『葬送のフリーレン』は2020年から、山田鐘人先生(原作)とアベツカサ先生(作画担当)のコンビによって週刊少年サンデーで大人気連載中の漫画作品です。
2021年漫画大賞など、多くの賞も受賞されており「泣けるファンタジー作品」とまで呼ばれ、大きな話題となりました。
さらにテレビアニメ化も決定しており、2023年9月末での金曜ロードショー枠で放送される第1話を皮切りに放送中です。
本記事ではソリテールのかわいい魅力や魔力の絶大さを解説。
また、フリーレンとの戦闘での敗因やソリテール自身が「人間についての研究を続けた理由」やその結果についても迫ります。
本作品の人物相関図は「葬送のフリーレンの人物相関図!登場人物・キャラクターの一覧を解説」の記事をご覧ください。
目次
ソリテールとは
ソリテールはかつて魔王軍に所属していた無名の大魔族です。
そのかわいい容姿からは想像もつかない程に残酷な性格で、出会った人間たちを容赦なく殺してきた一方、人間への興味も抱きながら「人間の研究」を長年にわたり1人きりで続けてきました。
ソリテールも魔王の下で働いていた
ソリテールも無名の大魔族でありながら、かつては魔王の下について働いていたようです。
そのような中で魔王によって起こされた「人間と魔族による戦争」の中で戦ってきましが、フリーレンと実際に出会ったのは本編での時代でした。
魔王の亡き後から「人間の研究」を始めていた
勇者ヒンメル一行により自分たち魔族の主であった魔王を討伐された後もソリテールは生き残り、人気のない海岸で暮らしながら「人間の研究」を始めていたことで、一部の魔族たちからは「変わり者の魔族」とまで言われていました。
(ソリテールの研究や理由、結果においては後の項目で解説します)
そのように研究を続ける中で訪れてきたマハトと出会い“人間の感情”について語り合います。
ソリテールは黄金郷のマハトと旧知の仲
魔王直属の幹部「七崩賢」の1人・黄金郷のマハトとは“旧知の仲”であり、その2人の出会いが原作88話での過去編で描かれています。
「悪意」や「罪悪感」から始まり、人間の進化論や感情について話し合いますが、この時にはお互いの意見が噛み合わないままで終わりました。
それでも、フリーレン一行が黄金郷に入った時にはソリテール自身も本格的に動き出しては、マハトの手助けも兼ねて彼女たちへの攻撃を仕掛けます。
黄金郷のマハトの強さや魔法、デンケン達との過去や最期は『【葬送のフリーレン】黄金郷のマハトの魔法と最期 | デンケン達との長い過去』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
ソリテールのかわいい魅力に迫る
原作88話での初登場時から「かわいい」と、多くの読者たちの心を掴んだソリテールですが…
ここでは、そんな彼女が強く支持される魅力や理由について迫ります。
“小さなツノ”がかわいい容姿のアクセントに
パッと見では”美少女”という言葉が当てはまるソリテールですが、そのような可愛さの中にも頭部から生えている”2本のツノ”がさり気ないチャームポイントになっています。
美女系の魔族では断頭台のアウラがいるものの、彼女の場合は大きめなツノであるため、美人でありながらも「魔族だ!」と読者たちからも一発バレしていましたよね。
単に可愛いだけでなく、魔族特有のツノが小さめな点もまた、ソリテールをかわいく見せている大きなポイントにもなっているはずです。
葬送のフリーレン10巻を読んだ
ソリテールかわいい
最後のコマのフリーレンかっこいい— YUIM (@daisy_daisy_sk) April 9, 2023
死に際の言葉を聞くために人間と話す姿もかわいい
ソリテールは「人間の死に際の言葉や台詞を聞くこと」にも強い興味をもっており、その辺は魔族ならではの怖さを感じた読者も多かったはずです。
さらに、そのために人間との会話も本格的に始めますが、それもまた「自分が人間を殺せる隙を突くため」です。
しかし真逆な見方をすると、それはソリテールが「自分の目的のために頑張っている姿」とも解釈できないでしょうか?
