『葬送のフリーレン』は2020年から、山田鐘人先生(原作)とアベツカサ先生(作画担当)のコンビによって週刊少年サンデーで大人気連載中の漫画作品です。
2021年漫画大賞など、多くの賞も受賞されており「泣けるファンタジー作品」とまで呼ばれ、大きな話題となりました。
さらにテレビアニメ化も果たし、2023年9月末での金曜ロードショー枠を皮切りに放送中です。
本記事ではザインの過去、強さや能力を解説。
さらに、年齢や今後のストーリー展開で再登場する可能性にも迫ってみます。
本作品の人物相関図は「葬送のフリーレンの人物相関図!登場人物・キャラクターの一覧を解説」の記事をご覧ください。
ザインとは
ザインは原作27話(アニメでは13話)で初登場した人間の僧侶であり、ザインは北側諸国のアルト森林の近くにある小さな村で生まれ育った青年です。
また、短期間でありながらも一時的にフリーレン一行に加入して共に冒険した男性でもあります。
ザインの年齢は、およそ20代後半〜30代前半
原作35話までの時点で正式な年齢までは明かされないままフリーレン達と別れたザインですが、勇者ヒンメルや戦士ゴリラとの”年齢差”と比較しながら計算することで“およその年齢”を把握することが可能となります。
まず、本編の1話で勇者ヒンメルの死亡から29年も経過した時点でザインがフェルンやシュタルクよりも年上であること、さらにザインが「戦士ゴリラとほぼ同い年」であることまでは本編の中で把握できます。
このような時系列や時代の流れから汲み込みながら、ゴリラもヒンメルと同じく16歳の頃に旅立ったと仮定しながら計算してみた結果、フリーレン達と出会った時点でのザインの年齢は「およそ20代後半〜30代前半あたり」と割り出すことができました。
今後の再登場などにより、ザインの正式年齢まで判明される展開にも期待したいですよね。
ザインの2つの別名の由来とは
ザインには初登場した時点から“2つの別名”があり、村人たちから呼ばれている「破壊僧」と、ハイターから名付けられた「僧侶アゴヒゲ」の2つです。
「破壊僧」とは、ザインが村や周囲に見せている“だらしない性格”が由来となっています。
一方「僧侶アゴヒゲ」とは、過去に兄と共にハイターから魔法を教わっていた頃にザインの顔の特徴から連想されて名付けられています。
僧侶ハイターの性格や魔法、ヒンメルたちとの関係性については『【葬送のフリーレン】僧侶ハイターの声優 | 化け物級な魔法・死亡時の年齢』の記事で紹介しているので、こちらも参照ください。
ハイター以上の生臭坊主だけど良質な常識人
ザインはお酒やタバコに加えてギャンブルや年上のお姉さんまで大好きのため、ある意味では「ハイター以上の生臭坊主」とも言えます。
しかし、その本質は「善良な常識人」であり、アルト森林の底なし沼に嵌った中でフリーレンに助けてもらえたお礼を「シュタルクへの治療」という形でしっかり返すなど、大人としての常識や義理堅さも併せもっています。
冒険中はフェルンとシュタルクの恋仲まで取り持ってくれた
ザインは大人の男性ながらの“面倒見の良さ”を発揮しながら、フリーレン一行と短期間の冒険中には自分よりも年下の仲間であるフェルンとシュタルクの恋仲まで取り持ってくれていました。
その取り持ちが最も描かれていたのが原作29話で迎えた“フェルンの誕生日”であり、自分の誕生日に気づかずプレゼントを用意していなかったシュタルクに強く責めすぎたフェルンに対して“男の子の性質”について分かりやすく教えながらアドバイスしたことで「フェルンとシュタルクが仲直りできるキッカケ」を作ってくれました。
さらに続く30話ではフェルンがシュタルクから贈られたブレスレットを嬉しそうに装着していましたが、そのデザインが“鏡蓮華”であり「久遠の愛情」という花言葉までもつことをさりげなくフェルンの前で解説してくれています。
ちなみに、その花言葉には「恋人への贈り物」という意味が込められている点も解説したものの…
まだ10代の2人にはそこまで分からずに選んでいたようです。
原作35話で再び喧嘩したフェルンとシュタルクのいない場ではフリーレンと一緒にお酒を呑みながら「もう付き合っちゃえよ!」などと大声で叫んでしまう大人気なさもありますが…
それほどに2人の恋仲を強く心配しながら気にかけてくれていたと捉えられますよね。
フリーレン達との冒険が短期間で終わり、出番が決して多いとは言えないザインですが、今でも読者たちから高い人気を誇る1番の理由が、このような「面倒見の良さ」だったはずです。
フェルンの魔法能力の強さやシュタルクへの想いは『フェルンの魔法・強さはフリーレンより上? | シュタルクとの恋愛や結婚について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
ザインの声は声優「中村悠一さん」が担当
ザインの声を担当している声優さんは「インテンション」に所属する中村悠一さんです。
