『チェンソーマン』は藤本タツキ先生により週刊少年ジャンプで2019年から2021年に連載された大人気漫画作品で、第二部が少年ジャンプ+で連載開始されることが発表されました。
さらにMAPPA制作でアニメ化も発表されており、大きな注目を集めています。
本記事では、東山コベニの性格や強さを紹介しながら、契約している悪魔についても考察していきます。
本作品の人物相関図は「チェンソーマンの人物相関図!登場人物・キャラクターの一覧を解説」の記事をご覧ください。
東山 コベニ(ひがしやま こべに)とは
東山コベニは、荒井ヒロカズと一緒に公安対魔特異4課の新人デビルハンターとして、第2巻から登場しました。
東山コベニのプロフィール
第一部の時点では20歳の東山コベニ。9人姉妹の家庭に生まれ、両親からの愛に恵まれない荒んだ家庭環境で育ってきました。
“永遠の悪魔”を倒した後に開かれた新人歓迎会では年頃の女の子らしい可愛い服装をしており、姉のお下がりであることを話しています。
本当は大学への進学を希望していましたが、優秀な兄を進学させるために就職しました。しかし就職先においても風俗かデビルハンターのどちらかしか選択肢がなかった状況であり、仕方なくデビルハンターの道へ進んだのです。
公安対魔特異4課のデビルハンター
コベニが公安対魔特異4課のデビルハンターの一員として初めてデンジやパワーと共闘したのは、第2〜3巻での”永遠の悪魔”戦でした。まだ新人ということもあり戦闘や悪魔に慣れていないせいか、皆で潜入している森野ホテル内でも1人だけオドオドしていましたが、姫野先輩からは「かなり動ける」と高評価を得ています。
しかし精神面ではあまりにも弱く、この戦闘においては大活躍するどころか、8階に閉じ込められた中で真っ先に取り乱してしまい、我を忘れるようになってしまいます。さらには、おかしくなった末にトイレの水を飲んでしまいそうになるところを姫野から止められて気絶させられてしまう始末です。
取り乱し具合は半端なく、覚醒後も自分たちが助かろうとするためにナイフを持ってデンジを殺そうとまでしていました。(ここでも再び姫野の拳を受けて気絶させられます)
結局、この戦闘では活躍どころか“精神面の弱さ”や“異常な取り乱し方”ばかりが目立ってしまい、デビルハンターには向いてないのでは?と解釈した読者も多かったはずです。
しかし、コベニの真骨頂は後のサムライソード戦から少しずつ発揮されていくこととなります。
デンジに関する詳細は「【チェンソーマン】主人公デンジの正体・扉の夢の意味 | 強さや魅力・第二部の活躍も考察」の記事をご覧ください。
契約している悪魔は「秘密」
チェンソーマンに変身したデンジにより永遠の悪魔を倒せた後、20話で新人歓迎会としての飲み会が開かれます。
飲み会が始まった途端、新人であるコベニはデンジや荒井と一緒に自己紹介することになりますが、この時に年齢や趣味(美味しいものを食べること)を話す一方で「契約している悪魔は“秘密”」と言って明かしませんでした。
この時点ではマキマや姫野からの指示(または命令)により、明かさなかっただけと捉えた読者も多かったと思います。
しかし、第一部が完結した現在では、実はこの“秘密”という言葉こそが、コベニの契約悪魔とも大いに関係しているという考察も多く出回っています。
東山コベニが契約する悪魔は?色んな説を考察
結局、第一部の中ではコベニが契約している悪魔までは判明されないまま終わりました。
ここでは、特に有力とされている候補を挙げながら考察してみたいと思います。
有力なのは「死の悪魔」説
現時点で最も有力と考えられるのが「死の悪魔」という説です。
小心者で精神的に弱いコベニは戦闘中においても“己の死”を異常に怖がっています。”死に直面した窮地”には何度も遭っているものの、それでも姫野や早川アキとは違い、死なず(殺されることなく)に生き残ってきました。
そんなコベニに対して”単に悪運が強いだけ”と判断するのは簡単ですが、周囲の人間や悪魔たちが死んでいく中でもコベニだけは死なずに済んでいるのです。
こうした状況が続いているのは、単なる偶然や悪運などではなく、怯えて取り乱しているフリをしながら「実は、他人の”死”をも操っているのではないか?」とも考えられないでしょうか。もしも、この考察が当たっているとしたら、コベニの契約悪魔が「死の悪魔」である可能性はかなり高いと思われます。
早川アキに関する詳細は「【チェンソーマン】早川アキの強さ・能力 | 銃の悪魔との関係は?いつ死亡していたのか考察」の記事をご覧ください。
自己紹介通り「契約悪魔は秘密の悪魔」説
