『るろうに剣心』は和月伸宏先生により週刊少年ジャンプで連載されていた大人気漫画作品であり、現在もジャンプSQで続編となる『北海道編』が連載中です。
少年ジャンプで連載された無印版の頃からCDドラマ化やテレビアニメ化を始め、OVAや劇場版、さらにゲーム化も果たしましたが、2023年7月からリメイク版となる新作アニメも放送中です。
本記事では月岡津南の過去や目的、剣心たちとは大きく異なる能力について解説。
また、原作では見られなかった旧作アニメでの活躍や新作アニメでの追加シーンにも迫ります。
本作品の人物相関図は「るろうに剣心の人物相関図!登場人物・キャラクターの一覧を解説」の記事をご覧ください。
目次
月岡津南(つきおか つなん)とは
月岡津南は東京で評判の高い浮世絵師であり、彼の描く錦絵は発売と同時に完売してしまう程に高い人気を誇ります。
また、錦絵集めを趣味としている赤べこの妙と三条燕も津南の錦絵のファンであり、妙が左之助に新作(伊庭八郎)を買ってきてもらうようにお願いしたことがキッカケで「左之助と津南の再会」へと導く展開となります。
三条燕の出身や弥彦との結婚、実写版(映画)や旧作アニメとの違いについては「【るろうに剣心】三条燕が弥彦と結婚する時期や子供 | 実写版や旧作アニメとの違い」の記事を参照ください。
月岡津南のプロフィール | 左之助と同じ信州で生まれた
生年月日 | 安政7年1月 |
年齢 | 18歳→23歳(北海道編) |
出身地 | 信州(長野県) |
身長 | 171cm |
体重 | 60kg |
血液型 | A型 |
月岡津南の家族や生い立ちについては、本編の中で明かされぬまま終わりました。
しかし、少年期に左之助と共に赤報隊として活動していた過去をもっていたこと、さらに「左之助と同じく信州(長野県)の生まれ」であることは判明しています。
寡黙だがファンたちへのサービス精神は高い
少年期の頃から寡黙な性格であり、完全に”左之助とは正反対なタイプ”の津南ですが、決して根暗や陰キャとも言い切れません。
左之助の提案によって神谷道場で開かれた宴会の席では自分のファンである妙と燕に対して、彼女たちの似顔絵を描いてくれるなど、何気にサービス精神は高いことも判明しています。
さらに新作アニメでは左之助から招待された参加者たちが原作や旧作アニメよりも増えており、一緒に参加していた左之助の博打仲間たちから「左之助の少年時代」について質問される場面も追加されました。
その問いに対して「今と変わらず無鉄砲」とハッキリ告げた一方で「いざという時には頼りになる男」と、剣心たちからも理解されている“左之助の良い部分”もフォローするようにつけ加えたのです。
津南が描いた「相楽隊長の錦絵」が左之助との再会を果たさせた
津南と左之助を10年ぶりに再会させたキッカケが、自分たちの恩師であった「相楽総三の錦絵」です。
発売と同時に即完売する程の高い人気を誇る津南の錦絵ですが、明治時代になっても一般人たちから”ニセ官軍”と蔑まれ続けている相楽隊長の錦絵だけは全く売れなかったのです。
ところが、妙から頼まれた左之助がお使いに来た錦絵屋で発見した相楽隊長の錦絵には両隣に「過去の自分たち(少年期の津南と左之助)」も描かれていたため、錦絵に興味のない左之助でも「この絵は津南にしか描けないこと」をすぐに理解できたのです。
東京編の内容は「【るろうに剣心】東京編と第零幕のネタバレ解説 | 実写映画との違いも紹介」の記事をご覧ください。
左之助と共に明治政府への襲撃を実行するが剣心に止められた
津南の方から左之助に対して「赤報隊の再結成」および「明治政府への復讐」を提案し、今を楽しく生きる左之助の協力も得た上で、自身の目的を実行に移します。
