『機動戦士ガンダムSEED(通称は”種”)』は”21世紀のファーストガンダム”として2002年〜2003年までテレビ放送された人気シリーズ作品であり、続く2004年〜2005年には続編となる『ガンダムSEED DESTINY(通称は”運命”)』が放送されました。
そして20年以上もの年月を経て、2024年1月26日(金)から更なる続編となる『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(フリーダム)』が上映開始されます。
本作品の人物相関図は「ガンダムSEED FREEDOM(劇場版)の人物相関図!勢力図・キャラクターの一覧を解説【ネタバレ注意】」の記事をご覧ください。
目次
アスラン・ザラとは
アスランは『ガンダムSEED』でキラとは異なるタイプの“第2の主人公”として登場した少年です。
ストーリー前半〜中盤までは連合と戦うザフト軍のエースパイロットであったため、親友のキラと何度にわたり敵対関係としてMS(モビルスーツ)戦を繰り広げてきました。
しかし、後半に入ってからは父親(パトリック)の真意や目的を知らされたことが原因でザフトから去り、キラ達と共闘する立ち位置に変わりました。
また、続編として放送された『ガンダムSEED DESTINY』では一時的にザフト軍に復帰したことにより“第3の主人公”であるシン達とも共闘しましたが、最終的には再びキラ達の元に戻り、シンとは敵対関係となって戦いました。
アスランのプロフィール | 母親との死別から多くの問題に悩まされる
人種 | コーディネイター |
生年月日 | C.E.55年10月29日 |
星座 | さそり座 |
血液型 | A型 |
年齢 | 16歳(SEED)→18歳(DESTINY)→20歳(劇場版) |
身長 | 170cm(SEED)→ 174cm(DESTINY)→不明(劇場版) |
体重 | 63kg(SEED)→60kg(DESTINY)→不明(劇場版) |
出身地 | プラント ディセンベル市 |
趣味 | 電子工作 |
偽名 | アレックス・ディノ |
所属組織と階級 | 赤服(ザフトのクルーゼ隊およびFAITH)→カガリ護衛の最高責任者(オーブ連合国防軍)→ 赤服(ザフトのミネルバ隊)→一佐(オーブ連合首長国) |
搭乗機体(MS) | イージスガンダム(SEED) ジャスティスガンダム (SEED)〜(DESTINY) セイバーガンダム(DESTINY) インフィニットジャスティス(DESTINY) 不明(劇場版) |
『ガンダムSEED』のザフト軍では地球連合や他シリーズ作品の組織とは違い、細かい階級分けまではされていません。
そのため、緑(一般兵士)と赤(エリート)という、制服の色分けで階級の違いを表していました。
アスランは後にプラント最高評議会の議長となる“パトリック・ザラの息子“として生まれてきました。
さらに母親(レノア)譲りのイケメンな上、父親により勝手に決められながらもプラント中で高い人気を誇る歌姫ラクス・クラインと婚約者同士となっていたなど、男性なら誰もが羨む境遇の持ち主です。
また、幼馴染かつ親友のキラともコペルニクスでの幼年学校時代から家族絡みで交流を深めてきました。
しかし、キラと別れて母親と共にプラントへ移住した後に起きた「血のバレンタイン」で母親(ノレア)が死亡してから、家族や友人などにおいてアスランの人生が少しずつ狂わされていったのです。
キラの種割れや劇場版での赤い目、ラスボス化については「【ガンダムSEED】キラの種割れ・その後 | 劇場版での赤い瞳や闇落ちからラスボス化?」の記事を参照ください。
キラとの再会や敵対関係がアスランの人生を大きく変えた
戦争を嫌いながらも母親との死別がキッカケで平和を願うアスランは士官学校卒業後、ザフト軍に入隊して学生時代での優秀な成績を買われてイザーク達と共に“クルーゼ隊”に配属されます。
それから着実に任務をこなしていく中、ヘリオポリスに潜入しての“ガンダム強奪作戦”の最中に別れた親友(キラ)との思いがけぬ場所や形での再会を果たしてしまいます。
さらに、アスラン達が奪い損ねたストライクにキラが専属パイロットとして搭乗したために敵同士となった上、地球上でのオーブ内海での戦闘中、大切な仲間であるニコルをキラの手で殺されてしまいました。