そのような姿には「ソリテールの健気さ」も少なからず見えてしまうんですよね。
血まみれでも笑顔を貫き通す姿もかわいい
ソリテールと言えば日常時でも戦闘時でも、常に「冷たい笑顔を絶やさない」という特徴もありました。
それは自分がフリーレンとの戦闘で逆転負けした時も同様であり、フェルンの攻撃魔法をマトモに喰らい「血まみれでボロボロな姿もかわいい」と称賛する読者も多いようです。
しかも、そんなボロボロにされた状態でも最期を迎えるまで「笑顔であり続けた点」もまた、ソリテールの魅力の1つと言えます。
フェルンの魔法能力の強さやシュタルクへの想いは『フェルンの魔法・強さはフリーレンより上? | シュタルクとの恋愛や結婚について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
ソリテールの魔法と強さ | フリーレンをも超えていた?
ソリテールの高すぎる魔力は非常に絶大であり、フリーレンにさえ「マハトと同格の存在」とさえ思わせた程です。
短期間とはいえ、ソリテールが本編で見せてきた絶大な強さや能力、攻撃魔法について解説していきます。
無数の剣を出す魔法でフェルンやシュタルクを圧倒する
ソリテールの強さは、フリーレンよりも先に戦ったフェルンとシュタルク、そしてデンケンの3人が思い知ることになりました。
幾多もの実戦経験を積みながら成長してきた2人が一緒に戦ってもソリテールには敵わなかった上、デンケンにもゼーリエから譲ってもらい自分にかけていた”呪い返しの魔法”を解除させました。
正式な魔法名まで明かされなかったのが残念ですが、ソリテールは自分の周囲に「無数の剣で攻撃する魔法」を得意とします。
この魔法で出された多くの剣を一斉に放つことで容赦なくフェルンやシュタルクに重傷を負わせます。
ただ、この戦闘の途中でマハトが広範囲にわたってかけた「ディーアゴルゼ」の魔法でフェルンたちも黄金化させられたことで彼女たちとの勝負は一時的に中断させられてしまいます。
とはいえ、フリーレンがまだマハトの過去について解析中だったあの時点で戦い続けていた場合、ソリテールは自分の魔法で容赦なくフェルンとシュタルクの2人を殺してしまっていたでしょうね…。
シュタルクの真の強さや過去は『【葬送のフリーレン】シュタルクについて解説 | フェルンに嫌われている?』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
最強の攻撃魔法でフリーレンをも追い詰める
ソリテールにとっての「最強の攻撃魔法」もあり、まずはフェルンとシュタルクに放つことで大ダメージを負わせています。
その後にマハトの解析を完了させたフリーレンとの戦闘でも放ちますが、あのフリーレンにも出血多量にさせる程の重傷を負わせました。
まるで「見えない衝撃波」のような攻撃魔法ですが、ソリテールの最強魔法はフリーレンが張る魔力の盾(バリア)をも軽く破りながら本人にも大ダメージを与えた点が脅威的と言えます。
これまでに立ち塞がってきたアウラや水鏡の悪魔(複製体)には魔力を抑えながら戦っても勝利をつかんできたフリーレンですが…
ソリテールには魔力抑制どころか、フリーレンが本気で戦っても勝つことが難しい強敵だったわけです。
フリーレンが自分でも言っていたように、七崩賢などの地位や肩書きもない「無名な大魔族ほど厄介なものはない」とは、ソリテールこそがその理論に最も当てはまる存在と言えますよね。
強固な魔力の盾(バリア)でフェルンやフリーレンの攻撃魔法も防いでしまう
ソリテールの魔力や強さは攻撃だけでなく防御面でも抜かりありません。
フェルンが放つ魔法に加えて、フリーレンから放たれた「ゾルトラーク(魔族殺しの魔法)」さえも強固な魔力の盾(バリア)で防いでしまいます。
さらにフェルンが放った並の強さの攻撃魔法に対してはバリアなどを張らなくても、ソリテール自身のもつ強大な魔力だけで阻みながら打ち消してしまうことも可能です。
苦戦しながらも「魔力の密度を上げれば、ソリテールにも攻撃が通ること」を発見したフェルンですが、攻撃が通った場合でもかすり傷程のダメージしか与えられません。
そのため、ソリテールに対して莫大なダメージ量を与えるためには、ゾルトラーク級の強大な貫通魔法を「如何にして魔力を上げた上でバリア無しの状態で喰わらせられるか?」にかかっています。
並外れた解析能力や用意周到さ
フェルンやフリーレンをも圧倒する程の強大な攻撃魔法や防御力ばかり意識されてしまいがちなソリテールですが「並外れた解析能力」や「用意周到さ」もまた、ソリテールの恐るべき強みとなっています。