津南と左之助の2人だけによる襲撃作戦でも、津南が10年かけて準備し続けてきた“炸裂弾”により、明治政府の中枢である内務省への侵入には成功します。
しかし、宴会での酒で眠ったままと思われていた剣心に先回りされた形で待ち伏せされていました。
それでも怯まずに炸裂弾で抵抗する津南ですが、その抵抗で時間を使い過ぎたことにより津南たち2人が起こした異変に気づいた警官たちがすぐ近くまで駆けつけていた状態でした。
このような状況になったことで時間切れとなった上、津南が左之助の拳で気絶させられたことにより、津南の復讐や襲撃作戦は失敗に終わったのです。
(ちなみに旧作アニメの方では左之助が剣心への戦いを挑み倒されて失敗した展開や結末へと変更されました)
新聞屋に戻って政府と戦う手段を選んだ
自分たちの作戦が失敗に終わった後も津南は政府への復讐を諦めたわけではありません。
しかし、左之助から自分たちのやり方が間違っていたことを指摘された後、津南は絵師をやめて再び“新聞屋”に戻ります。
そして今後は炸裂弾などの武力ではなく「絵草紙新聞(活字や文章)」という方法で、明治政府の非道を正すやり方に変更したのです。
ちなみに津南は絵師になる前に新聞屋として働いていたことが、本編(無印版)の連載終了後に発売された作品の中で判明しましたが、その辺はまた後の項目で解説します。
京都編でも左之助への手助けをしてくれた
津南は京都編にも少しだけ登場しており、左之助に対して「京都へ旅立つための旅費」を工面してくれた上、餞別と称して「新型の炸裂弾」まで譲ってくれました。
津南はあくまでも”護身用”と言ってましたが…
後に志々雄一派の甲鉄艦(煉獄)をも損傷させてしまう程の破壊力を見せられる結果となります。
月岡津南の声は声優「梅原裕一郎さん」が担当
新作アニメで月岡津南の声を担当している声優さんは「アーツビジョン」に所属している梅原裕一郎さんです。
(少年期の方は伊瀬茉莉也さんが演じています)
梅原さんは中学生の頃に視聴した洋画『ロード・オブ・ザ・リング』の吹替版でアラゴルン役を演じられた大塚芳忠さんの声に惹かれたことがキッカケで声優の職業を知り、大学生の頃から日本ナレーション演技研究所に通い始めました。
そして2013年に声優デビューを果たした後、2014年に放送された『オレんちのフロ事情』の若挟役で初レギュラーを果たされました。
梅原裕一郎さんの代表作(キャラクター)は、以下のとおりです。
- 『機動戦士ガンダム-鉄血のオルフェンズ-』ユージン役
- 『聖剣伝説LOM』瑠璃役
- 『魔王学院の不適合者Ⅱ』アノス役
- 『スパイ教室』クラウス役
90年代に放送された旧作アニメでは青年期を家中宏さんが、少年期を又村奈緒美さんがそれぞれ担当されていました。
月岡津南の本名 | 左之助や志々雄真実との過去
“津南”という名はあくまでも絵師としてのペンネームであり、本名は「月岡克浩(かつひろ)」です。
ここでは津南が左之助と過ごしてきた”赤報隊の頃”や間接的に志々雄一派に絡んでいた過去について迫ります。
左之助と共に赤報隊に入っていた少年期
少年期では津南も左之助と一緒に“赤報隊の準隊士”として活動しており、同じ恩師である相楽隊長を尊敬していました。
また、新作アニメでは「津南と相楽隊長が会話する場面」も追加されたことにより「津南の隊長への思い」も左之助に負けぬ程に強かったことを実感できます。
当時から剣術や武力が弱く直接的な戦闘には向いていないことを自覚した津南でしたが、その弱さを補うために「鉄砲を使いこなせるための訓練」を懸命に続けた点を隊長から感心された一方で「今後は学問と知識の時代になること」も諭されます。
しかし、維新政府の策略によって相楽隊長に汚名を着せられた上に処刑されたことにより、赤報隊が解散させられた時点で津南と左之助も離れ離れとされてしまいました。