宇宙で遭難したラクスを送り届けてキラと「これからは敵同士」とお互いに誓い合ったものの、彼らにはその覚悟がまだ足りておらず、ニコルの死亡で激昂したアスランもスカイグラスパーを撃沈する形でキラの友達(トール)を殺してしまいます。
軍からはキラやストライクを倒した功績を認められて昇進したものの、見た目の栄光とは真逆にアスランの心をこれまで以上に苦悩させます。
父親と解り合えないまま死別して戦争も終結した
キラを倒してから宇宙に上がるアスランですが、ラクスがキラにフリーダム強奪の手配をしたことにより彼らの婚約関係も破談となります。
さらに、これまで埋まらずにきた父親(パトリック)とのすれ違いも決定的なものとなったアスランは自分に与えられた新機体・ジャスティスに乗り換えてディアッカと共にキラやカガリ達と共闘し、ジェネシスの発射を阻止した上で戦争の終結に大きく貢献しました。
しかし、ジェネシスの発射に対する反感を抱く部下からの銃弾でパトリックが死亡してしまい、アスランは最後まで父親と和解することができぬまま死別してしまいます。
カガリの護衛からザフトへの復隊がアスランを更に追い詰める
『SEED』最終話から2年後、ザフトを脱退したアスランは「アレックス」という偽名を使い、素顔や本名を隠した状態で「カガリの護衛」を務めてきました。
しかし、カガリがデュランダル議長との会見に臨む中で連合のパイロット3人(ステラ達)により奪われた新型ガンダムの襲撃に巻き込まれてしまいます。
この時の窮地を乗り越えた後、イザークやデュランダルからの勧誘でザフトに復隊したものの、それも一時的なもので終わってしまいます。
再び敵同士として対峙したキラやカガリとの一時的な決別に加えて、同じミネルバ隊の仲間であるシンやレイ達とのすれ違いや衝突が前作以上にアスランを悩ませます。
その末、デュランダルからの命令によりアスランは暗殺されかける中でメイリンを連れて逃亡しますが、シンのデスティニーに追いつかれたと同時に撃墜されました。
再びキラ達と共闘して地球やカガリを救った
シンに撃墜されたことでメイリンと共に海中に落ちたアスランでしたが、キラ達に救われたことによりアークエンジェル艦内で目を醒まします。
その後は再びキラやカガリ達と和解した上で宇宙に上がって、インフィニットジャスティスに乗り換えた上で最終決戦に臨みます。
キラがレイやデュランダルと対峙する中、アスランも激戦の末にシンのデスティニーを倒しており、デュランダルの目的である”デスティニープラン”を止めたことにより、地球にいるカガリや多くの民間人たちを救うことに成功しました。
アスランの声は声優「石田彰さん」が担当
アスランの声を担当している声優さんは「ピアレスガーベラ」に所属している石田彰さんです。
子供の頃に『機動戦士ガンダム』を観たことがキッカケで声優への憧れを抱いた石田さんは中学生の頃に演劇部に入部し、その後も養成所時代から声優業を開始されました。
テレビアニメでは1990年に放送された『機動警察パトレイバー』の整備員役でデビューを果たしました。
石田彰さんの代表作(キャラクター)は、以下のとおりです。
- 最遊記シリーズ』猪八戒役
- 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』渚カヲル役
- 『スレイヤーズ』ゼロス役
- 『Dr.STONE』氷月役
アスランが嫌われた理由をTV版での行動から分析
TV版の本放送時から、キラやラクスにも劣らぬ程にファンたちから高い人気を誇るアスランですが、その一方で「嫌い」という視聴者も多かったようです。
ここでは本編のストーリーを辿りながら、アスランが嫌われた理由について分析してみます。
何度も裏切りながら所属する組織を転々と変えてきたため
アスランが嫌われた理由として最も高かったのが、やはりTV版全編で起こした「裏切り行為」や「自分が所属する組織を転々と変えてきたこと」が挙げられます。
確かにアスランはキラやカガリ以上に家族や仲間関係で大きな問題を抱えさせられてきたキャラクターだった上、本編での状況の大きな変化に最も翻弄させられてきたと言えます。
そのため、アスランが何度も起こしてきた”裏切り”や”組織変え”もやむを得ないことだったのです。
