ライトノベルやコミカライズで長年に渡って多くのファンを獲得し続けている「無職転生-異世界行ったら本気出す-」。
この記事では異世界に転生してきた主人公ルーデウス・グレイラットの母親であるゼニス・グレイラットのキャラクター性や魔術能力を始め、今後の展開の中で迎えてしまう廃人化から自身の記憶を取り戻すまでの展開にも迫りたいと思います。
※ こちらネタバレに関する内容が含まれています
無職転生の登場キャラ一覧は「無職転生の人物相関図」の記事をご覧ください。
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目次
ゼニス・グレイラットとは
まずはゼニス・グレイラット(以下は「ゼニス」と表記します)のキャラクター性から紹介していきます。
ゼニスのプロフィール
まずはゼニスの簡単なプロフィールから見ていきましょう。
種族 | 人族(人間) |
髪の色 | 金髪 |
クラス | 治癒術師 |
職業 | ・「黒狼の牙」メンバー ・ブエナ村の診療所の手伝い |
冒険者ギルドのランク | Sランク |
ゼニスもまた、夫のパウロと同じSランクパーティー「黒狼の牙」のメンバーでした!
剣士だったパウロとは違い、治癒術師として活動していたゼニスは、戦闘に参加するものの魔物たちとの直接的な戦いよりも傷ついた仲間たちのための“回復役”を担っておりました。
パウロの強さや過去に関することは、以下の記事で詳しい紹介しています。
ゼニスは子煩悩で少しヒステリックな母親
美人な上に明るくて優しいゼニスですが、そうした優しさは生まれて(転生して)きたばかりの息子に対しても、もちろん向けられてきます。
まだ0歳でありながらも「前世の男」の記憶が残っているルーデウス(幼年期)は、自分が転生されてきたグレイラット家の中を探るようにハイハイしながら動き回ります。
そうした中で息子の姿が見えなくなった途端にゼニスも必死になって探しますが、見つけ出した先が台所であるだけならまだしも、自分の下着を被っている息子の姿にはさすがに呆れてしまった様子です。
また別の日にはゼニスとリーリャが近くにいながらも少し目を離した瞬間に窓際から落ちて床に頭を打ったルーデウス(幼年期)をひどく心配して、すぐに自分の得意としている治癒魔術「ヒーリング」をかけてあげるのです。
治癒魔術をかけ終わった後にパウロも入ってきますが、感情的になりながらルーデウス(幼年期)が頭を打ったことを話しますが・・・
パウロ「落ち着けよ!子供なんだから落ちたり転んだりするさ」
ゼニス「でも、あんまり大怪我されて治せなかったらって心配で・・・」
パウロからの視点では、まだ小さな子が勝手に動きながら転んだり落ちたりするのは当たり前と考えて大丈夫だろうと軽く解釈しますが、それでもゼニスの方は強く心配し続けます。
こうした解釈の食い違いは現実世界の子供を持つ夫婦にもよく見られる光景ですが、頭を打った場所(床)が畳でも木製でもなく完全に”石製”であり、打ちどころが悪かったら今後の成長にも影響してしまう可能性もあるため、この時にはゼニスが感情的になって強く心配してしまう気持ちも分からなくもないですよね。
ルーデウス(幼年期)の詳細は以下の記事をご覧ください。
ゼニスはルーデウスの魔術の才能を見出した張本人
第1話の中でルーデウス(幼年期)が完全な独学を続けてきた末に強烈な大きさと威力を誇る「水弾(ウォーターボール)」を放ったことがキッカケで自分の息子に眠る“魔術の才能”を見出します。
ゼニス「もしかして、この本(魔術教本)に書いてあるの・・・声に出して読んじゃった?」
ルーデウス(幼年期)「ご、ごめんなさ・・・」
ゼニス「キャーッ!凄いわ、ルディ(ルーデウスの愛称)ったら“天才”よー!」
すぐに家庭教師をつけようと言い出すゼニスはパウロから”夫婦で決めた約束事”のことを言われて言い争いになってしまうものの、一緒に駆けつけてくれていたリーリャから適切なアドバイスをもらえたことで、すぐに和解します。
第1話の詳細は以下の記事をご覧ください。
気前の良さからハシャギやすいタイプでもある?