相楽左之助の強さと必殺技、過去や家族、恋愛事情については「【るろうに剣心】相楽左之助の強さと必殺技・過去や家族 | 恵たちとの恋愛事情」の記事を参照ください。
津南と左之助における10年間の共通点と違い
相楽隊長との死別や赤報隊解散から10年後に再会を果たした津南と左之助ですが…
この2人には大きな“共通点”と“違い”があります。
「明治政府への強い憎しみ」を抱き続ける点が共通していますが、左之助は自分1人では明治政府への復讐を果たせぬことを自覚しながら、チンピラたちとの喧嘩という形で憂さ晴らしを続けてきました。
一方、津南(克浩)の方は武力や人手では政府に勝てないことを理解した中でも、新聞屋や絵師を続けながら「復讐のための準備」を少しずつ続けてきたのです。
その準備の集大成こそが、内務省へ襲撃した時に使っていた“多数の炸裂弾”でした。
津南(克浩)も過去に志々雄一派と絡んでいた要素とは
津南は志々雄一派との直接的な面識までは持っていないながらも、全く無関係ではなかったことが志々雄一派にスポットをあてられた書籍『炎を統べる』に収録された小説作品の中で明かされました。
津南は政府の要人(一ヶ瀬)の下で新聞屋かつ絵師として働いていた頃に、志々雄が雪代縁の武器組織から密かに購入していた甲鉄艦(煉獄)を一目だけですが目撃していたのです。
ただ、この時点で津南は自分が見た甲鉄艦(煉獄)を「明治政府が購入した船」と勘違いしていた上、いつか自分の手で破壊することも企てていたようです。
そして後の本編での時代では間接的とはいえ、自ら作り出した炸裂弾によって本当に破壊する結果となりました。
月岡津南の能力 | 並外れた器用さで剣心たちの助けにもなる
剣術や武力では弱い津南ですが「手先の器用さ」においては剣心たちよりも上であると言えます。
さらに津南の並外れた器用さが、後に剣心や左之助たちの大きな助けにもなったのです。
少年期から赤報隊で一番の器用さを誇っていた?
再会したばかりの左之助から“手先の器用さ”を褒められた津南ですが、彼の器用さは少年期(赤報隊に所属していた頃)から健在でした。
まだ少年だったにも関わらず「鉄砲の手入れ」や「火薬の調合や調整」までこなせており、その器用さは青年に成長後に“錦絵”という形で生計を立てることに役立っています。
また、左之助に見せた大量の炸裂弾においても津南ならではの工夫もなされています。
1個ずつの「導火線の長さに違いをつけること」で爆発する時の差をつけることにより、内務省の警備員たちを見事に翻弄していました。
新型の炸裂弾で志々雄たちの出航を防いだ
先の項目でも触れましたが、京都へ旅立つ左之助に渡した“新型の炸裂弾”で甲鉄艦(煉獄)への大損傷を与えたことにより「志々雄たちの東京への出航」を阻止することに貢献しました。
実際に炸裂弾を投げて破損させたのは左之助でしたが、津南の手で“小型化”や“着火不要”などの劇的な進化をさせていたからこそ、左之助も常に携帯できていたことや投げただけで効果を発揮できた利点が非常に大きかったわけです。
新聞屋ならではの情報網の広さ
津南の能力として錦絵や炸裂弾ばかりを注目されがちですが、新聞屋として培ってきた「情報網の広さと高い情報収集能力」も外せません。
左之助たちよりも早く”志々雄一派の存在”や、その志々雄が本拠地を構えていることによって「今の京都が大変危険であること」を知っていたのも、かつては新聞屋として働いてきた賜物と言えるでしょう。
月岡津南の旧作アニメや新作アニメでの活躍について
原作(無印版)での出番が京都編での序盤が最後となった津南でしたが…
旧作アニメの方ではオリジナルストーリーで再登場したと共に大きな活躍も見せました。
さらに新作アニメでも番外編の中で津南における新たな場面も追加されました。