それでも視聴者たちからは何度も繰り返す組織変えに対しては、現実社会で例えるなら「会社や職業を何度も転々としているダメ人間」と似た印象に見えてしまったのでしょう。
『SEED』で起こした「ザフトからアークエンジェルに鞍替えしてキラ達と共闘した展開」だけで終わっていれば”キラとアスランの共闘が実現したこと”により、ファンたちからも大いに喜ばれました。
しかし続編である『DESTINY』ではイザークからの勧誘や口添えにより再びザフト軍に復帰してしまいます。
一時的とはいえ、自分で見限ったはずのザフト軍に復帰したアスランに納得できないファンも多かったようですが、この辺もアスランを新主人公(シン)たちと共闘させるために必要な展開だったと解釈できます。
この辺まではファンや視聴者たちからも許されていたのでしょうが…
ストーリー後半になると、デュランダル議長の恐ろしい目的(デスティニープラン)を知った上に自分を暗殺されかけたためにカガリやラクス達に伝えるためとはいえ、再びザフトを裏切りメイリンも連れた上でグフイグナイテッドに乗って逃亡してしまいました。
もちろん、このようなアスランの逃亡も最終戦においてキラ達と共にデスティニープランを阻止するために必要な行動だったのです。
それでも『SEED』から追い続けてきたファンや視聴者からは「またザフトを裏切ったのか?」や「自分の判断で復帰したのに…」など、あまり良い見られ方をされていませんでした。
確かにザフトのイザークやシン達から見れば、アスランが起こした行動は“裏切り行為”でしかありません。
考え方によっては、高い戦闘能力やイケメンなルックスに恵まれた一方で、アスランはSEEDシリーズの中での人間関係においては最も不遇なキャラクターだったとも捉えられますよね。
敵同士でもキラを死亡寸前にまで追い込んだため
『SEED』が本放送されていた時点から、ファン達の間では“キラ派”と”アスラン派”という大きな派閥も出来上がっていたようです。
そのような状況の中で、アスランが種割れ(覚醒)まで起こした上でイージスの自爆装置を起動させたことによって「キラを死亡寸前にまで追い込んだ行動」もまた、一部のキラ推したちを怒らせてしまったらしいです。
この辺も当時の2人はまだ“敵同士”であり、アスラン自身も後にカガリに対して話していたように「殺すしかなかった」わけです。
アスランにとっては本当はキラがラクスを送り届けてくれた時に、キラも自分の誘いに応じてザフト側についてくれることを強く望んでいましたが、キラから断られたためにその望みは叶わずに終わっていたのです。
それでも機体(ストライク)だけを撃破して、キラを捕虜として連れていきたい思いも残っていたのでしょうが、種割れで強化したキラ相手ではアスランも程よく手加減して戦う余裕などありません。
ましてや、この戦闘の前でアスランも大切な仲間(ニコル)をキラの手で殺されていたため、その怒りを抑えることも出来ず、アスランの立場で考えればこのような判断や行動も仕方なかったことと言えます。
シンばかりを叱りながら殴ったため
イザークやデュランダル議長の口添えでザフトに復隊したアスランですが、シンばかりを叱った末に自分の感情だけで殴ったしまった行動も視聴者たちから嫌われた理由に入っているのではないでしょうか?
確かにローエングリンの作戦中に自分の持ち場を離れて危機に陥った少年の救助を優先したシンの行動は“命令無視”と取れます。
それでもシンもこの時は好きで持ち場から離れたわけでなく、あくまでも犠牲者を減らすために動いたわけです。
それなのに「戦争はヒーローごっこ等ではない」などと一方的に叱りつけるアスランにも問題があります。
さらに、再び決別していたキラのフリーダムを撃沈されたという理由だけでシンを殴った行動も大きなマイナス点と言えます。
確かにシンもステラを殺されたという私怨を抱いていたものの、結果的にはザフトやミネルバにとって最も脅威的な大敵(キラとフリーダム)を倒したことにより、軍に大きく貢献したわけです。
それなのに、この戦闘での1番の功労者(シン)を殴り、この時にはシン以上にルナマリアからも強い反感を買いました。
シンの強さや種割れ、劇場版での新機体については「【ガンダムSEED】シンが嫌われた理由・その後 | 劇場版での新機体」の記事を参照ください。
女性関係にだらしない点も嫌われた理由?
