造
黒蜥蜴の同僚である立原道造とはいがみあってばかりです。
というより、いかにもなチンピラ風情の立原道造がいちいち銀に突っかかっていると言うべきですが…。
これまで異能力者ではないポートマフィア構成員とみられていた立原道造でしたが、コミックスでは坂口安吾と入れ替わりでポートマフィアに潜入した調査官であることが判明します。
ポートマフィアを離れてからは、軍警最強の特殊部隊「猟犬」のひとりとして暗躍。しかし、とあるきっかけでマフィアでありたい自分に気が付くことになります。
ポートマフィアの頃は「鬼魅(きみ)の悪い男」といっていた銀のことも、ポートマフィアの仲間のひとりだと思っていたようです。
田山花袋
偶然、横浜の街中で見かけた「黒髪の撫子」に一目惚れした田山花袋は、武装探偵社からの依頼も恋煩いのせいでこなせなくなってしまいます。しかも、ガラケーで盗撮までしていますね。
武装探偵社の中島敦と国木田独歩(と黒髪の撫子を追っていた樋口一葉)のおかげで恋文を渡すことができましたが…周囲の予想通り、田山花袋は振られてしまいます。
ただし、どうして田山花袋を銀が振ったのか、実は理由はわかっていません。
他に好きな相手がいるのかな?
まとめ
今回は文豪ストレイドッグスの銀についてまとめました。
原作コミックスの巻末小説で芥川龍之介に妹がいることはわかってはいましたが…見事10巻で伏線が回収されたのには朝霧カフカ先生に脱帽です。
ちなみに、芥川龍之介が主人公となっているオムニパス「文豪ストレイドッグス BEAST」ではヒロインのポジションで、ポートマフィアのボス・太宰治の秘書になっています。暗殺者ではない銀もまた新鮮です。
芥川龍之介の実妹であることがわかると、芥川龍之介を救出するとき、すごく心配していたのだろうと想像できますよね。
銀の正体を知ったうえで、改めて文ストを見返してみると、もっと楽しめるはずですよ。
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