旧作アニメでは津南の炸裂弾が島原編でも役立った
旧作アニメでは京都編の後から最終話にかけて、オリジナルストーリーが続く形で続けられました。
その先端となる島原編では、左之助が津南から譲られた炸裂弾を「まだ3個ほど残して持ち続けていた」という設定が加えられましたが、そのような後付け設定が逆に敵側の野望を阻止することに役立ったのです。
島原編のラスボスとして登場した天草翔吾にも気づかれないように暗躍していた傀王に出し抜かれた中で、再び津南の炸裂弾が爆発します。
左之助がロレンゾ庄三に渡していた”残っていた炸裂弾”が地面に落ちたことによる爆発に傀王も巻き込まれる形で倒したことにより、傀王の脱出や野望を止めることを成功させました。
風水編では剣心と共に前線で戦った
旧作アニメのTVシリーズ最終章として放送された「風水編」では、佐伯がかけた呪法で薫が死亡の危機に陥された上、東京そのものを滅亡される危機に陥りました。
そんな絶望的な状況の中でも、剣心と風水師(陣風)と共に再登場した津南も情報収集などで都内を駆け回ります。
さらに、佐伯との最終戦では津南も剣心と共に前線へ赴き、戦う剣心のサポート役としても大活躍しました。
新作アニメでは島原編や風水編までリメイクされる可能性が低いため、これらのストーリーを知りたい人には過去に発売された円盤や配信で視聴することをお勧めします。
神谷薫の強さや奥義、結婚、北海道編で迎える結末については「【るろうに剣心】神谷薫の結婚と息子・死亡説 | 強さと奥義・北海道編での結末とは」の記事を参照ください。
新作アニメでは剣心の似顔絵も描いた
新作アニメでは過去の回想とは別に、津南のエピソードで新たな場面が追加されました。
それが神谷道場での宴会の中で「剣心の似顔絵を描く場面」です。
しかし、剣心の深過ぎる過去(幕末期や人斬り抜刀斎の頃)は津南でも全てを見抜くことができませんでした。
そのため妙や燕とは違い、剣心の似顔絵だけは「十字傷だけある”のっぺらぼうな絵”」に仕上がったのです。
また、少年期の頃は左之助の似顔絵も描いていたことも明かされました。
緋村剣心(人斬り抜刀斎)の過去と本名や結婚、十字傷や不殺の理由は「緋村剣心(人斬り抜刀斎)の過去と本名・結婚 | 十字傷や不殺の理由」の記事を参照ください。
月岡津南が北海道編で再登場する可能性について
人謀編では未登場で終わり、北海道編でもまだ再登場を果たせていない津南(原作コミック9巻までの時点で)ですが…
それでも津南が北海道編で再登場する可能性がゼロとはまだ言い切れません。
東京にはまだ北海道へ出航していない弥彦がおり、彼もいつかは剣心からの協力要請を受ける形で向かうはずです。
その時になって津南が神谷道場に再び訪れて、弥彦に「更なる進化を遂げた最新の炸裂弾を譲る」という展開もあり得るのでは…
とも考えられます。
そして、その炸裂弾がまたもや凍座を始めとした剣客兵器の暴走(実検戦闘など)を思いがけぬ形で食い止める結果に繋がりそうですね。
明神弥彦の強さや奥義、燕との結婚や子供については「【るろうに剣心】明神弥彦こそ主人公? | 強さと奥義・燕との結婚や子供」の記事を参照ください。
まとめ
今回は月岡津南の過去や目的、剣心たちとは大きく異なる能力について解説しました。
原作では出番が少なかった津南ですが、彼が作り出した”新型の炸裂弾”があったからこそ”志々雄の野望の一部”を食い止められたため、キャラクターとしての人気は高いと言われています。
また、旧作アニメでのオリジナル編や新作アニメでの追加シーンのおかげで再登場および新たな見せ場に恵まれた人物とも言えますよね。
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