アスランを嫌いになった理由として「女性関係のだらしなさ」を強く挙げるファンも多いかと思います。
『SEED』ではラクスとカガリだけに留まっていたアスランですが『DESTINY』の時代ではミーアを始め、メイリンやルナマリアとも異性的な関わりをもつプレイボーイぶりに変貌してしまいます。
しかし、このような状況になったのはアスラン以上にミーアをけしかけたデュランダル議長に加えて、憧れの眼差しで接近してきたルナマリア、そして自らの意思と行動でアスランと共に逃亡したメイリンと…
ほぼ完全に女性側の方に過失があったと言わざるを得ません。
確かに彼女たちに煮え切らない態度で接していたアスランの方にも問題が全くなかったわけではありませんが、一度はカガリに対して自らプロポーズしておきながら一時的に決別していたとはいえ、あまりにも複数の女性たちとの関係をもち過ぎた行動や描写に対して、男女ともに批判を受けてしまっても仕方ありませんよね。
アスランの行動やクズさ加減はシャア(クワトロ)譲り?
TV版2作でのアスランのクズさ加減や嫌われるような行動の数々は、ある意味で「シャア(クワトロ)譲り」と言えます。
SEEDシリーズにおいて、キラをアムロ寄りに設定された主人公であるのに対し、アスランの方は「シャアに近いキャラクター」として設定されていました。
本放送された時期ではシャアに近い人物として”仮面を被っている”という共通点により、ラウ・ル・クルーゼを挙げるファンも多かったようです。
しかし、ラウの場合は後半や終盤に入ると中盤までの冷静かつ紳士的な振る舞いから一転して「悪役に近い振る舞いや立ち位置」に変わってしまいました。
さらに本編での行動(味方内での裏切り行為や所属する組織を転々としてきた行動)でみると、やはりラウよりもアスランの方が「シャア(クワトロ)に近いタイプ」と解釈できます。
アスランの強さと種割れ(覚醒)における強化とデメリット
コーディネーターの中でも際立っている上に輝かしい戦果も多く残したアスランは、キラやシンとも互角に戦える程の強さや戦闘能力を誇ります。
しかし一部の重要な場面を除くと、TV版2作でのアスランの勝率はキラよりも劣っています。
ここではその理由や種割れ(覚醒)を起こした後の長所と短所、さらにMS戦以外でも秀でていた能力にも迫ります。
アスランの勝率がキラよりも劣っていた理由
TV版での戦争でアスランの勝率がキラよりも劣っていた理由とは「アスラン自身の優しさ」が最も大きかったのです。
キラとは違い、自分の意思でザフトに入隊したアスランは『SEED』1話目からイザーク達と共に”正規の軍人”として登場しており、MS戦も白兵戦における経験数はキラを上回っています。
それでもイザークやディアッカとは違って、アスランは心の奥底にある”優しさ”を完全には捨てきれず「いざという時に本気で戦えなかったことも多かった」のです。
ましてや親友(キラ)との思いがけぬ再会を果たした上、そのキラが連合のガンダム(ストライク)に搭乗して敵対してきたとなれば、アスランが戸惑って実力を出せなくなるのも仕方ありません。
とはいえ、オーブ内海戦でキラのストライクを撃破した功績を認められて“ネビュラ勲章”を授与した上、最終戦で自分たちに敵対してきたシンのデスティニーを倒すなど、ここぞという時には勝利を飾ってきました。
アスランの種割れ(覚醒)での強化とデメリット
アスランもキラより少し遅れる形で“種割れ(覚醒)”を起こしたことにより、イージスを犠牲にしたとはいえ勝利しました。
アスランの種割れ(覚醒)における長所もキラやシンと同じ“戦闘能力の向上”ですが、アスランの場合は「“近接戦闘の強さ”と“精神面”」が特に強化されています。
また、ジャスティスに乗り換えた後からはキラと同様に「自分の意思で種割れ(覚醒)を起こせるようになれた点」も大きな強みと言えます。
しかし、その一方でキラにはない“デメリット”も生じてしまい、種割れ(覚醒)後のアスランは「視野が狭くなること」により「回避能力の低下」も生じてしまいます。
この辺はアスランもシンと同様に近接戦闘の方に長けていること、さらにアスラン自身の“生真面目過ぎる性格”もまた、そのような欠点を生み出してしまったのかもしれません。
MS(モビルスーツ)戦だけでなく、白兵戦や戦略にも長けている
アスランの強さはMS戦だけでなく「銃やナイフを使った白兵戦も得意である点」も見逃せません。