まず、50年も前からゼーリエたち大陸魔法協会の者たちによって黄金郷に張られた大規模な防護結界をもソリテールの解析能力だけで解除されました。
また、フリーレンと戦うにおいて彼女がアウラと戦っていた時の「残留魔力まで調べていたこと」も明かしていました。
そのため、アウラ戦では有効だった「敵を欺いて油断させる戦法」がソリテールには通用しなかった点こそが、フリーレンにとって最も大きな痛手だったかもしれません。
ただ、戦いとは決して武器や魔法でぶつかり合って始まるものとも言い切れません。
戦いに勝つためには自分の対戦相手のこと(強さや特技、魔法など)を予め知っておけた方が有利に運べるものであり、戦う相手がフリーレンのような強い魔法使いであるなら、尚更とも言えます。
このようなソリテールの下準備まで出来る用意周到さは、ある意味でマハト戦に備えてゼーリエから”呪い返しの魔法”を譲ってもらっていたデンケンとも共通していますね。
ゼーリエの強さや魔王を倒せない理由については『【葬送のフリーレン】大魔法使いゼーリエの正体や強さ | 最強でありながら魔王は倒せない?』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
デンケンの強さや魔法、妻やマハトとの過去は『【葬送のフリーレン】デンケンの年齢や魔法 | 妻やマハトとの過去』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
ソリテールの最期(死亡) | 敗因は油断とフェルンの超長距離射撃
強大な魔力や強さでフリーレンをも追い詰めたソリテールも、最終的には彼女たちに敗北させられた上で死亡する結末を迎えました。
実はソリテールもアウラとは異なる形での油断をしており、それこそが「ソリテール自身の敗北」を招いてしまったと言えます。
ソリテールがフリーレンとの戦闘を始めた時点で、マハトの魔法により黄金化させられたフェルンとシュタルクも元の状態に戻っていました。
そこでフリーレンがソリテールと直接対決する形で陽動役に徹する中で、フェルンをソリテールの”魔力探知できる範囲外”へと待機させます。
そのため、ソリテール自身はフェルンの居場所や攻撃の準備中であることに気づけません。
そして、原作102話でフェルンが範囲外からソリテール目掛けて放った「超長距離射撃によるゾルトラーク」が見事に命中したのです。
いくらソリテールの魔力の盾や防御力が硬かろうと、魔族殺しに特化した貫通魔法をマトモに喰らっては無傷で済むはずがありません。
戦いの中で自分が重傷を負わされるなど、ソリテールにとっては初めての経験だったはずです。
それでもソリテールは自分が期待および危険視してきた「人間の可能性」における新たな発見もしたことで、どこか満足気な表情のまま、フリーレンにトドメを刺されることで死亡しました…。
ソリテールが人間の研究を進めた理由と結果について
最後はソリテールが続けてきた「人間の研究」を続けてきた理由と、その結果について考察してみます。
ソリテールが研究を始めた理由は魔王がキッカケだった
マハトとデンケンによる過去編の中で初登場した時点で、ソリテールは既に「人間についての研究」を長年にもわたり続けていました。
ソリテールが人間の研究を始めた理由とは、かつて魔王から教えられた「収斂進化(しゅうれんしんか)」の概念がキッカケとなっています。
さらに魔王が「人間との共存」を望んでいることを知り、ソリテールもまた「人間への興味をもったもの」と思われます。
ソリテールは人間の未知なる進化の可能性に期待していた?
ソリテールが研究を続けた結果、1つの結論に辿り着きます。
それこそが「人間の未知なる進化の可能性」であり、自分で作り上げた”骨格標本”を出会ったばかりのマハトにも見せていました。
原作88話でマハトに対して、魚類に見えるクジラやイルカも元々は人間と同じ哺乳類として陸の上で生きてきたこと、それから海での生活を長年続けた結果、今の魚類のような姿に進化したことを説明しています。
そして人間の進化が続く中、ヒンメルやハイターのようにエルフ(フリーレン)やドワーフ(アイゼン)と共に魔王を討伐してしまった者たち、そして南の勇者のように七崩賢全員と戦いながら3人も倒した強者まで現れました。
魔王に仕えてきたソリテールにとって、自分たち魔族を束ねる存在(魔王)や同じ種族の強者たち(七崩賢)が人間に倒されたと聞いては、ソリテール自身が人間への興味を抱きながら更なる進化に期待する気持ちになるのも無理のない話ですよね…。
本心では「人間の感情」における共感でマハトに期待していた?
