『葬送のフリーレン』は2020年から、山田鐘人先生(原作)とアベツカサ先生(作画担当)のコンビによって週刊少年サンデーで大人気連載中の漫画作品です。
2021年漫画大賞など、多くの賞も受賞されており「泣けるファンタジー作品」とまで呼ばれ、大きな話題となりました。
さらにテレビアニメ化も決定しており、2023年9月末での金曜ロードショー枠で放送される第1話を皮切りに放送中です。
本記事では、ハイターの酒好きや優しさなどの性格、勇者ヒンメルや弟子に取ったフェルンとの関係性を紹介。
また、ハイターの高い魔力や化け物級な魔法についても解説します。
本作品の人物相関図は「葬送のフリーレンの人物相関図!登場人物・キャラクターの一覧を解説」の記事をご覧ください。
ハイターとは
ハイターは、かつて勇者ヒンメル率いる勇者パーティーの一員としてフリーレンやアイゼンと共に冒険していた僧侶です。
魔王も倒して冒険も終えた後から本編では第2話の時点で故人となってしまうものの、フリーレンたちによる回想シーンでほぼ毎回登場しているため、出番は意外と多いキャラクターでもあります。
ハイターのプロフィール
年齢 | 享年90代 |
種族 | 人間 |
職業 | 僧侶→司教 |
好物 | お酒 |
勇者一行の僧侶
勇者ヒンメルの仲間として、共に魔王討伐の冒険に出ていたハイターは“僧侶”であり、パーティーの回復役として必要不可欠なポジションにいました。
ただ、僧侶だからと言って単なる回復役というわけでなく、仲間たち(特にヒンメルとアイゼン)が問題を起こしてしまった時の“トラブル処理係”のような役目も果たしています。
旅立ちの日においては、ヒンメルとアイゼンが王様に対してタメ口で話したせいで処刑されかけたこともありました。(下手をすれば、この初日の時点で冒険を終わらされていた可能性もありましたからね)
しかし、フリーレンと一緒になって必死に謝罪したことで何とか乗り切れていたわけです。
ヒンメルのかっこ良さやフリーレンへの恋愛感情については『【葬送のフリーレン】ヒンメルがかっこいい | フレーレンへの恋愛感情はあった?』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
冒険の後は聖都の司教となる
ヒンメル達と共に魔王を討伐して、冒険を終えた後には“聖都の司教”となります。
フリーレン達と50年ぶりに再会した時には「偉大な僧侶」として、多くの人々から尊敬されてきましたが…50年後にもなると、彼女やアイゼンとは違って人間であるハイターとヒンメルの2人が年相応に老けていました。
フリーレンからはこうした老けた姿も「貫禄」と言ってもらえます。
酒好きな一面も
ハイターには実は「大酒飲みの生臭坊主」という一面もあります。
第1話の時点で既に魔王討伐した後であると同時に、平和になった記念の宴が開かれている最中に、各々が冒険中の出来事を振り返ります。そのとき、ハイターの場合は、酒好きが災いして“二日酔い”になってしまったことも。
さらに、皆が悩んでいた中でもお酒を持ちながら励まそうとしてきますが、ヒンメルからは「単に自分が呑みたいだけ」と速攻で見抜かれた場面もありました。
本来ならば、回復役が酒好きで二日酔いとなってはお話にもならないと言いたいところです。
ただ、僧侶という責任の重いポジションや問題者揃いなメンバーたちのサポートを買って出てくれていたことによるストレスを解消するための癒しでもあったようにも思えます。
ハイターの死亡時の年齢とは
ハイターもまた、同じ人間であったヒンメルに続いて天命をまっとうする形で死亡しましたが、人間としてはかなり長生きした方です。
ヒンメルが76歳で死亡したのに対して、ハイターの方は実に100歳近く(90代)まで生きてきたのです。
そういう意味ではハイターが生きてきた年数は「人生100年時代」と言われる現代社会を反映されてのものかもしれませんね。
また、魔王討伐によりパーティーを解散した後も、戦士アイゼンとは“文通”という手段で、お互いの連絡を取り合い続けてきました。
アイゼンの強さ、ハイターやシュタルクとの関係性については『【葬送のフリーレン】戦士アイゼンの強さと能力 | シュタルクとの師弟関係と別れた理由』の記事で紹介しているので、こちらも参照ください。
ハイターの声は声優「東地宏樹さん」が担当
ハイターの声を担当している声優さんは「大沢事務所」に所属する東地宏樹さんです。
東地さんは芝居に対して熱く打ち込む友人の影響で日本大学芸術学部の演劇科に入学され、卒業後からは主に舞台俳優や洋画の吹き替えで活躍されてきました。
テレビアニメでは、1999年に放送された『ターンAガンダム』のタルカ役や『HUNTER×HUNTER』のジン役でデビューを果たされました。
東地宏樹さんの代表作(キャラクター)は、以下のとおりです。
- 『黒執事』バルドロイ役
- 『機動戦士ガンダムAGE』グノーデック役