先に触れた飲み会での自己紹介の中で言っていた「秘密」こそが、コベニの契約悪魔である可能性も高いです。
ただ、実際に「秘密の悪魔」と契約しているとしても、他の悪魔たちとは違って具体的な能力までは計りかねますよね。これは少し無理があるかもしれませんが、コベニが戦場で生き抜いてこれたのは、この悪魔の能力を駆使して「自分の存在そのものを“秘密”にすることで存在感そのものを消していたから」とも考えられます。
レゼ戦の時(第6巻)もバディ同士となった”暴力の悪魔”でさえ敵わない強敵と分かった途端に土下座しながら必死に命乞いしていましたが、この秘密の能力を駆使したことにより、レゼからはコベニの存在そのものを分からないようにしたことで窮地を切り抜けた可能性も高いのです。
しかし、これは透明人間のように姿だけを消すわけでなく、敵や周囲の人達に対して「自分の存在そのものが無い状態」に思い込ませるというものです。
身体能力の高さと関連する悪魔と契約している説
見るからに弱そうな印象しか持てなかったコベニですが、姫野を殺害した沢渡やサムライソードの前では自分の気配に気づかれずに現れた上、沢渡が放った蛇の攻撃を避けながら、颯爽と走りながら近づけるほどの俊敏さや機動性を見せてくれました。
コベニ「あなたたち、銃撃犯ですよね?」
サムライソード「猿か?」
そんなコベニの高い身体能力を見せられたサムライソードからは、まるで“猿”のような高い身体能力に見えており、これこそが姫野が言っていた「かなり動ける」という評価の答えだったはずです。
こうした身体能力においては、悪魔とは関係なしにコベニ自身の生まれ持った才能と捉えることもできますが、この時の動きはかなり人間離れしていた印象もあるため、「猿の悪魔」とも契約している可能性も決してゼロとは言えませんよね。
姫野に関する詳細は「【チェンソーマン】姫野の悪魔や契約内容 | 第二部での復活や再登場も考察」の記事をご覧ください。
「飢餓の悪魔」「戦争の悪魔」説も流れている
これらは上記3つに比べると可能性はかなり低くなりますが、「飢餓の悪魔」や「戦争の悪魔」という説も流れているそうです。
「飢餓」に対しては、コベニが美味しいもの好きであることと、恵まれてこなかった人生とも大きく関連しているため、こちらの可能性もまた高いと言えます。
しかし「戦争」においては今ひとつピンと来ない感もありますが、ストーリー終盤でのマキマからの台詞で、本作品での悪魔との戦争にはコベニも大きく関係していることが告げられたため、こちらも現時点では完全に不正解とは言えません。
第二部の再登場時に契約悪魔が判明される可能性も高い
パワーや早川アキを始め、本作品では主役級のキャラクター達でさえ死んで(殺されて)しまうことも普通とされてきました。しかし、そんな過酷すぎる世界の中でもコベニは一度も死んでいないため、第二部でも再登場する可能性は極めて高いと言えます。
さらに、第二部で再登場した時にこそ「コベニが契約している悪魔」も判明するはずです。ただし、ここで気がかりな点もあり、デンジ(チェンソーマン)とコベニは同じ公安対魔特異4課で働いていたにも関わらず、友好的な関係にはなれませんでした。
そのため、再登場時にはレゼや吉田ヒロフミとは違ってデンジの敵として立ちはだかり、自身が契約しているであろう「秘密の悪魔」や「死の悪魔」の能力をフル活用してデンジ達を苦しめる役回りになりそうな予感も高いんですよね…。
レゼに関する詳細は「【チェンソーマン】レゼがかわいい・強さと能力 | 死亡と復活の理由・第二部で再登場する可能性を考察」の記事をご覧ください。
東山コベニの強さを解説
精神面が弱く打たれ弱いコベニですが、ここぞという時には予想外な強さを発揮してくれました。
ストーリーの端々にコベニの強さが窺えるシーンがある
先に紹介したサムライソード戦では、持ち前の身体能力を駆使して沢渡が放った蛇を避けただけでなく、瞬速で接近した上にサムライソードの右手を切り裂くと同時に奪った銃で発砲しては沢渡アカネにも重傷を負わせることにまで成功しました。
しかも反撃してきた沢渡からの銃弾を、倒れていたチェンソーマンの身体を咄嗟に盾代わりにして防いだのです。
この戦闘シーンにより、コベニは単に身体能力が高いだけでなく、戦闘においても常人離れした強さまで兼ね備えていることが判明しました。
愛車(コベニカー)も大活躍
コベニと言えば本人だけでなく、愛車(コベニカー)の存在も忘れてはいけません。
貯めてきた給料をはたいて購入した愛車(フィアット500)をパワーが勝手に運転した瞬間、デンジと黒瀬を轢き殺してしまいますが、この時いた黒瀬は偽物で“デンジの命を狙った刺客の1人“でした。