中村さんは代々木アニメーション学院を卒業後、2001年にOVA『D-VINE』で声優デビューを果たされた上、同年にテレビ放送された『電脳冒険記ウェブダイバー』のグリフィオン、ライガオン役で初レギュラーを獲得しました。
その後も多くの人気アニメ作品での主演メインキャラを多く演じ続けると同時に、マフィア梶田さんとの共演によるアニメやゲーム等をテーマに取り上げた番組配信なども積極的に行われています。
中村悠一さんの代表作(キャラクター)は、以下のとおりです。
- 『マクロスF』早乙女アルト役
- 『魔法科高校の劣等生』司波達也役
- 『おそ松さん』松野カラ松役
- 『ひきこまり吸血鬼の悶々』天津覺明役
ザインの夢と過去 | 兄や親友(戦士ゴリラ)との関係性
ザインの夢は「冒険家になること」でありながら、20代後半になっても自身の夢を叶えず、故郷の村に留まっています。
フリーレン達と出会うまで、そのような人生を送ってきた理由を過去の友人や家族関係も辿りながら解説していきます。
ザインが旅立たなかった理由は兄との関係や事情のため
ザインが自分の夢を叶えずに故郷に留まり続けてきた理由とは<span class="bold">「自分の兄や家族との過去や事情」によるものでした。
ザインはまだ幼い頃に両親を亡くしており、兄と2人で暮らしてきました。
そんな苦しい生活の中でザインは兄が自分のために「自分の昇進や人生を捨てたこと」を知ってしまっために、自分の夢だけを叶えようと乗り出せずに生きてきたのです。
また、ザインの兄は優秀な僧侶として有名であり、かつてはハイターから「聖都の司祭にならないか」と誘われたこともあります。
しかし、兄は「両親を失ったザインから故郷まで奪えない」と答えながら、ハイターからの誘いを断りました。
そんな兄の優しさを知るザインだからこそ、兄に遠慮し続けていたわけです。
結局は兄からの叱咤でフリーレン達と共に旅立った
兄のことを気遣いながら留まり続けてきたザインですが…
そのような思いや行動が逆に兄からの怒りを買います。
実はザインの思いなどは既に兄から見抜かれており、兄の方からフリーレンに対して「弟のザインも冒険に連れて行ってほしい」とお願いしていました。
それでも旅立とうとしないザインは兄から殴られて叱咤されます。
「お前を私と一緒にするな!」
「私はあの時の選択を一度だって後悔したことはない!」
この時に殴られながら言われた「後悔」という言葉がザインの心を大きく動かした末、フリーレン一行に加入した形で、ついに冒険へと出発しました。
ザインの冒険心は戦士ゴリラが焚きつけた?
ザインの夢は少年期の頃から抱き続けており、その心に火をつけていたのが「戦士ゴリラとの出会い」でした。
少年期の頃に出会い、少しだけ交流した戦士ゴリラから共に冒険することを誘われていたザインですが、この時点では断ったためにゴリラ1人きりで旅立っていきました。
しかし、ゴリラからは別れ際に「3年後の収穫祭までに戻ること」を告げられたものの、3年後どころか現在になっても戻ってきません。
そのように戻らないゴリラの安否を強く心配するザインの内心に眠る「冒険に出たい思い」という思いを少しずつ…
しかし確実に燃えたぎらせてきたのでしょう。
フリーレン達と共に旅立つ形で出発したザインですが、彼自身の冒険の目的はあくまでも「戦士ゴリラの捜索」になります。
ザインの魔法と強さ | 常人離れした治癒能力を誇る
僧侶として優秀な回復や治癒能力を誇るザインですが、戦闘面でも予想外な強みで強力な魔物との戦いを切り抜けています。
手遅れと言われたシュタルクの毒をも一瞬で完治させてしまう
ザインの回復魔法や治癒能力は優秀な僧侶である兄からも「手遅れ」と判断されたシュタルクが冒された“蛇の猛毒”をも、シュタルクの肩に少し触れただけで完治させました。
その証拠として、蛇の毒による影響で流れ続けていた”シュタルクの鼻血”も止めています。
シュタルクの真の強さや過去、フェルンとの恋愛関係は『【葬送のフリーレン】戦士シュタルクは死亡する? | フェルンとの恋愛や結婚について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
呪いへの耐性と対処にも優れている
原作31話で到着した村で眠り続ける村人たちが「呪いにかけられていること」を少し触れただけで察知しています。
さらに、呪いの発信源となる森林地帯でフリーレン達も呪いのせいで次々と眠らされる状況の中でもザインだけは眠ることがありませんでした。
その末、唯一起きたままの状態で呪いの元凶となっている「混沌化の亜種」の目前にまで辿り着いたのです。
本作品での「呪い」とは“人類が未だ解明できていない魔族や魔物の魔法”とされていますが、ザインは優秀な僧侶ゆえに“呪いへの耐性”も強い上
“呪いへの対処法”まで心得ていたわけです。
戦闘面での弱さは頭脳と判断能力の速さでカバー
ザインは回復や治療だけでなく攻撃魔法も少しだけ習得しており、呪いの元凶となった亜種に対しても「女神の三槍」という攻撃魔法で応戦しています。