ゼニスもまた、パウロと同様に他種族の者を偏見や差別することなく”自分たちと同じ家族”として接してくれます。
ロキシーがルーデウス(幼年期)の家庭教師として訪れて初日の修行が終わってからは、彼女への歓迎会を開いてくれます。
ロキシー「お気持ちは嬉しいのですが、お返しできるものが何も・・・」
ゼニス「何言ってんの!」
期間限定(2年間だけ)であっても、新しい同居人への歓迎パーティー中ではパウロ以上にハシャいで盛り上がっている様子です。
ロキシーの詳細は以下の記事をご覧ください。
さらに第2話になると、ルーデウス(幼年期)が5歳の誕生日を迎えたことで彼をパーティー会場(いつも皆で食事を摂っている台所)まで目隠ししながら連れていくなど、ちょっとしたサプライズまでやってしまいます。
ゼニス「はい、目を開けて良いわよ・・・5歳のお誕生日、おめでとう!」
まさに小さな子にだけは通用しそうなサプライズであるものの、ルーデウス・・・と言うよりは「前世の男」にとって、ここまで自分の誕生日を盛大に祝ってもらえただけでも、大きな衝撃であると同時に嬉しかったのです。
ゼニス「5歳まで元気に育ってくれて嬉しいわ!生まれてくれて、ありがとうね」
この誕生パーティーではパウロやリーリャ、そしてロキシーも同席していたものの、その中で最もルーデウス(幼年期)の誕生日を喜んでくれていたのは紛れもなく母親であるゼニスだっだのでしょう。
第2話の詳細はこちらの記事をご覧ください。
夫の浮気と不始末も許してくれる寛大さ!
ルーデウス(幼年期)の5歳の誕生祝いも済み、ロキシーからの卒業試験も無事にパスした彼はブエナ村の中で出会ったシルフィエットと出会い、仲良くなっていくことで順調に成長したと思えた矢先に大事件が起きてしまいます!
この時期にゼニスは第二子を身篭り、その時点まではまだ「おめでた」で済みますが・・・
リーリャ「以前から疑わしい症状が続いていたのですが・・・申し訳ありません。どうやら妊娠したようです」
リーリャからの「妊娠」という言葉にゼニスだけでなくルーデウス(幼年期)も強く反応しますが、彼女からパウロの子を身篭ってしまったことが告げられたことで「パウロの浮気」が発覚してしまいます!
これにより非常に重い雰囲気の中で家族会議が開かれますが、リーリャからはゼニスの第二子が生まれるまでのお手伝いが済んでからグレイラット家から出て行くことを告げますが、彼女にとってはそれしか責任を取る術がなかったのです。
ルーデウス(幼年期)もまたゼニスとリーリャが6年間にも渡って一緒に仲良く過ごしてきたことを知っており「こんなおかしな別れ方は絶対にしてはいけない」という結論に辿り着いた末、母親に対して必死に説得を始めます。
ルーデウス(幼年期)「僕にとっては両方とも大事な家族で兄弟です!母様・・・」
ゼニス「あー、もう!分かったわよ!」
かなり演技じみた面もあったものの、息子からの必死の説得に応じたのです。
ゼニス「リーリャ、うちにいなさい!あなたは家族なんだから、勝手に出て行くことは許さないわ!」
「今後は自分たちから生まれてくる2人の妹たち(ノルンとアイシャ)も一緒に責任持って育てていく」という条件つきでパウロとリーリャを許してくれるのです。
(パウロだけに対しては、その後も当分の間は冷たく接してしまいますが・・・)
確かに2人を許す結論にまで至ったのはルーデウス(幼年期)からの必死の説得あってのものでしたが、もしもゼニス自身が浮気事件のことでパウロたちを完全に憎んでいた場合には速攻で多額な慰謝料を請求すると同時に離婚にまで踏み切っていたことでしょう。
それでも最終的に許してくれたのは、やはり「ゼニスの中にある寛大さ」による影響が大きかったと思われます。
出産後も崩されぬ抜群なスタイル!