ソリテールは「人間の感情を知りたい」というマハトの意見や希望を「くだらない」と言いながら軽く一蹴してしまいます。
ソリテールにとっての興味はあくまでも「人間そのものや進化の可能性」だけであり、感情に対しては無関心だったようです。
また、ソリテールからの話で「人間と魔族は異なる種族でありながら全く異なるわけでないこと」が発覚します。
魔族もまた、自分たちとは異なる姿をした人間たちを欺き捕食するために「同じ姿に進化した」とされています。
そのため、本編では人の姿や形で登場しているソリテールやレヴォルテ、そしてマハトたち七崩賢も元々は竜やゴブリンなどに近い形だったのかもしれません。
そこから多くの人間を捕食しながら力や知識を習得した結果「本編での人の姿や形に進化したもの」とは考えられないでしょうか?
つまり、マハトが実際に「人間の感情を理解すること」や「人間と魔族の共存」を実現させることにより、これまでの研究ではまだ出せなかった「人間の更なる進化や可能性」を生み出せることに期待した上でソリテールも「面白いね」と返しながらマハトに共感していたのかもしれません。
表面上ではマハトの言い分を否定する言い方ばかりだったソリテールでしたが、本心ではマハトが自分の希望を実現してくれることに期待していたとも考えられます。
僧侶ハイターの性格や魔法、ヒンメルたちとの関係性については『【葬送のフリーレン】僧侶ハイターの声優 | 化け物級な魔法・死亡時の年齢』の記事で紹介しているので、こちらも参照ください。
ソリテールの研究結果 | 魔族と人間の共存を危険視した理由
デンケンからの「ゾルトラーク」を喰らって重傷を負いながらも街中にいるグリュックの元へ歩き続けるマハトに対して、ソリテールが自分の研究結果を発表するかのように語りかけます。
ソリテールから出された研究結果とは…
「共存という思想は危険」というものでした。
ソリテールが言う”危険”とは、自分が期待していた「人間の進化や可能性そのもの」ということになります。
かつて魔王によって起こされた「人間と魔族による大戦争」でソリテールの友人も大勢死亡したことが原作103話で判明しています。
さらに、その戦争の中で「魔族が人類に駆逐されて絶滅するところだった」と話していたところにも、ソリテール自身が如何に人間を危険視していたかが浮かびますね。
確かに魔王を倒した勇者パーティーにはヒンメルやハイターのような“化け物級な強さや魔力をもつ人間”もいましたし、その2人をも凌駕する強さを誇る”南の勇者”もいたのです。
そして本編の時代ではゼーリエの下で働くゲナウやレルネン達に加え、フリーレンとの冒険で目まぐるしい成長を見せているフェルンとシュタルクもいます。
また、本来はクヴァールなどの大魔族だけが使えるはずだった「ゾルトラーク(人間を殺せる魔法)」までも、フリーレンの研究結果によって一級魔法使いの人間たち(フェルンやデンケン)が「魔族を殺せる魔法」として使えるようになりました。
このような人間の進化の状況を見てきたソリテールは、このままでは「今度こそ、自分たち魔族が更なる進化を遂げた人間たちに絶滅させられるのでは?」という危機感を抱いても不思議ではありません。
仮に魔王やマハトによって「人間と魔族の共存」を実現できていたとしても…
やはり異なる種族同士である上、魔族や魔物は人間を殺さずにはいられないのです。
それは人間の方も同様であり、魔族に殺されるならば人間たちもまた正当防衛を掲げながら「殺られる前に殺れ」という精神に変わるのも当たり前となります。
かつて魔王の下で戦ってきたソリテールだからこそ、こうなることも見抜いた(または予感していた)上で人間の研究を進めながら「自分たち魔族が永遠に生き残れる方法や手段」を探し求めていたのかもしれませんね。
まとめ
今回はソリテールのかわいい魅力や魔力を始めとした絶大な強さを解説しました。
ソリテールが進めてきた「人間についての研究」に対して難解に感じた読者も多かったと思います。
しかし、ソリテールの研究は多くの種族が1つの世界で生き続けている本作品における「重大なテーマ」だったようにも感じられます。
ソリテール自身は原作103話で退場しましたが、今後の展開次第ではソリテールが進めてきた研究が思いがけぬ形で語られ、さらに深い要素や内容に踏み込んでいく点にも期待できそうですね。
本作品の全巻ネタバレの詳細は「【葬送のフリーレン】原作の全巻ネタバレ解説 | 謎や伏線回収なども考察」の記事を参照ください。
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