- 『名探偵コナン 警察学校編』伊達航役
- 『俺だけレベルアップな件』白川大虎役
ハイターの性格
その優しそうなルックスや表情を裏切らないような、穏やかで明るい性格のハイター。
そうした優しさもまた、フェルンを引き取ってくれた要因となりました。
穏やかで温和な性格
日頃から穏やかで温和な性格だったハイターは、その優しさがヒンメルやフリーレンたちにとっても1つの癒しになっていたように感じます。
これは本編の回想シーンを繰り返して読んでみると気づけることですが…彼女たちのパーティーメンバーは、人間でない2人が無表情であることが多かった分、人間キャラの2人が“笑顔”を補っていた印象もあります。
同じ笑顔でも、ヒンメルの方が勇者かつリーダー的な存在であったために勝ち気で強めな印象だったのに対して、ハイターの笑顔は常に穏やかなものでした。
自分から皆に呼びかける時も、ヒンメルのように叫ぶのではなく、あくまでも穏やかな呼び方でしたからね。
フェルンを引き取る優しさを持つ
ハイターがフェルンを引き取った理由の中にも“優しさ”が入っています。
南側諸国で戦災孤児となり、両親を失った絶望感で飛び降り自殺を図ろうとしたフェルンを助けた上に引き取って育て始めます。
ただ、育てていく中でもハイター自身の方が最晩年化していきますが、そうして自身の寿命が迫る中でも、フェルンのことを強く心配して気にかけてくれていたのです。
そうした優しさはフェルンだけでなく、彼のことを知るザインからも「優しく頼り甲斐のある理想的の大人」として尊敬されています。
戦災孤児のフェルンを引き取った理由
ここでは、戦災孤児となったフェルンを引き取った理由やの育て方について迫ります。
同じ戦災孤児としての境遇に共感した
自身で呼び出したフリーレンからは「進んで人助けするような質じゃないのに…」と、フェルンを育てていることに疑問を抱かれます。
確かにハイターの性格や性質においては、幼馴染(ヒンメル)や共に冒険した仲間たち(フリーレンやアイゼン)が1番理解できていると思います。
ただ、ハイターの持つ優しさがあれば、フェルンのような幼い子供が自殺を図ろうなどとする現場に直面したなら、そのまま黙って見過ごせるはずがありません。
そうした優しさに加えて、ハイターも幼少期から“戦災孤児”の身でした。それ故、自分と同じ境遇の子供(フェルン)に共感したことが決め手となったのでしょう。
フェルンには魔法を教えた
第2話でフリーレンが久々に彼の前に訪れた時には、既にフェルンを弟子として育てながら魔法を教えていました。
さらに、この時期には既に弟子(フェルン)がほぼ一人前の実力に到達していたために、1人きりで修行に励む日々となっていました。
ハイターが魔法を教えるようになったのは、「自身の寿命が近づきつつあるため」です。
今はまだ親代わりの自分が一緒にいられるから良いものの、寿命が尽きて自身が死んだ後からは、まだ子供(当時9歳)のフェルンが今度こそ本当に1人で生きていかなければなりません。
ハイターがフェルンに魔法を教えていた理由も、フェルンが「1人でも生きていけるための力を身につけさせるため」だったのです。
自身が本当に死を迎えてから、フェルンからも「育ての親」として大切な存在とされています。
フリーレンにフェルンを託して息を引き取る
第2話でハイターの方からフリーレンを呼び出した理由とは、まさに「フェルンを託したいため」でした。
始めは”頼み事”と称して、フェルンをフリーレンの弟子に取ってほしいとストレートにお願いしますが、速攻で断られてしまいます。しかし、それだけで諦めるはずもなく、ハイターなりの策略でフリーレンの心を動かしていくのです。
この時にハイターが行った策略とは、次の3つです。
- 強力な魔法力をフリーレンに見せて感心を持たせる
- 期間限定の形で師匠の代理をやってもらう
- 3人一緒に過ごすことで交流しながら親近感も抱かせる
こうして過ごさせるうちに、フリーレンの中にも無意識のうちにフェルンに対する関心や親近感を抱かせてしまったわけですね。
この時になると、フリーレンから教えてもらえたフェルンの魔法力も“一人前と言っても遜色ないレベル”にまで成長していたと同時に、ハイターによる策略にも気づいていました。
ハイター「もう足手まといでは、ありませんね」
フリーレン「謀ったな、ハイター」
ここまでのやり取りを経て再びフリーレンにフェルンを託してから、ハイターは息を引き取ります。
フリーレンからすれば本当に謀られた結果となりましたが、ハイターもまた単にお願いするだけでは聞いてもらえないことを理解しており、「どうすればフェルンを託せるのか?」と持ち前の頭脳を駆使しながら綿密に策略を練っていたのでしょう。
ハイターは戦災孤児でヒンメルの幼馴染
最後は、幼馴染(ヒンメル)との関係性を紹介していきます。
ハイターのヒンメルへの言葉が冒険のきっかけになった
僧侶としてヒンメルと共に魔王討伐の冒険に出ていたハイター。