士官学校も首席で卒業しており、MS戦やナイフ戦に加えて情報処理を常に1位という輝かしい成績を飾りました。
(射撃や爆薬では2位でしたが、それでも総合成績は1位だったのです)
アスランが士官学校で培ってきた強さは実戦でも活かされており『SEED』1話の強奪作戦でマリューからの射撃を余裕で避け続けた上、アスランの放った銃弾がマリューにあたり負傷させています。
さらに出会ったばかりのカガリとの肉弾戦も簡単に制しながらナイフを突きつけて動けなくさせました。
また、戦略にも長けており、ミネルバ艦内で待機していた時にはタリア艦長に助言したことにより危機を乗り越えたのです。
優れた工作能力でハロやトリィも造り出した
趣味としている電子工作でも優れた能力を発揮したアスランは、キラとの別れ際に”トリィ”を贈った上、その後も大量のハロを造り続けてはラクスにプレゼントしています。
しかも劇場版では、新たなトリィとして造られた“ブルー”も登場しますが、この鳥型メカもアスランが造ったものと解釈できます。
アスランのその後 | カガリやメイリンとの結婚および恋愛関係
劇場版では『DESTINY』最終話から2年後の時代を舞台にストーリー展開されていきます。
ここではカガリやメイリンとの恋愛および結婚の行方も含めながら、アスランが送ってきた”劇場版までの空白の2年間“について迫ります。
『DESTINY』最終話から単独行動を始めていた可能性が高い
公式から公開された予告PV映像により、アスランはキラやシンとは別任務として単独行動していると解釈できます。
さらにアスランの場合はキラ達と違い、制服でない上に”新たな階級章”もつけていない様子です。
TV版での度重なる裏切り行為や転属の影響で「劇場版でアスランがキラ達を裏切ったのでは?」と予想するファンも多いようですが、その可能性は低いかと思います。
確かに一度は完全に解り合えたはずのキラやカガリとの間に『DESTINY』本編で再び亀裂が入ったものの、それでも最終的には再び解り合った上で、後半から最終話までにかけて彼らと共闘したわけです。
予告PVでのキラの台詞により、デスティニープランを阻止できた後も世界各地で小さな紛争が続いている状況が続いており、キラやシン達はその戦争を止めるために出撃し続けてきたものと思われます。
一方、アスランにおいてはそれらの紛争の元凶と考えられる組織(ファウンデーション)の行動を探りながらカガリやマリュー達に報告する等の“スパイ活動”に扮してきたものとも考えられます。
とはいえ、ファウンデーションの主として登場した金髪の少女(アウラ)も一筋縄ではいかないキャラクターであることは明白ですし、TV版のラスボスとして登場してきたラウやデュランダルとはまた違う意味で手強い相手となるはずです。
そのため、状況によっては再びキラやシンと再び決裂する(正しくは決別するフリをする)と同時に、劇場版でもまた彼らと戦わなければならない局面に陥らされる可能性も考えられます。
アスランが最後までカガリと結婚せずに終わる可能性が高い理由
『SEED』の結末で結ばれたと思われたアスランとカガリですが『DESTINY』での一時的な決別やカガリの方がアスランから贈られた婚約指輪を外していた様子により、この2人が永遠に結ばれない可能性も浮上し始めていました。
このようにアスランとカガリの結婚を遠ざけた理由として「お互いの身分や行動場所の違い」が大きく、2人のような「身分違いの恋」に対して、福田監督もテレビシリーズ本放送中の頃に語られており「オーブの首長(カガリ)と軍人(アスラン)の身分違いの恋が成就するとは思えない」という解釈だったそうです。
『DESTINY』でミーアやメイリン、ルナマリアなど、アスランに複数もの女性キャラ達との関係性をもたせていたのも「アスランはカガリと結ばれないまま終わる」という回答を視聴者たちに向けて遠回しに説明したかったのでは?とも解釈できますよね。
確かに極めて現実主義的なガンダムシリーズの物語では身分違いの恋など叶わないものと解釈する方が無難かもしれません。
それでも『ガンダムW』のヒイロとリリーナやの2人や『第08MS小隊』のシローとアイナのような例外的かつ奇跡的に結ばれたケースもあります。
そのため、劇場版でのストーリーや状況の変化において「アスランとカガリが正式に結ばれる奇跡」が起こることを祈ることは、公開前までの段階では決して無駄とも言い切れません。
