2020年秋の新作アニメ「ドラゴンクエスト-ダイの大冒険-(新作アニメ版)」で魔剣戦士ヒュンケルに続いて育ての父親であるバルトスも第11話の回想シーンの中でついに登場しましたね!
そこで今回はバルトスのキャラクター性や彼を殺害した真犯人を紹介しながら”原作コミック版や旧作アニメからの変更点”についても迫っていきたいと思います。
第11話の詳細に関しては以下の記事をご覧ください。
“地獄の騎士”バルトスとは?
まずは”地獄の騎士”バルトスのキャラクター性をヒュンケルとの出会いも交えて紹介していきます。
旧魔王軍の中では最強の騎士だった!
“地獄の騎士”という異名どおり、バルトスは元々はゲーム版ドラクエシリーズ(初登場した作品はFC版「ドラクエⅢ」でした)の方で先に登場していた雑魚モンスター「地獄の騎士」のデザインをそのまま流用された形で「ダイの大冒険」にも登場したキャラクターです。
ゲーム版の方でも後半や終盤になってから入れるようになるダンジョンに登場しては6本の腕を駆使しての”2回攻撃”や”やけつく息”などで勇者たちを苦戦させてきましたが、このバルトスにおいてはまだハドラーが”魔王”として君臨していた旧魔王軍の中で“最強の騎士”という立ち位置でした。
その強さ故にハドラーからも”ハドラーの間”へと続く「地獄門」の門番を任されていたのです。
ヒュンケルとの出会いによって迎えた大きな転機
魔王ハドラーが拠点としていたホルキア大陸にある町へ他のモンスターたちと共に襲撃を始めたバルトスですが、そんな中で人間の赤ん坊の泣き声に反応すると同時に近づいていきます。
バルトス「親に見捨てられたか・・・哀れな」
自分たちの襲撃により滅んだ町の中で出会った赤ん坊こそが後に“アバンの使徒”と同時に大魔王バーンの指揮する新たな魔王軍の6大軍団長となる魔剣戦士ヒュンケルでした。
“アバンの使徒”メンバーの詳細は以下の記事をご覧ください。
自分がモンスターである以上、本来は見つけた瞬間に殺してしまうはずですが、バルトスはそのまま拾っては自分たちのアジトである「地底魔城」へと連れて行っては育て始めるのです。
モンスターが”人間の子供を育てる”という点では、デルムリン島に流れ着いたダイを育ててくれたブラスも同じですが、彼の場合はあくまでも旧魔王軍が滅んで世界が一時的に平和に戻っていた頃です。
主人公ダイの詳細は以下の記事をご覧ください。
さらにデルムリン島ではハドラーによる監視もない上に自分と同じく邪悪な心から解放された穏やかなモンスター達ばかりで暮らせている環境でした。
しかし、バルトスの場合はまだ自分の上官であるハドラーが勇者アバンとの激闘を繰り広げていた戦時中の頃です。
世界征服を目的とする魔王軍のモンスターが”人間の子供を育てる”などということが許されたのは彼がハドラー直属の”最強の部下”であると同時に他の部下モンスターたちからの人望も厚かったからに他なりません。
ヒュンケルに初めて”温もり”を与えてくれた男
地底魔城に連れて帰った赤ん坊に対して、バルトスはさっそく名前をつけてくれます。
バルトス「お前を“ヒュンケル”と名付けよう。かつて魔界を牛耳ったという“伝説の剣豪”の名前だ」
バルトスもまた、バランやブラスにも決して負けていない程のネーミングセンスの持ち主でしたが・・・”魔界”や”剣豪”から由来を持ってくるとは、これもまた彼が”地獄の騎士”である由縁だったのでしょう。
ブラスの詳細は以下の記事をご覧ください。
ヒュンケルを城の外に外出させてあげることはできなかったものの、まだ物心つかない彼に“初めての温もり”を与えてくれた男でもあったのです。
そして5歳に成長したヒュンケルが折り紙を使って一生懸命に作ってプレゼントしてくれた”星型の勲章”に大きく喜びます。
バルトス「自分が初めて貰った“勲章”だ!」
それ以降は息子がくれた”星の勲章”を首から下げる形で戦い続けます。
元々は他のモンスターたちよりは比較的、穏やかな性格の持ち主であるものの、バルトス自身の方もヒュンケルから“息子からの温もり”を感じて始めていたのでしょう。
ヒュンケルの詳細は以下の記事をご覧ください。
望まぬ形で訪れた”別れ”
そうした穏やかな日々も長くは続かず、とうとう勇者アバン一行が地底魔城に攻め込んできます!