ルーデウスとして転生されてきた「前世の男」すらも見惚れてしまう程の美貌と抜群なスタイルを誇るゼニスですが、それは第二子(ノルン)を出産した後でも崩されることなく維持されます。
それによってファンたちからは”お母さん”というよりは「お姉さんキャラ」として見られることも多いようです。
ゼニス・グレイラットの出生と過去
ここからはゼニス・グレイラットの出生からパウロと結婚するまでの過去に迫りたいと思います。
【ゼニスの過去①】実はミリス神聖国の貴族だった!
後に結婚することになるパウロと同じく、ゼニスの方もまたミリス大陸にある「ミリス神聖国」伯爵家の出身で“貴族”であることが後に判明していきます。
祖父 | ラルカン・ラトレイア |
祖母 | メルディ・ラトレイア |
父 | カーライル・ラトレイア |
母 | クレア・ラトレイア |
兄 | エドガー・ラトレイア |
姉 | アニス・バークランド |
妹 | テレーズ・ラトレイア |
こうして見てみると、かなり大家族のように見えますが、母のクレアとは今後の展開の中で娘であるゼニスだけでなくルーデウス(青少年期)とも大きく関わっていくことになります。
【ゼニスの過去②】パウロから助けられる形でパーティーに加入
ラトレイア伯爵家の次女として誕生したゼニスは「ミリス令嬢の鑑」と呼ばれながら特別視されておりましたが、成人を迎えた日に両親との喧嘩により家を飛び出していったことで冒険者として旅立ちます。
(この辺りはパウロと少し共通しているものがありますね)
始めは1人きりの冒険でしたが、そんな中で詐欺に遭いそうなところをパウロから助けられると同時にほぼ強引な形で「黒狼の牙」に加入させられます。
【ゼニスの過去③】ルーデウスを身籠ったことで結婚する
ミリス教徒は「一夫一妻」を信条としており、それに関してはゼニスも例外ではありません。
それによりパウロの”女にだらしない性格”を嫌っていたゼニスですが、彼との「他の女性には手を出さない」という約束を交わした後に一度だけ肉体関係を持つものの、その時にルーデウスを妊娠したことがキッカケで結婚します。
そしてパーティーも解散してブエナ村に移り住んでから第一子(ルーデウス)を無事に出産しますが・・・その6年後にパウロの方がリーリャとの関係を持つ上に子供まで孕ませてしまうという、極めて最悪な形で約束を破られてしまうのですから、ゼニスから見ればたまったものじゃありませんよね!
パウロ(父親)の詳細は以下の記事をご覧ください。
ゼニス・グレイラットの魔術能力
ここからはゼニス・グレイラットの回復術師としての魔術能力や趣味としての能力にも迫りたいと思います。
中級までの回復魔術を使用できる
パウロたちと同じパーティーで治癒術師として活動してきたゼニスですが、中級までの“治癒魔術”と“解毒魔術”を使えます。
第1話の中で床に頭を打ったルーデウス(幼年期)を強く心配しながら治癒魔術をかけてくれるのです。
ゼニス「よしよし・・・念のため、痛いのが飛んでいく“おまじない”をかけてあげるね!」
息子の頭上に手を乗せて詠唱を始めた時「前世の男」からは、これが異世界流”痛いの痛いの飛んでけー!”のおまじないと捉えられてしまいますが、彼女の手から光が発せられた途端、これが“本当の魔術”であることに気づきます。
ゼニスはブエナ村の診療所でもお手伝いとして働いてますが、彼女が得意とする治癒魔術は現在の仕事においても大いに役立っているということですね!