この2人は“戦災孤児”として幼少期から同じ村の孤児院で過ごしてきた「幼馴染」という関係です。さらに、ヒンメルが勇者を目指す決意をさせた張本人もハイターでした。
まだ少年期だった頃にヒンメルが魔物から助けたお礼として行商人からもらった剣を青年に成長してからも大事に持ち続けているものの、驚くフリーレンに対して、反対側にいたハイターから横やりを入れる形で「偽物ですよ」と伝えてしまいます。
ハイター「偽物の剣しか持っていないから“偽物の勇者”にしかなれない」
ハイターがあまりにもストレートに言い放ってしまいますが、彼が発したセリフによって、ヒンメルの心に完全に火をつけてしまったわけですね。
ヒンメル「じゃあ、本物になってやろうじゃないか!」
こうしたやり取りがキッカケとなり、ヒンメルの方から言い出す形で本物の勇者になるための冒険が始まりました。
つまり、フリーレンやアイゼンも加えた過去の冒険を始めるキッカケを作った張本人とはヒンメルでなく、実はハイターの方だったことなりますね。
ヒンメルとは心から通じ合っていた
まだ冒険中だった若い頃は、仲間たちに対して何気に毒舌だった一面もあるハイターは、ヒンメルだけに対してはそれが特に強かった感もあります。
しかし、それはあくまでも仲間である上、ヒンメルにおいては幼少期から一緒に過ごしてきた親友だったためです。
自身が毒を吐いた後には、ヒンメルからも”偽物の僧侶”や”生臭坊主”など言い返されますが、それは彼からも最も心を許せる仲間かつ親友と認められていたからでしょう。
冒険が終わってから50年後に、ヒンメルの方から先立たれた後にも、フリーレンたちが悲しむ中…内心で最も悲しんでいたのは、やはりハイターだったと思われます。
ヒンメルのかっこ良さやフリーレンへの恋愛感情については『【葬送のフリーレン】ヒンメルがかっこいい | フレーレンへの恋愛感情はあった?』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
ハイターが誇る化け物級な魔力や魔法とは
本作品が魔王討伐後の時代を舞台に描かれている上、年老いたハイターも原作2話の時点で死亡により退場しました。
そのため、ハイターが実際に魔法を使う場面はなかなか描かれてきませんでしたが、原作97話での回想シーンでとんでもない化け物級な魔法を使えていたことが判明します。
ハイターは人間の中では最強の魔力もち
ハイターは“フリーレンの5分の1程”もの高い魔力を秘めていたことが明かされています。
ハイターが死亡後の時代でも、ザインやメトーデ、ユーベルなど人間の魔法使いキャラも多く登場してきましたが、そんな彼らも魔力量や高さにおいてはハイターには及ばないはずです。
そのため人間の中だけで限定すれば、ハイターこそが「最強の魔力もち」の座に君臨しているものと考えられます。
勇者ヒンメルパーティーは、それぞれが「化け物級な強さや能力」をもつことでも有名ですが、ハイターの場合は、その高い魔力こそが”化け物級”と言えるでしょう。
ユーベルの魔法能力の強さについては『【葬送のフリーレン】ユーベルがかわいい!切れる魔法の強さや能力も紹介』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
ハイターは使える魔法も化け物級
僧侶でありながら、ハイターが仲間たちを回復してくれた場面は意外と描かれていません。
しかし、原作97話での回想シーンで回復や治療を遥かに超えた化け物級な魔法を使えていたことが判明しました。
それは「無補給無酸素状態でも二ヶ月間生存できる魔法」であり、その長い文字数の魔法名通りの効果を発揮します。
しかも、この魔法の効果は2ヶ月間も継続されます。
そのため、魔王直属の部下”七崩賢”の1人・不死なるベーゼの結界魔法に閉じ込められた中でもヒンメルやアイゼンの力を中心に駆使して、固すぎる結界を日数かけて少しずつ破ることに成功しました。
実際に結界を破ったのはフリーレンの強大な魔法やヒンメルたちの攻撃でしたが、ハイターがかけてくれた化け物級な魔法があったからこそ、フリーレンたちの耐久力も上がって地道に結界を破り続けることができたのです。
まとめ
今回は、ハイターの性格や”酒好き”な一面を中心に紹介しました。
さらに、記事の後半ではフェルンやヒンメルとの関係性にも迫ってみました。
パーティーの中でも”僧侶”という職業だった故に、ヒンメルやフリーレンほどの派手さや大きな見せ場にはイマイチ恵まれていなかった印象も否めません。
しかし、ハイターを欠いてはフリーレン達も魔王討伐は成し得ていなかったでしょうし、彼の存在がなければ、フェルンを助けてくれる者もいなかったため、やはり本作品において欠かせないキャラクターですよね。
特にヒンメルにとってはハイターという幼馴染かつ親友がいたからこそ”勇者になる”という壮大な夢や目標に向かって頑張ってこられたはずです。
コメント