バルトスも門番である以上は他のモンスター達と一緒に迎撃して彼らの行く手を防げなければなりません。
彼はヒュンケル1人を隠し部屋に入れさせて匿います。
その後、勇者アバンの剣に敗れたハドラーの断末魔による叫びが聞こえたと同時に出て行ったヒュンケルが目にしたのは魔王の魔力ナシでは身体も生命も維持できずに崩れ落ちていくバルトスの姿でした。
バルトス「ヒュンケル、想い出を・・・ありがとう」
何も出来ないまま泣き叫ぶヒュンケルの前で朽ち果てたバルトス・・・2人の親子はこうした望まぬ形で”別れ”を経たのです。
バルトス殺害の真犯人はハドラーだった!
望まぬ形で”別れ”を余儀なくさせられたバルトスとヒュンケルですが・・・実はバルトスを本当に殺害した真犯人は勇者アバンや仲間たちではなく、魔王ハドラーだったのです!
アイテムに込められたメッセージで真実を知ることに!
新作アニメ第12話でマァムがゴメちゃんの力も借りて地底魔城の牢獄から脱出します。
第12話の詳細に関しては以下の記事をご覧ください。
不死騎士団のモンスター達に見つからないように狭い通気口を通りながら辿り着いた隠し部屋の中で発見した宝箱の中に「バルトスの最期についての真実」が込められていたのです。
ゴメちゃんの能力に関しては以下の記事をご覧ください。
同じ頃、既に闘技場内でダイやポップとの再戦を繰り広げているヒュンケルに対して、マァムが宝箱から見つけた「魂の貝殻」と呼ばれるアイテムを彼に渡します。
これは”死にゆく者の魂の声(メッセージ)を封じ込める”と言われているアイテムであり、これによってヒュンケルもバルトスからの“真の遺言”を知ることになるのです。
ポップの詳細は以下の記事をご覧ください。
勇者アバンにヒュンケルを託す
ヒュンケルがマァムから指示された通り「魂の貝殻」を耳に当てると同時にバルトスからのメッセージが聞こえると同時に、魔王ハドラーが滅びた日に起きた“本当の出来事”を知ります。
マァムの詳細は以下の記事をご覧ください。
地底魔城のモンスター総員で迎撃に入ったものの、自分たちを遥かに超える強さを誇る勇者アバン一行にことごとく敗れてしまいます。
それはバルトスとて例外なく、勇者アバンの剣の前に敗れてしまいます。
しかしアバンの方は彼を殺さず、お互いに生きている状態の中で自身の剣を収めては、これで決着にしようと言ってきます。
そんな彼に対して「情けをかけるのか?」と強く問い詰めるバルトスですが、向き合っているアバンが彼が首から下げている”星型の勲章”を指差してきます。
アバンの目からも、それが子供(ヒュンケル)が作った物であることは一目瞭然であり、彼にもまた”大切な家族がいるのだろう”と悟ります。
この時点で“力”だけでなく“心”でも完全に自分の負けを認めたバルトスが恥をしのんで“お願い”をします。
アバン先生の詳細は以下の記事をご覧ください。
魔王ハドラーが朽ち果てることは彼の魔力によって生み出された”自分の死”も意味します。
そうなると今後は自分に代わってヒュンケルを育ててくれる存在が必要となります。
バルトス「何とか、その子(ヒュンケル)の面倒を見て強く正しい戦士に育て上げてほしい。本当の“人間の温もり”を与えてほしい」
そう頼んだアバンから受けた返事とは・・・
バルトス「アバンどのは快く承諾して下さった」
ここまで聞かされた時点でヒュンケルもまた、自分の父が勇者アバンの剣によって殺害されたわけでなかったことを初めて知らされたのです!