完全に間接的ではあったもののコベニカーもまた、刺客からデンジを守ったことに一役買ってくれたのです。(一緒に轢かれたデンジも相当なダメージを負わされましたが…)
さらに、その後に戦場がデパート内に移った後も、クァンシの強さに苦戦して高い階層から落とされた岸辺とアルドのクッションとなる形で彼らの命を救ってくれました。
しかし、この時に落とされたショックでコベニカーは修理不可能な状態にまで破壊されたため、ここで退場となりました…。
89話でマキマがコベニについて言及している
コベニがチェンソーマンから強制的にリズムゲームで踊らされた直後、マキマも2人の前に現れます。この時はチェンソーマンとマキマによる戦闘の最中でもあり、マキマは自身で甦らせた魔人たちを大勢引き連れており、そんな彼女に恐怖したコベニは「私は関係ない」と必死に命乞いしますが…
マキマ「コベニちゃんも大いに関係ありますよ?」
この時にマキマから言われた「関係ある」とは、彼女自身でなくチェンソーマンの方として言っていたのです。
マキマ「貴女の“チェンソーマンへの恐怖”が薄くなってきているでしょう?」
そうは見えないものの、この時は日本に襲来した”銃の悪魔”により世界中で大勢の人達が殺された後であり、まだ生き続けている日本人たちがチェンソーマンのことを必死に応援していました。
日本人たちも始めはチェンソーマンに対して恐怖感を抱く者の方が多かったのですが、今や銃の悪魔やマキマ(支配の悪魔)を止められるのはチェンソーマンしかいないことを悟っており、この時点で彼に対する恐怖感が“希望のヒーロー”として縋る思いに変わっていたのです。
ちなみにコベニもまた新しい職場(ファミリーバーガー)で上司からのパワハラを受けている中で「助けて…」と呟きながら、自分の意思とは裏腹にチェンソーマンに助けを求めていたのでしょう。表面上では変わっていないものの、地獄での戦闘までにかけて、デンジやチェンソーマンと一緒に戦ってきたことにより、コベニ自身も気づかぬ間に彼に対する恐怖感が薄れていたというわけですね。
そして、コベニの場合はチェンソーマンに対する恐怖感が薄くなったと同時に、あまりにも弱すぎた精神も、ほんの少しだけ強くなったとも考えられます。
マキマに関する詳細は「【チェンソーマン】マキマの正体と目的・強さと能力 | 第二部(ナユタ)の展開を予」の記事をご覧ください。
地獄から無傷で生還
刺客たちやクァンシとの戦闘がまだ終わらぬ中、ドイツのサンタクロースにより、コベニを始めとしてデパート内にいた者たち大勢が地獄に落とされてしまいます。
完全に逃げられない中で現れた“闇の悪魔”の能力により皆そろって両腕を奪われた上、次々と切り裂かれながら倒されていく中でも、コベニは狙われていない印象でした。
さらに、ガルガリ(暴力の魔人)から頼まれてマスクを外した後にはどこかに隠れてやり過ごしていたため、殺されないどころか殆ど無傷で地獄から生還してしまったことになります。
さらに闇の悪魔から奪われていた両腕も生還後には元通りにくっつきますが、この時のショックにより、とうとう公安を辞職してしまいました。
強さ以上に注目すべき能力はダンスの上手さ?
公安を辞めたことにより完全に退場したと思われていたコベニでしたが、10巻でまさかの再登場を果たした上、チェンソーマンとの絡みがキッカケで思いがけない能力も見せてくれました。
それこそが、チェンソーマンから強制的に踊らされた“ダンスの上手さ”でしたが、この時に使われた音ゲー機械の曲に合わせて初見で”パーフェクト”のスコアを打ち出してしまったのです。
これにはサムライソード戦で見せた身体能力の高さも手伝っていたものと思われますが、コベニにはダンスやリズム感における才能もあるのかもしれませんね。
まとめ
今回は東山コベニの性格や生い立ちなどを紹介しながら、強さや能力についても迫ってみました。さらに、第一部の中では判明されなかった”契約している悪魔”についても考察しました。
その生まれ育った家庭環境から始まり、デンジ程でないものの”幸薄な人生や境遇”に共感したファンや読者も多かったのではないでしょうか。
コベニは本作品では珍しく一度も死ななかったキャラクターのため、第二部で再登場する可能性が極めて高いものの…私的には単なる味方ではなく、吉田ヒロフミ達とはまた違う立ち位置や役回りとして、デンジや読者たちの意表を突いてほしいものです。
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