ルーデウスやロキシー達と異なり、ゼニスが実際に魔術を使う場面は本編の中では極めて少ないため、第1話の中で見られたことはかなり貴重だったかもしれません。
実はジャム作りの名人でもある
これは魔術とは関係なく、あくまでも“趣味”としての能力ですが、自宅内のお庭で好きな園芸もやっており、ブエナ村の中では“ジャム作りの名人”とまで呼ばれております。
ロキシーの「水弾(ウォーターボール)」で大切に育ててきた木を折られた時は散々でしたが、こうした特技を活かして作ったジャムや苗木を村の中で販売していけば、それなりの売り上げを得られるかもしれませんね。
ゼニス・グレイラットが迎える今後の展開
ここからはゼニス・グレイラットが迎えることになってしまう今後の展開にも少し触れてみたいと思います。
結果的に2人の子宝に恵まれる
先の項目でも触れましたが、ゼニスは人生の中で結果的に2人の子宝に恵まれます。
ルーデウス・グレイラット | ・本作品の主人公であり、わずか2歳で自力で魔術を放ったところを見たことで”魔術の才能”を見出した結果、家庭教師(ロキシー)をつける。 ・パウロ似の茶髪とゼニス似の優しい顔立ちが特徴的 ・パウロからの提案によって、7歳の時にボレアス家に強制移送させてからは離れ離れに暮らしていくことになる。 ・青少年期に成長してからはパウロやロキシーと共にゼニスを救出してくれることとなる。 |
ノルン・グレイラット | ・母親であるゼニスに似た金髪が特徴的。 ・兄妹の中で唯一、特別な才能を持たない”普通の子”である。 ・実の子でありながらも「フィットア領転移事件」が原因でパウロの方と一緒に過ごす期間があまりにも長くなってしまい、結果的には”お父さんっ子”になってしまう。 |
ちなみにパウロの浮気によってリーリャが身籠ってしまった“アイシャ・グレイラット”もノルンと同じ日に誕生します。
彼女もリーリャと共にグレイラット家で暮らしていきますが、その母親からは「将来ルーデウスに仕えるメイド」になるための教育を施されていきます。
しかしゼニスは自分の血がつながってはいないアイシャに対しても差別や偏見などせず、あくまでも“自分の子”として愛情を持って優しく接してくれるのです。
「フィットア領転移事件」で行方不明にされてしまう!
ボレアス家で”エリスの家庭教師”として頑張っているルーデウス(少年期)が10歳の誕生日を迎えた翌日、フィットア領の中で大規模な魔力災害が発生します。
(この大災害は後に「フィットア領転移事件」と呼ばれます)
その被害に遭ってフィットア領から遠い地に転移されたのはルーデウス(少年期)やエリスだけでなく、ブエナ村で暮らし続けているゼニスたちも転移されることで離れ離れにされてしまうのです!
ここでグレイラット家の者たちが転移されていった場所を簡単に紹介しておきます。
ルーデウス(少年期) | 魔大陸 |
ゼニス | 転移の迷宮 |
パウロとノルン | アスラ王国の南部 |
リーリャとアイシャ | シーローン王国 |
パウロがノルンを連れながらゼニスの故郷であるミリス神聖国に向かう一方、リーリャとアイシャはルーデウス(少年期)が助けにきたことと、弟子のザノバがパックスの悪事を露見したことで親子一緒に解放されます。
その後にはパウロと青少年期に成長したルーデウスによる再会や親子喧嘩(ギースのおかげで仲直り出来ましたが)も経て、ゼニスの居場所もついに突き止めることができるのです!
ゼニス救出とパウロの死・・・
ゼニスが監禁されている「転移の迷宮」へとパウロとルーデウス(青少年期)を始め、ロキシーや「黒狼の牙」元メンバーたち(一部のみ)と、これ以上ないと思われる最強パーティーで潜入します。
迷宮の最階層に到着したパウロたちですが、そこで”9本もの首を持つ巨大なドラゴン”である「ヒュドラ(魔石多頭龍」が待ち構えておりました!
あまりにも強大な敵との激戦の末に勝利しますが、パウロがヒュドラの攻撃からルーデウス(青少年期)を庇うことで死亡してしまいます。
ゼニス救出を何とか達成するものの、その代償はあまりにも大きかったのです。
さらに救出されたゼニス自身もまた“完全に無事”というわけではありませんでした・・・。
ゼニス・グレイラットの廃人化から記憶が戻るまでの展開
ゼニスもまた、夫(パウロ)や息子(ルーデウス)と同じく「フィリップ領転移事件」に巻き込まれて行方不明となった後から、あまりにも残酷で悲しい展開を迎えてしまいます。
そこでゼニスが廃人化してしまってから記憶を取り戻すまでの展開を辿ってみたいと思います。
家族たちから救出されるも廃人化に!