(この事実は当時の回想シーンも併せて判明され、新作アニメの方では第13話で描かれる形となりますが、この場面はいつもの急スピードでなく、ゆっくり丁寧に流してほしいものですね)
第13話の詳細に関しては以下の記事をご覧ください。
ハドラーこそがバルトスを殺害した真犯人であった!
自分の頼みを快く受けてくれたアバンを門の奥へと通した後に、魔王ハドラーによる断末魔が聞こえてきます。
バルトスもこの瞬間に”自身の死”を覚悟しますが、まだ生きているのです。
そのことに違和感を抱き始めた彼の前に、重傷を負ってボロボロな姿になり果てながらもまだ生きていたハドラーが現れます。
ハドラー「死の瞬間・・・オレは魔界の神”バーン様”の大魔力によって救われた!」
それを聞かされて驚くバルトスも大魔王バーンとの面識こそはなかったものの、その大きな存在だけは知っていたようです。
そしてハドラーからは、これから13年間にも渡る長い期間にわたって眠りにつき、目覚めた後に”新たな魔王軍の再建”を行うことを宣言します。
(これは現在でダイたちが戦っている今の魔王軍や軍団長たちのことですね)
現在の魔王軍6大軍団長の詳細は以下の記事をご覧ください。
しかしハドラーからは自分が眠りにつく前に「バルトスの処刑」を言い渡してきます。
ハドラー「お前がとんでもない“失敗作”だからだ!」
人間のような正義感や騎士道精神に加えて“情愛”まで持ってしまったバルトスの存在を当時のハドラーは決して許せなかったのです。
ハドラー「新たな魔王軍では・・・お前のような”不良品”は絶対に作らぁん!」
重傷を負っていながらも一発殴っただけでバルトスの半身を砕いてしまいます!
その処刑を済ませた後はすぐに脱出して姿を消してしまうハドラーですが、その直後に駆けつけていたヒュンケルがその場に到着したのです。
魔王ハドラーの詳細は以下の記事をご覧ください。
貝殻に込められていた”真の遺言”
ヒュンケルが到着した時、もはや死ぬ直前だったバルトスはマトモに話すことも出来なかったために隠し部屋に置かれていた”魂の貝殻”に「本当の遺言」を残すことにしたのです。
バルトス「ヒュンケルよ、どうか“人間らしく”生きてくれ。そしてアバン殿を決して恨んではならぬ。だが、ワシは幸せだった・・・」
バルトスの方もまた、短い間であったもののヒュンケルのおかげで自分の冷たい骸の身体に“温もり”が戻っていたことを感じておりました。
バルトス「最後にもう一度だけ言わせてくれ・・・想い出を、ありがとう・・・!」
ここまで長い遺言だと確かに死ぬ間際に全てを語ることは不可能に近いですよね。
それでも最後の力を振り絞ってアイテムに自分の遺言が長い年月を経て、愛する息子に伝わったことでバルトス自身もやっと報われたのではないでしょうか。
旧作から新作アニメでの変更点
バルトスもまた、ブラスと同じように身体の色が異なっておりました。
そこで旧作アニメから新作アニメに登場してからの小さな変更点を紹介していきたいと思います。
身体の色が”ガイコツ剣士”カラーに変更された
旧作から新作アニメにかけて、バルトスもブラスと同じように“身体の色”が変更されていたため、簡単に比べてみましょう。
旧作アニメ | “地獄の騎士”カラー (こげ茶色) |
新作アニメ | “ガイコツ剣士”カラー (白骨と同じ白色) |
これは先にも挙げたゲーム版のドラクエシリーズを遊んでいないと解りにくい面もあると思いますが、旧作アニメの方では同じ形状やデザインのモンスター達が集まっている場面でもバルトスだけを”色違い”にして視聴者からも「誰がバルトスなのか?」ということをすぐに見分けられるようにするための配慮だったかもしれませんね。