ただ、攻撃面での強さは決して高くはなく「全く無いよりはマシ」と言った程度です。
それでもザインの場合は、自分の攻撃魔法が通用しない状況でも焦らずに敵からの攻撃もフットワークの軽さで避け続けていました。
さらに「目覚めの解呪」を使って眠っていたフリーレンを起こして瞬時にバトンタッチするかのように、フリーレンの攻撃魔法1発で倒させたことで窮地を脱しています。
僧侶という職業ゆえに攻撃や戦闘面での弱さは仕方ないものの、ザインは“自分の弱さ”も理解しているからこそ、自分で倒すのではなく「強い仲間(フリーレン達)に倒してもらう戦法」に素早く切り替えたことになります。
このような「状況把握や切り替えの早さ」もまた、ザインが誇る“1つの強み”と言えますよね。
ザインも再登場する可能性が高い理由について
お互いの旅の目的による“目的地の違い”により、ザインは原作35話という早い段階でフリーレン一行から離脱した上、1人での冒険に切り替えました。
それ以降(原作12巻までにかけて)から完全に出番のないザインですが…
それでもデンケンやメトーデ達と同様に、ザインが再登場できる可能性が高い理由も複数にわたり存在します。
デンケンの強さや魔法、妻やマハトとの過去は『【葬送のフリーレン】デンケンの年齢や魔法 | 妻やマハトとの過去』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
ザインとフリーレン一行が目指す目的地の違いとは
まずはザインが早い段階でフリーレン達と別れた理由について触れておきます。
元々、ザインの旅の目的が「旧友である”戦士ゴリラ”を捜すため」であり、その戦士ゴリラはザインとの別れ際に「交易都市テューアに行くこと」のみを伝えられています。
そのため、ザインが向かうべき先も交易都市ですが、その一方でフリーレンが目指す先は「魂の眠る地(オレオノール)」です。
交易都市が北東側なのに対して、オレオノールがある魔法都市は北西側のため、完全に方角が違っているのです。
ただ、一度の冒険だけでザインの出番が完全に終わりとも言い切れません。
方角が違えど交易都市と魔法都市が“同じ最北端”に位置しているため、ザインとフリーレン一行が同じかほぼ近いタイミングでそれぞれの目的地に到着した場合には「ザインと再会できる可能性も高いこと」にも繋がります。
フリーレンが現在でも”ザインの席”を残しているため
ザインが再登場する可能性が高いと思わせる要素が、実は原作8巻の中にも隠されています。
ゲナウの故郷で繰り広げたレヴォルテ将軍や部下たちとの死闘が終結した後、共に戦っていたメトーデから「フリーレン一行への加入」を志願されますが、フリーレンの方から断っています。
「このパーティーの“僧侶の席”は、まだ空けておきたいからね」
この「僧侶の席」とは、間違いなくザインのことを言っていたはずであり、フリーレンの中では「ザインとまた会えること」を確信しているのではないでしょうか?
メトーデも一級魔法使いで僧侶の魔法も使える優秀な女性のため、本来はザイン再加入の時期まではパーティーに加入してもらえた方が後のマハトやソリテール戦でも大きな助けとなってくれていたとも思われます。
ただ、そうした場合には本当にザインと再会できた時に「どちらか1人を完全に離脱させなければならない状況」となってしまうわけです。
フリーレンも本編のストーリー開始時に「大切な仲間たち(ヒンメルとハイター)との死別」という辛く悲しい経験もしている故、自分の都合だけで今の仲間たちを簡単に切り捨てることなどできないはずです。
黄金郷のマハトの強さや魔法、デンケン達との過去や最期は『【葬送のフリーレン】黄金郷のマハトの魔法と最期 | デンケン達との長い過去』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
ソリテールのかわいい魅力や強さ、研究の理由や結果については『ソリテールのかわいい魅力 | 魔力や強さはフリーレンよりも上?研究の理由や結果について』の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参照ください。
まとめ
今回はザインの性格や過去、強さや能力について解説しました。
確かに一見はだらしない大人のように見えがちなザインですが、実は良質な常識人である上、フェルンやシュタルクへの面倒見も良い”良き兄貴分”なキャラクターだったのです。
そのような頼れる仲間だったからこそ、今でも多くの読者たちからの高い人気を得られていると思われます。
今後のストーリー展開での再登場およびフリーレン一行への再加入にも大きく期待できる点もまた、ザインの大きな魅力とも言えますよね。
本作品の全巻ネタバレの詳細は「【葬送のフリーレン】原作の全巻ネタバレ解説 | 謎や伏線回収なども考察」の記事を参照ください。
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