カガリの種割れや劇場版での声優変更については「【ガンダムSEED】カガリの種割れ・その後 | 劇場版での声優変更の理由について」の記事を参照ください。
アスランがメイリンと結婚している可能性について
劇場版でのキャラデザが初公開された時点で「アスランはメイリンと結ばれたのでは?」と予想および考察したファンも多かったようです。
そのような理由として公式サイトでのキャラ紹介ページで「メイリンがアスランの右隣にいること」に加えて「メイリンの外見だけが大きく変更された点」が大きいです。
確かにキラ達が制服姿なのに対して、メイリンだけが私服姿の上に「人妻感が半端ない」と言われるような容姿に変更されていました。
このような大きな変化に対して、メイリンだけが『DESTINY』最終話の後に軍を退役した上で「アスランと秘密裏に結婚したのでは?」と考えてしまっても無理のない話ですよね。
劇場版でのメイリンの人生や立ち位置も実際に本編を視聴するまでは確定的なことは言えませんが…
『DESTINY』の最終戦にキラ達と共に宇宙に上がるメイリンが、カガリから「あいつ(アスラン)のことを頼む」と言われながら託されており、この台詞は最終戦だけでなく「終戦後の人生まで含まれていたのでは?」とも解釈できますね。
劇場版でのアスランの新機体とは
アスランが劇場版で搭乗する新機体とは、もちろん「イモータルジャスティス」と言いたいところですが…
ストーリー開始時から新型ジャスティスに搭乗する可能性はかなり低いかもしれません。
ここでは、アスランが劇場版で再登場した時に搭乗する機体および「どのような過程でイモジャに乗り換えるのか?」について、簡単に予想してみます。
劇場版ストーリー開始時ではブラックナイトに搭乗している?
アスランがストーリー開始時からイモジャに搭乗しない可能性に対して、劇場版で初登場する新機体「ブラックナイトシリーズ」が大きく影響しています。
ブラックナイトもキラのライジングフリーダム等と同じ予告PVで初公開されており、この機体には”色違いによるバリエーション”の形で複数の機体が存在しています。
おそらく、ブラックナイトシリーズはファウンデーションが所持するMSであり、アウラに仕えるオルフェやシュラ達がこの機体に搭乗してキラ達と戦う展開になるでしょう。
ただ、複数ものブラックナイト達の中でも“スコードシヴァ”にはスパイ活動を続けるアスランが乗り込んだ上で、敵や味方のフリをして他のパイロットたちを翻弄させる展開もあり得ます。
ブラックナイトシリーズの全体的な機体カラーがブラック系(黒色)であると同時に、胸部や武装の一部分には”機体ごとに異なるカラー”が施されています。
その中の一機であるスコードシヴァにはアスランのイメージカラーであるレッド(赤系)が、そのような予想や考察を湧き上がらせてしまうのでしょう。
確かにアスランの専用機と言えば、イージスやジャスティスなどのガンダム系MSですが『DESTINY』本編ではカガリを守るためなどの目的で一時的にザクウォーリアやグフイグナイテッドなどの量産機に搭乗したこともありましたからね。
シンから託される形でイモジャに乗り換える?
ブラックナイトに搭乗している可能性が高いアスランですが、それでもTV版から追い続けてきたファン達にとっては「劇場版でもジャスティスに乗ってほしい」という強い願いを抱いているはずです。
もちろんブラックナイトだけがアスランの搭乗機になるとは考えにくく、ストーリー後半や終盤に入ってからはイモジャに乗りながら持ってきたシンから託される形で乗り換える可能性も高いです。
その時に「この機体(イモジャ)には、あんたが乗った方がいい!」などと叱咤されながらも、イモジャに乗り換えたアスランがラスボスに挑んでいくという展開も熱いですよね。
まとめ
今回はアスランの出生や人生、嫌われた理由や種割れ(覚醒)も含めた上での強さについて解説しました。
一見は誰もが羨む出生や境遇のアスランですが、SEEDシリーズの中では家族や友人などの人間関係で最も悩まされてきたキャラクターでもあります。
さらに『DESTINY』最終話以降も平和な生活が続かず、キラ達とは別行動で任務を遂行してきた可能性が高いですが…
あまりにも辛い人生や人間関係に翻弄されてきたアスランこそ、劇場版の結末で最も報われるべきとも考えられますよね。
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