ちなみに原作コミックのバルトスはカラー原稿(掲載誌である少年ジャンプでの表紙イラストや巻頭カラー)を始めとしたカラーページの中では登場することが出来ずに終わってしまったんですよね・・・。
最も優しさに溢れていたのは旧作アニメ版だった
これは少し意外に感じる人も多いかもしれませんが、バルトスによるヒュンケルへの“優しさ”が最も強く描かれていたのは実は旧作アニメだったりもします。
新作アニメの方では原作と同じように彼が捨てられたヒュンケルの”第一発見者”となり、そのまま引き取って地底魔城へ連れ帰る流れとなりました。
しかし旧作の方では、その場面にも少しずつアレンジが加えられたかのようにバルトス自身にある”優しさ”が強く表現されていました。
旧作アニメの時には彼と同行していたオーク(猪顔の人型で原始人のような服を着ているモンスターです)が最初に発見したと同時に自分の槍で刺し殺そうとしたところをバルトスが止めてくれたのです。
さらにヒュンケルからプレゼントされた“星型の勲章”に対する喜びの台詞もまた旧作アニメだけで聞けたのです。
原作つきのアニメ作品において、こうした”原作にはなかった場面”を追加することは基本的にはファンたちからも”蛇足”と叩かれてしまうことが多いものの、本作品の旧作アニメの時には良い形で追加されていたおかげもあり、こうした“場面の追加”によって「バルトスの優しさ」が視聴者に対しても更に大きく伝わっていたのではないでしょうか。
新作コミック作品での新たな活躍に期待!
新作アニメ開始と同じ時期に発売されたVジャンプ(2020年12月号)でも新作コミック作品「勇者アバンと極炎の魔王」が連載開始されました!
これは15年前の時系列で勇者だった頃のアバン先生と魔王ハドラーとの戦いをテーマとして描かれています。
第1話の内容は読切作品「勇者アバン」とほぼ同じストーリー展開でしたが、その読切作品のラストからつながる形で追加場面としてハドラー直属の強力な4人の部下たち(「ダイの大冒険」本編に登場した軍団長たちと同じような立ち位置)が登場します。
その中には”最強の騎士”として君臨していたバルトスも勿論いたわけですが・・・あのブラスまで凶悪な顔つきで一緒に登場したのには少しだけ驚きましたね!
おそらく本編の中では少ししか描かれなかった勇者アバンとの激闘も、この新作コミック作品の中ではかなり多く描かれるような気がします。
そして、その時には”6本腕(即ち6刀流)”を駆使した形でのバルトスならではの必殺剣を見られることにも期待したいですね!
まとめ
今回は旧魔王軍においての”最強の騎士”であると同時にヒュンケルの”優しい育ての父”でもあるバルトスのキャラクター性や殺害した真犯人を紹介しながら新作アニメによる小さな変更点や今後への期待にも迫ってみました。
- 魔王ハドラー率いていた旧魔王軍の中では”最強の騎士”であった。
- バルトスを本当に殺害した真犯人は勇者アバンでなく、ハドラーだった。
- 勇者アバンと戦うものの、自身の敗北を悟ったた後にヒュンケルのことを託していた。
- バルトス自身の”優しさ”が最も強く表現されていたのは旧作アニメ版だった。
- 過去の時系列ではあるものの、今後はVジャンプで連載開始された新作コミックで更なる出番と活躍に期待できる可能性が高い。
バルトスもモンスターでありながらもブラスにも負けないような”優しい育ての親”でありましたね。
そのキャラクター性により、彼を強く支持するファンも実は多かったりもしたんですよね!
本作品のアニメ動画や見逃し配信の詳細は以下の記事をご覧ください。
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