ルーデウス(青少年期)たちの奮闘やパウロの犠牲も経てゼニス救出には成功したものの、この時の母親は完全に言葉を失って廃人状態と化してしまっていたのです。
それでもゼニスも連れられる形で「転移の迷宮」を脱出してからは、ラノア王国の北端部に位置する大都市シャリーアにあるグレイラット邸でリーリャに面倒を見てもらいながら、少しずつ生活が出来るようになっていきます。
母の元に連れ戻されてしまう
救出されたゼニスがリーリャのおかげで少しずつ生活が出来る程のレベルまで戻っていく中でも数年もの年月が経過します。
この時期にラノア魔法大学を卒業したルーデウス(青少年期)と共にミリス神聖国にいる母(クレア)から呼び出されたために、アイシャやクリフも同行する形で母子一緒に訪れます。
その時にクレアから聞かされた“ゼニスの治療法”も含めた話の内容によってルーデウス(青少年期)たちはクレアと言い争いになってしまいますが、翌日にラトレイア家の者によってゼニス自身が誘拐されてしまうのです。
それでもルーデウス(青少年期)がクレアと言い争う中に割って入り、2人の仲を取り持とうとします。
神子が見せてくれる記憶と思い出・・・
ここまでの経緯の後、ルーデウス(青少年期)は「神子誘拐の嫌疑」をかけられてしまうことで神殿の騎士団と戦いますが、神子の協力も得ることで和解します。
この際にクレアとの不仲も解決したのです。
これらの騒動が解決した後は一旦家に戻りますが、翌日になるとゼニスを診てもらうために教団本部へと訪れます。
神子「それでは、始めますね」
ゼニスと向かい合わせになる形で神子が顔を近づけて覗き込みながら彼女の記憶を見た結果をルーデウス(青少年期)に告げてきますが、まずは「フィットア領転移事件」が起きる前までの記憶を告げられます。
- ルーデウス(少年期)がボレアス家で暮らすようになってからもノルンとアイシャを育てながら治療院の仕事を手伝っていた。
- ルーデウス(少年期)と離れて暮らすようになってからも、息子のことを毎日心配し続けてきた。
- 「フィットア領転移事件」で転移される時には記憶も途切れてしまう。
それから暫くの間、ゼニスの記憶そのものが真っ黒な視界に閉ざされてしまいますが、その後から神子も自分の目を閉じながらゼニスの口調で話し始めます。
ゼニス(神子)「パウロは亡くなったけど、ルディはシルフィちゃんと結婚して子供が生まれて・・・でも、やっぱりあの人(パウロ)の子供なのね!ルディったらロキシーちゃん、エリスちゃんと、どんどん増やしていって!でも、みんな幸せそう」
本当に記憶を失ったままであるならば、夫や息子のこと、ましてやシルフィエットやロキシーの存在も覚えているはずがありません。
更には転移させられてから起きた出来事(パウロの死亡やルーデウスの結婚)など知ることが不可能なはずです。
そしてゼニス(神子)の言葉はいもうのノルンやロキシー、エリスたちにも向けられるのです。
ここまでは、ここ数年間の記憶であり、この後には自分の孫たち(ルーデウスの子供たち)の話に変わります。
この時にはルーデウス(青少年期)の目頭が熱くなると同時に涙も流れ始めます。
しかし、孫たちへの言葉に関しては事実と少し違っているところもありました。
ルーシーはゼニスにはあまり近寄らず、ララはあまり喋らない子です。
これは完全な記憶でなく、半分以上はゼニスによる“妄想”も入っていたのですが、彼女が虚ろな目で見ている世界があまりにも優しすぎたのです。
ゼニス(神子)「ルディはとっても立派になった。ノルンもアイシャも成人したし、シルフィちゃんとの次の子供が生まれる」
記憶はかなり最近の時期まで辿りつき、この次は自分の母親(クレア)への想いを語り始めます。
ゼニス(神子)「お母様(クレア)は、すっごくお婆ちゃんになってた。昔と全然違うの。私を叱るどころか泣きそうな顔でゼニス、ゼニスって」
それでも母親が自分のことを常に心配してくれていたことはしっかりと理解しておりました。
そして自分のことでクレアとルーデウス(青少年期)の仲が悪かったことも見ており、何とかして仲直りしてほしいことを願っていたのです。
記憶を辿るのは、ここで終わりとなりますが、それが終わった後の神子は大きな疲れを見せておりました。
そうした状態の中でもルーデウス(青少年期)に対して“決定的な事実と結論”を告げてきます。
神子「少なくとも彼女(ゼニス)は今、幸せを感じています。パウロさんが死んだこともキチンと知っています。現状を理解していますよ」
そう言われたルーデウス(青少年期)の方も、そのことをしっかりと受け止めます。
確かにゼニスは現状を理解していたのです。
孫たちのことに関しては事実と少し違っていた部分もあるものの、完全に廃人と化したままでは自分の家族たちの現状をここまで理解することなど不可能に近いでしょう。
表面上だけでは大きな回復が見られていないものの、ゼニス自身は「転移の迷宮」から救出された後からは少しずつ自分や家族に関する記憶を取り戻していたことになります。
しかし神子の方は、記憶とはまた別に“重要なこと”に気づいたのです。
ゼニスも「神子」であることが判明!
神子からルーデウス(青少年期)に向けて告げられる”重要なこと”とは以下の2つになります。
①「思考を読める能力」が身についていること。 | ・まだ全ての思考を完全に正しく読めているわけではない。 ・読みきれなかった部分(ルーシーやララのこと)は自分の理想的な内容(妄想とも言う)で補完している。 |
②ゼニスは「神子」であること。 | ・ラトレイア伯爵家の次女として誕生して「ミリス令嬢の鑑」とまで呼ばれながら育ってきたゼニス故に珍しいわけでもなく「思考を読める能力」も習得ししてしまったことまで判明したことでルーデウス(青少年期)もまた静かに頷いた。 ・この件に関しては広まってしまうと、またもや騒動にまで発展してしまいかねないため、神子とルーデウス(青少年期)の中だけの”秘密”とされる。 |
この時点ではゼニスの治療どころか、その方法すら掴めずに終わってしまうものの、それでもゼニスの中にある意識や記憶だけは大きく回復しており、自分たちの家族や現状を理解してくれていただけでもルーデウス(青少年期)にとっては本当に嬉しく、大きな収穫になったのです。
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まとめ
今回は今回は主人公ルーデウスの母親であるゼニスのキャラクター性や能力を紹介しながら「フィットア領転移事件」によって行方不明になってしまった後展開や廃人化から記憶を取り戻すまでの展開にも迫ってみました。
- ゼニスもまた”貴族”家系の出身であり「ミリス令嬢の鑑」と呼ばれながら特別視されながら育ってきた。
- 成人した日に両親と喧嘩になって家を飛び出して冒険者として旅立つ中でパウロとの子供(ルーデウス)を妊娠したことにより、パーティー解散後にブエナ村に移り住んでから出産した。
- 「フィットア領転移事件」で家族たちと離れ離れにされてしまってからは「転移の迷宮」に監禁されるものの、息子(ルーデウス)たちの活躍やパウロの死亡も経て救出される。
- 救出された後は廃人化してしまうものの、リーリャとの生活で少しずつ身体も動かしながら生活できる状態まで回復する。
- 表面上では廃人のままでも、神子のおかげで内心ではゼニス自身の記憶が戻っていると同時に「思考を読める」能力を習得したことや実は「神子」であることも判明する。
神子によってゼニスの記憶を辿る場面では感動のあまり号泣したファンも本当に多かったそうです。
悲しく切ない気持ちもあるものの、本作品の中ではパウロの死亡と並んで「感動できる名場面」に入りますよね!
登場キャラクター | ||
ルーデウス |
ロキシー |
シルフィット |
エリス |
ルイジェルド |
ギレーヌ |
パウロ |
ゼニス |
リーリャ |
キシリカ |
オルステッド |
アルマンフィ |
エリナリーゼ |
タルハンド |
ヒトガミ |
ノルン |
アイシャ |
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